JPS6136263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として成人用のおむつ、特に長い
間、床についている病人用のおむつに関するもの
である。

近時、病人、特に成人男子の病人でも排尿に備
えておむつをつけることが屡々であり、既にかか
る成人用のおむつとして幾つかのものが提案さ
れ、市販に供されている。

しかし成人男子の病人においては、本能的又は
無意識的に陰茎を自らの手で触れることがあり、
又、横臥時、左右に横臥したり、立て膝をするこ
とがあつてその都度陰茎がおむつ内部で移動し極
端なときには亀頭がおむつの外にはみ出すことが
ある。

そのため、このような状態で、無意識的に排尿
がされるときは折角のおむつがその用を果さず、
ふとんを湿潤して周りの人に迷惑をかけ、あるい
は清潔状態を阻害する。

本考案はこのような事実に着目し、陰茎をおむ
つの内部で正常な位置に保持して常におむつの中
心部に排尿させることを目的とするものである。

即ち、本考案の特徴とするところは従来既存の
成人用おむつを含め吸水体を内蔵する一般の成人
用おむつにおいて、その陰茎当接位置に巾方向が
８〜12cm、長さ方向が14〜18程度の略長方形の当
て布を用い、これをその長さ方向をおむつ長手方
向に合わせて配置し、少くとも陰茎挿入側縁部を
除いて当て布の両側縁又は両側縁と前記挿入側と
反対側の縁部をおむつ内面に付着せしめた点にあ
る。

以下、本考案の実施例を添付図面を参照しつつ
更に詳述する。

第１図及び第２図は本考案おむつの１例を示す
平面図及びＡ−Ａ断面図であり、これら図におい
て１はおむつ主体を示し、例えば第２図に図示す
る如く、その内部に綿状バルブ層、吸収紙の如き
吸水体２を配し、その下面、即ち、おむつ外面側
に合成樹脂製フイルムシートの如き防水材３を、
一方、上面即ち、おむつ内面側にレーヨン、合成
繊維等を素材とした不織布、ガーゼその他任意の
シート状物からなる表面材４を配してその周囲を
シール５することによつて構成している。

勿論、このおむつ主体１は吸水体２をその内部
に含むことは排尿に備える面から肝要な点である
がその他の構成については種々の改変が可能であ
り、市販の成人用おむつにおいても多種多様な構
成のものが存在しており、これらを随時、使用す
ることができる。とりわけ、おむつ内面は肌に直
接触れるところから肌だわりが優しく、柔かいも
のであることが好ましく、とりわけポリエステル
不織布はスポツト吸収と、湿つているときの強度
にすぐれ、肌へのべたつきもなく頗る好適であ
る。

しかして、同上各図面において６は本考案の要
部をなす当て布であり、前記おむつ本体１内面に
おける使用時、陰茎当接位置に配置して付着され
ている。

この当て布６は一般に吸水性か又は防水性を有
する素材を使用することが好ましくは、前者は織
布、不織布など、後者は合成樹脂シート類が含ま
れる。

そして、この当て布６の大きさは少くとも通常
の陰茎を挿入するに適する長さであれば良く、そ
のため、巾方向８〜12cm、長さ方向14〜18cm程度
の略長方形状のものが用いられる。しかし、その
大きさは多少の変動を有することは当然である。

なお、上記当て布６はおむつ内面への付着にあ
たつては、その両側辺６ａ，６ｂを縫着など適宜
の固着手段によつて付着させるだけで十分であ
り、陰茎先端側が開口していてもおむつ外に尿が
洩れることは極めて少ないが、陰茎の長さに比較
して余り当て布の長さが長くない場合には尿が洩
れる恐れがあるので、そのような場合を考慮し、
陰茎挿入側縁部６ｃに対向する反対側縁部６ｄを
適宜固着手段によつて付着一体化しておくことも
有利である。しかし通常の場合は通気性及び陰茎
の自由性から両側縁６ａ，６ｂのみを付着し、ト
ンネル状とすることが望ましい。

又、上記当て布６にはその挿入側縁部６ｃ、即
ち、開口縁中央部に第１図に示したように彎曲凹
部７を形成しておくことがおむつ使用時、陰茎を
当て布６内に挿入するのに便利である。

本考案おむつは叙上のような構成からなつてお
り、従つて、これを使用するに際しては本考案お
むつを従来の成人用おむつと同様に、おむつカバ
ーを用い、又は該おむつがおむつカバー不要とし
て形成されているときはそのまま用いて、これを
股下に当て、第３図に図示する如く陰茎Ｍをおむ
つ本体１と当て布６の間の空間に挿入、収容す
る。

かくして陰茎の位置はおむつ本体布と当て布６
間に正常に保たれ病人等が生理的要求から排尿す
るとしても、該尿はおむつ内部に滲透し、内部の
吸水体２により吸収され、しかも、外面は通常、
防水材が用いられていることから外面に洩れるこ
とはなく、又、内面には当て布６が存在すること
から湿潤することもなくなる。

又、病人等が左右に横臥するとしても陰茎はお
むつ本体と当て布の間で確実に正常位置を保持
し、おむつより外部に露出することもない。

なお、以上は成人男子を対象として述べて来た
が同様にして成人女性の病人等においても充分、
転用が可能であり相応の効果を奏することができ
る。

本考案は以上述べた如く既知のおむつ本体に陰
茎を挿入するに適した適宜大きさの当て布を付着
し、おむつ本体と当て布の間に陰茎を挿入し保持
し得るようにしたものであるから、病人で左右に
横臥したり、することがあつても、正常な位置を
常に保持し、陰茎がおむつより外部に露出して排
尿に際し、外部に洩れ周辺を汚染湿潤することが
なく、又、常に陰茎が当て布内部にあることから
本能的、無意識的であつても手を触れる機会は減
少し、おむつ本来の肌ざわりの良さを保ち、肌が
むれず、サラツトした肌ざわりで決適な使用が可
能である。

なお本考案は既存のおむつを利用して容易に実
施可能であるため、実用に好適で、既存のおむつ
の利用価値を高める上に極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案おむつの１例を示す平面図、第
２図は第１図におけるＡ−Ａ断面図、第３図は使
用状態説明図である。 １……おむつ本体、２……吸水体、６……当て
布、６ｃ……陰茎挿入側縁部、６ａ，６ｂ……両
側縁部、６ｄ……反対側縁部、７……彎曲凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 吸水体を内蔵した公知の成人用おむつにおい
   て、その陰茎当接位置に、巾方向が８〜12cm程
   度、長さ方向が14〜18cm程度の当て布をその長
   さ方向をおむつ長手方向に合わせて配置し、少
   くとも陰茎挿入側縁部を除いて当て布両側縁部
   又は両側縁部と前記挿入側と反対側縁部をおむ
   つ内面に付着してなることを特徴とする成人用
   おむつ。 ２ 当て布の陰茎挿入側縁部中央部に彎曲凹部を
   有する実用新案登録請求の範囲第１項記載の成
   人用おむつ。