JPH0215817A - 冷間圧延における金属帯の洗浄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、冷間圧延に際して冷間圧延機のワークロール
に向けて走行してくる金属帯の上下両面に対して噴射す
る圧延油の方向及び圧力を新規に定めることにより、金
属帯表面に付着している異物や汚れを効果的に除去し洗
浄することのできる冷間圧延における金属帯の洗浄方法
に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に冷間圧延において金属帯に異物や汚れが付着した
まま冷間圧延されると、この異物や汚れが金属帯と冷間
圧延機のワークロールとの間に咬み込まれて、金属帯表
面に異物の押込疵や汚れの転写疵が発生する。一方、こ
のワークロールと上下段の補強ロールとの間に異物が咬
み込むと、ワークロール表面に凹状の窪み（一般にロー
ル異常と呼ばれる）を付けたりロール表面を荒したりし
て、その結果冷間圧延される金属帯の表面に凸状の疵（
ロールマーク）を発生させたり金属帯の表面を荒したり
する。

そしてこのようなことは何よりも金属帯の表面品質を大
きく低下させ製品としての級別歩留りや更には製造歩留
りを大幅に低下させることになる。

また前記の如きロール異常が発生すると、ロールの原単
位が単に上昇するばかりでなく、ロールの異常組替えや
手入れにかなりの物理的２時間的。

労力的な損失があり、特に連続冷間圧延においてはその
生産性を阻害し、最終的に金属帯の製造原価を高騰させ
ることとなっていた。

そこで金属帯の冷間圧延における異物や汚れ等の除去洗
浄について、これまで冷間圧延機のワークロールと金属
帯との咬込み部位に向けて圧延油を噴射する装置や噴射
方法、冷間圧延機内に異物や汚れを持ち込ませない方法
など種々の提案がなされている。例えば、特開昭５６−
９５４０５号公報には鋼帯に付着した異物や汚れを洗浄
液噴射装置やブラッシング装置によって除去して、冷間
圧延機内に持ち込ませない方法が開示されている。しか
しながら、この方法は金属帯に付着した異物や汚れを除
去するために使用する洗浄液が圧延油ではないために冷
間圧延機内やその直前では実施できず。

その結果金属帯がこの方法によって洗浄されてから冷間
圧延機内に至る過程で金属帯に付着した異物等が冷間圧
延機内に持ち込まれる欠点があった。

そしてこのように金属帯に付着して冷間圧延機内に持ち
込まれ易い異物や汚れの圧延油噴射による除去を少しで
も効果的に行えるようにした改善の努力が、実公昭５７
−３６０７号、実開昭５６−１６９９０６号。

特開昭５７−１４６４１６号等に圧延油スプレー装置や
圧延油噴射方法となって開示されているが、これらによ
っても異物や汚れの除去はなお充分とは言えず、満足な
効果は得られていない欠点があった。

更に、最近ＩＣのリードフレーム等々のハイテク材料と
して、一般に板厚０．３ｍｍ以下の極薄金属帯や０．１
ｉｎ＋以下の金属箔（フォイル）が用いられるようにな
ってきているが、これらは用途上からも厚手のものより
一段と良質で製造上膳しい表面品質のものが要求される
。しかしながら、これらの冷間圧延においては、厚手の
ものと同等以上の生産性を維持向上させることが課せら
れ、必然的に非常な高速圧延がなされるので前記の従来
技術の如き冷間圧延機のワークロールと金属帯との咬込
み部位に向けて圧延油を噴射する方式では金属帯に付着
した異物や汚れを除去洗浄する暇がなくてそのまま咬み
込まれ易く良質な表面品質のものが満足に得難いという
問題があった。具体的に、例えば金属帯を板厚２０〜３
０／ａの金属フォイルに冷間圧延する場合には金属帯表
面にしつこく付着している浮遊粉塵程度の１〜１０声の
微粒異物や汚れが咬み込まれたりしても製品にはならな
いという問題が生じたのである。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、上記従来技術の欠点や問題点を解消し
、冷間圧延において金属帯表面に付着した異物や汚れを
効果的に除去洗浄し冷間圧延された金属帯の表面に発生
する押込疵を防止することができるように、圧延油を用
いその噴射方法を構成することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者は前記課題を解決するために種々検討した結果
、従来技術の如く単に冷間圧延機のワークロールの金属
帯噴込み部位に向って圧延油を噴射するのではなく、圧
延油は用いるが、冷間圧延機内若しくはその直前で金属
帯の上下両面側から金属帯の表面自体に向って直接に、
しかも金属帯の走行に逆らう方向に且つ側方に排出して
しまう方向に圧延油を高圧で噴射することによって上記
課題を解決することのできることを究明して本発明を成
した。

