JPH051398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、輪転印刷部を複数個交換可能にした
交換胴型輪転印刷機に関するものである。

〔従来の技術〕

交換胴型の輪転印刷機にあつては、交換胴を交
換する作業は仕事の切換え時間の中で大きな比率
を占めている。

従来の技術における上記交換胴の交換は、輪転
印刷機の近くまで台車あるいはウインチ等で運ば
れてきた交換胴を人力でもつて輪転印刷機の交換
胴位置に装着し、また引き出すことによつて行な
われていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この場合、多色印刷機等のように印刷ユニツト
の数が多いときや、交換胴の重量が大きいときに
は、人力による交換作業では時間がかかり過ぎ、
それだけ機械の稼動時間が減少し、能率が悪くな
る。また特に交換胴の重量が大きい場合には人力
では交換作業が不可能になることがあり、かつ交
換作業に大きな危険が伴うという問題があつた。

（問題点を解決するための手段及び作用〕 本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、輪転印刷機の交換胴装着部に対向する位置ま
で搬送されてきた交換胴を、機械的に装着及び離
脱することができて、交換胴の交換時間の短縮と
作業者の危険防止を図ることができるようにした
交換胴型輪転印刷機を提供しようとするものであ
り、その構成は、左右に離間するフレームにて構
成される印刷機本体の一側部に略コ字状にした交
換胴装着部を有し、この交換胴装着部に、左右に
離間するフレーム間に胴部を横架してなる複数種
の交換胴を交換可能に、かつ左右方向に対して位
置決め可能に装着するようにした交換胴型輪転機
において、各交換胴の左右のフレームの下部に、
交換胴の装着方向に複数個の送り用ブロツクを一
定のピツチで設けると共に、装着方向奥側に固定
軸を設け、また印刷機本体の交換胴装着部の下側
部の前後方向両側で、かつ交換胴の装着方向入口
部に、上記交換胴の送り用ブロツクに噛合する送
り車を駆動部に連結して設けると共に、交換胴装
着部の下側部の左右方向両側に交換胴の下面に当
接してこれを案内する複数個のローラフオロアを
上下動可能にして設け、さらに交換胴装着部の奥
部に、交換胴の固定軸に係脱自在に係合する摺動
片を交換胴の装着方向に摺動可能に設けた構成と
なつており、ローラフオロアを上動させた状態で
送り車を回転駆動することにより交換胴は印刷機
本体の交換胴装着部の下側部上面から離間した状
態で装着方向に移動される。装着方向の終端部で
は交換胴の固定軸に摺動片を係合してこの摺動片
を装着方向に摺動することにより交換胴は装着状
態に固着される。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図中１は交換胴型輪転印刷機の本体、２はこの
印刷機本体１に対して交換可能に装着される交換
胴である。

上記印刷機本体１は印刷紙の走行方向に対して
左右方向に離間対向された左右のフレーム１ａ，
１ｂからなり、この両フレーム１ａ，１ｂに上記
交換胴２が装着される交換胴装着部３が略コ字状
に形成されている。そしてこの交換胴装着部３の
下側部上面４は水平に形成されており、これの下
側部に交換胴移動装置５が設けてあり、また奥側
部に固定装置６が設けてある。

交換胴移動装置５は第１図から第４図に示すよ
うになつている。この交換胴移動装置５は左右の
フレーム１ａ，１ｂに同一構成で、かつ前後で対
称状に設けられており、以下にその一方について
説明する。

交換胴装着部３の下側部上面４には交換胴２の
移動方向に溝７が設けてあり、この溝７に複数個
の、例えば４個の偏心カム８がそれぞれ回動軸９
と一体状にして配設してある。そしてこの各偏心
カム８にローラフオロア１０が回転自在に嵌合さ
れている。上記各回動軸９はフレーム１ａの外側
に突出しており、この各回動軸９の端部にレバー
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄの一端が固着し
てあり、この各レバー１０ａ〜１０ｄは連結レバ
ー１１にて連結されている。また上記各レバー１
０ａ〜１０ｄのうちの１本のレバー１０ｂの先端
に、フレーム１ａ側に装着されたエアシリンダ装
置１２の先端が連結されており、このエアシリン
ダ装置１２を伸縮動することにより、連結レバー
１１及び各レバー１０ａ〜１０ｄを介して各回動
軸９が同期回動されるようになつている。そして
エアシリンダ装置１２を短縮動したときの各回動
軸９の回動により各ローラフォロア１０の上側周
面が溝７内で所定寸法、例えば0.5mmにわたつて
上動するようになつている。

