JPS6232655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形機ダイカスト機あるいはプレ
ス機（以下単に成形機という）等の金型交換に用
いる金型搬送装置に関する。

従来より金型置場より金型を成形機まで運搬し
金型交換を迅速に行う方法として第１図のように
先ず成形機の金型取付板１にあつた金型２を鎖線
２ａで示すように台車３に移し、台車３を図中鎖
線３ａで示すように左方へ移し（中心線をＡから
Ｂへ）交換用に金型置場から塔載して来た金型４
を金型取付板１へ移載させる方法が知られている
しかし、この方法は台車が縦横比が１：２の横長
矩形となり、スペース的に大きく成形機工場の有
効なスペース的な活用面からは効率が良くない。

またスペース的に小さい、台車を１台使用する
場合にも先ず成形機に取付てあつた金型を取外し
台車に乗せた後、金型置場へ前記金型を持ち返
り、次いで交換用の金型を乗せて成形機まで運
び、取付を行うため、台車は１回の金型交換で金
型置場と成形機の間を２往復しなければならな
い。

また、例へ小さな台車２台の台車を用いたとし
ても、金型置場から成形機へ移動する際、１台は
交換用金型を乗せ、残り１台は空のまゝ成形機へ
行き、そこで成形機に取付てあつた金型を取外
し、前記空の台車へ乗せ、代りに交換用の金型を
成形機へ取付け、しかる後、金型置場へ返ること
になり、常に成形機と金型置場の間は空の台車を
引いて移動するので、非常に無駄が多い、さらに
金型運搬距離が長い場合には時間もかゝり非能率
的である。

本考案は前述のような欠点を取除き、効率のよ
い金型交換が出来る金型搬送装置を提供すること
であり、さらに詳しく本考案について説明する
と、成形機と金型置場の間を往復する金型搬送用
の台車を設けるとともに金型交換にあたり、成形
機に取付られていた金型を、交換用の金型が運ば
れて来る前に、あらかじめ取外し、他の台車の上
に乗せておき、交換用金型が金型搬送用台車で運
ばれ成形機に取付られた後は、空となつた交換金
型を乗せて来た前記搬送用台車に前記成形機から
取外した金型を移し換え、金型置場へ搬送用台車
で戻すようにしたもので、台車は２台使うが、１
台のみが成形機と金型置場の間を往来し、他の１
台は成形機に取付てあつた金型を、前記搬送用台
車が来るまでの間、一時的に乗せておくとともに
成形機から台車へ、台車から他の台車への金型の
移載を牽引チエーンで行うようにした金型搬送装
置である。

次に立型の型締装置を有する成形機を例に採り
第２図により本考案の１実施例を説明すると、１
１は成形機で固定プレート１２に金型１３が取付
られている。１４は成形機１１の金型取付位置Ａ
と図示してない金型置場および前記金型取付位置
Ａと成形機から取外した金型を一たん待期させて
おく待期位置Ｂとの間に設けたガイドレールで金
型搬送用台車１５および待期用台車１６を案内す
るものである。前記金型搬送用台車１５は成形機
１１と金型置場の間を往来し、金型置場から交換
用金型１７を持ち出し、金型取付位置Ａで成形機
１１内へ交換金型１７を搬入するとともに後述す
る待期用台車１６から今まで成形機１１に取付て
あつた金型１３を受取り、金型置場へ持ち帰るも
のである。前記待期用台車１６は金型取付位置Ａ
と待期位置Ｂの間を進退し、金型交換にあたり、
前記金型搬送用台車１５が交換金型を乗せて位置
Ａへ来る前に、第１図に示すように予め成形機１
１に取付てあつた金型１３を取外し同台車１６上
へ移動させるとともに台車１６自身は位置Ｂへ移
動するものである。

ここで台車の構成および作用動作について台車
１６の場合を例に採り第２図および第３図により
詳細に説明すると、台車１６の上面Ｃには互いに
直交するＸ，Ｙ方向に金型１３を搬送することの
出来るロールユニツト１８および１９が設けてあ
り、夫々搬送動作時のみ台車の上面Ｃより突出て
金型１３が転動するようになつている。

また、前記上面ＣにはＸ，Ｙ方向に溝２０およ
び２１が設けてあり、駆動モータと関連動作する
スプロケツト２２および２３には先端に金型１３
の係合部と係合自在な牽引フツク（図示せず）を
連結した牽引チエン２４および２５が掛架されて
いて夫々前記溝２０および２１内を走行して金型
を各々Ｘ，Ｙ方向へ押引きするようになつてい
る。

