JPH06118552A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents
写真印画紙用支持体Info
- Publication number
- JPH06118552A JPH06118552A JP27168692A JP27168692A JPH06118552A JP H06118552 A JPH06118552 A JP H06118552A JP 27168692 A JP27168692 A JP 27168692A JP 27168692 A JP27168692 A JP 27168692A JP H06118552 A JPH06118552 A JP H06118552A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pulp
- paper
- smoothness
- support
- base paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆し
た、平滑性と剛直度の優れた写真印画紙用支持体を提供
することにある。 【構成】 保水度1.8〜2.3の針葉樹パルプと保水
度1.1〜1.3の広葉樹パルプを、針葉樹パルプ
(N)と広葉樹パルプ(L)の重量比(N/L)が5/
95〜20/80であるように配合した原紙の両面をポ
リオレフィン樹脂で被覆した写真印画紙用支持体。好ま
しくは、針葉樹パルプとしてサルファイトパルプを用い
る。 【効果】 比較的低密度で平滑な原紙が得られるため、
ポリオレフィン樹脂で被覆した写真印画紙用支持体の平
滑性と剛直度が優れている。
た、平滑性と剛直度の優れた写真印画紙用支持体を提供
することにある。 【構成】 保水度1.8〜2.3の針葉樹パルプと保水
度1.1〜1.3の広葉樹パルプを、針葉樹パルプ
(N)と広葉樹パルプ(L)の重量比(N/L)が5/
95〜20/80であるように配合した原紙の両面をポ
リオレフィン樹脂で被覆した写真印画紙用支持体。好ま
しくは、針葉樹パルプとしてサルファイトパルプを用い
る。 【効果】 比較的低密度で平滑な原紙が得られるため、
ポリオレフィン樹脂で被覆した写真印画紙用支持体の平
滑性と剛直度が優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の平滑性と剛直度
に優れた写真印画紙用支持体に関するものである。
に優れた写真印画紙用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真印画紙用支持体は、最終の用途がカ
ラープリントなどの写真用であるため、外観や画像の解
像性などに対する要求が、印刷用紙等のいわゆる一般紙
とは比較にならないほど厳しい。このため、高度の平滑
性が必要になっている。さらに、最近の写真印画紙は、
自動現像機で焼付け、現像処理を行う場合が多いため、
ある程度の剛直度が、十分な通紙適性を得る上で必要と
されている。
ラープリントなどの写真用であるため、外観や画像の解
像性などに対する要求が、印刷用紙等のいわゆる一般紙
とは比較にならないほど厳しい。このため、高度の平滑
性が必要になっている。さらに、最近の写真印画紙は、
自動現像機で焼付け、現像処理を行う場合が多いため、
ある程度の剛直度が、十分な通紙適性を得る上で必要と
されている。
【0003】ポリオレフィン樹脂で被覆した写真印画紙
用支持体の場合、樹脂は原紙表面の凹凸に沿って表面を
被覆し、原紙表面の凹部を選択的に埋めることはない。
そのため、その平滑性は原紙の平滑性の影響を強く受け
る。従って、原紙の平滑性改良が、樹脂被覆後の平滑性
を改良するためには必要になる。
用支持体の場合、樹脂は原紙表面の凹凸に沿って表面を
被覆し、原紙表面の凹部を選択的に埋めることはない。
そのため、その平滑性は原紙の平滑性の影響を強く受け
る。従って、原紙の平滑性改良が、樹脂被覆後の平滑性
を改良するためには必要になる。
【0004】原紙の平滑性を向上させるための技術とし
ては、特開昭58−68037号公報、同62−542
52号公報等に開示されているように、原紙に用いるパ
ルプの繊維長分布をある範囲内に調節する方法や、特公
昭64−59350号公報に開示されているような、パ
ルプの繊維長と保水度を所定の範囲に調節する方法が知
られている。
ては、特開昭58−68037号公報、同62−542
52号公報等に開示されているように、原紙に用いるパ
ルプの繊維長分布をある範囲内に調節する方法や、特公
昭64−59350号公報に開示されているような、パ
ルプの繊維長と保水度を所定の範囲に調節する方法が知
