JPH0621460Y2 - 尿・便分別型おむつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、寝たきりの病人や老人
或は排尿、排便感覚に障害のある老若男女が使用して好
適な尿・便分別型おむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、病人等が使用するおむつには、長
方形の布を複数枚重ね合わせた布製おむつ、吸水紙やパ
ルプ等の吸水性材料の一面側を防水シートで覆った使い
捨て型紙おむつ、更にはパルプに高分子性吸水剤を組み
合わせた高吸水性材料の一面側を防水シートで覆った高
吸水性紙おむつ等が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述した従来のおむつ
は全体が一枚のシート状をなしており、使用者の股間前
側から臀部を一体的に覆うように装着するため、次のよ
うな欠点がある。即ち、１回１００〜３００ｃｃ程度の
排尿を一日５回前後行うと、おむつ全体に尿が浸透する
結果、臀部まで尿で汚れてしまったり、股間の前側まで
便で汚れてしまうことである。このため、病人等は極め
て不快な気持ちになるし、肌荒れや床擦れの原因になっ
ており、また、介護人にとっても後始末の仕事は大変面
倒である。

【０００４】このような臀部の汚れを防止するために
は、排尿の度に新しいおむつに交換すればよいのである
が、一人の介護人が複数の老人、病人の排尿の有無を常
時チェックする訳にもいかないし、おむつの交換作業は
介護人に大変な労力を強いることになる。

【０００５】本考案は上述した従来のおむつの欠点に鑑
みなされたもので、尿と便が交わるのを確実に防止でき
るようにした尿・便分別型おむつを提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために構成された本考案の手段は、便用パットは略長方
形に形成した吸水性の便用パット本体と、該便用パット
本体の上面側を覆う通水性の肌当てシートと、外縁を該
肌当てシートに固着し、該肌当てシートとの間に前記便
用パット本体を包む防水カバーとから構成し、前記防水
カバーの内側又は外側に位置して前記便用パットに設け
られる尿用パットは吸水性の尿用パット本体と、該尿用
パット本体を液密に包被する防水袋カバーとから構成
し、前記便用パットには幅方向中央で、長手方向途中に
位置して前記尿用パットに臨んで開口する排尿用開口部
を形成し、前記尿用パットの防水袋カバーには該排尿用
開口部に対向してカップ先端嵌着穴を形成し、前記排尿
用開口部に挿通した排尿用カップは先端部をカップ先端
嵌着穴に液密に接着したものからなる。

【０００７】

【作用】排便は便用パットで収容し、排尿は排尿用カッ
プを介して尿用パット側に導き、吸収することにより、
尿と便を分別する。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述す
る。 図において、１は長方形に形成した便用パットを示す。
２は該便用パット１を構成する便用パット本体で、該便
用パット本体２は例えばパルプや吸水紙の積層体等から
なる吸水性材料によって形成してある。３は便用パット
本体２の上面２Ａ側を覆う肌当てシートを示し、該肌当
てシート３には不織布、ガーゼ等の様に肌当たりの柔ら
かい通水性材料を用いてある。４は前記便用パット本体
２の下面２Ｂ側を覆うように設けられた防水カバーで、
該防水カバー４は塩化ビニル、ポリエチレン等からなっ
ており、その四辺の外縁４Ａ、４Ａ、・・・は肌当てシ
ート３の外縁に接着等の手段によって固着してある。

【０００９】一方、５は尿のみを吸収するための尿用パ
ットを示し、該尿用パット５は便用パット本体２と同様
の吸水性材料を該便用パット本体２よりも小さく形成し
た尿用パット本体６と、塩化ビニル等の非通水性材料か
らなり、該尿用パット本体６の外側を液密に包被する防
水袋カバー７とから構成してある。そして尿用パット５
は便用パット１の長手方向一側寄りに位置して便用パッ
ト本体２の下面２Ｂ側と防水カバー４との間に挟装して
ある。

【００１０】８は排尿用開口部としてのカップ挿嵌穴を
示し、該カップ挿嵌穴８は便用カップ１の幅方向中央
で、長手方向途中に位置して肌当てシート３から防水カ
バー４に貫通して形成してあり、その口縁には防水シー
ル９が貼着してある。また、１０はカップ先端嵌着穴を
示し、該カップ先端嵌着穴１０は前記カップ挿嵌穴８に
対向して防水袋カバー７に形成してある。

【００１１】１１は基端側が大径口部１１Ａになり、先
端側が小径口部１１Ｂになった扁平のラッパ状の排尿用
カップを示し、該排尿用カップ１１は例えば塩化ビニル
等の軟質合成樹脂、耐水処理を施した加工紙等で成形し
てある。そして、排尿用カップ１１は大径口部１１Ａ側
を肌当てシート３から若干突出させた状態にしてカップ
挿嵌穴８に挿通し、小径口部１１Ｂの外周をカップ先端
嵌着穴１０の口縁に液密に接着してある。

【００１２】上述した本実施例のおむつは、男性は局部
を排尿用カップ１１に挿入し、女性は局部をカップ１１
に当てた状態にして便用パット１を股間前側から臀部に
当てがい、外側をおむつカバーで包むことにより装着す
る。これにより、排尿を尿用パット５側にのみ導いて吸
収させることができるから尿と便を完全に分別すること
ができる。

【００１３】なお、本実施例では尿用パット５を便用パ
ット１より小型に形成し、便用パット本体２と防水カバ
ー４との間に介装する構成にしたが、尿用パットを便用
パット１とほぼ同形に形成し、防水カバー４の外側に固
着すると共に、カップ挿嵌穴８を便用パット１に貫通し
て形成するように構成してもよい。

【００１４】

【考案の効果】本考案は以上詳述した如くであって、尿
と便を分別するように構成したから下記の諸効果を奏す
る。 尿が臀部の方に浸透することがないから、下半身をさ
わやかな感覚に保つことができる。 上記と同じ理由により、臀部がむれるのを防止でき
る結果、使用者は快適であるし、肌荒れ、床擦れを防止
できる。 おむつの交換回数をある程度減らすことが可能になる
から、使用者が受ける煩わしさを減らすことができる
し、介護人の負担も軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の実施例に係る尿・便分別型おむ
つの全体構成を示す斜視図である。

【図２】図１中のＩＩ−ＩＩ矢印方向拡大断面図であ
る。

【図３】図１中のＩＩＩ−ＩＩＩ矢印方向拡大断面図で
ある。

【図４】図３中の部分拡大図である。

【符号の説明】

１ 便用パット ２ 便用パット本体 ３ 肌当てシート ４ 防水カバー ５ 尿用パット ６ 尿用パット本体 ７ 防水袋カバー ８ 排尿用開口部 １０ カップ先端嵌着部 １１ 排尿用カップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便用パットは略長方形に形成した吸水性
   の便用パット本体と、該便用パット本体の上面側を覆う
   通水性の肌当てシートと、外縁を該肌当てシートに固着
   し、該肌当てシートとの間に前記便用パット本体を包む
   防水カバーとから構成し、前記防水カバーの内側又は外
   側に位置して前記便用パットに設けられる尿用パットは
   吸水性の尿用パット本体と、該尿用パット本体を液密に
   包被する防水袋カバーとから構成し、前記便用パットに
   は幅方向中央で、長手方向途中に位置して前記尿用パッ
   トに臨んで開口する排尿用開口部を形成し、前記尿用パ
   ットの防水袋カバーには該排尿用開口部に対向してカッ
   プ先端嵌着穴を形成し、前記排尿用開口部に挿通した排
   尿用カップは先端部を該カップ先端嵌着穴に液密に接着
   してなる尿・便分別型おむつ。