JPH0230103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はプレス機における金型交換作業を自動
化、省略化するための金型交換台車に関するもの
である。

〔従来の技術〕

プレス機における金型交換作業を自動化、省力
化するため本出願人は従来から例えば特公昭55−
48535号公報にて示されたような金型交換装置を
開発して来た。これはプレス機の一側に金型移送
台車を設け、該台車上には少なくとも２条以上の
ローラコンベヤを敷設しプレス機中に配置された
金型を台車上に引き出したり、或いは台車上の金
型をプレス機中に押し出したりできる搬送手段を
設けたものであつた。即ち、駆動モータに連繋さ
れたスプロケツトを台車上の一辺に鉛直面内で回
転動するように支承し、断面筐形のガイドレール
を該台車上に水平でかつ前記スプロケツトの接線
方向に延びるように敷設し、該ガイドレール内を
摺動するチエンを前記スプロケツトに巻掛すると
共に、該チエンの先端にガイドレールから上方へ
突出する金形係合用のフツクを設けてなり、該ス
プロケツトを旋回させチエンを牽引しまたは押し
出すことでプレス機中の金型を台車のローラコン
ベヤ上に移動させたり、台車のローラコンベヤ上
の金型をプレス機中に移動させたりしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の金型交換台車においては、台車をプ
レス機外からレールに沿つて自走する際、該台車
とプレス機との干渉を避けるため、前記ローラコ
ンベヤとガイドレールとはプレス機まで延設でき
ないため、ガイドレールと直線状に継がる延長ガ
イドレールをプレス機に差し渡してフツクが台車
上からプレス機まで到達するようにしなければな
らないことと、ローラコンベヤも台車からプレス
機まで架設する必要があるが、かかる延長ガイド
レールとローラコンベヤの設定は従来は人手によ
つて行なわねばならず自動化の障壁の一つとなつ
ていた。即ち、延長ガイドレールを不使用時に上
方へはね上げておく方式が考えられるが、上方へ
はね上げておくとその脱落を防ぐ手段が必要とな
つて構造が複雑化する問題があり、反対に不使用
時に下方に垂れ下げておくようにする方式では、
第５図に示される如く台車の高さは通常低いため
延長レールの長さが台車の高さによつて制限され
るという問題が生じるものであつた。

〔問題を解決するための手段〕

そこで本考案の金型交換台車は、レール上を自
走してプレス機の前面に横付けできる台車の上面
に該レールと直交する方向の少なくとも２条以上
のローラコンベヤを敷設し、該ローラコンベヤ上
に金型を支持し、該ローラコンベヤの先端とプレ
ス機のダイリフタとの水平面内離間距離が金型の
該ローラコンベヤと平行な寸法の半分以下でかつ
台車走行時に該ローラコンベヤの先端がプレス機
に干渉しない距離となるように設定し、さらに断
面筐形のガイドレールを該台車上に前記ローラコ
ンベヤと平行で該ローラコンベヤの搬送面より少
し低い位置となるように敷設し、駆動モータに連
繋されたスプロケツトを該ガイドレールの後端部
にて鉛直面内で回転動するように支承し、該スプ
ロケツト内に巻掛したチエンを該ガイドレール内
に摺動させると共に該チエンの先端にガイドレー
ルから上方に突出する金型係合用のフツクを設
け、プレス機と相対する該台車の側壁には前記ガ
イドレールと同じく断面筐形の延長ガイドレール
を先端が前記ダイリフタの至近距離に接近可能な
るように水平面内で旋回自在なるように軸支し、
該延長ガイドレールを旋回動させる動力源を設け
たものである。

〔実施例〕

図において、台車１はレール２，２を自走して
プレス機３の前面に横付けできるもので、該台車
１上にはローラコンベヤ４が４条に渡つて配設さ
れている。そのうちの外側の２条のローラコンベ
ヤは図示したようにプレス機３と相対する辺から
若干該プレス機に向つて突出しており、該プレス
機のダイリフタ２４と該ローラコンベヤ４の先端
との水平面内離問題距離ｍが該ローラコンベヤ４
上に乗る金型５の該ローラコンベヤ４と平行な寸
法の半分以下でかつ台車１の走行時に該ローラ
コンベヤ４の先端がプレス機３に干渉しない距離
となるように設定する。

また台車１のプレス機３と反対側の一辺に軸受
具６を設け該軸受具６によつて回転軸７を水平に
支承する。回転軸７にはスプロケツト８が固着さ
れている。回転軸７の一端は減速機付の駆動モー
タ９に連繋されている。従つて該駆動モータ９の
動力によつてスプロケツト８は鉛直面内で回転動
する。１０は台車１上でローラコンベヤ４と平行
でかつスプロケツト８の接線方向に延びるように
敷設された断面筐形のガイドレールで、該ガイド
レールは高さが前記ローラコンベヤ４の搬送面よ
り少し低い位置となるように敷設し、第４図に示
されるように、断面コ字形の一対の型材１１を対
向配置し、その型材間にチエン１２を配し該テエ
ン１２の両側に取付けたローラ１３を該型材１１
中に転動自在なるように位置させることで、該チ
エン１２をこのガイドレール１０中に摺動自在な
るように設ける。チエン１２はスプロケツト８に
巻掛すると共に、該チエン１２の先端にガイドレ
ール１０から上方へ突出する金型係合用のフツク
１４を設ける。このためスプロケツト８を回転さ
せるとチエン１２はガイドレール１０中を摺動し
フツク１４はこのガイドレール１０に沿つて進退
動する。このため金型５はその一側に設けられた
係合部１５にフツク１４が係合されローラコンベ
ヤ４上を移動する。