以下に本発明に係る冷間圧延における金属帯の洗浄方法
を図面によって詳細に説明する。

第１図は本発明方法の実施に好適なノズル配置の１例と
それによる金属帯の洗浄状況の１例とを示す平面説明図
、第２図は第１図の場合の側面説明図、第３図は圧延油
の噴射パターンの説明図。

第４図は本発明方法の適用例で冷間圧延機全体の概略説
明図である。

金属帯の冷間圧延は、例えば第４図に示す如くコイル状
に巻かれた金属帯１がリール２から巻き出され、デフレ
クタロール３を経て矢印Ｘ方向に走行しながら冷間圧延
機４により冷間で圧延される。冷間圧延機４は複数のロ
ールから構成されており、第４図の例では金属帯１を直
接圧延する上段と下段のワークロール４ａとこのワーク
ロール４ａをそれぞれ補強する上段と下段のバックアッ
プロール４ｂとから成っている。この冷間圧延機４で圧
延され通過した金属帯１は、デフレクタロール３を経て
リール５に巻き取られる。リバース圧延をするときは、
リール２とリール５との役割を逆転させて、金属帯１は
上記とは逆に矢印Ｙ方向に走行して２度目の冷間圧延が
なされ、これが繰り返される。

このような冷間圧延において、圧延油を金属帯１及びワ
ークロール４ａに噴射して両者の冷却、潤滑などの他に
特に押込疵防止のための洗浄を行うときは、従来技術で
は冷間圧延機４のワークロール４ａと金属帯１との咬込
み部位４ｃに向けて圧延油を噴射していたのであるが、
本発明方法では複数個のノズル７を以下に説明するよう
に配置した噴射装置６を第４図に示す如くワークロール
４８入側の金属？ｔＦ１の上下両側に設置して金属帯１
の走行方向Ｘに対してこれに逆らう方向に且つ側方に排
出する方向に圧延油を噴射するのであり、これがリバー
ス圧延の場合は第４図に示す如く冷間圧延機４の反対側
にも同様の噴射装置６を設置して金属帯１の走行方向Ｙ
に対して上記と同様に圧延油を噴射するのである。

