JPH02176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は尿処理体に係り、更に詳しくは女性の
股間部にコンパクトに装着することができるよう
に小型に成形さていると共に、放尿された小尿を
集中的に吸収する点に勝れた尿処理体に関する。

［従来の技術］ 従来、寝たきり老人等の放尿を吸収する為のも
のとしては紙おむつが広く用いられていて、今や
無くては無らないものがあるが、次のような問題
点を有していることも事実である。

即ち、臀部周面に装着して使用するものである
から、全体的に大きく、従つてイ．嵩張るので保
管や輸送及び使用した後の始末が大変である。
又、ロ．臀部周面に沿つて装着しなければならな
いので装着及び脱着作業が重労働である。更に
ハ．吸水された小尿は四方に拡散されるので、装
着者は放尿後長い時間放置された時には、小尿が
紙おむつの全面に拡がつて臀部の全周が湿つてし
まうと共に、吸水された小尿の温度低下等によつ
て不快感を感じる。

所で、紙おむつの交換は、定時的あるいは放尿
や排便の都度臨時的に一日に複数回行われている
が、通常の場合には大便の為の交換はせいぜい一
日に一回であり、残りは小尿によつて紙おむつが
濡れた為に行われているものである。

そこで、小尿を股間部で重点的に吸水して上記
イ〜ハに列記したような不具合を解消する為の尿
処理具が幾つか提案され、その内の１つに実開昭
60−10618号公報の技術がある。

即ち偏平縦長状の吸水性尿処理本体の、局部対
応箇所に窪み部を形成した尿処理具である。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記尿処理具によれば、女性装着者の局部から
放尿された小尿を窪み部内から本体内に受け入れ
て、主として股間部で吸水保持するもので、前記
イ〜ハに列記した不具合をある程度解消するもの
の、更に次のような問題点を残している。

即ち、小尿の全量を窪み部から本体内に導き
入れるには、多くのむずかしさがある。これより
具体的に説明すると、尿道から放尿された小尿の
内、あるものは真直ぐに飛んで上記窪み内に入る
が、あるものは局部の表面を伝わつて、下方の膣
や肛門の方に流れていつてしまう。従つて結局は
紙おむつを濡らしてしまうことになる。又、女
性の場合小尿は本体内の四方に拡がつていくが、
究極的には重力が作用する下方に主として拡がつ
ていく、所が上記尿処理具の場合には、内部に配
設された吸水体が全面に略均一的に配設されてい
るものであるから、下方の吸水容量が不足しやす
い。

本考案は述上の点に鑑み成されたものであり、
従つてその主たる目的とする所は、放尿された小
尿の内、局部の表面を伝わつて下方の膣や肛門に
流れていく尿を適確に吸水し、もつて尿の略全量
を内部に受け入れ易くすることができ、又他の目
的とする所は下方の吸水容量が大きい尿処理体を
提供し、これによつて装着者に放尿によつて生じ
る不快感を軽減することができ、更に紙おむつの
交換回数を大幅に減らすことができる尿処理体を
提供するにある。

［問題点を解決する為の手段］ 本考案は上記目的を達成する為に次の技術的手
段を有する。

即ち、実施例に対応する添付図面に基いて説明
すると、上下の防水シート２ａ，２ｂ間に吸水体
層３を配した偏平縦長形状の吸水性尿処理体１の
局部対応箇所に、放尿された小尿７を尿処理体１
の内部に受け入れる為の開口部４を形成した尿処
理体に於いて、該開口部４の開口縁部から下端部
１ａにかけての吸水体層３上に帯状の吸水帯６を
突設し、且つその吸水帯端部６ａを開口部４に臨
ませたことを特徴とする尿処理体である。

