JP2500964Y2 - 女性用の使い捨ておむつ及び補助吸収材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は女児又は女性用の使い捨ておむつ及び該使い
捨ておむつの内側表面に一時的に添装される補助吸収材
に関し、詳細には尿を確実に捕捉して吸収体に案内吸収
することのできる使い捨ておむつ及び補助吸収材に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来の使い捨ておむつは、不織布やティッシュ紙等よ
りなる透水性シート、及びプラスチック製フィルムや揆
水処理を施したシート材等よりなる不透水性シートの間
に、吸収体を介在して構成される。該吸収体としては粉
砕パルプに高吸水性ポリマーを混入分散させたものが汎
用されている。

ところで使い捨ておむつを着用する乳幼児や寝たきり
老人或は尿失禁患者等のいずれにおいても、１日当たり
の排尿回数は排便回数より多いのが通常である。従って
排尿の度毎に上記使い捨ておむつ全体を新しいものと交
換することは不経済であると考えられ、使い捨ておむつ
の内側表面にに、構造が簡単で低コストで製造できる補
助吸収材２を利用することが試みられている。第６図は
使い捨ておむつ１に補助吸収材２を添装させた状態を示
す平面図、第７図は第６図のＶ−Ｖ線断面図である。該
補助吸収材２の積層構造は該補助吸収材２を収納する使
い捨ておむつ１と同様であり、透水性シート11,21、吸
収体12,22及び不透水性シート13,23が各々積層されると
共に、補助吸収材２の不透水性シート23の裏面側には両
面貼着用テープ24が取付けられており、使い捨ておむつ
１の透水性シート11表面側に位置決めして添着できる様
に構成されている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記使い捨ておむつ１又は補助吸収材２は人体の股間
部に完全密着した状態で着用されるものではなく、皮膚
面と透水性シート11,21表面の間には空隙があけられる
のが普通である。特に女性（女児も含む）においては、
尿道口が透水性シート11,21より遠くに離れた状態とな
るので、尿は股間部に沿って背中側へ流れたり、或は尿
が吸水体に吸収されるまでの間に、上記空隙内に尿が滞
留されることになり、着用者に不快感を与えるという問
題があった。

そこで本考案者らは尿道口から放出された尿が股間に
沿って流れたり、或は透水性シート表面上で滞留するの
を防止できる女性用使い捨ておむつ及び補助吸収材を提
供する目的で工夫を重ね、本考案を完成した。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成し得た本考案は、女性用使い捨ておむ
つまたは補助吸収材の幅方向略中央位置の透水性シート
の内側又は外側に、使用時に立ち上げて女性の尿道口に
近接させるための連続気泡型吸水性軟質発泡成形体から
なる吸水部を備え、立ち上げ後の吸水部はおむつ幅方向
から見て山形状に形成されてなることを要旨とするもの
である。

［作用及び実施例］ 第１図は本考案使い捨ておむつ１の代表的な実施例を
示す斜視説明図である。使い捨ておむつの本体部分の構
成は第6,7図に示す従来例と同様であり、特徴的な構成
はおむつ本体部の幅方向の略中央部で、女性の人体尿道
口に近接する位置（年令や体型によって相違する位置で
ある）に、透水性シート11の裏面側であって且つ吸収体
12の上面側に連続気泡型軟質発泡成形体31（以下、「発
泡材」と省略することがあるが配設され、おむつの略中
央付近に突出した吸水部が形成されている。上記連続気
泡型軟質発泡材31は材質を特に制限するものではない
が、代表例としてはビスコーススポンジや軟質ポリ塩化
ビニルフォーム等が挙げられる。この吸水部３を形成す
る発泡材31は、本考案では、以下に示す様に立ち上げ可
能（倒立自在）に構成されている。第２図は、本考案の
吸水部３の立ち上げ後の状態をおむつ幅方向から見た側
断面図、第３図は第２図のIII−III線断面矢視図であ
る。吸水部３は、連続気泡型軟質発泡成形体31（例えば
ビスコーススポンジ）が断面Ｌ字形に圧縮成形された底
部31aと壁部31bから構成されており、該壁部31bはおむ
つ１の幅方向から見て山形の隆起部として形成され、前
記底部31aの底面の数箇所には接着剤34が点付けされ、
吸収体12の上面に固定されている。該発泡材31は、底部
31aと壁部31bの境で屈曲自在であり、使用前には破線31
Bの位置に収納されている。使用時には、壁部31bを立ち
上げて、突出した吸水部３を形成する構成となってい
る。形成された突出吸水部３を着用者の尿道口に近接し
て配置してやれば、放尿時の水分によって上記発泡材31
は鎖線31Aに示す様に即座に膨潤し、尿を吸収体12へ速
やかに導き、尿が股間部に沿って流れるのを防止する。
なおこのとき発泡材31は膨張されて尿道口へより一層近
接する様になる。

