JP2556892Y2 - 高所作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、多段シリンダを高所に伸長させて所定の作
業をする高所作業車に関するものである。

〔従来の技術とその課題〕 この種の高所作業車は例えば変電所において電源を切
った後に高圧架線に残っている電流を大地へアースさせ
るために高所の高圧架線にアース線の付いたアース金具
を取り付けるのに従来から使用されている。

第７図に従来から使用されている高所作業車の一例を
示し、台車ａは駆動輪ｂと操舵輪ｃを備え、ｄは該操舵
輪ｃを動かす牽引アーム、ｅは台車ａの安定を保つアウ
トリガーである。ｆは該台車ａの中央に垂直に支持され
た多段シリンダで、該多段シリンダｆの伸長ロッドｈ先
端にアース金具ｇが乗せられるようになっている。なお
該アース金具ｇは伸長ロッドｈ先端に被るキャップ状部
ｉと高圧架線に係留し得る一対の挟着片ｊとアース線ｋ
とからなる。しかして、該アース金具ｇを高所に張設さ
れた高圧架線に取り付けるに際しては、高圧架線の真下
に多段シリンダｆを位置させ多段シリンダｆをゆっくり
伸長させながらハンドル１、ハンドルｍを操作し挟着片
ｊが高圧架線にうまく当るように該多段シリンダｆの傾
斜角度を微調節する必要があった。しかしながらその場
合作業車は頭上にアース金具ｇを見上げて作業をしなけ
ればならなかったので、身の回りの視野が狭くなり、ま
た操作に余裕がなく架線とアース金具ｇとの距離の把握
が難しく少し離れた所から見ることのできる別の作業者
に誘導してもらわないとうまく取り付けできないという
問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の高所作業車は上記課題を解決しようとするも
ので、高所に伸長する多段シリンダを台車上に自在軸受
により周囲に傾動可能なるように略々垂直に支持し、該
自在軸受から離れた部位に車長方向に長い長方形枠状の
ガイド片と車幅方向に長い長方形枠状のガイド片とを夫
々短辺方向に移動可能なるように支持し、該ガイド片内
に前記多段シリンダを遊挿し、該ガイド片を夫々移動さ
せる一対の駆動モータを設け、さらに該各駆動モータの
回転を遠隔操作により制御するリモートコントローラを
設けてなることを特徴としたものである。

〔実施例〕

次に本考案の高所作業車の一実施例を第１図〜第６図
に従い説明する。

台車１は駆動輪２と操舵輪３を有した電動四輪車で、
４は該操舵輪３を方向付けるハンドルである。該台車１
の四隅には該台車１を安定静止させるためのアウトリガ
ー５が設けられている。６は該台車１上に設けられた油
圧ユニット、７は操作盤である。台車１上略中央には軸
受8,8によりフレーム９が鉛直面内で旋回可能なるよう
に軸支されている。10,10は該フレーム９を旋回動させ
るためその作動軸11をフレーム９の一部に突設したアー
ム12,12に枢着させた油圧シリンダである。しかしてフ
レーム９の上部には第３図に示した自在軸受13が設けら
れている。該自在軸受13はフレーム９の上面に固設した
軸受14,14により方形枠15を車長方向に傾動自在に軸支
し、さらに該方形枠15の下面に設けた軸受片16,16によ
り方形枠17を車幅方向に傾動自在に軸支してなり、該方
形枠17の中心に多段シリンダ18を貫挿しボルト19により
止着することにより該多段シリンダ18を周囲に傾動可能
なるように略々垂直に支持する。フレーム９内には該多
段シリンダ18を所要方向に傾動するための駆動部が設け
られる。該駆動部は多段シリンダ18を前記自在軸受13か
ら離れた部位にて水平面内で直交する二方向に移動可能
なる一対のガイド片20,21を具備する。即ち、フレーム
９内の相対する内側に軸受22,22,23,23により螺軸24,25
を夫々回転自在に支持し、車長方向に長い長方形枠状の
ガイド片20の両端部に該螺軸24,25に螺合する雌螺子体2
6,27を固設し、該螺軸24,25が回転するとガイド片20が
水平面内で車幅方向（即ちガイド片20の短辺方向）に移
動し得るようにする。一方、フレーム９内の他の相対す
る内側に軸受28,28,29,29を設け、該軸受28,28,29,29に
より螺軸30,31を夫々回転自在に支持し、車幅方向に長
い長方形枠状のガイド片21の両端部に該螺軸30,31に螺
合する雌螺子体32,33を固設し、該螺軸30,31が回転する
とガイド片21が水平面内でガイド片20とは直交する方向
（即ちガイド片21の短辺方向）に移動し得るようにす
る。そしてこれらガイド片20およびガイド片21中に前記
多段シリンダ18が貫挿される。34は螺軸24,25を回転動
させる駆動モータで、該駆動モータの回転軸にスプロケ
ット35が設けられ該スプロケット35と螺軸24のスプロケ
ット36とを無端チェン37により連繋し、該螺軸24のスプ
ロケット38と螺軸25のスプロケット39とを無端チェン40
により連繋している。また41は螺軸30,31を回転動させ
る駆動モータで、該駆動モータ41の回転軸に設けた傘歯
車42を螺軸30の傘歯車43′に噛合させると共に該螺軸30
の他端に傘歯車対を介して伝動軸43を設け該伝動軸43を
さらに傘歯車対を介して螺軸31に連繋させる。前記螺軸
25に設けたスプロケット44は無端チェン45を介してハン
ドル軸46に連繋し、また、伝動軸43に設けられたスプロ
ケット47は無端チェン48を介してハンドル軸49に連繋さ
れ、該ハンドル軸46のハンドル50を回転操作することに
より螺軸24,25が回転し、ハンドル軸49のハンドル51を
回転操作することにより螺軸30,31が回転し得るように
なっている。