られている。
【0005】また、特開昭64−20541号公報等に
開示されているように、所定の水分量含有率の湿紙を緊
度プレスする方法や、特開昭64−59230号公報、
特開平2−203335号公報等に開示されているよう
に、原紙に種々のカレンダー処理を行う方法等が平滑性
の改良を目的として試みられている。
開示されているように、所定の水分量含有率の湿紙を緊
度プレスする方法や、特開昭64−59230号公報、
特開平2−203335号公報等に開示されているよう
に、原紙に種々のカレンダー処理を行う方法等が平滑性
の改良を目的として試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、原紙の
両面をポリオレフィン等の樹脂で被覆した写真印画紙用
支持体の平滑性を向上させる目的で種々の試みがなされ
ている。しかし、それぞれの方法によって平滑性の改良
効果に若干の差はあるものの、平滑性を改良すると樹脂
被覆支持体の剛直度が低下するなどの問題がある。従っ
て、いずれの方法によっても目的とする平滑性と剛直度
の良好な写真印画紙用支持体は得られていない。
両面をポリオレフィン等の樹脂で被覆した写真印画紙用
支持体の平滑性を向上させる目的で種々の試みがなされ
ている。しかし、それぞれの方法によって平滑性の改良
効果に若干の差はあるものの、平滑性を改良すると樹脂
被覆支持体の剛直度が低下するなどの問題がある。従っ
て、いずれの方法によっても目的とする平滑性と剛直度
の良好な写真印画紙用支持体は得られていない。
【0007】例えば、特開昭62−54252号公報に
は使用するパルプの150メッシュ通過分を所定の値以
下に調整することが、特開昭64−59350号公報に
は重量繊維長と保水度が所定の範囲内にあるパルプを原
紙に使用することが開示されているが、いずれの場合も
1種類のパルプのみの使用あるいはほぼ同一のろ水度ま
で叩解した2種類のパルプの混合物が用いられている。
このような場合には、パルプの種類やろ水度が一定なら
ば、原紙密度と平滑性がほぼ一対一に対応する関係にあ
り、原紙の平滑性を良くすると、厚さが減少して剛直度
に関しては不満足な結果となった。
は使用するパルプの150メッシュ通過分を所定の値以
下に調整することが、特開昭64−59350号公報に
は重量繊維長と保水度が所定の範囲内にあるパルプを原
紙に使用することが開示されているが、いずれの場合も
1種類のパルプのみの使用あるいはほぼ同一のろ水度ま
で叩解した2種類のパルプの混合物が用いられている。
このような場合には、パルプの種類やろ水度が一定なら
ば、原紙密度と平滑性がほぼ一対一に対応する関係にあ
り、原紙の平滑性を良くすると、厚さが減少して剛直度
に関しては不満足な結果となった。
【0008】また、プレス、カレンダーの加圧条件を変
更する方法においても、原紙密度と平滑性の関係は上述
と同様であり、目的とした写真印画紙用支持体は得られ
なかった。即ち、本発明の目的は、原紙の両面をポリオ
レフィン樹脂で被覆した、平滑性と剛直度の優れた写真
印画紙用支持体を提供することにある。
更する方法においても、原紙密度と平滑性の関係は上述
と同様であり、目的とした写真印画紙用支持体は得られ
なかった。即ち、本発明の目的は、原紙の両面をポリオ
レフィン樹脂で被覆した、平滑性と剛直度の優れた写真
印画紙用支持体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、原紙及びポリオレフィン樹脂を被覆し
た写真印画紙用支持体の平滑性改良について検討した結
果、原料パルプの選択やプレス、カレンダー加圧条件の
調節などより、パルプ叩解状態の設定、特に広葉樹パル
プと針葉樹パルプの叩解度の組み合せが、平滑性と剛直
度に対して大きい影響を及ぼすことを見い出した。
を解決するため、原紙及びポリオレフィン樹脂を被覆し
た写真印画紙用支持体の平滑性改良について検討した結
果、原料パルプの選択やプレス、カレンダー加圧条件の
調節などより、パルプ叩解状態の設定、特に広葉樹パル
プと針葉樹パルプの叩解度の組み合せが、平滑性と剛直
度に対して大きい影響を及ぼすことを見い出した。
【0010】そこで、叩解度が種々に異なる広葉樹パル
プと針葉樹パルプを配合した原紙を試作し、写真印画紙
用支持体の平滑性と剛直度にとって最適の組み合せを検
討した。その結果、保水度1.8〜2.3の針葉樹パル
プと保水度1.1〜1.3の広葉樹パルプを、該針葉樹
パルプ(N)と該広葉樹パルプ(L)の重量比(N/
L)が5/95〜20/80であるように配合した原紙
を用いることにより、平滑性と剛直度の両者が優れた支
持体の得られることが明らかになった。