上記の如く圧延油を噴射するためのノズル７の配置を第
１図を参照して説明すると、矢印Ｘ方向に走行している
金属帯１の幅をほぼ２分する中央位置Ｃ−Ｃより両側の
各半幅域１ａ及び１ｂ毎に、金属帯１の各側縁１ａａ及
びｌｂａから上記中央位置Ｃ−Ｃより反対側にはみ出た
中央越え位置（第１図ではそれぞれ線Ａ４を線Ｂ４とす
る）までの幅方向と金属帯１の走行方向Ｘとの各方向に
亘って、その半幅域１ａ又は１ｂの金属帯表面に向けて
圧延油を噴射する複数個のノズル７をほぼ均等に配置す
る。すなわち半幅域ｌａ用ノズル７ａの配置域の幅は半
幅域ｌａ側の側縁１ａａから中央越え位置の線Ａ４まで
の幅であり、半幅域ｔｂ用ノズル７ｂの配置域の幅は半
幅域ｌｂ側の側縁１ｂａから中央越え位置の線Ｂ４まで
の幅であるから、線Ａ４から線Ｂ４までは両者が重複し
た部分である。上記２つのノズル配置域の幅方向及び走
行方向に亘るノズル７の配置位置は金属帯表面に付着し
ている異物や−汚れを完全に除去洗浄できるようにする
ために圧延油を金属帯表面全面にまんべんなく噴射でき
るようにすることが大切であり、このためにほぼ均等で
あれば他の配置位置状態の如何は問わないが、例えば第
１図に示すように金属帯１の各ノズル配置域において幅
方向にほぼ等間隔で配列された複数の線ＡＬ＊Ａ２ｔ・
・Ａ４及びｆｌｘｔａｚｔ・・ｌ　８４上にほぼ等間隔
に設定された配置位置が装置の製作を容易にさせる上で
も好ましい。本発明方法においては、ノズル７を金属帯
１の幅方向に沿って複数個配置することは勿論であるが
、金属帯１の走行方向Ｘに沿っても第１図に示す如く複
数の段状に配置することが重要である。噴射装置６には
第１図に示す如く金属帯１との関係が上記の如くなるよ
うにノズル７が配置されている。

次に圧延油の噴射方向について説明する６本発明方法に
おいては両側の半幅域１ａと１ｂとでは水平面への投影
図上に表われる噴射方向を異にする。

すなわち、半幅域１ａの場合について説明すると、第１
図に示す如く金属帯１の走行方向Ｘに対して逆方向Ｘ′
で且つ半幅域１ａの側縁１ａａ側に傾斜する方向に噴射
袋Ｍ６のノズル７ａから圧延油を噴射するのである。こ
れはもしも噴射された圧延油が金属帯１の走行方向又と
同方向の分力を有すると。

金属帯１の表面に付着している異物や汚れを除去洗浄し
た圧延油が金属帯１の側縁１ａａ、　ｌｂａから流出し
切ってしまうまでに冷間圧延機４のワークロール４ａと
金属帯１との咬込み部位４ｃに至ってしまい噴射された
圧延油によって異物や汚れを洗浄した効果が充分発揮さ
れないことになり、更にまたもしも噴射された圧延油が
金属帯１の半幅域１ａの側縁１ａａ側に傾斜する分力を
有していないと圧延油は金属帯１の走行方向Ｘと同方向
に噴射されたことになるので金属帯１の表面に付着して
いる異物や汚れを洗浄した圧延油が金属帯１の側縁１ａ
ａ。

ｌｂａから流出せずに金属帯１上に残存することになり
噴射した圧延油によって異物や汚れを洗浄した効果が発
揮されないことになるからである。このような理由によ
り、第１図に示す如く、半幅域ｌａ用ノズル７ａの配置
域でのすなわち側縁１ａａから線Ａ４までの域内での金
属帯１の走行方向又と逆方向Ｘ′に対する噴射角と、他
方の半幅域ｌｂ用ノズル７ｂの配置域でのすなわち側縁
１ｂａから線Ｂ、までの域内での金属帯１の走行方向又
と逆方向Ｘ′に対する噴射角とは、金属帯１の走行方向
又と逆方向Ｘ′に対してほぼ対称な方向に傾斜している
のである。このノズル７による圧延油の噴射方向には前
記の水平投影面上での噴射方向の他に、金属帯１の表面
に対する鉛直面噴射角を変える噴射方向がある。この鉛
直面噴射角の大小の他にノズル７の圧延油噴射口の寸法
、形状及びノズル７の先端と金属帯１との垂直距離の大
小は、圧延油が噴射されたときに金属帯１面上に形成さ
れる噴射パターンとその寸法に直接影響する。ノズル７
の先端と金属帯１との距離を変えずに同一ノズル７を用
いて圧延油を噴射する場合でも、鉛直面噴射角が小から
直角に近づくに従って噴射パターンは第３図（ａ）から
（ｂ）更に（ｃ）の方向に変化する。どのような噴射パ
ターンとその寸法が良いか或いはどの程度の噴射パター
ンの分布が良いかなどは、金属帯１の形状、板厚、走行
速度等によって選択すれば良い０例えば板厚が厚く、異
物や汚れの付着が甚だしい場合にはパターン（ａ）を、
また板厚が薄く形状の良い板の場合にはパターン（ｂ）
を、また板厚が極薄（Ｑ、１ｎａ以下）の場合にはパタ
ーン（ｃ）が好ましい、圧延油の噴射方向は、同じ半幅
域１ａ、　ｌｂにおける各ノズル７から噴射方向が揃っ
て同じであっても部分的に異なっていても良い。

