JPH0220351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、床の仕上げ用の自走式のオートフイ
ニツシヤに関し、更に詳しくは特にコンクリート
床仕上げに適したオートフイニツシヤに関する。

［従来の技術］ 現在、コンクリート床仕上げは、モノシリツク
工法が主流となつており、この工法ではコンクリ
ートが固まるのと平行して床仕上げを行うため、
深夜作業になつており、またコンクリート床面を
仕上げるときに生じる粉塵は作業環境を著しく悪
くしている。このようにコンクリート床面の仕上
げ作業は、労働条件が必ずしも良くないが、現在
に至つても充分な解決策がとられていない。これ
について、本出願人は先に、特願昭59−21568号
において、無人運転すなち自走式のオートフイニ
ツシヤを提案している。かかるオートフイニツシ
ヤは、第１図に示すように走行台車１と、その台
車１に牽引あるいは押されるトロウエル１０とか
らなつている。走行台車１は、操舵可能な従動輪
２、駆動輪２′を有し、サスペンシヨン３，３を
介して台車フレーム４が支持されている。その台
車フレーム４の上に制御部５が搭載されている。
制御部５には、台車１の自走に必要なすべての装
置例えば従動輪２の操舵用モータ、駆動輪２′の
駆動用モータ、現在位置検出装置、トロウエル１
０の駆動制御装置、トロウエル１０の傾斜制御手
段等が含まれている。制御部５の反対側には、ブ
ラケツト６が立設され、このブラケツト６の略中
間位置にアーム７が水平方向に揺動可能に取付け
られており、アーム７の他端には、トロウエル１
０が水平方向のピン８を介して垂直方向に揺動可
能に結合されている。

トロウエル１０は、円筒状のケーシング１１
と、そのケーシング１１の下方に位置し、床仕上
げ面Ｇに接触して回転駆動される複数枚の羽根１
２とその羽根を覆うカバー１３、ケーシング１１
内の駆動モータ９とから概略構成されている。

以上のように構成されたオートフイニツシヤは
トロウエル１０の羽根１２を回転駆動しながら走
行台車１を自走させると、羽根１２によつて床仕
上げ面Ｇが仕上げられるのである。

ところで建物は不規則な形をしており、部屋の
隅もあつて、その床仕上げ面をトロウエルで仕上
げるには、走行台車は非常に小回りがきくことが
要望される。これに対し、第１図におけるような
操舵可能な従動輪２と駆動輪２′の組合せでは、
回転半径には限度があり、上記の要望に応ずるこ
とができない。

［考案の目的］ 従つて本考案の目的は、小回りのきく走行台車
を備えたオートフイニツシヤを提供するにある。

［考案の構成、作用効果］ 本考案によるオートフイニツシヤは、ステアリ
ング可能な駆動輪および従動輪を台車フレームの
中心からそれぞれ直交方向に等距離に配設した走
行台車と、該台車に結合されているトロウエルと
からなり、前記駆動輪を走行台車に転向自在に支
持する走行台車に垂直なステアリングシヤフト
と、該ステアリングシヤフトを互いに対向する方
向に回転するギヤと、該ギヤを駆動するギヤ駆動
手段とを備えている。

従つて台車フレームの中心より等距離に配設さ
れた一対の駆動輪は、ステアリングシヤフトを介
して互いに対向する方向に転向することができ
て、従来より小さい旋回半径で旋回でき、最大転
向時すなわち転向角90度のときは、その場旋回を
することができ、その結果、トロウエルの床仕上
げに作業能率が大幅に向上する。

本考案の実施に際し、ギヤはステアリングシヤ
フトに固着した互いにねじれ方向の異るウオーム
ホイールおよびそれに噛合うウオームとして具体
化し、また、ギヤを駆動する手段は、ウオームを
両端に固着したシヤフトおよびそのシヤフトを回
転するモータと減速機として具体化するのが望ま
しい。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第２図において、台車フレーム４の中心Ｏを通
る直交２軸すなちｘ，ｙ軸のｘ軸すなわち台車中
心線上に、図面上方を前方とした場合、中心Ｏよ
り前後等距離にステアリング可能な駆動輪１１，
１１′が配設され、ｙ軸上に中心Ｏより左右等距
離に従動輪１２，１２′が配設されている。