プと針葉樹パルプを配合した原紙を試作し、写真印画紙
用支持体の平滑性と剛直度にとって最適の組み合せを検
討した。その結果、保水度1.8〜2.3の針葉樹パル
プと保水度1.1〜1.3の広葉樹パルプを、該針葉樹
パルプ(N)と該広葉樹パルプ(L)の重量比(N/
L)が5/95〜20/80であるように配合した原紙
を用いることにより、平滑性と剛直度の両者が優れた支
持体の得られることが明らかになった。
【0011】従来から一般紙の分野では、軽度に叩解し
たパルプに少量の重叩解パルプを混合すると、重叩解に
より生じたフィブリルが剛直な軽叩解繊維の間の結合を
補強するため、低密度で剛直度の高い紙の得られること
が知られている。しかし、写真用支持体原紙の場合は、
剛直度の他に高度の平滑性も求められるため、さらに叩
解による繊維柔軟性の変化をも考慮した品質設計が必要
であった。
たパルプに少量の重叩解パルプを混合すると、重叩解に
より生じたフィブリルが剛直な軽叩解繊維の間の結合を
補強するため、低密度で剛直度の高い紙の得られること
が知られている。しかし、写真用支持体原紙の場合は、
剛直度の他に高度の平滑性も求められるため、さらに叩
解による繊維柔軟性の変化をも考慮した品質設計が必要
であった。
【0012】本発明では、繊維柔軟性および叩解度の指
標として保水度を取り上げた。測定の容易さの点からは
ろ水度が好ましいが、ろ水度はパルプ繊維形態や化学組
成の影響も受け易いため、本発明の中核概念である繊維
柔軟性を規定する方法としては適当でないと思われる。
標として保水度を取り上げた。測定の容易さの点からは
ろ水度が好ましいが、ろ水度はパルプ繊維形態や化学組
成の影響も受け易いため、本発明の中核概念である繊維
柔軟性を規定する方法としては適当でないと思われる。
【0013】本発明の保水度とは、TAPPI標準法U
M256に準拠して測定した値であり、湿潤パルプパッ
トを温度21±3℃、900g(g=重力加速度)の条
件下で30分間遠心分離後、パルプに保持されている水
分重量(W)のパルプ乾燥重量(P)に対する比(W/
P)として表わす。
M256に準拠して測定した値であり、湿潤パルプパッ
トを温度21±3℃、900g(g=重力加速度)の条
件下で30分間遠心分離後、パルプに保持されている水
分重量(W)のパルプ乾燥重量(P)に対する比(W/
P)として表わす。
【0014】本発明のパルプ保水度は、原紙中の含有率
が少ない針葉樹パルプについては1.8〜2.3、広葉
樹パルプについては1.1〜1.3である。針葉樹パル
プの保水度が1.8未満の場合は、繊維間結合の補強効
果が不十分なために良好な平滑度と剛直度が得られず、
2.3を超える場合は、乾燥時の収縮が大きくなるため
に平滑性が低下する。また、広葉樹パルプの保水度が
1.1未満の場合は、繊維の柔軟性が不足するために、
平滑性、剛直度とも低くなり、1.3を超える場合は、
剛直度が低下するため好ましくない。
が少ない針葉樹パルプについては1.8〜2.3、広葉
樹パルプについては1.1〜1.3である。針葉樹パル
プの保水度が1.8未満の場合は、繊維間結合の補強効
果が不十分なために良好な平滑度と剛直度が得られず、
2.3を超える場合は、乾燥時の収縮が大きくなるため
に平滑性が低下する。また、広葉樹パルプの保水度が
1.1未満の場合は、繊維の柔軟性が不足するために、
平滑性、剛直度とも低くなり、1.3を超える場合は、
剛直度が低下するため好ましくない。
【0015】本発明でパルプの保水度を調節するための
手段としては、通常のパルプの叩解に使用される設備、
即ち、ビーター、コニカルリファイナー、ディスクリフ
ァイナーなどを使用することが出来る。なお、針葉樹パ
ルプについては、粘状叩解の可能な装置あるいは刃型の
選択が好ましい。
手段としては、通常のパルプの叩解に使用される設備、
即ち、ビーター、コニカルリファイナー、ディスクリフ
ァイナーなどを使用することが出来る。なお、針葉樹パ
ルプについては、粘状叩解の可能な装置あるいは刃型の
選択が好ましい。
【0016】本発明で使用するパルプとしては、クラフ
トパルプ、サルファイトパルプ、ケミサーモメカニカル
パルプ、ケミメカニカルパルプなどが挙げられる。針葉
樹パルプと広葉樹パルプの混合比(N/L)は、5/9
5〜20/80の範囲が良い。5/95未満、あるいは
20/80を超えると十分な平滑性、剛直度改良効果が
認められない。叩解を進める針葉樹パルプとしては、サ
ルファイトパルプを使用した場合が最も良好な効果が得
られる。
トパルプ、サルファイトパルプ、ケミサーモメカニカル
パルプ、ケミメカニカルパルプなどが挙げられる。針葉
樹パルプと広葉樹パルプの混合比(N/L)は、5/9