52,53は多段シリンダ18を油圧により伸長または収縮
させるための操作ハンドルを示す。

前記駆動モータ34および駆動モータ41は、操作盤７中
の制御回路により回転が制御される。該制御回路には信
号線54を導出させその先端にリモートコントローラ55を
設け、該リモートコントローラ55により駆動モータ34お
よび駆動モータ41の回転が遠隔操作できるようにする。
リモートコントローラ55のハンドル56を表示の「前」方
向に傾斜させたとき駆動モータ41が正転しガイド片21を
後方に移動させるため多段シリンダ18は自在軸受13を支
点として前方に傾動する。またハンドル56を反対に
「後」方向に傾斜させると駆動モータ41は逆転しガイド
片21を前方に移動させるため多段シリンダ18は反対に後
方に傾動する。またハンドル56を表示の「右」方向に傾
斜させると駆動モータ34が正転しガイド片20を台車左側
方向に移動させるため多段シリンダ18は自在軸受13を支
点として台車右側に傾動し、反対にハンドル56を「左」
方向に傾斜させると駆動モータ34は逆転しガイド片20は
台車右側方向に移動し多段シリンダ18を反対に台車左側
に傾動させることができる。ハンドル56を中立させたと
きは両駆動モータ34,駆動モータ41は停止する。

このため、多段シリンダ18の伸長ロッドの先端にアー
ス金具57を乗せて多段シリンダ18を伸長させ該アース金
具57を上昇させ高圧架線に係留させるに際して、該台車
１から少し離れた位置にてリモートコントローラ55を操
作すれば、高圧架線とアース金具57との位置関係が良く
判り、多段シリンダ18を所要方向に傾動させることによ
り難なく該アース金具57を高圧架線に係留できる。

〔考案の効果〕

このように本考案の作業車は、多段シリンダを自在軸
受を介して周囲に傾動可能なるように支持すると共に該
自在軸受から離れた部位に車長方向に長い長方形枠状の
ガイド片と車幅方向に長い長方形枠状のガイド片とを夫
々短辺方向に移動可能なるように支持し、該ガイド片内
に前記多段シリンダを遊挿し、該ガイド片を夫々移動さ
せる一対の駆動モータの回転をリモートコントローラに
より制御し得るようにしたので、作業員は台車から少し
離れて高所を見易い位置に立って遠隔操作により該多段
シリンダを自在軸受を支点として前後左右に傾動させる
ことで伸長ロッド先端を所要位置に容易に到達させるこ
とができる。従って高所作業性を大幅に向上させる有益
な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る高所作業車の一実施例を示したもの
で、第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は要部の
拡大断面図、第４図は自在軸受の斜視図、第５図は第３
図のＡ−Ａ線断面図、第６図は第３図のＢ−Ｂ線断面
図、第７図は従来の高所作業車の側面図である。 １……台車、９……フレーム、13……自在軸受、18……
多段シリンダ、20,21……ガイド片、34,41……駆動モー
タ、54……信号線、55……リモートコントローラ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高所に伸長する多段シリンダを台車上に自
   在軸受により周囲に傾動可能なるように略々垂直に支持
   し、該自在軸受から離れた部位に車長方向に長い長方形
   枠状のガイド片と車幅方向に長い長方形枠状のガイド片
   とを夫々短辺方向に移動可能なるように支持し、該ガイ
   ド片内に前記多段シリンダを遊挿し、該ガイド片を夫々
   移動させる一対の駆動モータを設け、さらに該各駆動モ
   ータの回転を遠隔操作により制御するリモートコントロ
   ーラを設けてなることを特徴とした高所作業車。