しかして、プレス機３と相対する該台車１の側
壁には軸受１６を突設し、これに支軸１７を沿直
に枢支する。支軸１７の上端の頭部１８に延長ガ
イドレール１９を載架する。延長ガイドレール１
９はガイドレール１０と同じ断面筐形で該ガイド
レールと直線状に継がり得るもので、その先端は
プレス機３のダイリフタ２４至近に達している。
なお延長ガイドレール１９の未端部は支軸１７を
中心とする円弧凸状辺２５に形成され、該円弧凸
状辺２５と相対するガイドレール１０の先端縁は
同心状の円弧凹状辺２６に形成されており、その
隙間は旋回時にも拡がることのないようにしてい
る。

２０はこの延長ガイドレール１９を支軸１７を
中心とし水平面内で旋回動させるシリンダで、該
シリンダ２０のピストン軸先端２１を支軸１７に
固着したレバー２２にピン２３をもつて枢着して
いる。

このように構成した金形交換台では、プレス機
３の前面に横付けして台車１のローラコンベヤ上
の金型５をプレス機３中に移動させるに当り、シ
リンダ２０のピストン軸を進出動させて延長ガイ
ドレール１９を実線で示したようにガイドレール
１０端よりも直線状に継がるようにローラコンベ
ヤと平行に張り出させる。そしてスプロケツト８
を回転させチエン１２をガイドレール１０中に繰
り出させフツク１４をもつて金型５をプレス機３
方向に押し出させる。そのとき金型５はローラコ
ンベヤ４から前記距離ｍだけ離れたプレス機３の
ホルスタに設けられたダイリフタ２４上に乗り移
り、フツク１４はガイドレール１０の先端から延
長ガイドレール１９中に進出し金型５をプレス機
３中の所定の設定位置まで押送させることができ
る。

またプレス機３中に設定されている金型を台車
１上に移動させるにはフツク１４を同様にその金
型の係合部に係合させスプロケツト８を反対側に
回転させる。しかして延長ガイドレール１９はシ
リンダ２０のピストン軸を収縮動させることによ
つて図中仮想線で示したように支軸１７を支点と
して水平面内で旋回し台車１の側壁に張り付いた
ような形態で収容される。このため台車１はレー
ル２，２に沿つて移動するに際してこの延長ガイ
ドレール１９が邪魔になることなく金型保管場所
まで往復できる。

なおこの実施例はプレス機３の正面に台車１を
配した例を示したが、プレス機３の背面にもこれ
と同じような台車を配して、金型交換時には新金
型を一方の台車に用意し旧金型を一方の台車に移
すと同時に新金型をプレス機に設定できるように
してさらに金型交換の所定時間を短縮できるよう
にしたものにも適用できる。

〔考案の効果〕

このように本考案の金型交換台車は、ローラコ
ンベヤの先端とプレス機のダイリフタとの水平面
内離間距離が金型の該ローラコンベヤと平行な寸
法の半分以下でかつ台車走行時に該ローラコンベ
ヤの先端がプレス機に干渉しない距離となるよう
に設定し、台車の側壁にはガイドレールと同じく
断面筐形の延長ガイドレールを先端がダイリフタ
の至近距離に接近可能なるように水平面内で旋回
自在なるように軸支し、該延長ガイドレールを旋
回動させる動力源を設けてなるので、延長ガイド
レールを旋回しガイドレールと直線状としフツク
を駆動させるだけの簡単な操作により金型をプレ
ス機と台車間で乗り移らせることにより金型交換
が容易になり金型交換作業の一層の自動化が達成
できる有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図、
第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面拡大図、第４図は
第１図の部分拡大図、第５図は第１図のＣ−Ｃ線
断面拡大図である。 １……台車、３……プレス機、５……金型、８
……スプロケツト、９……駆動モータ、１０……
ガイドレール、１２……チエン、１４……フツ
ク、１６……軸受、１７……支軸、１９……延長
ガイドレール、２０……シリンダ、ｍ……水平面
内離間距離、……金型寸法。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レール上を自走してプレス機の前面に横付けで
   きる台車の上面に該レールと直交する方向の少な
   くとも２条以上のローラコンベヤを敷設し、該ロ
   ーラコンベヤ上に金型を支持し、該ローラコンベ
   ヤの先端とプレス機のダイリフタとの水平面内離
   間距離が金型の該ローラコンベヤと平行な寸法の
   半分以下でかつ台車走行時に該ローラコンベヤの
   先端がプレス機に干渉しない距離となるように設
   定し、さらに断面筐形のガイドレールを該台車上
   に前記ローラコンベヤと平行で該ローラコンベヤ
   の搬送面より少し低い位置となるように敷設し、
   駆動モータに連繋されたスプロケツトを該ガイド
   レールの後端部にて鉛直面内で回転動するように
   支承し、該スプロケツト内に巻掛したチエンを該
   ガイドレール内に摺動させると共に該チエンの先
   端にガイドレールから上方に突出する金型係合用
   のフツクを設け、プレス機と相対する該台車の側
   壁には前記ガイドレールと同じく断面筐形の延長
   ガイドレールを先端が前記ダイリフタの至近距離
   に接近可能なるように水平面内で旋回自在なるよ
   うに軸支し、該延長ガイドレールを旋回動させる
   動力源を設けてなることを特徴とする金型交換台
   車。