5〜20/80の範囲が良い。5/95未満、あるいは
20/80を超えると十分な平滑性、剛直度改良効果が
認められない。叩解を進める針葉樹パルプとしては、サ
ルファイトパルプを使用した場合が最も良好な効果が得
られる。
【0017】本発明の写真印画紙用支持体の原紙には、
カブリ防止剤、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙
力増強剤、湿潤紙力増強剤などを必要に応じて含有する
ものである。また、各種澱粉、ポリビニルアルコール、
ゼラチン等による表面処理、およびぼう硝、塩化ナトリ
ウム、塩化アルミニウム、有機導電剤等による帯電防止
処理を必要に応じて原紙上に行うことも可能である。
カブリ防止剤、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙
力増強剤、湿潤紙力増強剤などを必要に応じて含有する
ものである。また、各種澱粉、ポリビニルアルコール、
ゼラチン等による表面処理、およびぼう硝、塩化ナトリ
ウム、塩化アルミニウム、有機導電剤等による帯電防止
処理を必要に応じて原紙上に行うことも可能である。
【0018】本発明の写真印画紙用支持体の原紙は、長
網抄紙機、ハイブリッド抄紙機、ツインワイヤー抄紙機
などで抄造され、必要とされる平滑性に応じてマシンカ
レンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー、熱
カレンダーなどにより平滑化処理される。
網抄紙機、ハイブリッド抄紙機、ツインワイヤー抄紙機
などで抄造され、必要とされる平滑性に応じてマシンカ
レンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー、熱
カレンダーなどにより平滑化処理される。
【0019】本発明のポリオレフィン樹脂としては、エ
チレン、プロピレン等のα−オレフィンのホモポリマ
ー、あるいは2種類以上のα−オレフィンから成る共重
合体またはα−オレフィンを主成分として、それと共重
合可能な他のモノマーとの共重合体、およびそれらの混
合物を用いることが出来る。これらの樹脂に、二酸化チ
タン、アルミナ、炭酸カルシウム等の白色顔料や着色顔
料を添加すること、通常樹脂に混合される安定化剤、酸
化防止剤、分散剤、滑剤等を添加することも差し支えな
い。ポリオレフィン樹脂による被覆は、走行する原紙上
に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出し塗工法
によって行われる。
チレン、プロピレン等のα−オレフィンのホモポリマ
ー、あるいは2種類以上のα−オレフィンから成る共重
合体またはα−オレフィンを主成分として、それと共重
合可能な他のモノマーとの共重合体、およびそれらの混
合物を用いることが出来る。これらの樹脂に、二酸化チ
タン、アルミナ、炭酸カルシウム等の白色顔料や着色顔
料を添加すること、通常樹脂に混合される安定化剤、酸
化防止剤、分散剤、滑剤等を添加することも差し支えな
い。ポリオレフィン樹脂による被覆は、走行する原紙上
に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出し塗工法
によって行われる。
【0020】本発明による平滑性の優れた写真印画紙用
支持体は、カラー印画紙、白黒印画紙、写植印画紙、複
写印画紙、製版用印画紙等に使用することが出来る。
支持体は、カラー印画紙、白黒印画紙、写植印画紙、複
写印画紙、製版用印画紙等に使用することが出来る。
【0021】
【作用】本発明における、保水度が1.8〜2.3の針
葉樹パルプと保水度が1.1〜1.3の広葉樹パルプ
を、針葉樹パルプと広葉樹パルプの混合比(N/L)が
5/95〜20/80の範囲に含有する原紙からなる写
真印画紙用支持体は、原紙が低密度で平滑なため、ポリ
オレフィン被覆後の支持体においても平滑性と剛直度が
優れている。
葉樹パルプと保水度が1.1〜1.3の広葉樹パルプ
を、針葉樹パルプと広葉樹パルプの混合比(N/L)が
5/95〜20/80の範囲に含有する原紙からなる写
真印画紙用支持体は、原紙が低密度で平滑なため、ポリ
オレフィン被覆後の支持体においても平滑性と剛直度が
優れている。
【0022】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。
【0023】実施例1 ダブルディスクリファイナーで保水度を1.8(ろ水度
100ml)、2.0(ろ水度50ml)および2.3
(ろ水度30ml)の3水準に変化させて叩解したNB
SP(α−セルロース含有率98%)に、保水度が1.
