JPH0529710Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、寝たきり老人や、寝起きに不自由な
病人等を介護する為の男性用のオムスに関する。

［従来の技術］ 従来男子専用のオムツには、紙材で構成した三
角形の筒体を形取り、その周囲を樹脂フイルムで
覆い、筒内に局部を納めてオシツコをさせる構造
のものが一部に市販されているが、ａ）筒体を固
定させることができず、局部が逸脱してしまい、
外部に洩らしてしまう失敗を起こす易く、ｂ）
又、樹脂フイルムと皮膚との間に発汗等により発
疹、炎症を起こし易く、衛生上の問題点を惹起す
るという欠点を有していた。

従つて、これは一般には普及せず、通常の看護
では、単に長方形の一般市販のオムツを数枚重ね
て使用しているのが現状である。

しかし、このオムツの装着には、お尻を持上げ
たり、横を向かせたりせねばならず、身体の不自
由で且つ体重の重い成人を動かす作業が大変な重
労働となり、回数が増えれば看護者の負担が極め
て大きいものであつた。

又、患者にとつても、排尿したものがお尻の下
に回つてしまうことが多く、且つ、その回数が増
えると、皮膚に発疹や炎症を起こして不快な思い
をさせることが度々であるという欠点を有してい
た。

［考案の解決しようとする課題］ 本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、装
着、交換に際して、患者がそのままの姿勢ででき
る簡便な構造として、その看護者の重労働の軽減
を図り、且つ、そのオシツコを効率良く吸収して
発疹、炎症等を起こさない快適なオムツを提供し
ようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本案男子専用オムツは、周囲を非透水性の樹脂
フイルムで包み、内部に排尿を吸収できる高吸水
性樹脂を封入し、且つ、上部に導入用の割れ目を
刻んだ局部を納める筒体を有し、該筒体の上部に
屈曲自在な柔軟軟質の当接片を形成し、該当接片
の表裏に貫通させて差込み孔を穿設し、少なくと
も皮膚との接触部には通気性の紙又は布を被覆さ
せたことを特徴として構成される。

［作用］ 筒体とは別に筒体の上に屈曲自在な柔軟性材質
で形成し、且つ、表裏に貫通する差込み孔を穿設
した当接片は、装着に当つて、それを若干内側に
曲げて立上げ、その裏側から局部を導いて、表側
に通し、その向きに従つて内部へ導くと、挿入方
向と筒体の向きが一致するので、そのまま納め装
置を容易にするように作用する。

且つ、該筒体の頭部に導入用の割れ目を刻んで
あるので、そこを若干開口すれば、入口部を広げ
ることができ、導入を容易にする。

使用の途中で筒体側が動いた場合にも、柔軟性
材質の当接片は、屈曲して対応し、差込み孔側に
引張りやズレの力を伝えず、基端部で局部を固定
してズレや外れを防止するように働く。

更に、皮膚との接触部に設けた通気性の紙又は
布は、通気、通風を喚起し、蒸れによる皮膚のか
ぶれ等を防止する。

［実施例］ 以下本案の実施例を説明すると、本案オムツは
男性のオシツコ専用とし、先ず、男子の局部を覆
い、且つ、尿を吸収できる形状及び材質で筒部１
を形成する。当該筒部１の形態は、例えば第１図
に示す如く、左右両脇を折返し、底部を縫合し、
中央部を途中まで縫合して、袋体を形成するよう
にする。該筒体１の頭部には、図１に示すように
局部の導入の際、筒体入口部を若干広げて導入を
容易にする為の割れ目１ｂを刻む。そして、この
筒体は、排尿の滲出や洩出を防ぐために、周囲を
非透水性の樹脂フイルム４で囲繞し、且つ、内部
には、排尿を多量に吸収できるよう高吸水性樹脂
１ａを層状にして封入する。この高吸水性樹脂１
ａは、水溶性樹脂を架橋して網目構造を構成させ
たもので、例えば、ポリサツカロイド主鎖に、ポ
リアクリル酸ナトリウム側鎖、ポリアクリル酸側
鎖を連結させたもの等があり、軽量で吸水性に優
れるので、先端底部に相当量配し、少なくとも一
回分は完全に吸収できる容量とする。