さらに前記牽引チエン２４および２５は直交し
ているため、夫々のチエン２４および２５が溝２
０および２１を通る時には溝部の交差部“イ”に
おいて不測動作が起きないよう溝切換板２６が設
けてあり、夫々のチエン２４および２５が走行す
る際にはガイド溝が不連続とならないようにして
いる。第４図ないし第５図により溝切換板２６に
ついて説明すると、前記溝切換板２６は前記溝２
０および２１と同一形状の溝２６ａが設けてあり
軸２７と一体的にベアリング２８によりホルダ２
９に対し、回動可能に支承されている。前記軸２
７にはピン３０を介してリンク３１の一端に連結
するアーム３２が系止されていて、前記リンク３
１の他端にはさらにピン３３を介してリンク３４
が連結されている。前記リンク３４に示すように
ローラ３５、および３６が取付られており、ガイ
ドプレート３７に設けた長穴となつたガイド穴３
８を転動するようになつている。

前記ローラ３６を支承するピン３９はＶ字形と
なつたリンク機構４０の開き部の上部の終端に位
置しており、他の開き部の終端であるピン４１が
前記ガイドプレート３７に固定されていて、前記
Ｖ字形の底部のリンク交差部４２を矢印ｂのよう
に上部へ向つて押上ると、前記開き部の上部終端
にあるピン３６が他の開き部４１に対して離れる
図中矢印ｄ方向に移動し、前記リンク３４を図中
右へ押し、前記リンク３４の他端に取付たローラ
３５が前記長穴となつたガイドプレート３７のガ
イド穴３８を終端まで走つたとき、前記軸２７に
取付たアームが第４図の鎖線３２ａで示すように
し溝２０および２１の切換が行われるようになつ
ている。

以上説明したように、待期台車および搬送用台
車間の搭載金型の移し換えおよび、成形機と各台
車との間の金型の搬入、搬出は牽引チエンにより
行うとともに、同牽引チエンの走行用ガイド溝は
その交差部で前記チエンの走行方向と一致するよ
うに切換が可能なため、迅速でしかも安全で効率
の良い金型交換および搬送が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の金型搬送装置の図。第２図およ
び第３図は本考案による１実施例を示す図で第２
図はその平面図、第３図は第２図のＺ矢印図、第
４図および第５図は溝切換板の説明図で第４図は
第２図の“イ”部の詳細図、第５図はその側面
図。 １２……固定プレート、１４……ガイドレー
ル、１５……金型搬送用台車、１６……待期用台
車、１８，１９……ロールユニツト、２０，２１
……溝、２２，２３……スプロケツト、２４，２
５……牽引チエン、２６……溝切換板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 成形機の金型取付位置を中に、一方に金型置
   場、他方に成形機から取外した金型を一たん待
   期させる金型待期位置としたレールと、前記金
   型置場と金型取付位置との間を金型を乗せて前
   記レール上を往復し、金型交換に際し、前記金
   型取付位置で前記金型置場からの金型を成形機
   へ取付るとともに、前記金型の取付後に、後述
   する待期用台車に移されている成形機に取付ら
   れてあつた金型を前記待期用台車から受取り金
   型置場へと戻すようにしている金型搬送用台車
   と、前記金型取付位置と金型待期位置の間の前
   記レール上を往復し、金型交換に際し、金型取
   付位置で成形機に取付られてあつた金型を取外
   し、乗せた後、前記金型取付位置より前記待期
   位置へと移動し、前記金型搬送用台車が金型取
   付位置で金型置場からの金型を成形機へ取付終
   つた時、前記金型搬送用台車へと当接し、前記
   成形機から取外した金型を台車へと移し変える
   ようにした待期用台車から成り、前記金型搬送
   用と待期用の両台車の上面に夫々直交する二方
   向に独立して搭載金型を搬送する駆動機構を設
   け、前記夫々の駆動機構に牽引フツクの駆動モ
   ータと関連動作するスプロケツトを支承し、こ
   のスプロケツトには先端に金型の係合部と係合
   自在な牽引フツクを連結した牽引チエンを掛架
   せしめるとともに、前記牽引チエンの両側に金
   型搬送方向に一致して金型上面に突出されるよ
   うに構成されたローラコンベアを夫々設けた金
   型交換装置において、前記台車の上面に前記牽
   引チエンが走行するガイド用の溝を設けるとと
   もに同溝の直交部に金型搬送方向に溝切換用の
   回動装置を設けたことを特徴とする金型搬送装
   置。 (2) 前記実用新案登録請求第１項記載の金型交換
   装置において、前記溝切換用の回動装置を空圧
   又は油圧シリンダにより回動させることを特徴
   とする金型搬送装置。