2(ろ水度450ml)まで叩解したLBKPの重量比
(N/L)で10/90になるように混合し、3種類の
配合のパルプを調製した。次いで、それぞれのパルプ1
00部に対し、アニオン性ポリアクリルアミド(スター
ガムA15、星光化学社製)を0.3部、カチオン澱粉
(ケイトF、王子ナショナル社製)を2.0部、および
アルキルケテンダイマーサイズ剤(ハーコン11−2、
ディック−ハーキュレス社製)を0.4部、ポリアミド
−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂(カイメンS2
5、ディック−ハーキュレス社製)を0.3部添加し、
長網抄紙機で坪量178g/m2の原紙を製造した。
100ml)、2.0(ろ水度50ml)および2.3
(ろ水度30ml)の3水準に変化させて叩解したNB
SP(α−セルロース含有率98%)に、保水度が1.
2(ろ水度450ml)まで叩解したLBKPの重量比
(N/L)で10/90になるように混合し、3種類の
配合のパルプを調製した。次いで、それぞれのパルプ1
00部に対し、アニオン性ポリアクリルアミド(スター
ガムA15、星光化学社製)を0.3部、カチオン澱粉
(ケイトF、王子ナショナル社製)を2.0部、および
アルキルケテンダイマーサイズ剤(ハーコン11−2、
ディック−ハーキュレス社製)を0.4部、ポリアミド
−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂(カイメンS2
5、ディック−ハーキュレス社製)を0.3部添加し、
長網抄紙機で坪量178g/m2の原紙を製造した。
【0024】多筒式ドライヤーで乾燥後の紙はポリビニ
ルアルコールの3%水溶液でタブサイズ処理乾燥後、マ
シンカレンダーで密度が1.01g/cm3になるよう
に平滑化処理した。その後、原紙の表面には二酸化チタ
ン10%を含む低密度ポリエチレンを、裏面には低密度
ポリエチレンを、それぞれ32μmの厚さに、樹脂温度
320℃の条件で押出し塗工し、写真印画紙用支持体と
した。これらの試料を、針葉樹パルプの保水度の小さい
ものから順にそれぞれ試料1−2、1−3および1−4
とする。
ルアルコールの3%水溶液でタブサイズ処理乾燥後、マ
シンカレンダーで密度が1.01g/cm3になるよう
に平滑化処理した。その後、原紙の表面には二酸化チタ
ン10%を含む低密度ポリエチレンを、裏面には低密度
ポリエチレンを、それぞれ32μmの厚さに、樹脂温度
320℃の条件で押出し塗工し、写真印画紙用支持体と
した。これらの試料を、針葉樹パルプの保水度の小さい
ものから順にそれぞれ試料1−2、1−3および1−4
とする。
【0025】比較例1 実施例1において、NBSPの保水度を1.7(ろ水度
150ml)および2.4(20ml)の2水準に変化
させる以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体
を得た。この試料を、それぞれ試料1−1および1−5
とする。以上の結果をまとめて表1に示す。
150ml)および2.4(20ml)の2水準に変化
させる以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体
を得た。この試料を、それぞれ試料1−1および1−5
とする。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 実施例1で、NBSPの保水度を2.0とし、LBKP
の保水度を1.1(ろ水度500ml)および1.3
(ろ水度420ml)の2水準に変化させる以外は、す
べて同一の方法で写真印画紙用支持体を製造した。これ
らの試料を、保水度の小さいものから順に試料2−2お
よび2−3とする。
の保水度を1.1(ろ水度500ml)および1.3
(ろ水度420ml)の2水準に変化させる以外は、す
べて同一の方法で写真印画紙用支持体を製造した。これ
らの試料を、保水度の小さいものから順に試料2−2お
よび2−3とする。
【0028】比較例2 実施例2において、LBKPの保水度を1.0(ろ水度
550ml)および1.4(ろ水度380ml)の2水
準に変化させる以外は、すべて同一の方法で写真印画紙
用支持体を得た。これらの試料を、試料2−1および2
−4とする。以上の結果をまとめて表2に示す。
550ml)および1.4(ろ水度380ml)の2水
準に変化させる以外は、すべて同一の方法で写真印画紙
用支持体を得た。これらの試料を、試料2−1および2
−4とする。以上の結果をまとめて表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例3 実施例1で、保水度が2.0のNBSPと保水度が1.
