JPH0219880B2 - - Google Patents

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JPH0219880B2
JPH0219880B2 JP1444483A JP1444483A JPH0219880B2 JP H0219880 B2 JPH0219880 B2 JP H0219880B2 JP 1444483 A JP1444483 A JP 1444483A JP 1444483 A JP1444483 A JP 1444483A JP H0219880 B2 JPH0219880 B2 JP H0219880B2
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JP
Japan
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cholesterol
carbon dioxide
extraction
oils
fats
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JP1444483A
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Mineo Hasegawa
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Kewpie Corp
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QP Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はコレステロール含有量の多い油脂の新
規な製法に関するものである。 コレステロールは、従来から、例えば、これに
基因する動脈硬化症等の治療、予防等に関する研
究において動物実験用の試薬として広く用いられ
ているが、近年、更に、化粧品の油相成分とし
て、また石けんおよび界面活性剤などの原料とし
ての使用が注目されつつある。 純粋なコレステロールは、従来より、工業的に
は畜牛の脳、セキ髄、または魚油、羊毛油から得
られる不ケン化物を再結晶、更に精製することに
より、あるいは1,6−ジメトキシナフタレンま
たは4−メトキシ−2,5−トルキノンから数十
工程を経て合成することにより得られている。 一方、粗コレステロールの製造法も従来より
種々知られており、その代表的なものとして食品
中に含まれているコレステロールを各種溶剤を用
いて抽出するという方法があげられる。例えば、
卵液や卵粉から有機溶剤(アルコール、n−ヘキ
サン、アセトン、ジメチルエーテルなど)を用い
て含有せるコレステロールを固−液抽出する方法
がある。この方法の具体的なものとして、特公昭
46−42944号公報には、卵黄固形物から非極性溶
剤を用いてコレステロール含有物を抽出する方法
が、また特開昭47−19062号公報には卵黄からア
セトンを用いてコレステロールを含む抽出油を得
る方法が開示されている。ところが上記したよう
な溶剤による抽出方法は極めて簡易な方法である
反面、コレステロールと共に原料食品中に含まれ
ている各種油脂類がほとんど全部抽出されてしま
うだけでなく、得られる抽出油は所望のコレステ
ロールの含有量が少ないというものである。それ
故、上記したような方法で得られた抽出油からよ
り純粋なコレステロールを得るためには少なから
ずの精製工程を経なければならず、しかもその割
には収率が悪い等の欠点がある。 よつて、コレステロールを含有する物質からコ
レステロールを含む油脂を抽出するという簡易な
粗コレステロールの製造法であつて、コレステロ
ールをより純粋な形で、しかもより高い含有量で
抽出しうる方法の開発が望まれているのが現状で
ある。 本発明者は、このような課題に即して研究を重
ねた結果、コレステロールを含有する乾燥状物質
を超臨界二酸化炭素と接触させるならばその物品
中に含有されていたコレステロールをほぼ完全に
抽出し、しかも従来の溶剤による抽出方法ではか
なり広範囲の油脂分を伴うのに比べて特定的な油
