JPH0218639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、テレビジヨン受像機等のスピーカー
を内蔵する機器に於ける内部スピーカーの取付体
の改良に関するものである。

〔従来技術〕

テレビジヨン受像機およびラジオカセツト等の
音響をも扱う機器に於いては、ケース内に内部ス
ピーカーを備えている。そして、近年に於いて
は、機器のケースが合成樹脂によつて一体成形さ
れることから、このケースの内側部にスピーカー
取付部を設けることによりスピーカーをケースに
直接固定する構造が一般化されている。

第４図は従来のスピーカー取付部へのスピーカ
ーの取付状態を示す要部切欠側面図であつて、基
体としてのケース１の一部がスピーカー取付体２
となつている。そして、このスピーカー取付体２
には放音用の開口３を有しており、その前面側は
通音性のある化粧体によつて覆われている。ま
た、このスピーカー取付体２の裏面側部分には、
開口３の周囲に沿つて突出するリング状のリブ４
を有している。更にこのスピーカー取付体２の裏
面側でかつ開口３に合せて取り付けられるスピー
カー５の取付孔６と対向する部分には、それぞれ
タツピングネジを受けるためのタツプ孔７を有す
るボス８が設けられている。従つて、このスピー
カー取付体２の裏面側、すなわちスピーカー５が
取り付けられる面を見ると第５図に示す様にな
る。

この様に構成されたスピーカー取付体２は、リ
ング状に作られているリブ４の端面にスピーカー
５の係止面が接合されて開口３とスピーカー５の
中心が合せられる。また、スピーカー５の回転方
向に対する位置合せによつて、スピーカー５に設
けられている取付孔６とボス８に設けられている
タツプ孔７との一致が取られる。この状態に於い
て、タツピングネジ９をスピーカー５の取付孔６
を介してポール８のタツピング孔７に挿入してま
わすと、タツピングネジ９がタツピング孔７の内
壁に係合して締め付けられることから、スピーカ
ー取付体２へのスピーカー５の取り付けが行なえ
るものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記構成によるスピーカー取付
体に於いては、スピーカーの固定をボスに設けら
れているタツピング孔に挿入されるタツピングネ
ジによつて行なわれていることから、タツピング
ネジの締めすぎ等によるタツプ孔の変形あるいは
ボスのひび割れが生ずると、該部分に於ける締め
付けが行なえなくなる。この結果、該取付が不能
となつた部分のネジ止めをはぶいて、残りの個所
に於けるタツピングネジ締めのみによつてスピー
カーの固定を確保しているが、正規の締め付け個
所数よりも減少すると、締め付け位置のバランス
がくずれることから、スピーカーから発生される
音に歪が生じたり、あるいはビリツキが発生する
問題を有している。

〔問題を解決するための手段〕

よつて、本考案によるスピーカー取付体は、タ
ツピングネジの下孔径と同一の寸法間隔を有する
２列のリブを少なくともスピーカーの取付孔を含
む所定範囲に同心状に設けることにより、このリ
ブ間の空隙をタツプ孔として利用するものであ
る。

〔作用〕

この様に構成されたスピーカー取付体に於いて
は、２列のリブ間に於ける空隙をタツプ孔として
利用するものであることから、その取付時にタツ
プ孔が破損したとしても、タツプ孔となる空隙が
その両側に続いていることから、スピーカーの取
付け位置を多少回転することにより、新たな位置
に於けるタツプ締めが言なえることから、スピー
カーの取付けが確実となるものである。

〔実施例〕

第１図は本考案によるスピーカー取付体の一実
施例を示す要部断面図であつて、第４図と同一部
分は同一記号を用いて示してある。同図に於いて
１０ａ，１０ｂは基体としてのスピーカー取付体
２′の裏側で、かつ取り付けられるスピーカー５
の取付孔６と対向する部分に、開口３の中心と同
心的に２列に設けられたリブである。そして、こ
のリブ１０ａ，１０ｂの空隙１１はタツプネジ９
に適した下孔径となつている。

この様に構成されたスピーカー取付体２′は、
その裏面側に設けられるリング状のリブ４の端面
にスピーカー５の係止部分を接合させる。次に、
タツプネジ９をスピーカー５の取付孔６に挿入す
ると、その先端が２列のリブ１０ａ，１０ｂによ
つて構成される空隙１１に挿入される。この状態
に於いてタツプネジ９を回転させると、空隙の幅
がタツプネジ９に適した下孔径の寸法となつてい
ることから、タツプネジ９が空隙１１の内壁に係
合して、スピーカー取付体２′へのスピーカー５
の固定が行なわれることになる。

次に、タツピングネジ９の締め過ぎ等によつ
て、リブ１０ａ，１０ｂの内壁が破損したりある
いはひび割れが生じ、これによつて該部分に於け
るタツピング締めが強固に行なえなくなつた場合
には、すでに取り付けられているタツピングネジ
９を外した後に、スピーカー５を多少回動させ
て、取付孔６が上述した空隙１１の破損部分から
十分に離れた部分に位置させる。この状態に於い
て、再びタツピングネジ９による締め付けを行な
うことにより、全個所に於ける取付部分の固定が
確実に行なわれて、音の歪およびビリツキの発生
が防止されることになる。

なお、上記実施例に於いては、２列のリブ１０
ａ，１０ｂを開口３の全周にわたつて設けた場合
について説明したが、本考案はこれに限定される
ものではなく、第３図に示す様に正規のスピーカ
ー取付位置に於けるスピーカーの取付孔対向する
部分を含む所定範囲のみに、リブ１２ａ，１２ｂ
を設けても同様な効果が得られることになる。

〔考案の効果〕

以上説明した様に、本考案によるスピーカー取
付体は、タツピングの下孔径に一致する間隔を有
する２列のリブをスピーカーの取り付け中心に対
して同心的にかつスピーカーの取付孔と対向する
部分を含む少なくとも所定範囲に設けたものであ
る。そして、このリブ間の空隙をタツプネジの下
孔として利用するものであるために、タツプネジ
の締め付けミス等によつて該部分が破損しても、
スピーカーを多少回動するのみで新たな取付け個
所（タツプ締め個所）が確保されることになり、
これに伴なつてスピーカーの全取付け個所を常に
確実に固定して、発生音の歪およびビリツキの発
生が防止される優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるスピーカー取付体の一実
施例を示す断面図、第２図は第１図に示すスピー
カー取付体の平面図、第３図は本考案によるスピ
ーカー取付体の他の実施例を示す平面図、第４図
は従来のスピーカー取付状態を示す一部切欠側面
図、第５図は第４図に示すスピーカー取付体の平
面図である。 １……ケース、２′……スピーカー取付体、３
……開口、４……リブ、５……スピーカー、６…
…取付孔、９……タツプネジ、１０ａ，１０ｂ，
１２ａ，１２ｂ……リブ、１１……空隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 放音用の開口部を中心としてスピーカーが固定
   される基板と、この基板のスピーカー取付面に正
   規配置されたスピーカーの取付孔に対向する部分
   を少なくとも含む範囲にスピーカーの取付中心と
   同心状に設けられた２列のリブとを設け、前記リ
   ブの間隔をスピーカーの固定に使用するタツピン
   グネジに適する孔径に一致させたことを特徴とす
   るスピーカー取付体。