JP2009024050A - 水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法 - Google Patents

水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法 Download PDF

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洋昭 齋藤
Sawae Tsushima
佐和栄 津嶋
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Abstract

【課題】腹足類、斧足類、頭足類等水圏生物から極性脂質画分を、食品素材にも利用でき、かつ高濃度で多量に回収できる、極性脂質画分の回収方法を提供すること。
【解決手段】水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法であって、熱水で処理した水圏生物の軟体部から極性脂質画分をエタノール又はエタノール水で抽出し、抽出された極性脂質画分を融点20℃以下である油脂成分に溶解又は分散した後、アセトン溶媒中において極性脂質画分を沈殿させ精製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドコサヘキサエン酸(DHA)やイコサペンタエン酸(EPA)を含有する極性脂質を水圏生物から効率的に回収する方法に関する。
グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質などの極性脂質は、一般に、植物、微生物および動物の膜の構造において重要な役割を果たしている。また、単に構成成分であるのみならず、様々な生理活性を有することが知られており、一般食品、健康食品、化粧品、医薬品の原料として期待される。
近年、角質細胞間脂質に含まれるセラミドの供給が皮膚の健常性の維持に強い効果をもたらすことが明らかとなり、健康食品や化粧品として多量の供給が要望されている。しかし、拡大する需要に対し、セラミドを骨格構造として含むスフィンゴ脂質は天然には微量しか存在せず、十分な供給量を得ることができなかった。そのため、化学合成したスフィンゴ脂質が開発され、これまでセラミド代替品として使用されてきている(非特許文献1)。最近では、植物由来のスフィンゴ糖脂質が見出され利用が拡大してきている(非特許文献3)。しかし、植物中のスフィンゴ脂質の含有量は微量であり新たな供給源が求められている。
このような中、腹足類、斧足類、頭足類などの水圏生物の軟体部が、スフィンゴリン脂質を高含有していることが見出された(特許文献1)。これらの生物からスフィンゴリン脂質を採取することで、セラミドを大量に供給することができる。また、これらの水圏生物は、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの高度不飽和脂肪酸を結合するグリセロリン脂質を含有していることが知られている。これらのDHAを結合したグリセロリン脂質は、脳機能改善作用、抗アレルギー作用、睡眠改善作用などを示すことが知られており、健康食品の素材として需要が高い。
水圏生物から極性脂質を回収する方法としては、有機溶剤による抽出・分離が一般的である。しかし、極性脂質画分を食品素材として使用する場合、溶剤の使用は制限され、抽出・分離工程には安全衛生の面からエタノール、アセトン等の使用に限られているが、極性脂質画分を水圏生物からエタノールにより単純に抽出しても、水溶性の夾雑物や中性脂質が混入し、抽出物中の極性脂質画分濃度は非常に低くなるという問題があった。
水圏生物から高濃度のスフィンゴリン脂質を抽出回収するためには、クロロホルムやメタノールなどの毒性の強い有機溶剤が使用されており(特許文献1)、このような方法で回収されたスフィンゴリン脂質を、医薬や食品用途に使用することはできなかった。
このように、水圏生物の軟体部から回収される極性脂質画分を食品素材として高率で回収し得る技術は、今まで知られていなかった。
特開2005−2324号公報 「油化学」43巻8号656〜658頁(1994年) J.Oleo Sci.,Vol.51,No.5,347〜354(2002)
本発明の目的は、腹足類、斧足類、頭足類等水圏生物から極性脂質画分を、食品素材にも利用でき、かつ高濃度で多量に回収できる、極性脂質画分の回収方法を提供することにある。
本発明者らは、エタノール又はエタノール水による抽出法に、熱水による前処理と、アセトンによる沈殿工程を組み合わせることにより、クロロホルムやメタノールを使用した抽出法と同程度の収率で、水圏生物から極性脂質を回収できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法であって、熱水で処理した水圏生物の軟体部から極性脂質画分をエタノール又はエタノール水で抽出し、抽出された極性脂質画分を融点20℃以下である油脂成分に溶解又は分散した後、アセトン溶媒中において極性脂質画分を沈殿させ精製することを特徴とする極性脂質画分の回収方法である。