［作用］ 上記技術手段より成るので放尿された小尿を良
好に内部に受け入れることができると共に、良好
にこれを吸水保持することができる。即ち、放尿
された小尿の内、前方に真直ぐに飛び出た小尿は
開口部４から直接的に内部に受け入れることがで
き、そこで保水される。特に尿道５から局部表面
を伝わつて重力により下方に流れていく小尿は、
開口部４の下縁部から外方に臨まされた帯状の吸
水帯６が吸い取るようにして内部の吸水体層３に
受け入れるので、放尿された小尿の略全量を内部
に受け入れることができる。即ち、開口部４から
下端にかけて形成されている帯状の吸水帯６は主
として吸水機能を司どるものである。即ち、女性
の性器の場合、膣１１と肛門１２の間あたりに
DAMと称される部分があり、尿は、このDAM
で受け止められる傾向を有し、他方吸水帯６の一
側端部６ａはこの部分に位置するので吸水し易い
ものである。

［実施例］ 次に添付図面に従い本考案の好適な実施例を詳
述する。

図中１は本体を示し、防水性シート２ａ及び２
ｂの各々の四辺をヒートシールして形成した袋体
２の内部に吸水体層３を配設し、全体は偏平縦長
形状に形成されている。

上記吸水体層３としては、吸水性及び拡散性に
勝れたもの、例えば吸水性紙を積層したり、クラ
ツシユパルプを配設して構成したものである。

次いで４は正面２ａ上の局部対応箇所に形成さ
れた開口部である。該開口部４は、女性性器の尿
道５から放尿された小尿を袋体２内に受け入れる
為に形成されたものであり、本実施例では中央よ
りもやや上方に略ダ円形な開口部を形成し、吸水
体層３の略中間程迄くぼんだ例を示している。こ
の例ではダ円形であるが、角形、円形でもよい。
６は開口部５の下縁部４ａから本体１の下端部１
ａにかけての吸水体層３上に突設された帯状の吸
水帯である。該吸水帯６は例えば、吸水性に勝れ
た高質ポリマーを高密度に積層して帯状に形成さ
れたものであり、一側端部６ａが上記開口部４の
下縁部４ａから外方に向けて臨まされている。こ
の吸水帯６は主として尿道５から放尿された小尿
７の内、局部８の表面を伝わつて下方に流れてい
くものを袋体２の内部に吸水する為に配設された
ものである。この帯状の吸水帯６の長手方向長
さ、幅、又は突設した高さは、女性性器、特に老
人等の性器の形状に合わせて適宜最適なものにす
ればよい。

次に上記実施例の使用例を説明する。

本考案の尿処理体１は女性被装着者の股間部に
装着して使用するものである。即ち吸水帯６の一
側端部６ａが女性性器の膣１１、又は尿道５当り
に位置して、吸水帯６が膣１１から肛門１２にか
けて位置するようにこれを着用する。このように
股間部に装着した時に局部８の対応箇所に開口部
４が形成されていると共に、開口部４から下端部
１ａに向けて配設された吸水帯の一側端部６ａが
外方に臨まされているので、尿道５から放尿され
た小尿７を袋体２の内部に良好に受け入れること
ができる。この小尿の受け入れメカニズムを具体
的に説明すると、尿道５から放尿された小尿の
内、真直ぐ前方に飛び出した小尿７は開口部４か
ら袋体２の内部に飛び込んで袋体２内に受け入れ
られる。このように小尿が全て真直ぐ前方に飛べ
ば、正面２ａの局部対応箇所に小尿受け入れ用の
開口部を形成しただけでよい。

所が尿道から放尿された小尿は全て尿道前方に
飛び出すとは限らない。特に女性の場合には、前
方に飛び出す小尿の方がむしろ少ない場合が多
い。

何故ならば、女性の尿道５は男性のように外部
に露出していないからである。即ち、女性の尿道
５は第３図及び第４図に示すように局部８の上方
に位置しているがその左右前方には小陰唇９及び
大陰唇１０が尿道５を常時は塞ぐようにして位置
している。

