JPH0215700B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、便器に取付けられ、ノズルから洗浄
水を噴出する局部洗浄装置に関する。

［従来の技術］ 従来、肛門洗浄及びビデ洗浄ができる局部洗浄
装置は、肛門洗浄用ノズルとビデ洗浄用ノズルと
が別個独立して設けられていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、肛門洗浄用ノズルとビデ洗浄用ノズル
とを別個独立して設けることは、装置が大型とな
り、便器への取付け及び保守点検が困難となる問
題点が有る。

本発明は、上記欠点を解決するために、供給洗
浄水を駆動源とし、１本のノズルを待機位置から
肛門洗浄位置又はビデ洗浄位置へ移動させる機能
を備えた局部洗浄装置の提供を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明の要旨は、便器に取付けられ、ノズルか
ら洗浄水を噴出する局部洗浄装置において、前後
方向へ延び且つ前端開口で後端閉塞の外装シリン
ダー内には、前端開口で後端閉塞の中間シリンダ
ーが外装シリンダー内から前方へ所定ストローク
だけ水密状に摺動突出できるように挿入され、該
中間シリンダーには、後端寄り外周に摺動用シー
ル部が形成されていると共に、該シール部より前
方部位のシリンダー周壁に洗浄水流入孔が穿設さ
れ、前記中間シリンダーのシール部より前方の外
周面と外装シリンダーの内周面との間には、洗浄
水用水路が前記中間シリンダーの洗浄水流入孔の
移動領域の全域に亘つて形成されていると共に、
外装シリンダーの内周面上に洗浄水用外部配管の
管口が該洗浄用水路を臨むように開口され、前記
外装シリンダーの内部後端寄りには、前記中間シ
リンダーのシール部より後方領域の内面に中間シ
リンダー操作用外部配管の管口が開口され、前記
外装シリンダーと中間シリンダーとの間には、中
間シリンダーの前進に伴ない反発弾性力を蓄える
復帰バネが設けられ、前記中間シリンダー内に
は、前端寄りに前記ノズルを形成すると共に、閉
塞した後端寄りの外周に摺動用シール部を形成し
たノズル管が中間シリンダー内から前方へ所定ス
トロークだけ摺動突出できるように挿入され、前
記中間シリンダー内における前記ノズル管のシー
ル部の待機位置は、中間シリンダーの前記洗浄水
流入孔より前方位置とされ、前記ノズル管は、シ
ール部より後方部位の外面に流入口を開口し且つ
調圧弁を備えた洗浄水流入路がノズル管内部へ流
通するように設けられ、前記ノズル管と中間シリ
ンダーとの間には、ノズル管の前進に伴ない反発
弾性力を蓄える復帰バネが設けられ、前記中間シ
リンダー操作用外部配管と洗浄水用外部配管と
は、中間シリンダー操作用外部配管から洗浄水用
外部配管に流通する調圧弁を備えたバイパス外部
配管で接合されていることである。

［実施例］ 以下、本発明を図面に示す実施例に基いて説明
する。第１図は本発明に係る局部洗浄装置１を備
えた便器２の実施例を示すものである。該局部洗
浄装置１は、第２図の縦断面図によつて自ら理解
できるように、最も特徴的な所は、前後方向へ延
び且つ前端開口で後端閉塞の外装シリンダー３
と、該外装シリンダー３内から所定ストロークだ
け水密状に摺動突出できるように挿入された中間
シリンダー４と、該中間シリンダー４内から所定
ストロークだけ摺動突出できるように挿入された
ノズル管５とからなり、中間シリンダー４が後退
し且つノズル管５が突出しているとき（第３図Ａ
参照）にはノズル５ａが肛門洗浄位置（第１図中
Ａの位置）にあり、また中間シリンダー４及びノ
ズル管５の双方が突出しているとき（第３図Ｂ参
照）にはノズル５ａがビデ洗浄位置（第１図中Ｂ
の位置）になるように構成されている点である。

第２図に示す如く、前記外装シリンダー３は、
前端開口３ａで且つ後端閉塞３ｂに形成され、内
周面３ｃの後端寄りが摺動面に仕上げられてい
る。該外装シリンダー３は、外周の略々中央寄り
に便器接続用フランジ３ｄが形成されている。前
記中間シリンダー４は、前端開口４ａで且つ後端
閉塞４ｂに形成されていると共に、後端寄り外周
にＯリング７，７を外嵌した摺動用シール部４ｃ
が形成されている。該中間シリンダー４は、前記
外装シリンダー３内から前方へ所定ストロークだ
け前後方向に沿つて摺動突出できるように挿入さ
れている。該中間シリンダー４が所定ストローク
だけ前後方向に沿つて摺動できるのは、中間シリ
ンダー４の外周面４d′の前方寄りに前後方向に沿
つて案内溝４ｊを形成すると共に、該案内溝４ｊ
に挿入される案内片１６を前記外装シリンダー３
の内周面３ｃから突出してあるからである。な
お、前記外装シリンダー３の内周面３ｃから突出
している案内片１６の位置を可変できるようにす
ると、中間シリンダー４のストロークを各人の最
適洗浄位置に対応させることが可能となる。ま
た、中間シリンダー４を所定ストロークだけ前後
方向に沿つて摺動させるための構造は、何ら前記
実施例に限定するものではなく、図示省略した
が、中間シリンダー４の横断面を楕円形状とする
と共に、中間シリンダー４のシール部４ｃの移動
阻止用のストツパーを外装シリンダー３の内周面
３ｃから突出させる等の適宜構造を採用すること
も勿論可能である。前記中間シリンダー４のシー
ル部４ｃより前方部位のシリンダー周壁４ｄに
は、洗浄水流入孔４ｅが開口されている。