脂分のみを伴うだけでコレステロールをより選択
的に抽出し、即ち、コレステロールをより多く含
む油脂を抽出することができることを見い出し
た。 従来、超臨界二酸化炭素を抽出媒体として用い
る抽出法が知られており、例えば、特開昭55−
54003号、特開昭55−69585号、あるいは特開昭57
−194760号公報等で紹介されている。特開昭55−
54003号公報には、超臨界二酸化炭素と液体溶剤
との組み合わせ抽出媒体で植物性および動物性材
料から植物脂、動物脂、アロマ、薬物エキス等を
抽出する方法が開示されており、また、特開昭55
−69585号公報には、カフエイン溶液を超臨界二
酸化炭素と接触させてこの溶液からカフエインを
抽出する方法が開示されている。更に、特開昭57
−194760号公報には、臨界超過の圧力下にある二
酸化炭素で植物から濃縮エキスを抽出する方法が
開示されている。しかし、二酸化炭素を抽出媒体
として用いるこれら従来のいずれの抽出法とも、
コレステロールを含有する物質からのコレステロ
ール抽出に対しての二酸化炭素の有用性について
は何ら示唆するものではなかつた。 本発明者は、コレステロールを含有する物質に
対するコレステロール抽出媒体としての二酸化炭
素の有用性に関して鋭意研究を重ねた結果、コレ
ステロールを含有する物質であつても液状ないし
は含水状態にある物質ではなくて乾燥状態とした
ものに超臨界二酸化炭素を接触させることによつ
て、その物質中からコレステロールをほぼ完全に
抽出することができるようになるばかりでなく、
更に特定的な油脂分のみを伴うだけでコレステロ
ールをより選択的に即ち、より純粋な形でしかも
高い含有量で抽出できるようになることを見い出
し、本発明に至つた。 本発明は、コレステロールを含有する乾燥状物
質を超臨界二酸化炭素と接触させ、この物質から
コレステロール含有量の多い油脂を抽出すること
を特徴とする、コレステロール含有量の多い油脂
の製法を提供するものである。 以下、本発明を詳しく説明する。 本発明の方法が適用される原料物質は、コレス
テロールを含有する物質であつて乾燥状態にある
ものであればすべてを含み、例えば、卵粉(全卵
粉、卵黄粉)、粉乳、乾燥肉、乾燥魚介類、乾燥
した海草類等のコレステロールを含有する乾燥状
食品、あるいは乾燥した家畜の脳やセキ髄などの
コレステロールを含有する乾燥状物質を挙げるこ
とができる。尚、これら原料物質は、加熱乾燥、
スプレードライ乾燥、凍結乾燥、天日乾燥等いず
れの乾燥手段によつて乾燥処理されたものであつ
てもよい。また、乾燥の程度は水分含量が15%以
下、好ましくは2〜8%であることが本発明の方
法において望ましい。粉状物以外の物質であつて
もこの程度位まで乾燥されると全体的にスポンジ
状となり、抽出媒体との接触面が増大され、本発
明の方法が効果的に実施されうるからである。 コレステロールを含有する物質であつても液状
ないしは含水状態にある物質、例えば、卵液、牛
乳、生肉、生鮮魚介類等は、超臨界二酸化炭素と
の接触の際その水分がまず超臨界二酸化炭素に取
り込まれてしまうために超臨界二酸化炭素のコレ
ステロール抽出作用が阻害される。それ故、本発
明の方法をこれら液状ないし含水状態にある物質
に適用してもそこに含まれているコレステロール
を効果的に抽出することは困難である。 本発明の方法においてコレステロール抽出媒体
として用いる超臨界二酸化炭素とは、抽出時に
31.0℃の臨界温度あるいはそれ以上の温度および
72.80気圧の臨界圧あるいはそれ以上の圧力の条
件下にある二酸化炭素を意味し、このような条件
下にある二酸化炭素を超臨界状態にある二酸化炭
素という。特に、35〜45℃の温度および130〜250
気圧の条件下にある超臨界二酸化炭素が本発明の
方法において好ましく用いられる。 このような超臨界二酸化炭素を抽出媒体として
用い、コレステロールを含有する乾燥状の物質か
らコレステロールを含む油脂を抽出する操作は、
この抽出操作が効果的に実施しうる限り従来の超
臨界二酸化炭素を抽出媒体として用いた抽出法に
おいて使用される抽出装置を用いても行いうる
が、一般的には下記に示す具体例に従つて行えば
よい。 以下、具体例を第1図に従つて説明する。 第1図は、コレステロールの抽出に用いる抽出