上記小陰唇９及び大陰唇１０は、便器に股がつ
て左右両足を開いて放尿する時には、左右に開い
て尿道５を外部に露出するので放尿された小尿７
は真直ぐ前方に飛び出すことができる。しかしな
がら、寝たきり老人等のように寝た状態で放尿す
る時には左右両足を開き、且つしやがんで放尿す
る時のように左右両側に開きにくい。その為に尿
道５が十分に外部に露出することなく放尿するこ
とになる。

このような状態で放尿された小尿７の内、ある
ものは小陰唇９及び大陰唇１０にぶつかつてしま
うので、真直ぐ前方に飛び出すことができずに、
局部８の表面を伝わつて下方に位置する膣１１や
肛門１２の方行に流れていく。

従来はこのように局部表面を伝わつて下方に流
れていく小尿の為に紙おむつが濡れてしまうこと
が多かつた。

しかしながら本考案の尿処理体の場合には、開
口部４の下縁部４ａから、袋体２の内部に配設し
た吸水帯６の一側端部６ａを外方に向かつて臨ま
せているので、一側端部６ａが局部表面の尿道５
の下方又は膣１１の下方に当接する。

他方、下方へ流れる尿は、膣１１と肛門１２あ
たりのDAMと称される部分にて受け止められる
ので、上記吸水帯６の一側端部６ａから、このせ
き止められる尿が吸水帯６の内部に吸水されてい
くものである。そして、この吸水帯６で吸水され
た尿は下方の吸水帯３内に保水される。

そして袋体２は防水シートで形成されているの
で、内部に吸水保持した小尿７が外部に漏れるよ
うなことが無い。

従つて、被装着者を濡らして不快感を与えた
り、紙おむつを濡らして、紙おむつを交換しなけ
ればならないような不具合が生じにくい。

尚、第２図に示した例は吸水帯６を開口部４か
ら、開口部４と本体１の下端部１ａの略中間くら
いに迄配設した例を示したが、第５図に示すよう
に開口部４から下端部１ａ迄配設すれば、小尿７
の吸水容量をより一層大きくすることができる。

而して述上の実施例では、本体１を長方形のも
のとして示したが、偏平縦長形状の基本のまま、
下端１ａ側を幅狭にして股間部に装着しやすくし
てもよい。

［考案の効果］ 本考案は上記の如く構成したものであるから、
女性が放尿した小尿７の内、真直ぐに飛び出した
小尿は開口部４から直接的に袋体２の内部に受け
入れ、局部８の表面を伝わつて下方に流れて行く
小尿は、吸水帯６の一側端部６ａがこれを吸い取
つて袋体２の内部に吸水するので、放尿された小
尿７の略全量を袋体２の内部に吸水することがで
き、これによつて放尿された小尿が良好に袋体２
内に吸水保持されるので、小尿が被装着者を濡ら
すようなことが無く、被装着者に不快感を与える
ようなことが無く、更に放尿によつて紙おむつを
濡らすようなことが無いので、紙おむつを交換す
る回数を大幅に減らすことができて、看（介）護
者の作業を大幅に軽減できる等の紙おむつ交換に
伴う種々の問題を解消することができる尿処理体
を提供する等種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は正
面図、第２図は第１図中Ａ−Ａ線に沿う断面図、
第３図は局部の概略正面図、第４図は同じく局部
の概略断面図、第５図は変形例の中央縦断面図で
ある。 尚、１……本体、１ａ……下端部、４……開口
部、４ａ……下縁部、６……吸水帯、６ａ……一
側端部、を示している。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下の防水シート２ａ，２ｂ間に吸水体層３を
   配した偏平縦長形状の吸水性尿処理体１の局部対
   応箇所に、放尿された小尿７を尿処理体１の内部
   に受け入れる為の開口部４を形成した尿処理体に
   於いて、該開口部４の開口縁部から下端部１ａに
   かけての吸水体層３上に帯状の吸水帯６を突設
   し、且つその吸水帯端部６ａを開口部４に臨ませ
   たことを特徴とする尿処理体。