JPH0221795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、IF出力用同調回路を、単同調方式
及び複同調方式のいずれによつても構成できるよ
うに共通プリント基板を用いたVHFチユーナに
関する。

従来の技術 テレビジヨンのVHFチユーナは、一般にシー
ルド筐体内に収納されたプリント基板上に所定の
回路部品を組付けた構造を有する。

ここでVHFチユーナの混合段から出力される
選局チヤンネルのIF出力は、次のようなIF同調
回路１，２を通つてIF出力端子に出力されてい
る。

第３図は単同調方式を採用したIF同調回路１、
第４図は複同調方式を採用したIF同調回路２を
示す。

初めに第３図に示すIF同調回路１について説
明すると、３は混合段回路、４は同調コイル５の
両端をコンデンサ６，７で接地して構成したπ型
フイルタ、８は直流カツト用の結合コンデンサ、
９はIF出力端子、１０はIF出力端子９とアース
間に接続された整合用コンデンサである。

次に第４図に示すIF出力回路２について説明
すると、この回路は結合コンデンサ８の代わり
に、二次同調コイル１１を直列コンデンサ１２の
直列共振回路１３を用いたことのみが、第３図に
示すIF出力回路１と異なり、他の部分について
は同一である。

上記単同調方式のIF同調回路１と複同調方式
のIF同調回路２を比較すると、前者が回路構成
が簡単で、このIF出力を処理する次段のPIF回路
及びSIF回路との整合が容易である反面、通過帯
域幅が狭い特徴を有するのに対し、後者は出力イ
ンピーダンスがIF周波数によつて変動するため
次段のIF回路との整合がとり難くなるが、通過
帯域幅を広くとれる特徴を有する。

これら同調方式の使い分けは、このVHFチユ
ーナが組み込まれるテレビジヨンセツトに応じて
選択されている。

考案が解決しようとする問題点 上述の如くIF出力の同調回路の同調方式はテ
レビジヨンセツトメーカーの要求によつて決まる
ものであるため、他の部分が同一仕様であつて
も、IF出力用同調回路を単同調方式によつて構
成したVHFチユーナと、複同調方式によつて構
成したVHFチユーナとを別々に製造する必要が
ある。このためチユーナ回路を組付けるプリント
基板は二種必要であり、製造コスト及び部品管理
について不経済になる問題があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点に鑑み、これを改良したも
ので、上記問題点を解決するための手段は、π型
フイルタを含むIF出力用同調回路部分に、短絡
用チツプ部品か同調用コイルのいずれをも取付け
ることができる導電パターンを予め設け、上記導
電パターンに選択的に取付けられた短絡用チツプ
部品又は同調用コイルが別に取付けられたコンデ
ンサの直列回路によつて、IF出力端子に結合し
て混合段からのIF出力を導出することを特徴と
するVHFチユーナである。

作 用 上記手段によれば、共通のプリント基板を用い
ていても、所定の導電パターンに短絡用チツプ部
品を組付けるか、同調用コイルを組付けるかを選
択することにより、IF出力用同調回路を、単同
調方式又は複同調方式のいずれによつても構成で
きる。

実施例 本考案の一実施例を以下第１図及び第２図を参
照しながら説明する。

第１図において、１３は混合段回路、１４は一
次側同調用コイル１５の両端をコンデンサ１６，
１７で接地して構成したπ型フイルタ、１８は直
列コンデンサ、１９，２０はその間に短絡用チツ
プ部品２１又は二次側同調用コイル２２を、選択
的に取付・接続することができるプリント基板上
に形成された導電パターン、２３はIF出力端子、
２４はIF出力端子２３とアース間に接続された
整合用コンデンサである。

上記構成のIF出力用同調回路２５を、組付け
るプリント基板２６の具体例を第２図に示す。

第２図において、２７はIF出力端子となる図
示しない貫通コンデンサのリードを挿入・固定す
るための貫通孔、１９，２０はプリント基板２６
の上に形成された上記導電パターンで、一方は貫
通孔２７を囲む位置から、他方は直列コンデンサ
１８の取付位置から、夫々延びて短絡用チツプ部
品２１の取付位置で対向している。これら導電パ
ターン１９，２０の夫々の中間位置には、プリン
ト基板２６の表側（紙面の裏側）から二次側同調
用コイル２２を挿入・固定するための貫通孔２
８，２９が、プリント基板２６に穿設されてい
る。

上記プリント基板２６を用いたVHFチユーナ
回路の組立は、他の構成部品とともに、直列コン
デンサ１８及び整合用コンデンサ２４等を接着剤
等でプリント基板２６に仮止めし、半田デイツプ
法等により所要部分を半田付けして行われる。こ
のとき、IF同調回路２５を単同調方式で構成し
たい場合は、短絡用チツプ抵抗２１を、また複同
調方式で構成したい場合は二次同調コイル２２
を、上記導電パターン１９，２０の図示した位置
に仮止めしておけば、各部品２１，２２が同時に
半田付け固定されて所望のIF出力用同調回路２
５が組立られるわけである。すなわち短絡用チツ
プ抵抗２１を取付けたときには、両導電パターン
１９，２０がOΩで短絡されるので、直列コンデ
ンサ１８は直流カツト用コンデンサとして機能
し、π型フイルタ１４による単同調回路となる。
また二次側同調用コイル２２を取付けたときに
は、この同調用コイル２２と直列コンデンサ１８
とが二次同調回路を形成し、π型フイルタ１４と
共働して複同調回路を構成する。

なお導電パターン１９，２０は、第２図に示し
た形状以外のものでもよく、例えば直列コンデン
サ１８の取付位置を、導電パターン２０に対して
IF出力端子２３側に設定してもよい。

考案の効果 本考案によれば、共通のプリント基板を用い、
IF出力用同調回路部分を単同調方式及び複同調
方式のいずれによつても製作できるので、別々の
プリント基板を用意する場合に比べて、製造コス
トが低減し、部品管理の上でも有利になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるVHFチユー
ナのIF出力用同調回路の回路図、第２図は第１
図に示すIF出力用同調回路を組付けるためのプ
リント基板の具体例を示す部分平面図である。第
３図及び第４図は従来例を示し、第３図は単同調
方式のIF同調回路の回路図、第４図は複同調方
式のIF同調回路の回路図である。 １３……混合段回路、１４……π型フイルタ、
１８……直列コンデンサ、１９，２０……導電パ
ターン、２１……短絡用チツプ部品、２２……同
調用コイル、２３……IF出力端子、２５……IF
出力用同調回路、２６……プリント基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. π型フイルタを含むIF出力用同調回路組付部
   分に、短絡用チツプ部品か同調用コイルのいずれ
   をも取付け可能な導電パターンを予め設け、上記
   短絡用チツプ部品又は同調用コイルの選択的取付
   部品を直列回路のコンデンサによつて、IF出力
   端子に結合して混合段からのIF出力を導出する
   ことを特徴とするVHFチユーナ。