JPH02207241A - 写真用支持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明上の利用分野〕 本発明は表面の平滑性が優れた写真用支持体に関するも
のである。

〔従来の技術〕

写真用支持体には外観および画像の解像性の点から、印
刷用紙等の一般紙とは比較にならない程高度な平滑性が
求められている。最近の写真用支持体では処理液の浸透
を防止し、迅速な現像処理を行うため、紙層の両面をポ
リオレフィン等の樹脂で被覆することが行われている。

この種の写真用支持体では、従来のバライタ紙とは異な
り、感光性乳剤を塗布した印画紙に現像後、鏡面を転写
するフェロタイプ処理を施さないため、支持体の平滑性
が現像乾燥後の印画紙の平滑性を決める傾向が強い。こ
こで、ポリオレフィン等の樹脂による被覆は押しだし塗
工機等により高温の溶融樹脂を均一な厚さのフィルムと
して塗工することによって行われるため、支持体の平滑
性に対しては紙層の平滑性の影響が大きい。したがって
、平滑な印画紙を得るためには、従来よりも平滑な紙層
の表面をポリオレフィン等の樹脂で被覆することか必要
になってきている。

紙層の平滑性を向上させる方法としては、特開昭５８−
６８０３７号、特開昭６２−５４２５２号などに開示さ
れているように、紙層に用いるパルプの繊維長分布をあ
る範囲内に調節する方法や、特公昭５９−４２２９５号
に開示されているような、パルプの光学的特性を規定す
る方法が知られている。一方、紙層の平滑性の程度に関
しては、特開昭５８−３７６４２号にヘック平滑度計に
よる平滑度の規定、特開昭６３−２９１０５４号には３
次元表面粗さ計による中心面平均粗さの規定などが開示
されている。また、それを得るための手段としては、■
繊維が細かく短いパルプの使用、■地合を良くする、■
カレンターでつぶすの３点が開示されている。特に、特
開昭６３−２９１０５４号では、地合について紙層のレ
ーサー光透過量変動をある値以下とすることか示されて
いる。しかし、これらいずれの方法によっても十分満足
の行く平滑性の写真用支持体は得られていない 〔発明が解決しようとする課題３ 本発明は、紙層の両面をポリオレフィン樹脂て被覆した
、平滑性の優れた写真用支持体を提供することを目的と
する。

［課題を解決するための手段） 紙層の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した写真用支持
体の平滑性を向上させるなめには、押し出し塗工時に高
温の溶融樹脂か紙層表面に接触する際に生じる、表面の
不均一な収縮をなくす必要かあると考えられる。このな
めには、紙層を均一化する必要かある。ここで、紙層の
均一化とは地合、すなわちレーザー光等の透過量変動て
表される光学的な不均一性、を改良するのではなく、紙
層の局所的な質量分布を均一化することである。

通常、光の透過量変動は質量変動の代用指標として用い
られるが、Ａ、に、ＯＭＰＰＡかｐａｐｅｒｉ、ｊａ、
ｐｕｕ誌（１９８８年３号２４３頁）に記載しているよ
うに、高度に叩解を進めた紙やカレンダー処理を施した
紙では光の透過量変動か質量変動の指標として不十分で
あることか知られている。写真用支持体の紙層には、通
常強カレンター処理を施すため、このような紙に相当す
る。

本発明者らは、紙層のβ線あるいは軟Ｘ線写真により得
られる紙層の質量変動画像を基に、紙層の均一化を試み
た結果、紙層のワイヤーマークによる質量変動の標準偏
差か１．Ｏｇ／ｒｒ？以下であり、且つ、繊維の分散性
による質量変動の標準偏差が８．０ｇ／ｒｎＱ以下であ
ることを特徴とすることによす、平滑性の優れた写真用
支持体の得られることを見いたし、本発明を完成したも
のである。