ノズル７が前記説明の如く噴射装置６を構成して金属帯
ｌの上下両面に配列された状態は第２図に示す如くであ
り、この状態におけるノズル７の先端と金属帯１との垂
直距離りは１０１以下が噴射された圧延油と金属帯１表
面との衝撃の強さの低下を小さく抑え異物や汚れの除去
洗浄効果を高める点で好ましい、一般に使用されている
冷間圧延装置においては、冷間圧延機４の入側近傍に上
記の如き噴射装置６を設置しようとすると金属帯１の送
板ガイドの位置と重なることがあるが、上記条件はその
兼用を可能とさせる。

また圧延油の噴射方向を金属帯１の厚さ、走行速度、異
物や汚れの付着状態及び付着量等に応じて最適にとるた
め、ノズル７をその噴射方向が水平面及び鉛直面いずれ
においても調節可能なように設置するのが好ましい。

更に圧延油の噴射圧力（ノズル７への供給圧）は５〜５
０）ｃｇ／ａ＋ｆが好ましい。ノズル７のノズル孔径が
一般に使用されている４〜２０薗のものであれば、圧延
油の上記噴射圧力によって圧延油の金属ＩＦＩへの充分
に強い衝撃が得られる。

次に本発明方法の実施状況の１例を説明する。

第４図において、前記したように金属帯１はり一ル２か
ら巻き出されて走行し、冷間圧延機４の入側の上下両面
側で、噴射装置６のノズル７から金属帯１に付着してい
る異物や汚れの付着状態を確認しながら５〜５０ｋｇ／
ａ＃の間に調整された充分に高圧の圧延油を第１図及び
第２図に示す如く両側の半幅域１ａ、　ｌｂ毎に金属帯
１の走行方向に対して逆方向で且つ前記半幅域１ａ、　
ｌｂの側縁１ａａ、　ｌｂａ側に傾斜する噴射方向に向
けて噴射させる。従って、噴射方向が金属帯１の走行方
向Ｘに対して逆らう方向Ｘ′であり且つ側縁方向にも傾
斜しているので、噴射された圧延油の大きな力が走行方
向Ｘに対する逆方向Ｘ′のベクトルと側＠ｌａａ、　ｌ
ｂａ方向のベクトルとに分かれ、前者のベクトルが異物
や汚れを除去洗浄するように作用し、除去された異物や
汚れは後者のベクトルによって金属帯１の中央より両側
縁１ａａ、　ｌｂａへ流れ去る圧延油に含まれて金属帯
１の両側縁１ａａ、　ｌｂａから強制的に流出せしめら
れて除去されるのである。

このようにして金属帯１に付着していた異物や汚れは圧
延油に含まれて排出され、浄化装置やポンプ（図示なし
）によって充分に清浄化された圧延油が再びノズル７に
加圧状態で供給されるのである。