第３図および第４図においてそれら駆動輪１
１，１１′は、サポート１３，１３′に回転自在に
支持され、内蔵した図示されない直流サーボモー
タにより駆動されるとともに、サポート１３，１
３′に固設され、台車フレーム４に垂直なステア
リングシヤフト１４，１４′を介して台車フレー
ム４に転向自在に支持されている。なお従動輪１
２，１２′は図示されないブラケツトにより回転
自在に支持されている。

前記ステアリングシヤフト１４，１４′には、
それらを互いに対向する方向に回転するギヤ１
５，１５′が設けられている。それらのギヤ１５，
１５′は、ステアリングシヤフト１４，１４′の台
車フレーム４の上方に突出した端部に固設された
互いにねじれ方向の異なるウオームホイール１
６，１６′と、これらに噛合うウオーム１７，１
７′よりなつている。

これらのギヤ１５，１５′を駆動するギヤ駆動
手段は、ウオーム１７，１７′を両端に固設しベ
アリング１８，１９，２０により台車フレーム４
に支持されたシヤフト２１と、台車フレーム４に
モータスタンド２２を介してシヤフト２１と平行
に取付けられた直流サーボモータ２３と、モータ
２３とシヤフト２１との間に介装されたスパーギ
ヤ２４，２４とより概略なつており、モータ２３
の駆動により、ギヤ１５，１５′を介しステアリ
ングシヤフト１４，１４′は、互いに対向する方
向に回転されるようになつている。なお、モータ
２３と対向する側にはスパーギヤ２４を介しエン
コーダ２５が設けられ、シヤフト２１の角変位す
なわち駆動輪１１，１１′の転向角度を検知でき
るようになつている。

次に第２図、第５図および第６図を参照して本
考案の作動を説明する。

直進するときは、第２図に示すように、駆動輪
１１，１１′をｘ軸方向に正中すなわち転向角を
零とすれば、台車フレーム４は、駆動輪１１，１
１′に駆動されて直進する。

右旋回するときは、第５図に示すように、モー
タ２３を駆動してギヤ１５を介して前部の駆動輪
１１を右へ転向角αだけ転向する。このとき、ギ
ヤ１５′を介して後部の駆動輪１１′は左へ転向角
αだけ転向する。従つて台車フレーム４は右へ従
来よりは小さい旋回半径で旋回することができ
る。

ところで、この考案の特徴は、その場旋回がで
きることである。すなわち第５図に示すように、
駆動輪１１，１１′をそれぞれ転向角90度だけ転
向すると、各輪１１，１１′または１２，１２′は
それぞれ中心Ｏから等距離にあるので、台車フレ
ーム４は中心Ｏを中心としてその場旋回をするこ
とができる。

〔まとめ〕

以上説明したように本考案によれば、駆動輪ま
たは従動輪を台車フレームの中心から直交方向に
それぞれ等距離に配設し、駆動輪を互いに対向す
る方向に回転するギヤと、ギヤを駆動するギヤ駆
動手段を設けたので、駆動輪は互いに対向する方
向に転向され、従来より小さい旋回半径で旋回で
き、最大転向時すなわち転向角90度のときは、そ
の場旋回することができ、その結果、トロウエル
の床仕上げ作業能率が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオートフイニツシヤを示す側面
図、第２図は本考案の１実施例を示す車輪配置
図、第３図は本実施例の側面図、第４図は本実施
例の上面図、第５図および第６図は本実施例の動
作の説明図である。 １……走行台車、４……台車フレーム、１０…
…トロウエル、１１，１１′……駆動輪、１２，
１２′……従動輪、１４，１４′……ステアリング
シヤフト、１５，１５′……ギヤ、１６，１６′…
…ウオームギヤ、１７，１７′……ウオーム、２
１……シヤフト、２３……直流サーボモータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリング可能な駆動輪および従動輪を台車
   フレームの中心からそれぞれ直交方向に等距離に
   配設した走行台車と、該台車に結合されているト
   ロウエルとからなり、前記駆動輪を走行台車に転
   向自在に支持する走行台車に垂直なステアリング
   シヤフトと、該ステアリングシヤフトを互いに対
   向する方向に回転するギヤと、該ギヤを駆動する
   ギヤ駆動手段とを備えたことを特徴とするオート
   フイニツシヤ。