本発明により、腹足類、斧足類、頭足類等の水圏生物から極性脂質画分を高濃度で多量に回収できる極性脂質画分の回収方法を提供できる。本発明においては、食品製造工程に使用できる溶剤のみ使用することから、製造される極性脂質画分は食品素材として適している。
本発明の方法では、熱水で処理した水圏生物の軟体部を使用する。熱水処理に供される軟体部は、そのままでも粉砕等の操作を加えたものでも良い。熱水の温度は通常70〜100℃、好ましくは95〜100℃である。70℃未満では蛋白などが変性・凝固せず、次項のエタノール又はエタノール水抽出時に混入して抽出される恐れがある。熱水の使用量は原料1kgに対し通常2〜10L、好ましくは3〜7Lである。2L未満では、水溶性成分が十分除去出来ず、次項のエタノール又はエタノール水抽出時に混入して抽出される恐れがある。熱水による処理時間は、通常10分〜1時間、好ましくは30分である。
熱水による処理は、
公知の蒸煮装置が使用でき、水圏生物の軟体部を上記所定温度の熱水中に浸漬できれば、どのような形状の釜でも問題ない。また、実際の製造現場では、加熱できる抽出装置であれば、抽出装置を使って熱水処理し、その後熱水を除去した後に抽出作業することが簡便であり、ロスも少なく望ましい。
本発明では、熱水で処理した極性脂質画分をエタノール又はエタノール水で抽出する。エタノール水におけるエタノール濃度は、通常20〜100%、好ましくは65〜98%である。20%未満、あるいは98%より濃いと、極性脂質画分の抽出量が減少するおそれがある。エタノール水の使用量は原料1kgに対し通常3〜10L、好ましくは5〜7Lであり、抽出時間は通常1〜5時間、好ましくは3時間である。
本発明では、エタノール又はエタノール水により抽出された極性脂質画分を融点20℃以下である油脂成分に溶解又は分散する。溶解又は分散の方法としては、極性脂質画分を溶解するエタノール水抽出液に油脂成分を溶解させた後、エタノール水を留去する方法が好ましい。融点20℃以下である油脂成分とは、例えば、ナタネ油、大豆油、紅花油等の植物油、鮪油、鰯油等の魚油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド:炭素数が8および/または10の脂肪酸を結合する。市販品としてはパナセートが挙げられる)などを指す。融点20℃以上の油脂成分を使用すると、極性脂質画分を溶解又は分散時に固化又は粘度が低下し、次項の操作が不可能になるおそれがある。本発明では、粘度が低くエタノール水に対する溶解性の高いMCTの使用が特に好ましい。油脂成分の使用量は、抽出された極性脂質画分1部に対して1〜10部が好ましい。1部未満では極性脂質画分を溶解又は分散時に粘度が高くなり次項の操作が不可能になるおそれがあり、10部を超えるともはや次項でのアセトン使用量が増えるだけであり効率が悪い。
エタノール又はエタノール水を留去するには、加熱乾燥、減圧乾燥等公知の乾燥方法が使用出来るが、脂質の酸化劣化を抑える目的から、減圧乾燥が好ましい。この際の温度は、エタノール又はエタノール水を効率的に留去しつつ脂質の劣化を抑える目的から、30〜70℃、好ましくは40℃である。
本発明では、融点20℃以下である油脂成分に溶解又は分散させた極性脂質画分を、アセトン溶媒中において沈殿させ精製することを特徴とする。
具体的には、アセトンを攪拌しながら、これに油脂成分に溶解又は分散させた極性脂質画分を滴下して沈殿させ、この溶液・沈殿物を取り出した後ろ過することにより、極性脂質画分を回収する。
アセトンの使用量は、油脂成分1部に対し5〜20部が好ましい。5部未満では極性脂質画分の沈殿が不十分となるおそれがあり、20部を超えるとアセトンの使用量が増えるだけであり効率が悪い。アセトン使用量を少なくした場合は、複数回処理し、中性脂質を除去することが好ましい。処理温度は30℃以下が好ましい。室温でも容易に処理できる。沈殿は濾過などの方法で回収した後、減圧乾燥などの方法でアセトンを留去する。
本発明の方法に使用される水圏生物には、アワビ、ハマグリ、アコヤガイ、バカガイ、ムラサキイガイやイカ・タコ類のように海洋に生棲する生物、シジミ等のように汽水に生息する生物或いはイケチョウガイのように淡水に生息する生物が挙げられる。本発明では、これらいずれの水圏生物の軟体部でも用いることができ、その1種だけでなく2種以上を併用することができる。これら水圏生物のうち、タコ類やイカ類は、スフィンゴ脂質の含量が多く、そのほとんどの部位を原料として用いることができる。また、アコヤガイ、バカガイ、ムラサキイガイ等の軟体部も、スフィンゴ脂質などの極性脂質の含量が多く、好ましい原料として用いられる。なお、貝類の場合、軟体部としては、足、外套膜、閉穀筋、その他の内蔵のいずれを用いてもよいが、これらを全て用いてもよい。
