JPS647098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、搬送物である台車等の貯蔵機能を具
備したコンベヤに関するものである。

従来、自動二輪車・自動四論車、その他の機械
器具類等の組立て・塗装等の作業において、上記
対象物を搬送する場合には、床上走行コンベヤ
（以下、単にコンベヤという）が多く用いられて
いる。しかしコンベヤによつては、単に搬送物を
連続的に搬送する場合のみならず、断続的にしか
も上記搬送物を一旦停止もしくは貯蔵できる機能
をも有するコンベヤが組立て・塗装等の製造ライ
ンにおいて必要な場合が多く、従来もこの種コン
ベヤが開発・改良され使用されている。

例えば、第１図に示すように運搬側と戻り側と
に並列にコンベヤを設け、所定の位置で搬送物を
該コンベヤに装着したローラ上を滑らせながら貯
蔵する機能を有するもの、さらにはワイヤーロー
プを常時走らせておき、該ワイヤーロープを挟持
して搬送物が搬送され、ある位置でワイヤーロー
プの挟持を自動的に解いて貯蔵する機能を有すも
の等（図示せず）存在している。

本考案に係るコンベヤチエーンは、上記コンベ
ヤと同じ目的に使用されるものであり、従来のコ
ンベヤ装置における設備の過大化、貯蔵機能の不
完全性、さらには自動化の問題等の不備を解消す
るため、チエーンピツチ間にウエイトを装着して
シーソー運動をする金具、チルチングドツクを装
備したもので、該チルチングドツクにより搬送物
の運搬、停止、さらには貯蔵の三つの機能を満足
し、具体例としては、自動二輪車・自動四論車等
の製造ラインにおける作業の自動化、省力化を目
的としたものである。

以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。説明にあたり、実搬送においては
台車１上に搬送物を載置して搬送するが、それら
の搬送物は省略し、台車１を搬送物としている。
該台車１は搬送物である機械部品等を載せる上板
１１，該上板１１を支持し、レール１３上を走行
させる走行ローラ１２、さらに走行中の横振れを
防止する振れ防止ローラ１４、後述するチルチン
グドツクが当たる搬送金具１５、後尾の上板１１
に取り付けた補助板２７の終端に固定した梯形状
の停止板１６とから構成されており、一方、本考
案にかかるコンベヤチエーン２は、ローラ１７を
介してレール１８上を走行し、該コンベヤチエー
ン２は適当な間隔毎に逆Ｔ型リンクプレート１９
で連結（第２図では１ピツチおきの３ピツチ）さ
れ、前記逆Ｔ型リンクプレート１９の上部にはチ
ルチングドツクを一定角度回転自由に軸３０によ
り軸支した支持具２１を固定している。また、該
チルチングドツクは、Ａ，Ｂ，Ｃの３対を１組と
し、詳しくはコンベヤチエーン２の進行方向から
チルチングドツクＡには右端にウエイト２２ａ
（以下、夫々のチルチングドツクとの関係を示す
ため符号に加えてａ，ｂ，ｃを付記する）を、チ
ルチングドツクＢには左端にウエイト２２ｂと右
端にはロール２３ｂを、さらにチルチングドツク
Ｃには右端にウエイト２２ｃとロール２３ｃを
夫々装着している。該コンベヤチエーン２は台車
１の中立面の両端に配設されたスプロケツト２４
に掛架され、該スプロケツト２４の駆動によつて
コンベヤチエーン２を走らせ、チルチングドツク
が搬送金具１５と当接して台車１を牽引する。