2のLBKPについて重量比(N/L)を5/95およ
び20/80の2水準に変化させる以外は、すべて同一
の方法で写真印画紙用支持体を得た。これらの試料を重
量比の小さいものから順に試料3−2および3−3とす
る。
2のLBKPについて重量比(N/L)を5/95およ
び20/80の2水準に変化させる以外は、すべて同一
の方法で写真印画紙用支持体を得た。これらの試料を重
量比の小さいものから順に試料3−2および3−3とす
る。
【0031】比較例3 実施例3において、NBSPとLBKPの重量比(N/
L)を3/97および30/70の2水準に変化させる
以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体を得
た。これらの試料を、試料3−1および3−4とする。
L)を3/97および30/70の2水準に変化させる
以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体を得
た。これらの試料を、試料3−1および3−4とする。
【0032】実施例4 実施例1で、NBSPの代わりに針葉樹パルプとして保
水度が2.0(ろ水度140ml)のNBKPを使用す
る以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体を製
造した。この試料を試料4とする。以上の結果をまとめ
て表3に示す。
水度が2.0(ろ水度140ml)のNBKPを使用す
る以外は、すべて同一の方法で写真印画紙用支持体を製
造した。この試料を試料4とする。以上の結果をまとめ
て表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表1、2および3の平滑性は、樹脂被覆後
の写真印画紙用支持体について行った標準見本に対する
視覚評価の結果である。最も平滑性の優れたものをA、
劣ったものをDと4段階に評価した。平滑性の優れた写
真印画紙用支持体としては、C以上(A、B、C)、好
ましくはB以上が必要である。また、表の剛直度は、J
IS P 8125に準拠して測定した、荷重曲げ方法
による写真印画紙用支持体の縦(MD)方向のこわさ測
定値である。写真印画紙用支持体としては、12.0g
・cm以上であることが好ましい。
の写真印画紙用支持体について行った標準見本に対する
視覚評価の結果である。最も平滑性の優れたものをA、
劣ったものをDと4段階に評価した。平滑性の優れた写
真印画紙用支持体としては、C以上(A、B、C)、好
ましくはB以上が必要である。また、表の剛直度は、J
IS P 8125に準拠して測定した、荷重曲げ方法
による写真印画紙用支持体の縦(MD)方向のこわさ測
定値である。写真印画紙用支持体としては、12.0g
・cm以上であることが好ましい。
【0035】表1の結果から、針葉樹パルプの保水度が
1.8〜2.3の場合に、良好な平滑性と剛直度を有す
る写真印画紙用支持体の得られることが明らかである。
保水度が1.8未満あるいは2.3を越えるの場合は、
平滑性と剛直度の両者が優れた写真印画紙用支持体の得
られないことが判る。
1.8〜2.3の場合に、良好な平滑性と剛直度を有す
る写真印画紙用支持体の得られることが明らかである。
保水度が1.8未満あるいは2.3を越えるの場合は、
平滑性と剛直度の両者が優れた写真印画紙用支持体の得
られないことが判る。
【0036】試料1−3および表2の結果から、広葉樹
パルプの保水度が1.1未満では平滑性、剛直度とも不
十分であり、1.3を越えると原紙密度が増加するた
め、剛直度が低下し好ましくないことが判る。したがっ
て、広葉樹パルプの保水度が1.1〜1.3の場合に平
滑性と剛直度の良好な写真印画紙用支持体の得られるこ
とが明らかである。
パルプの保水度が1.1未満では平滑性、剛直度とも不
十分であり、1.3を越えると原紙密度が増加するた
め、剛直度が低下し好ましくないことが判る。したがっ
て、広葉樹パルプの保水度が1.1〜1.3の場合に平
滑性と剛直度の良好な写真印画紙用支持体の得られるこ
とが明らかである。
【0037】試料1−3および試料3−2、3−3を試
料3−1、3−4と比較することにより、針葉樹パルプ
と広葉樹パルプの混合比(N/L)が、5/95〜20
/80の条件が、平滑性と剛直度の優れた写真用支持体
を得る上で有効なことが明らかである。
料3−1、3−4と比較することにより、針葉樹パルプ
と広葉樹パルプの混合比(N/L)が、5/95〜20
/80の条件が、平滑性と剛直度の優れた写真用支持体
を得る上で有効なことが明らかである。
【0038】試料1−3と試料4の比較から、針葉樹パ
ルプとしてNBSPを使用する方がNBKPより平滑度
の優れた写真印画紙用支持体の得られることが明らかで
ある。また、保水度が同一であってもパルプの種類が異
なると、ろ水度が大きく異なることも明らかである。
ルプとしてNBSPを使用する方がNBKPより平滑度
の優れた写真印画紙用支持体の得られることが明らかで
ある。また、保水度が同一であってもパルプの種類が異
なると、ろ水度が大きく異なることも明らかである。
【0039】
【発明の効果】以上から、本発明の写真印画紙用支持体
すなわち、保水度が1.8〜2.3の針葉樹パルプと保
水度が1.1〜1.3の広葉樹パルプを、針葉樹パルプ
と広葉樹パルプの混合比(N/L)が5/95〜20/
80の範囲で含有する原紙からなる写真印画紙用支持体
は、優れた平滑性と剛直度を有することが明らかであ
る。