水圏生物に含まれ、本発明の方法で回収される極性脂質としては、グリセロリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン(以下「PC」という)、ホスファチジルエタノールアミン(以下「PE」という)、ホスファチジルセリン)、スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリン(以下「SpM」という)、セラミドアミノエチルホスホン酸:(以下「CAEPn」という))、ならびにグリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質が挙げられる。これらは、一般に、植物、微生物および動物の膜の構造において重要な役割を果たしている構造脂質であるとみなされている。極性脂質は、それらの化学構造のために、双極性の性質を示し、極性および非極性溶媒の両方における溶解度または部分溶解度を示す。
グリセロリン脂質は、グリセロール骨格に脂肪酸及び、アミノアルコール等を結合したリン酸基が結合した構造を持つ脂質である。神経伝達物質であるアセチルコリンの原料になり得るPC、細胞膜を形成するPE、プロテインキナーゼC活性化に関与するホスファチジルセリンなどのように、それ自体有用な生理作用を有することが知られている。さらに、水圏生物に含まれるグリセロリン脂質は、DHA、EPAなど生理的に有用性の高い高度不飽和脂肪酸を豊富に含んでいる。
スフィンゴ脂質は、セラミドを部分骨格として有する脂質の総称である。セラミドは、スフィンゴシン等長鎖塩基のアミノ器と脂肪酸が酸アミド結合した構造を称する。スフィンゴ脂質は主としてスフィンゴリン脂質とスフィンゴ糖脂質からなり、下等動物から高等動物に至るまで広く分布する脂質である。
水圏生物に含まれる極性脂質は、前述したようにその含量はきわめて低いが、水圏生物のうちタコ類やイカ類、及びアコヤガイ、バカガイ、ムラサキイガイ等の軟体部は、スフィンゴ脂質、特にCAEPnの含量が多く、これらはスフィンゴ脂質の給源として好適である。なお、貝類の場合、軟体部としては、足、外套膜、閉穀筋、その他の内蔵のいずれを用いてもよいが、これらを全て用いてもよい。また、アコヤガイ等はCAEPn以外にSpMも多量に含有する。SpMはセラミドの誘導体であるだけでなく、大腸癌抑制作用、皮膚正常化作用、腸管運動機能不全改善作用等を示すことが知られており、有用性が高い。
さらに、アコヤガイの真珠を採取した後の軟体部から本発明の方法によりスフィンゴ脂質を採取すると、従来廃棄されている資源を再資源化することができ、抽出素材として実用化された場合、環境保全に寄与するばかりでなく、前記含量の点からも明らかに優位である。
本発明の分離方法にて製造される極性脂質画分は、一般食品、健康食品に適する以外にも、化粧品、医薬品などとして使用することが出来る。
[実施例]
本発明を実施例により説明する。
[脂質含量の測定方法]
PE、PC、SpM、CAEPnの定量には、高速液体クロマトグラフィー(東ソー CCPS)を用い、固定相にはシリカゲルカラム(直径4.6mm×長さ150mm)、移動相にはA液(メタノール:水=95:5)、B液(クロロホルム)の2液によるグラジエント系を用いる。蒸発光散乱検出器(Alltech 500ELSD)により検出し、予め作成しておいた検量線を用いて試料中のPE、PC、SpM、CAEPn含量を測定する。PE、PC、SpM、CAEPnの標品は、特許文献1に記載の方法に準じて、アコヤガイから調製した。
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを沸騰水中で加熱処理し、濾過により残渣を濾別した。残渣を粉砕した後真空凍結乾燥処理し、水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に、エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。得られた抽出液に、固形分に対する質量比が2となるようにMCTを加え、真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、液状油を得た。得られた液状油を、MCTに対する質量比10のアセトン中に滴下し、生じた沈殿を濾過により回収した。この沈殿を乾燥したところ、粉末58.7mgが得られ、この粉末中にPEが9.1mg、PCが9.3mg、SpMが10.5mg、CAEPnが9.6mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は65.6%であった。
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを沸騰水中で加熱処理し、濾過により残渣を濾別した。残渣を粉砕した後真空凍結乾燥処理し、水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に、エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。得られた抽出液に、固形分に対する質量比が2となるように菜種油を加え、真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、液状油を得た。得られた液状油を、菜種油に対する質量比10のアセトン中に滴下し、生じた沈殿を濾過により回収した。この沈殿を乾燥したところ、粉末49.5mgが得られ、この粉末中にPEが7.0mg、PCが7.1mg、SpMが9.5mg、CAEPnが8.4mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は64.6%であった。