上記突出部３は使い捨ておむつ１に適用するだけでな
く、第４図に示す様に補助吸収材２に適用することもで
きる。第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面図であり、この図
に示す連続気泡型軟質発泡成形体31は、その断面形状が
先端に丸みを付与した三角形状に形成されており、補助
吸収材の幅方向から見れば山形状になる様に形成されて
いる。該発泡材31の底部の一部を接着剤34によって透水
性シート21表面へ点付け固定することによって、発泡材
31は倒立自在に構成されており、使用前は、破線位置31
B′に示す様に倒されている。該発泡材31の外側には別
の透水性シート21aを被覆している。そして該透水性シ
ート21aはおむつ本体の透水性シート21に余裕をもって
添着される。従って、使用時に発泡材31を立ち上げて突
出した吸水部32を形成しても、シート21aが破けること
はない。

上記連続気泡型吸水性軟質発泡成形体からなる吸水部
３の立ち上げ後の形状は、おむつまたは補助吸収材の幅
方向から見て山形状に形成されていれば、該幅方向の直
交方向から見た断面形状は、円錐形、角錐形、円錐台形
或は角錐台形等のいずれであっても良く、またその配設
位置は上記図例の様な透水性シートと吸収体の間だけで
なく、肌ざわりの良好な素材（例えばフォームラバー）
を用いるときには、透水性シートの外側に配設するもの
であっても良い。

［考案の効果］ 本考案は以下の様に構成されているので、尿道口より
放出された尿を確実に捕捉して吸収体へ導くことができ
る様になり、股間部に沿って尿が流れる等して女性の着
用者に不快感を与えるといったことが防止できる様にな
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案使い捨ておむつの代表的な実施例を示す
斜視説明図、第２図は第１図のII−II線断面矢視図、第
３図は第２図のIII−III線断面矢視図、第４図は本考案
補助吸収材の実施例を示す斜視説明図、第５図は第４図
のＶ−Ｖ線断面矢視図、第６図は従来の例を示す平面
図、第７図は第６図のVII−VII線断面図である。 １……使い捨ておむつ、２……補助吸収材 ３……立ち上げ後の吸水部 11,21……透水性シート 12,22……吸収体 13,23……不透水性シート 24……貼着用テープ 31……連続気泡型吸水性軟質発泡成形体

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透水性シート及び不透水性シートの間に吸
   水体を介設してなる女性用使い捨ておむつであって、 該使い捨ておむつの幅方向略中央位置の前記透水性シー
   トの内側又は外側に、使用時に立ち上げて女性の尿道口
   に近接させるための連続気泡型吸水性軟質発泡成形体か
   らなる吸水部を備え、立ち上げ後の吸水部はおむつ幅方
   向から見て山形状に形成されてなることを特徴とする女
   性用の使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】透水性シート及び不透水性シートの間に吸
   水体を介設してなり、使い捨ておむつの内側に一時的に
   添装される女性用補助吸収材であって、 該補助吸収材の幅方向略中央位置の前記透水性シートの
   内側又は外側に、使用時に立ち上げて女性の尿道口に近
   接させるための連続気泡型吸水性軟質発泡成形体からな
   る吸水部を備え、立ち上げ後の吸水部はおむつ幅方向か
   ら見て山形状に形成されてなることを特徴とする女性用
   補助吸収材。