JPH0627232Y2 - 金型交換台車の金型移送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、金型交換台車の金型移送装置に関し、特にチ
ェーンコンベヤーを金型交換台車の両側に突き出して金
型を交換したり、移送したりすることができる金型交換
台車の金型移送装置に関する。

従来の技術 近年、物流システムの発展にともない、プレスシステム
にあっても、プレス装置に使用する金型を金型交換台車
に搭載し、金型交換台車を金型収納ラックに格納した
り、取り出してプレス装置に金型を交換することが行わ
れている。

考案が解決しようとする課題 しかし、プレス装置や金型収納ラックと金型交換台車と
の間は一定の間隔があいているため、金型を交換した
り、移送するのに金型移送装置を一定量オーバーハング
状態として行わねばならなかった。

そのため、従来の金型交換台車の金型移送装置では、金
型交換台車の一方向でしか金型を交換したり、移送した
りすることができず、金型交換台車の両側で金型を交換
したり、移送したりする場合には、金型移送装置をオー
バーハングして移送する駆動装置をもう１台設置する必
要があった。そして、同一台車上に装備できない場合に
は、金型交換台車以外に設置しなければならず、コスト
が高くなり、設置スペースも余分に必要とするものであ
った。

課題を解決するための手段 本考案は上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を
解決するために、プレス装置や金型収納ラックに金型を
交換したり、移送したりしてこれらの間を搬送するよう
にした金型交換台車の金型移送装置において、金型の移
送方向の両端部に被係止具をそれぞれ突設し、金型交換
台車にエンドレスコンベヤー等のチェーンコンベヤーを
金型の移送方向に正逆転駆動自在に架設するとともに上
記チェーンコンベヤーに金型の両端の被係止具の間隔な
いしそれ以上の距離をへだてて被係止具に係合して金型
を金型交換台車側に引き寄せ、または金型を金型交換台
車から押し出せるように係止具をそれぞれ取着し、さら
にプレス装置と金型交換台車との間隙および金型収納ラ
ックと金型交換台車との間隙量だけ上記チェーンコンベ
ヤー部を金型交換台車の両側へそれぞれ突き出し駆動自
在に両側突き出し装置を配設したことを特徴とする金型
交換台車の金型移送装置を提供するにある。

作用 本考案によれば、金型をプレス装置に交換したり、金型
収納ラックから取り出したり、格納するにあっては、金
型交換台車を走行してプレス装置または金型収納ラック
に対向させ、両側突き出し装置を所定方向側に駆動すれ
ば、チェーンコンベヤー部はプレス装置または金型収納
ラックに接近できる。そしてチェーンコンベヤーを駆動
すれば、チェーンコンベヤーに取着した係止具が旋回し
ていって金型の前端面に突設した被係止具に係合し、金
型を金型交換台車に引き寄せられる。

また、金型交換台車からプレス装置または金型収納ラッ
クへ移送するときには、チェーンコンベヤーを駆動すれ
ば、係止具が旋回していって金型の後端に突設した被係
止部に係合し、金型を押し出し、両側突き出し装置を駆
動して完全にプレス装置または金型収納ラックに移送で
きる。

チェーンコンベヤーを正逆駆動自在とし、両側突き出し
装置で金型交換台車の両側にそれぞれ突き出し自在とし
ていることによって、金型交換台車の両側で金型を簡単
に移送することができる。

実施例 以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。

第１図以下は、本考案の一実施例である。金型交換台車
１は、第１図のように金型収納ラック２とプレス装置３
との間に配設していて、これらの間に敷設したレール４
の上を走行して金型５を搬送自在としている。金型交換
台車１は、第２図のように走行駆動装置（図示せず）で
走行自在とした台車６に並設した金型移送装置７を昇降
装置８で昇降駆動自在に搭載して形成している。

上記金型移送装置７は、第２図のように金型５の移送方
向に、金型交換台車１のほぼ全幅にわたってエンドレス
コンベヤーのチェーンコンベヤー９をスプロケットホイ
ール１０、１１に架設し、所定の減速機付のチェーンコ
ンベヤー駆動用電動機（図示せず）でチェーンコンベヤ
ー９を正転、逆転自在に所定の速度で駆動制御するよう
にしている。そして、第２図〜第４図のようにチェーン
コンベヤー９にブロック状の係止具１２、１３をほぼチ
ェーンコンベヤーの架設距離だけ隔てて取着し、金型５
の両端面に細長いフック状に突設した被係止具１４、１
５に係合するようにして金型５を引き寄せたり、押し出
したりできるようにしている。