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを沸騰水中で加熱処理し、濾過により残渣を濾別した。残渣を粉砕した後真空凍結乾燥処理し、水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に、エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。得られた抽出液に、固形分に対する質量比が2となるように魚油を加え、真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、液状油を得た。得られた液状油を、魚油に対する質量比10のアセトン中に滴下し、生じた沈殿を濾過により回収した。この沈殿を乾燥したところ、粉末43.8mgが得られ、この粉末中にPEが7.3mg、PCが6.3mg、SpMが8.0mg、CAEPnが8.1mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は67.8%であった。
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを沸騰水中で加熱処理し、濾過により残渣を濾別した。残渣を粉砕した後真空凍結乾燥処理し、水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に、90%エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。得られた抽出液に、固形分に対する質量比が2となるようにMCTを加え、真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、液状油を得た。得られた液状油を、MCTに対する質量比10のアセトン中に滴下し、生じた沈殿を濾過により回収した。この沈殿を乾燥したところ、粉末66.8mgが得られ、この粉末中にPEが9.4mg、PCが13.9mg、SpMが9.1mg、CAEPnが15.0mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は71.0%であった。
[比較例1]
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを粉砕し、クロロホルム−メタノール2/1混液100mlで3回抽出した。飽和食塩水60mlを加え、混合した後静置し、下層を回収した。真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、粗製総脂質143.3mgを得た。この総脂質中に、PEが10.5mg、PCが15.0mg、SpMが10.2mg、CAEPnが19.2mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は38.3%であった。
[比較例2]
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを粉砕し、真空凍結乾燥処理し水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に90%エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、固形分398.5mgを得た。この固形分中にPEが10.2mg、PCが14.8mg、SpMが10.0mg、CAEPnが18.8mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は13.5%であった。
[比較例3]
アコヤガイ軟体部(三重県英虞湾産:貝柱を除く)16.0gを沸騰水中で加熱処理し、濾過により残渣を濾別した。残渣を粉砕した後真空凍結乾燥処理し、水分を除去した。乾燥したアコヤガイ軟体部に、90%エタノール50mlを加え、40℃で1時間攪拌したあと、濾過により抽出液を濾別した。真空エバポレーターを用いて溶剤を留去し、固形分107.8mgを得た。この固形分中にPEが9.7mg、PCが14.1mg、SpMが8.9mg、CAEPnが15.4mg含まれていた。回収物中の極性脂質濃度は44.6%であった。

Claims (1)

  1. 水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法であって、熱水で処理した水圏生物の軟体部から極性脂質画分をエタノール又はエタノール水で抽出し、抽出された極性脂質画分を融点20℃以下である油脂成分に溶解又は分散した後、アセトン溶媒中において極性脂質画分を沈殿させ精製することを特徴とする極性脂質画分の回収方法。
JP2007186502A 2007-07-18 2007-07-18 水圏生物の軟体部からの極性脂質画分の回収方法 Withdrawn JP2009024050A (ja)

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