装置であつて、液体二酸化炭素ボンベ1からプラ
ンジヤーポンプ2を作動させて液体二酸化炭素を
加熱装置3を通してガス化したのち抽出槽4に順
次送り込み、この際バルブ5を閉じておくことに
よつて二酸化炭素の超臨界状態を形成させる。上
記抽出槽4には予めコレステロールを含有する乾
燥状の物質が充填されており、形成された超臨界
二酸化炭素との接触がここにおいてなされる。
尚、加熱装置3における温度およびプランジヤー
ポンプ2の作動圧力を適宜調節することによつて
所望の条件を有する超臨界二酸化炭素を形成する
ことができる。抽出槽4においてコレステロール
の抽出が開始された時点でバルブ5を半開きにす
ると、抽出槽4から解放されたコレステロールを
含む臨界状態の二酸化炭素は常圧の二酸化炭素ガ
スとなり分離槽6に導びかれ、ここで抽出油脂が
分離されて、二酸化炭素ガスは更に円筒フイルタ
ー7を通して回収される。次いで、分離後分離槽
6に留まつていた抽出油脂はここから適宜回収さ
れる。他方、コレステロールが抽出された物質
は、上下部においてフイルターを備えた抽出槽4
中にそのまま残り、超臨界二酸化炭素の解放後低
コレステロール物質として適宜回収される。 上記のようにして得られた抽出油脂は、後述の
従来の各種溶剤を用いた製造法により得られたも
のと比較した試験例の結果より明らかなように、
コレステロール含量がかなり多いものであり、か
つ従来法によるものがコレステロールと共にかな
り広範囲の油脂分、特に燐脂質、および色素等を
伴つて抽出されたものであるに反して特定的な油
紙分、例えば卵黄粉の場合はトリグリセリドの
み、を伴つたものであつて、コレステロールがよ
り選択的に抽出されているものである。 更に、本発明による抽出油脂は、用いたコレス
テロール抽出媒体が超臨界二酸化炭素であるため
に抽出完了後常圧に戻すことにより極めて容易
に、かつほぼ完全にこの抽出媒体から分離される
ものであつて、しかも、たとえこの油脂中に二酸
化炭素が残存していても人体に対して無害なもの
である。 本発明により抽出された油脂は、このようにコ
レステロール含有量が多く、しかも特定的な油脂
分を含むだけのものであるため、そのままでも化
粧品等の原料とすることができ、また若干の精製
を施すことにより、高純度のコレステロール油脂
に仕上げることができ、試薬用の原料としても有
用である。 他方、従来の各種溶剤を用いて抽出する方法に
おいては、所望の油脂が溶剤混合溶液として得ら
れるためにこの両者間において分離が必要であ
り、このために特別な分離工程を設けなければな
らず、しかも、油脂から残存する人体に有害な溶
剤を完全に除くことは困難である。その上、こう
して得られた油脂はコレステロール含有量が少な
いばかりかかなり広範囲の油脂分を含んでいるた
め、ここからコレステロールのみを回収するには
更にかなり多くの工程を経ることを必要とする。 次に、超臨界二酸化炭素を抽出媒体として用い
る本発明のコレステロール含有量の多い油脂の製
法を、従来の各種溶剤を用いたコレステロール含
有油脂の製法と実際に比較した試験例でもつて説
明する。尚、本発明において%はすべて重量%で
ある。 試験例 この試験例において、コレステロールを含有す
る乾燥状の物質として卵黄粉(コレステロール含
量:2.5%および水分含量:2.4%)を用いた。こ
の食品から下記の各抽出法によりそれぞれコレス
テロール含有油脂を製造した。 抽出法: (1) 超臨界二酸化炭素抽出(本発明) 前記した第1図の抽出装置を用い、卵黄粉
50gに対して40℃、150気圧の条件下の超臨
界二酸化炭素を5時間に亘つて接触させ、抽
出完了後抽出油脂を回収した。 (2) n−ヘキサン抽出(特公昭46−42944号公
報) 卵黄粉50gに対してn−ヘキサン150mlを
用いて撹拌抽出し、これを更に2回繰り返
し、抽出油脂(ヘキサン−卵黄油溶液)を
得、これを更に蒸留し、卵黄油からヘキサン
を分離した。 (3) アセトン抽出(特開昭47−19062号公報) 上記ヘキサン抽出法においてヘキサンに代
えてアセトンを用いて同様にして抽出し、抽
出油脂(アセトン−卵黄油溶液)を得、これ