本発明における紙層の質量変動画像は、Ｂ、ＮＯＲＭＡ
Ｎとり、ＷＡＨＲＥＮが５ｖｅｎｓｋｐａｐｐｅｒｓｔ
ｉｄｎ　　誌（１９７２年７５巻２９号８０７頁）に記
載しているようなβ線写真による方法、あるいはＴ、Ｅ
、ＦＡＲＲＩＮＧＴ○Ｎ、Ｊｒ　　がＴａｐｐｉ　　Ｊ
ｏｕｒｎａ１誌く１９８８年５月号１４０頁）に記載し
ているような軟Ｘ線写真による方法により得られる。光
に比べて波長が短く、直進性に優れた放射線を使用する
ことにより紙層の密度変動やパルプの光学的性質等の影
響を受けない、質量変動に対応した濃淡画像が得られる
。なお、写真の撮影時に質量既知の標準パターンを試料
と同時に写し込むことにより、写真の濃淡を質量に換算
することが可能になる。

本発明における、ワイヤーマーク及び繊維の分散性によ
る質量変動の標準偏差は、まず１画素が０．１ｍｍ角の
条件で、質量変動画像を画像解析装置により２次元フー
リエ変換し、周期性のワイヤーマークによる変動と、非
周期性の繊維の分散性による変動とを分離し、ついでそ
れぞれの逆フーリエ変換画像の質量変動を測定すること
により求められる。この方法の詳細は、Ｈ，ＰＡＡＳＴ
とり、ＧＯＥＴＴＳＣＨＩＮＧがＤａｓ　　Ｐａｐｉｅ
ｒ誌（１９８７年４１巻３号１０５頁）に記載している
。

本発明の紙層を製造するための具体的な方法としては、
以下の方法を単独であるいは組み合せて行うことか出来
る。（１）ヘッドボックス原料のろ水度か１５０〜３０
０　ｍｌ　ｃ、ｓ、ｆ、で重量平均繊維長が０，４５〜
０．６５ｍｍのパルプを使用すること。（２）抄造時の
ワイヤーを２５重織りあるいは３重織りのプラスチック
ワイヤーとすること。

なお、これらのワイヤーは紙パルプ技術タイムス誌（１
９８８年５月号１５頁）に記載されているような２層を
越える断面構造を有するワイヤーである。ぐ３）ハイブ
リッドフォーマ−で製造する。

ハイブリットフォーマ−とは例えは、紙パルプ技術協会
誌＜１９８８年７月号２３頁）に記載されている様な上
部脱水機構を有する長網抄紙機である。

本発明の写真用支持体の紙層には、カブリ防止剤、填料
、染料、サイス剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、
定着剤、歩留まり向上剤等、通常抄紙で用いられる添加
剤を必要に応して含むものとする。澱粉、ボリヒニルア
ルコール、ゼラチン等による表面処理、およびぼう硝、
塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、有機導電剤等によ
る帯電防止処理を必要に応じて紙層上に行うことも可能
である。

ポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン等
のα−オレフィンのホモポリマーあるいは２種類辺上の
α−オレフィンがら成る共重合体またはα−オレフィン
を主成分としてそれと共重合可能な他のモノマーとの共
重合体、およびそれらの混合物を用いることが出来る。

これらの樹脂に二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウ
ム等の白色顔料、着色顔料を添加すること、通常樹脂に
混合される安定化剤、酸化防止剤、分散剤、滑剤等を添
加することも差し支えない。

本発明のポリオレフィン樹脂被覆写真用支持体は、走行
する紙層上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押
し出し塗工法によって製造される。

本発明の写真用支持体紙層の坪量は８０〜２００　　ｇ
／ｒ［１２であり、プレスまたはカレンダーにより密度
を０．９〜１．２　ｇ／ｃｍ３としたものである。また
、ポリオレフィン樹脂の厚さは表裏いずれも１５〜４０
μｍであり、写真乳剤塗布面の樹脂には５〜２５重量％
の白色顔料か含まれる。

〔作用〕

紙層の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した写真用支持
体において、写真の解像度に影響する波長が１　　ｍｍ
以下の細かい凹凸及び外観に関連した比較的大きい凹凸
を同時に解消するなめには、写真の解像度に影響する波
長が１．　　ｍｍ以下の細かい凹凸はワイヤーマークに
よる質量変動の標準偏差を１．０ｇ／ｒｎ”以下にする
ことにより、また外観に関連した比較的大きい凹凸は繊
維の分散性にょる質量変動の標準偏差を８．０ｇ／ｒｎ
２以下にすることにより改良でき、その結果平滑性の優
れた写真用支持体が得られる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。なお、実施例にお
ける部およびパーセントは全て重量によるものである。