次いで、該筒体１の上部に屈曲自在な柔軟材質
で局部と筒体１とを係合させるための当接片３を
形成する。該当接片３は、下腹部に当接すると共
に、折曲げて立上げた際、筒体１の開口部に臨む
位置に、該当接片３の表裏に貫通させて差込み孔
２を穿設する。即ち、この差込み孔２は、筒体１
ａ内に直接局部を差込むと、支持するものがなく
不安定ですぐ逸脱してしまう虞があるので、これ
を防止するもので、差込み孔により局部とオムツ
を係着し、支持を確実にさせるものである。その
態様は、ａ）適当幅の裂け目を設け、ぞの切り口
部の鋭角を緩衝させるため周囲に布又は紙２ａを
当てがう構造、ｂ）差込み孔２のそばに端部に粘
着材を塗布した帯体２ｂを横方向に伸し、当該帯
体２ｂを締めて局部に固定できる構造、ｃ）差込
み孔２のそばに輪状の布体を巡らし、その中に数
本の軟質ゴム２ｃを介着させて、ゴムの弾性で局
部に固定できるようにする構造等がある。

更に、皮膚とオシメとの間に発熱、発汗が生じ
るのを防ぐために、筒体１及び当接片３と少なく
とも皮膚との接触部又は全体には、通気性紙、又
は布５を被覆させ、その通気性紙、布５は、例え
ば目の荒い不織布等を利用することができる。

次に本案オムツの使用法とその作用を説明する
と、寝たきり老人や、身体の自由がない成人に対
し、寝たままの姿勢で寝間着を緩め、本案オムツ
の差込み孔から局部を挿入し、筒体１の内部に納
める。そして、差込み孔２に帯体２ｂを配した場
合には、帯体２ｂを締め、又、輪状ゴム２ｃを配
した場合には、輪状ゴム２ｃを通して、オムツを
局部に固定する。

すると、筒体とは別にその上に屈曲自在な柔軟
性材質で形成し、且つ、表裏に貫通する差込み孔
２を穿設した当接片３は、それを若干内側に曲げ
て立上げ、その裏側から局部を導いて、表側に通
し、その向きに従つて内部へ導くと、挿入方向と
筒体の向きが一致するので、そのまま納めること
ができ、装着を容易にする。

且つ、該筒体の頭部に導入用の割れ目１ｂを刻
んであるので、そこを若干開口すれば、入口部を
広げることができ、導入が更に容易になる。

そして、使用の途中にあつて、患者が尿意を催
したら、そのまま排尿すればよく、その尿は、筒
体内部の高吸水性樹脂及び周囲のオムツが確実に
吸収し、且つ、その周囲を非透水性の樹脂フイル
ムで囲繞したので、滲出や漏出によつて、尿がお
尻の方に回る心配がない。

更に、使用の途中で介護の間に患者が動いて筒
体側が移動した場合にも、柔軟性材質の当接片
は、屈曲して対応し、差込み孔側に引張りやズレ
の力を伝えず、基端部で局部を固定してズレや外
れを防止し、帯体２ｂ、輪状ゴム２ｃがあれば、
その固定はより一層強固なものになる。

又、皮膚と非透水性樹脂フイルムとの間には、
通風性がなく、発汗や体熱で発疹が起き易いが、
少なくとも皮膚とオムツとの接触部には、通気性
に秀れた紙又は布を被覆させたので、通気性が生
まれ、この問題を解消する。

交換に際しては、排尿されたオムツを外して、
新しいオムツを上記と同様に装着すれば良く、こ
の間姿勢はそのままで良いから、患者にとつても
極めて楽である。

［効果］ 以上の構成に基づく本案オムツは、装着、交換
に際し、当接片等の働きで、装着が容易であると
共に、使用の途中にあつても、ズレや外れがなく
安定性が強く、実際の使用に際して生ずる問題を
解消するという秀れた効果を奏する。

又、排出されたオシツコは筒体にしつかり補促
され、周囲に溢出することがなく、又、皮膚との
接触部も通気性が生れたので、患者は皮膚の発疹
や炎症を起こすことがなく、患者を快適にさせる
という衛生上の効果も発揮する。

更に、オシツコ専用で構造も簡潔なので、従来
数枚を使用していたオムツを１枚分相当で補うこ
とができ、無駄な使用を減じることができ、省資
的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本案オムツの全体斜視図、第２図は第１図Ａ−Ａ
線縦断正面図、第３図Ａ，Ｂ，Ｃは差込み孔部の
各実施態様を示す側面図である。 １……筒体、１ａ……高吸水性樹脂、１ｂ……
割れ目、２……差込み孔、３……当接片、４……
非透水性フイルム、５……通気性紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 周囲を非透水性の樹脂フイルムで包み、内部に
   排尿を吸収できる高吸水性樹脂を封入し、且つ、
   上部に導入用の割れ目を刻んだ局部を納める筒体
   を有し、 該筒体の上部に屈曲自在な柔軟材質の当接片を
   形成し、該当接片の表裏に貫通させて差込み孔を
   穿設し、 少なくとも皮膚との接触部には通気性の紙又は
   布を被覆させたことを特徴とする男子専用オム
   ツ。