ついで、チルチングドツクＡ，Ｂ，Ｃの作動を
説明すると、まず運搬側では先頭のチルチングド
ツクＡは右端にウエイト２２ａを装置するが、支
持具２１ａに固着したピン２５ａに当たり略水平
状態に支承され、チルチングドツクＢは左端にウ
エイト２２ｂが装着されているため、第２図のよ
うに逆Ｔ型リンクプレート１９の肩部１９ｂにチ
ルチングドツクＢの先端が当接して右上がり状態
となつており、かつ該チルチングドツクＢのウエ
イト２２ｂの反対側にはロール２３ｂを取付け、
チルチングドツクＣは右端にウエイト２２ｃとロ
ール２３ｃを装着し、逆Ｔ型リンクプレート１９
の肩部１９ｃにチルチングドツクＣの先端が当接
して右下がり状態となり、結局、傾斜起立したチ
ルチングドツクＣの左端が搬送金具１５に当たり
台車１を牽引・搬送する。ここで、上記肩部１９
ｂ，１９ｃ，さらに１９ａはチルチングドツク
Ｂ，Ｃ，Ａを一定傾斜に起立させるための回動規
制部材、すなわちストツパーの１形態であつて、
その他適当なストツパーを採用することが可能で
ある。搬送されてきた台車１は所定の位置でシリ
ンダー等で作動するストツパー２６の傾斜状の先
端が該チルチングドツクＣのロール２３ｃに当た
り、右下がり状態のチルチングドツクＣの右端を
該ストツパー２６により掬い上げ、搬送金具１５
と当接している左端は解放され、台車１との係合
を解くこととなり台車１は停止する。さらに後続
の台車１は、先行停止している台車１の後尾の補
助板２７に固定された停止板１６により前記スト
ツパー２６と同じような役目をし、チルチングド
ツクＣの右端を掬い上げるから後続の台車１も停
止することとなる。以下、順次台車１を貯蔵・滞
留することができ、また、台車１がコンベヤチエ
ーン２の走行速度より速く自走しようとするとき
には右上がり状態となつているチルチングドツク
Ｂで搬送金具１５を支持して、上記自走を防止す
る。所定の作業完了とともに台車１を停止するた
めのストツパー（図示していない）を人為的もし
くは機械的に解除し、かつストツパー２６を解除
するとコンベヤチエーン２の走行に伴い再びチル
チングドツクＣの左端が搬送金具１５と当接して
牽引・運搬を開始する。

さらに、戻り側ではコンベヤチエーン２並びに
台車１はスプロケツト２４を介して旋回するチル
チングドツクＡ，Ｂ，Ｃおよび台車１はそれぞれ
コンベヤチエーン２の下方に位置し、チルチング
ドツクＡはウエイト２２ａにより回動し、該チル
チングドツグＡの右端が逆Ｔ型リンクプレート１
９の肩部１９ａと当接して右上がり状態に、チル
チングドツクＢはウエイト２２ｂによつて回動し
て、該チルチングドツクＢの左端が逆Ｔ型リンク
プレート１９の肩部１９ｂと当接するから右下が
り状態にされ、さらにチルチングドツクＣは該ウ
エイト２２ｃの重量差と支持具２１ｃに取付けら
れたピン２５ｃによつて回動は阻止され、略水平
状態に軸３０ｃとピン２５ｃとで支承・保持され
る。なお、前述のピン２５ａおよびピン２５ｃは
支持具２１ａまたは２１ｃに夫々固定したが、そ
の使用目的がチルチングドツクＡおよびＣの回動
を一定にするためであるので、図示していない
が、チルチングドツクＡもしくはＣに直接固定し
てもよい。戻り側において台車１はチルチングド
ツクＢの右端が搬送金具１５に当たり台車１を搬
送し、台車１が自走しようとする場合には、左下
がりとなつているチルチングドツクＡの左端が搬
送金具１５と当接して自走防止を行なう。搬送側
と同様、戻り側でも後続の台車１は前の台車１の
後尾に設けた停止板１６によりチルチングドツク
Ｂの左端が下がり搬送金具１５から解除され、必
要な箇所で次々と停止・貯蔵することができる。