実施例１ ダブルディスク・リファイナーによりカナダ標準ろ水度
２５０ｍ１まで叩解した広葉樹晒しクラフトパルプと２
８０ｍ１まで叩解した針葉樹晒しサルファイドパルプを
重量比で７：３に混合したちの１００部に、カチオン澱
粉を２部、高級脂肪酸アミドを０４３部、アルキルケテ
ンダイマーを０．３部、ポリアミド・エピクロルヒドリ
ン樹脂を０．３部添加した紙料を用い、２重織りのプラ
スチックワイヤー（ＬＬ４００、日本フィルコン社製）
を使用したハイブリッドフォーマ−（ベルボンドフォー
マ−）により、坪量１６Ｑｇ／ｒｎ”、密度１、０５　
ｇ／ｃｍ３の紙を得な。なお、ヘッドボックスでの紙料
の重量平均繊維長は０．６ｍｍであった。

得られた紙にコロナ処理を施した後、表面には二酸化チ
タン１０％を含む低密度ポリエチレンを、裏面には低密
度ポリエチレンのみを、樹脂温度３３０度の押し出し塗
工機により、各々３０μｍの厚さに塗工して写真用支持
体を得た。さらに、写真用支持体に、通常のゼラチン・
ハロゲン化銀写真乳剤を塗布し、露光、現像した印画紙
について、平滑性の視覚評価を行った。この試料を試料
番号１とする。

実施例２ 実施例１と同一の紙料から２５重織りのプラスチックワ
イヤー（ＬＬ７０Ｅ、日本フィルコン社製）を用いた長
網抄紙機により、紙を製造する以外は、実施例１と同一
の方法で写真用支持体を得た。この試料を試料番号２と
する。

実施例３ 使用するパルプをカナダ標準ろ水度で１２０ｍ１まで叩
解した広葉樹晒しサルファイ１へパルプとする以外は、
全て実施例１と同一の方法て写真用支持体を製造した。

なお、このときのヘッドボックス紙料の重量平均繊維長
は０．４０ｍｍであった。

この試料を試料番号３とする。

比較例］ 実施例２で、ワイヤーの種類を２重織りのプラスチック
ワイヤー（ＬＬ４００、日本フィルコン社製）とする以
外は、全て同一の方法で試料を得た。この試料を試料番
号４とする。

比較例２ 使用するパルプをカナダ標準ろ水度で３５０ｍ１まで叩
解した針葉樹晒しサルファイドパルプとする以外は、全
て実施例１と同一の方法て写真用支持体を製造した。な
お、このときのヘッドボックス紙料の重量平均繊維長は
０．８０ｍｍであった。

この試料を試料番号５とする。

比較例３ 市販のＡ社および８社の写真用印画紙。これらの試料を
それぞれ、試料番号６および７とする。

これらの写真用支持体からポリエチレン樹脂層を除去し
た紙層の試料について軟χ線発生装置（ＣＭＲ、ソフテ
ックス社製）により写真を撮影し、１画素が０．１ｍｍ
角の条件で画像解析装置（ルーゼックス５０００Ｘ）を
用いて、ワイヤーに由来する質量変動の標準偏差と繊維
の分散に由来する質量変動の標準偏差を求めた。なお、
これらの紙層についてレーザー光の透過量変動も測定し
たが、軟Ｘ線写真を用いて測定した質量変動との間には
相関が認められなかった。

平滑性の視覚評価は４段階評価とし、良いものから順に
Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄとした。現状の市販品の多くはＣあるい
はＤであるが、最近の品質要求を満たずには３以上の評
価が必要である。

以上の結果を一括して第１表に示す。

第１表 〔発明の効果〕 第１表の結果から、紙層のワイヤーマークによる質量変
動の標準偏差が１．Ｏｇ／ｍ’以下であり、且つ、繊維
の分散性による質量変動の標準偏差が８、Ｏｇ／ｒｎ２
以下であるように、紙層を製造することにより平滑性の
優れた写真用支持体の得られることが明かである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 紙層の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した写真用支持
   体において、紙層のワイヤーマークによる質量変動の標
   準偏差が１．０ｇ／ｍ＾２以下であり、且つ、繊維の分
   散性による質量変動の標準偏差が８．０ｇ／ｍ＾２以下
   であることを特徴とする写真用支持体。