交換胴装着部３の入口下部の内側に送り車１３
がフレーム１ａに固着した軸１４に支承して設け
てある。この送り車１３はスプロケツト１３ａに
ローラ付きチエン１３ｂを巻きつけた構成となつ
ており、ローラ付きチエン１３ｂの各ローラ１３
ｃが送り歯の役目をするようになつている。送り
車１３には従動スプロケツト１５が同心状に設け
てあり、この従動スプロケツト１５と、フレーム
１ａの下部に支承した駆動スプロケツト１６とに
チエン１７が巻き掛けてある。そして左右のフレ
ーム１ａ，１ｂ側の両駆動スプロケツト１６，１
６は同一の駆動軸１７にて連結され、同期駆動さ
れるようになつている。駆動軸１６ａの一端には
モータ１８が連結されている。

交換胴装着部３の奥側部に設けた固定装置６は
第１図及び第５図から第７図に示すようになつて
いる。この固定装置６も左右のフレーム１ａ，１
ｂの内側に同一構成で、かつ対称状に設けられて
おり、以下にその一方について説明する。

フレーム１ａの内側に摺動片１９が、フレーム
１ａに固着されたガイド２０，２０に案内されて
水平方向に摺動自在に支持されている。この摺動
片１９には窓穴２１が設けてあり、この窓穴２１
に偏心カム２２が嵌挿してあり、この偏心カム２
２を回動軸２３を中心に回動することにより上記
摺動片１９が水平方向にｌにわたつて往復動する
ようになつている。上記回動軸２３は左右の偏心
カム２２，２２と一体状になつており、これの一
端部が一方のフレーム１ａの外側に突出してあ
り、この端部にレバー２４の一端が固着されてい
る。そしてこのレバー２４の他端にはフレーム１
ａ側に支持されたエアシリンダ装置２５の先端が
連結されており、このエアシリンダ装置２５を短
縮動したときに摺動片１９が交換胴２を押し出す
方向に移動し、伸長動したときに引き込む方向に
移動するようになつている。

上記摺動片１９の先端部は交換胴装着部３に臨
ませてあり、この先端部はヨーク状になつてい
る。そしてこのヨーク状部にはヨーク状部を閉じ
るロツクロツド２６が摺動自在に設けられてお
り、このロツクロツド２６の基部は連結部材２７
を介して摺動片１９に設けられたエアシリンダ装
置２７ａに連結してある。２６ａはガイドロツド
である。

交換胴２は上記印刷機の本体１の左右のフレー
ム１ａ，１ｂと同間隔にした左右の交換胴フレー
ム２８ａ，２８ｂと、この両交換胴フレーム２８
ａ，２８ｂ間に架け渡し支持された互いに接触す
る２個のブランケツト胴２９，３０と、各ブラン
ケツト胴２９，３０に転接する２個の版胴３１，
３２とからなつており、両ブランケツト胴２９，
３０の間に印刷紙が通ることによりこの印刷紙の
表と裏に印刷されるようになつている。上記各胴
２９〜３２は図示しない歯車にて連結して同期回
転するようになつており、最上部の胴３１が印刷
機本体１側の駆動歯車に連結されるようになつて
いる。

この交換胴２の左右の交換胴フレーム２８ａ，
２８ｂの下端面には上記本体１のフレーム１ａ，
１ｂの下側部上面４に設けた溝７に嵌合する突条
３３が固着されている。また両フレーム２８ａ，
２８ｂの下部の内側面に上記送り車１３の各ロー
ラ１３ｃのピツチと同じピツチで複数の送り用ブ
ロツク３４が送り車１３に噛合する位置に設けて
ある。上記突条３３の下面はローラフオロア１０
の上側周面に当接し、このローラフオロア１０に
よつて上動されるようになつている。

また交換胴２の奥側には、本体１側に設けた固
定装置６の摺動片１９のヨーク状部に嵌合する固
定軸３５が両フレーム２８ａ，２８ｂ間にわたつ
て横設してある。なお上記ヨーク状部と固定軸３
５との嵌合は上下方向に若干の余裕がとられてい
る。また上記固定軸３５は前後のフレーム２８
ａ，２８ｂ間を連結する長さにせず、両フレーム
２８ａ，２８ｂより所定の長さだけ突出する形状
にしてもよい。また両フレーム２８ａ，２８ｂの
奥側の両内側部は、固定装置６の摺動杆１９の外
側面に隙間なく対向し、これによつて装着時にお
ける交換胴２の左右方向の位置決めがなされるよ
うになつている。

上記構成における作用を以下に説明する。

(1) 交換胴の装着、 台車３６にて交換胴２を本体１の交換胴装着部
３の手前側に搬入する。このとき、第１図の鎖線
で示すように、交換胴２はこれの下端が交換胴装
着部３の下側部上面４に対して若干離間する高さ
に上昇され、かつ交換胴２の奥側の一部が交換胴
装着部３内に挿入した状態で搬入する。