すなわち、保水度が1.8〜2.3の針葉樹パルプと保
水度が1.1〜1.3の広葉樹パルプを、針葉樹パルプ
と広葉樹パルプの混合比(N/L)が5/95〜20/
80の範囲で含有する原紙からなる写真印画紙用支持体
は、優れた平滑性と剛直度を有することが明らかであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 原紙の両面をポリオレフィン樹脂により
被覆した写真印画紙用支持体において、前記原紙が、保
水度1.8〜2.3の針葉樹パルプと保水度1.1〜
1.3の広葉樹パルプから構成され、該針葉樹パルプ
(N)と該広葉樹パルプ(L)の重量比(N/L)が、
5/95〜20/80であることを特徴とする写真印画
紙用支持体。 - 【請求項2】 針葉樹パルプが、サルファイトパルプで
あることを特徴とする請求項1記載の写真印画紙用支持
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27168692A JPH06118552A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 写真印画紙用支持体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27168692A JPH06118552A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 写真印画紙用支持体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118552A true JPH06118552A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17503445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27168692A Pending JPH06118552A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 写真印画紙用支持体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06118552A (ja) |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP27168692A patent/JPH06118552A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2645887B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
US4968554A (en) | Support sheet for photographic paper | |
US4927495A (en) | Support for photographic printing paper | |
US5082724A (en) | Photograhic paper support | |
JPH06118552A (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP3126204B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP3345465B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP2895299B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH06158579A (ja) | 紙の製造方法 | |
JPH0648357B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP3862287B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP2809456B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP2579815B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH0841792A (ja) | 画像記録媒体の製造方法 | |
JPS59224842A (ja) | 写真用支持体 | |
JP3288601B2 (ja) | グラビア印刷用塗被紙の製造方法 | |
JP2763378B2 (ja) | 写真用支持体 | |
JPH0642048B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JP2895304B2 (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH02308243A (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH06138579A (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH0862777A (ja) | 画像記録媒体の製造方法 | |
JPH0882891A (ja) | 写真印画紙用支持体 | |
JPH0361936B2 (ja) | ||
JPH06242548A (ja) | 写真印画紙用支持体 |