以上述べたように、チルチングドツクＡ，Ｂ，
Ｃは、例えば、搬送側においては、チルチングド
ツクＣはコンベヤチエーン２の進行に伴つて台車
１の搬送金具１５と係合し牽引し、該チルチング
ドツクＣの前方のチルチングドツクＢは台車１の
自走を防止し、戻り側ではチルチングドツクＢが
台車１の搬送金具１５と係合して牽引、チルチン
グドツクＡは自走を防止するというように、夫々
三つの異なる目的を有し、所定位置でチルチング
ドツクＡ，Ｂ，Ｃと搬送金具１５との係合を強制
的に解除することで台車１は停止し、後続の台車
１は先行して停止した台車１の停止板１６が夫々
ロール２３ｂもしくは２３ｃを掬い上げて搬送金
具１５との係合関係を解き、先行の台車１に後続
の台車１が追突する事前に停止させるから、先行
の台車１には追突の衝撃はなく、台車１を貯蔵・
停留することとなるし、コンベヤラインが傾斜す
る場合でもチルチングドツクＢもしくはＡと搬送
金具１５によつてその走行速度を常にコンベヤチ
エーン２の走行速度と同一になるように制御し、
戻り側においてもその必要箇所での台車１の停止
と併せて貯蔵・滞留が可能であるから、台車１を
制限したいとき、コンベヤチエーンの停止を行な
うことなく、運搬側もしくは戻し側で台車１を停
止させ、後続の台車１はコンベヤチエーン２の走
行を続行しながら停止して貯蔵し、かつ滞留でき
るので、作業時間を充分にとり安全に確実な工程
作業を遂行できる。しかもチルチングドツクＡ，
Ｂ，Ｃにはウエイト２２を夫々取付け、その自重
による制御を行なうようにしたから、コンベヤラ
イン上における制御装置を特別必要とすることな
く、運搬と停止、停止に伴う滞留・貯蔵と併せ
て、台車１の旋回を行なわせ、製造ラインの作業
に追従して制御でき、コンベヤチエーン２および
それに設けたチルチングドツクＡ，Ｂ，Ｃは運搬
側であつても、戻り側でも有効に台車１を制御す
る等、その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来使用されている貯蔵式コンベヤの
概略図であり、第２図および第３図は本考案に係
る実施例で、第２図は該構成を示す一部側面図、
第３図は断面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に配置されたスプロケツト２４，２４に掛
   架され、レール１８上を走行するローラ１７付き
   コンベヤチエーン２と該コンベヤチエーン２の外
   周に沿設されたレール１３上をコンベヤチエーン
   ２によつて搬送される台車１，１…とから成るコ
   ンベヤ装置の上記コンベヤチエーン２において、
   各ピツチ毎に配列されている小判形リンクプレー
   トに代えて逆Ｔ型リンクプレート１９を一定間隔
   をおいて３ピツチ分だけ配列し、該逆Ｔ型リンク
   プレート１９，１９，１９にそれぞれ支持具２１
   ａ，２１ｂ及び２１ｃを突設して、該支持具２１
   の端に設けた軸３０にそれぞれチルチングドツク
   Ａ，Ｂ，Ｃを回動自在に軸支し、先頭のチルチン
   グドツクＡの進行方向に対し後方端にはウエイト
   ２２ａを装着し、該チルチングドツクＡがほぼ水
   平に保たれるように、ウエイト２２ａを支えるた
   めのピン２５ａ等の回動規制具を取着し、中間の
   チルチングドツクＢの前方端にはウエイト２２ｂ
   を後方端にはロール２３ｂをそれぞれ装着して進
   行方向前方に傾斜した状態に保ち、さらに後部の
   チルチングドツクＣの後方端にはウエイト２２ｃ
   とロール２３ｃを装着して進行方向後方に傾斜し
   た状態に保つと共に、戻り側で逆転した状態で該
   チルチングドツクＣがほぼ水平に保たれるよう
   に、該ウエイト２２ｃを支えるためのピン２５ｃ
   等の回動規制具を取着し、又上記チルチングドツ
   クＡ，Ｂ，Ｃの端が台車１下方に取着された搬送
   金具１５に当接して、該台車１を搬送したり、逆
   に台車１の自走防止を行なうことができるように
   一定傾斜を保つて起立し、回動が阻止され得るス
   トツパーを形成し、台車１，１…の搬送側ではチ
   ルチングドツクＣが搬送金具１５と係合し、自走
   防止はチルチングドツクＢにより、停止させる場
   合には適当な箇所に設置されたストツパー２６が
   該チルチングドツクＣのウエイト２２ｃを持ち上
   げて搬送金具１５から離脱し、後続の台車１は台
   車後尾に取着された停止板１６によつて該チルチ
   ングドツクＣを搬送金具１５から離脱させ、逆に
   戻り側ではチルチングドツクＢにより搬送し、自
   走防止はチルチングドツクＡによつてなされるこ
   とで、台車１の搬送、停止、貯蔵を行ない得る貯
   蔵式コンベヤ。