を蒸留して卵黄油からアセトンを分離した。 試験結果A: 各抽出法によつて得られた抽出油脂の収量、コ
レステロール含量および燐脂質含量の各々につい
て常法に準じて調べたところ、結果はそれぞれ以
下の第1表に示す通りであつた。
【表】 上記の結果より、本発明の超臨界二酸化炭素抽
出によれば燐脂質はほとんど抽出されることはな
く、従来法によるものよりコレステロールがかな
り選択的に抽出されることが理解される。 試験結果B: 本発明の超臨界二酸化炭素抽出により得られた
低コレステロール卵黄粉およびその抽出油脂の全
脂質組成をイヤトロスキヤンTH−10((株)ヤトロ
ン社製)で調べた。その結果は第2図に示す通り
であつた。図中、イは未処理卵黄粉、ロは低コレ
ステロール卵黄粉およびハは抽出油脂の全脂質組
成をそれぞれ示したスペクトルである。 第2図から特定な油脂分、即ちトリグリセリ
ド、を伴うだけでコレステロールがほぼ選択的に
抽出されていることがわかる。 以下、本発明を実施例でもつて更に詳しく説明
する。 実施例 1 第1図に示した装置を用い、卵黄粉(コレステ
ロール含量:2.5%および水分含量:5.2%)10Kg
に対して41℃、135気圧の条件下の超臨界二酸化
炭素を10時間に亘つて接触させ、抽出完了後抽出
油脂を回収した。 この油脂の収量は1.8Kgでそこに含まれている
コレステロールは12.3%であつた。尚、燐脂質含
量は0.08%であつた。 実施例 2 原料物質としてコレステロール含量が1.8%で
水分含量が5.8%の全卵粉10Kgを用い、これに対
して42℃、150〜158気圧の条件下の超臨界二酸化
炭素を5時間に亘つて接触させ、抽出終了後抽出
油脂を回収した。 この油脂の収量は1.0Kgでそこに含まれている
コレステロールは11.8%であつた。尚、燐脂質含
量は0.1%であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における抽出操作を実施する
ための抽出装置の一例を示すものである。第2図
は、本発明の方法により得られた低コレステロー
ル卵黄粉およびその抽出油脂の全脂質組成を示す
スペクトルである。図中の記号はそれぞれ以下の
ものを示す。 1…液体二酸化炭素ボンベ、2…プランジヤー
ポンプ、3…加温装置、4…抽出槽、5…バル
ブ、6…分離槽、7…円筒フイルター、イ…未処
理卵黄粉、ロ…低コレステロール卵黄粉およびハ
…抽出油。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 コレステロールを含有する乾燥状物質を超臨
    界二酸化炭素と接触させ、この物質からコレステ
    ロール含有量の多い油脂を抽出することを特徴と
    する、コレステロール含有量の多い油脂の製法。
JP1444483A 1983-01-31 1983-01-31 コレステロ−ル含有量の多い油脂の製法 Granted JPS59140299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1444483A JPS59140299A (ja) 1983-01-31 1983-01-31 コレステロ−ル含有量の多い油脂の製法

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JP1444483A JPS59140299A (ja) 1983-01-31 1983-01-31 コレステロ−ル含有量の多い油脂の製法

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JPS59140299A JPS59140299A (ja) 1984-08-11
JPH0219880B2 true JPH0219880B2 (ja) 1990-05-07

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JP1444483A Granted JPS59140299A (ja) 1983-01-31 1983-01-31 コレステロ−ル含有量の多い油脂の製法

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