また、金型移送装置７は、台車６に装置した摺動部材１
６に金型移送方向に対して摺動可能に搭載していて、図
のようにチェーンコンベヤー９の下方部に正逆駆動モー
ター１７にボールねじ１８を連結して形成した両側突き
出し装置１９にねじ部材２０を介して係合し、両側突き
出し装置１９の正逆転駆動モーター１７によってチェー
ンコンベヤー９全体を第３図、第４図のようにプレス装
置３や金型収納ラック２と金型交換台車１との間隙量だ
け、金型交換台車１の両側にそれぞれ突き出せるように
して、両側に別々に駆動用のオーバーハング装置を設け
なくてもよいようにしている。

たとえば、プレス装置３に金型５を交換するには、第３
図のように両側突き出し装置１９を駆動してチェーンコ
ンベヤー９をプレス装置３側へ突き出してチェーンコン
ベヤー９を旋回し、係止具１３を被係止具１５に係合す
れば、金型５は自然に引き寄せられる。

また、第４図のように金型交換台車１から金型５を押し
出すには、チェーンコンベヤー９を旋回すれば、係止具
１３が被係止具１５に当接して係止してチェーンコンベ
ヤー９とともに金型５が移送し、最後に両側突き出し装
置１９を駆動すれば、図のようにプレス装置３側に移送
できる。

金型交換台車１の反対側の移送も、同様にできる。

このように、上記金型交換台車では、金型の交換や移送
を金型交換台車の両側で１の両側突き出し装置を介して
簡単に行えて、プレス装置に金型収納ラックを金型交換
台車の両側に適宜に配設して移送することができるもの
である。

なお、金型収納ラックに金型を収納したり、取り出した
りするにあっては昇降装置で金型移送装置を適宜に所定
の高さに上昇して行うものである。

上記実施例において、両側突き出し装置でのチェーンコ
ンベヤーの左右への突き出し量は、金型交換台車とプレ
ス装置、金型収納ラックとの間隙に対応してリミットス
イッチやエンコーダー等によって適宜にそれぞれ調整制
御できるものであり、またチェーンコンベヤーや両側突
き出し装置の駆動手段は、油圧や空圧駆動方式等によっ
て行うことができるものである。

考案の効果 以上のように本考案にあっては、金型交換台車に搭載し
た金型移送装置のチェーンコンベヤーを金型交換台車か
ら１の両側突き出し装置で両側にそれぞれ突き出すこと
ができ、金型交換台車の両側に配置したプレス装置や金
型収納ラックに金型を交換したり、移送することが自由
にできる。また、チェーンコンベヤーを正逆駆動し、チ
ェーンコンベヤーの下部に１の両側突き出し装置を設け
て金型交換台車の両側へそれぞれ突き出せるようにした
ので、金型交換台車の片側毎にそれぞれ突き出す駆動装
置を必要とせず、装置を簡略化でき、設置スペースを余
分に必要せずに省スペースがはかれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部省略した概略平面図、
第２図は同上の金型交換台車の側面図、第３図、第４図
は同上の金型交換時の説明用図である。 １……金型交換台車、２……金型収納ラック、３……プ
レス装置、５……金型、７……金型移送装置、９……チ
ェーンコンベヤー、１２、１３……係止具、１４、１５
……被係止具、１９……両側突き出し装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス装置や金型収納ラックに金型を交換
   したり、移送したりしてこれらの間を搬送するようにし
   た金型交換台車の金型移送装置において、金型の移送方
   向の両端部に被係止具をそれぞれ突設し、金型交換台車
   にエンドレスコンベヤー等のチェーンコンベヤーを金型
   の移送方向に正逆転駆動自在に架設するとともに上記チ
   ェーンコンベヤーに金型の両端の被係止具の間隔ないし
   それ以上の距離をへだてて被係止具に係合して金型を金
   型交換台車側に引き寄せ、または金型を金型交換台車か
   ら押し出せるように係止具をそれぞれ取着し、さらにプ
   レス装置と金型交換台車との間隙および金型収納ラック
   と金型交換台車との間隙量だけ上記チェーンコンベヤー
   部を金型交換台車の両側へそれぞれ突き出し駆動自在に
   両側突き出し装置を配設したことを特徴とする金型交換
   台車の金型移送装置。