〔発明の効果〕

本発明方法は、金属帯の冷間圧延に際してその表面に付
着している異物や汚れの除去洗浄のために圧延油を用い
その圧延油の噴射を噴射方向に複数段に設置したノズル
を使用し、噴射方向を金属帯の走行方向に逆らう方向に
且つ側縁に向って斜め方向にとると共に高い噴射圧で行
うようにしたことにより、異物や汚れを冷間圧延機のワ
ークロールの金属帯噴込み部位に至らせることなく金属
帯表面から効果的に除去すると共に強制的に排出するこ
とができるのであり、その結果異物により金属帯表面に
発生する押込疵や汚れの転写を防止し、また冷間圧延機
のワークロールを疵付けたりロール異常を発生させたす
せず、従って圧延される金属帯表面を荒したりロールマ
ークが発生することを大幅に抑制し、金属帯の表面品質
並びに製造歩留りを向上させることができるのである。

更に、前記の如くロール異常の発生を防止することがで
きるので、異常ロールの手入れによるロール費の上昇を
抑制し、またロールの異常組替による生産性の低下を大
幅に軽減させ、最終的に金属帯の製造原価を大幅に低減
させることができるのである。特に極薄金属帯や金属フ
ォイルの冷間圧延においては、致命的な欠陥となる押込
疵の発生を防止し高速圧延を可能とするなど、高い生産
性のもとに安定製造を可能とする本発明方法の工業的価
値は非常に大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の実施に好適なノズル配置の１例と
それによる金属帯の洗浄状況の１例とを示す平面説明図
、第２図は第１図の場合の側面説明図、第３図は圧延油
の噴射パターンの説明図。 第４図は本発明方法の適用例で冷間圧延機全体の概略説
明図である。 図面中 １・・・・金属帯 １ａ・・・・半幅域 ｌａａ・・・・側縁 １ｂ・・・・半幅域 ｌｈａ・・・・側縁 ２・・・・リール ３・・・・デフレクタロール ４・・・・冷間圧延機 ４ａ・・・・ワークロール ４ｂ・・・・バックアップロール ４ｃ・・・・咬込み部位 ５・・・・リール ６・・・・噴射装置 ７・・・・ノズル ７ａ・・・・一方の半幅域用ノズル ７ｂ・・・・他方の半幅域用ノズル Ａ１．　Ａ、、　Ａ、、　Ａ、・・・・線Ｂ１．　Ｂ、
、　Ｂ、、　Ｂ４・・・・線Ｃ・・・・中央位置 ｈ・・・・ノズル先端と金属帯表面との垂直距離Ｘ・・
・・走行方向 Ｘ′・・・・走行方向Ｘに対する逆方向Ｙ・・・・走行
方向

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　金属帯を冷間圧延するに際して圧延油を金属帯に噴
   射して金属帯表面に付着している異物や汚れ等を除去し
   て洗浄するに当り、冷間圧延機のワークロール入側の金
   属帯の上下両面側において金属帯幅をほぼ２分する中央
   位置より両側の各半幅域毎に金属帯表面に向けて圧延油
   を噴射する複数個のノズルを金属帯の側縁から上記中央
   位置より反対側にはみ出た中央越え位置までの幅方向と
   金属帯の走行方向との各方向に亘つてほぼ均等に配置し
   、該ノズルから金属帯の走行方向に対して逆方向で且つ
   前記半幅域の側縁側に傾斜する噴射方向に噴射圧力５〜
   ５０ｋｇ／ｃｍ＾２で圧延油を噴射することを特徴とす
   る冷間圧延における金属帯の洗浄方法。 ２　金属帯の各半幅域毎にそのすべてノズルの噴射方向
   を同じくして圧延油を噴射する請求項１に記載の冷間圧
   延における金属帯の洗浄方法。 ３　噴射方向を調節することのできるノズルを配置して
   圧延油を噴射する請求項１又は２に記載の冷間圧延にお
   ける金属帯の洗浄方法。 ４　ノズルをノズルの先端位置が金属帯上下両面から１
   ０ｃｍ以内の垂直距離にあるように配置する請求項１か
   ら３までのいずれか１項に記載の冷間圧延における金属
   帯の洗浄方法。