またこのとき、交換胴移動装置４のエアシリン
ダ装置１２を短縮動して各ローラフロア１０を上
昇させておくと共に、固定装置６のエアシリンダ
装置２５を短縮動して摺動片１９を押し出してお
く。

ついで台車３４のリフト装置３７を下降させて
交換胴２の下端面に固着した突条３３をフレーム
１ａ，１ｂの溝７，７に嵌合し、かつその下面を
カムフオロア１０の上側周面に当接させる。この
状態で交換胴２の両フレーム２８ａ，２８ｂの下
端面は本体１の交換胴装着部３の下側部上面４に
対して上記カムフオロア１０の上昇分だけ離間さ
れている。またこの状態で送り車１３のローラ１
３ｃの１個が交換胴２の送り用ブロツク３４に噛
合する。

ついで送り車１３を送り込み方向に回転する。
これにより交換胴２はフレーム１ａ，１ｂの下側
部上面４の溝７に案内されながら台車３４のリフ
ト装置３７の上面からカムフオロア１０上をころ
がり送り込まれる。そしてこの送り込み動作は交
換胴２の送り込み終端の少し手前で停止する。こ
の状態で固定装置６の押し出し状態にある摺動片
１９のヨーク状部に交換胴２の固定軸３５が嵌合
されると共に、両摺動片１９の外側面が交換胴フ
レーム２８ａ，２８ｂの両内側面に当接して交換
胴２の左右方向の位置決めがなされる。

ついで交換胴移動装置４のエアシリンダ装置１
２を伸長動してカムフオロア１０を下動する。こ
れにより交換胴２の両フレーム２８ａ，２８ｂの
下端が本体１の交換胴装着部３の下側部上面４に
当接する。一方固定装置６の摺動片１９のヨーク
状部に設けたロツクロツド２６をエアシリンダ装
置２７ａにより閉じて交換胴２の固定軸３３と摺
動片１９とを交換胴２の送り込み方向に係止し、
ついで固定装置６のエアシリンダ装置２５を伸長
動して摺動片１９を引き込む方向に移動する。

上記動作により交換胴２は輪転印刷機の交換胴
装着部３に装着される。

(2) 交換胴の離脱、 上記交換胴２の装着状態から、この交換胴２を
他交換胴と交換すべく、これを交換胴装着部３か
ら離脱するには上記作動を逆に行なうことによつ
てなされる。

上記作用(1)において、交換胴移動装着４のロー
ラフオロア１０の下動は、固定装置６による固定
動作が終了してから行なつてもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、輪転印刷機の交換胴装着部３
に対向する位置まで搬送されてきた交換胴２を、
機械的に装着固定及び離脱させることができ、こ
れにより、交換胴２の交換時間の短縮と作業者の
危険防止を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
正面図、第２図は交換胴移動装置部を一部破断し
て示す平面図、第３図は第２図の−線方向か
ら見た交換胴の装着状態を示す作用説明図、第４
図は第３図の線矢視図、第５図は固定装置部の
破断平面図、第６図は第５図の−線に沿う断
面矢視図、第７図は第６図の線矢視図である。 １は印刷機本体、１ａ，１ｂ，２８ａ，２８ｂ
はフレーム、２は交換胴、３は交換胴装着部、１
０はローラフオロア、１３は送り車、１９は摺動
片、３４は送り用ブロツク、３５は固定軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右に離間するフレーム１ａ，１ｂにて構成さ
   れる印刷機本体１の一側部に略コ字状にした交換
   胴装着部３を有し、この交換胴装着部３に、左右
   に離間するフレーム２８ａ，２８ｂ間に胴部を横
   架してなる複数種の交換胴２を交換可能に、かつ
   装着状態で左右方向に対して位置決め可能に装着
   するようにした交換胴型輪転機において、各交換
   胴２の左右のフレーム２８ａ，２８ｂの下部に、
   交換胴２の装着方向に複数個の送り用ブロツク３
   ４を一定のピツチで設けると共に、装着方向奥側
   に固定軸３５を設け、また印刷機本体１の交換胴
   装着部３の下側部の左右方向両側で、かつ交換胴
   ２の装着方向入口部に、上記交換胴２の送り用ブ
   ロツク３４に噛合する送り車１３を駆動部に連結
   して設けると共に、交換胴装着部３の下側部の左
   右方向両側に交換胴２の下面に当接してこれを案
   内する複数個のローラフオロア１０を上下動可能
   にして設け、さらに交換胴装着部３の奥部に、交
   換胴２の固定軸３５に係脱自在に係合する摺動片
   １９を交換胴２の装着方向に摺動可能に設けたこ
   とを特徴とする交換胴型輪転印刷機。