前記中間シリンダー４のシール部４ｃより前方
の外周面４d′と外装シリンダー３の内周面３ｃと
の間には、洗浄水用水路１０が前記中間シリンダ
ー４の洗浄水流入孔４ｅの移動領域の全域に亘つ
て形成されていると共に、外装シリンダー３の内
周面３ｃに洗浄水用外部配管２３の管口３ｅが開
口されている。前記外装シリンダー３の内周面３
ｃと中間シリンダー４の外周面４d′との間であつ
て且つ該洗浄水用水路１０より前方部位には、外
装シリンダー３の内周面３ｃ上にＯリング２０を
内嵌したシール部２１が形成されており、中間シ
リンダー４を水密状に摺動突出させるように構成
されている。前記外装シリンダー３の内部後端寄
りには、前記中間シリンダー４のシール部４ｃよ
り後方部位の内面上に、中間シリンダー操作用外
部配管２４の管口３ｈが開口されされている。前
記外装シリンダー３と中間シリンダー４との間に
は、中間シリンダー４に復帰バネ１１を外嵌する
と共に、該復帰バネ１１の一端を外装シリンダー
３の段部３c′に当接させ且つ他端を中間シリンダ
ー４の段部４c′に当接させて、中間シリンダー４
の前進に伴ない復帰バネ１１へ自動復帰用の反発
弾性力を蓄えるように構成されている。なお、復
帰バネ１１は、前記の如く中間シリンダー４に外
嵌することなく、図示省略したが、中間シリンダ
ー４の閉塞部４ｂと外装シリンダー３の閉塞部３
ｂとの間に引張りコイルバネを配設することも可
能である。

前記ノズル管５は、後端閉塞５ｂで且つ前端寄
りにノズル５ａが形成されている共に、閉塞５ｂ
した後端寄りの外周５ｃにＯリング１２，１２を
外嵌した摺動用シール部５ｄが形成されている。
該ノズル管５は、前記中間シリンダー４内から前
方へ所定ストロークだけ摺動突出できるように挿
入されている。該ノズル管５が所定ストロークだ
け摺動できるのは、ノズル管５の外周面５ｃの下
方前半に前後方向に沿つて案内溝５ｆを形成する
と共に、該案内部５ｆに挿入される案内片１７を
前記中間シリンダー４の内周面３ｃから突出して
あるからである。ノズル管５は、中間シリンダー
４内に挿入された状態におけるシール部５ｄの待
機位置が中間シリンダー４の前記洗浄水流入孔４
ｅより前方位置となるように構成されている。ノ
ズル管５は、シール部５ｄより後方部位の外面５
b′に流入口５ｅを開口し且つ調圧弁１３を備えた
洗浄水流入路１４がノズル管５内部へ洗浄水を流
出するように設けられている。該調圧弁１３の作
動圧は、中間シリンダー４内に供給された洗浄水
の水圧がノズル管５を中間シリンダー４内から前
方へ所定ストロークだけ摺動突出させるに必要な
水圧以上になつたときに作動するように設定され
る。前記ノズル管５と中間シリンダー４との間に
は、ノズル管５に復帰バネ１５を外嵌すると共
に、該復帰バネ１５の一端がノズル管５の段部５
d′に当接させ且つ他端を前記案内片１７に当接さ
せて、ノズル管５の前進に伴ない復帰バネ１５へ
自動復帰用の反発弾性力を蓄えるように構成され
ている。

局部洗浄装置１は、第２図に示す如く、外部配
管されている。洗浄水供給源１８の吐出口１８ａ
と外装シリンダー３の管口３ｅとは、バルブＶ１
を備えた洗浄水用外部配管２３で接合されてい
る。洗浄水供給源１８の吐出口１８ａと外装シリ
ンダー３の管口３ｈとは、バルブＶ２を備えた中
間シリンダー操作用外部配管２４で接合されてい
る。中間シリンダー操作用外部配管２４の下流側
２４ａと洗浄水用外部配管２３の下流側２３ａと
は、バルブ３を備えた排水管２６と、逆止弁機能
を有する調圧弁８を備えたバイパス外部配管２５
とで接合されている。該調圧弁８の作動圧は、外
装シリンダー３内に供給された操作用水の水圧が
中間シリンダー４を外装シリンダー３内から前方
へ所定ストロークだけ摺動突出させるに必要な水
圧以上になつたときに作動するように設定され
る。

また、洗浄水用外部配管２３の下流側２３ａに
は、バルブ４を備えたノズル洗浄水用配管１９が
接続されている。

［作用］ 次に、本発明に係る局部洗浄装置１の作用を説
明する。

中間シリンダー４及びノズル管５が外装シリン
ダー３内に後退している状態（第２図参照）の局
部洗浄装置１を肛門洗浄状態にするには、第３図
Ａに示す如く、バルブＶ１を開くと共に、他のバ
ルブＶ２乃至Ｖ４を閉じる。すると、洗浄水供給
源１８から供給された洗浄水（温水）は、洗浄水
用外部配管２３を通過して外装シリンダー３の管
口３ｅへ流入し、続けて洗浄水用水路１０及び洗
浄水流入孔４ｅを通過して中間シリンダー４内へ
流入し、復帰バネ１５を圧縮させながらノズル管
５を前方へ押圧移動させる。ノズル管５が所定の
停止位置に達したならば、中間シリンダー４内の
洗浄水Ｗは、流入に要する動圧抵抗の低下に伴う
内部静圧の上昇により調圧弁１３を押圧すると共
に、洗浄水流入路１４を通過してノズル管５内へ
流入しノズル５ａから噴出する。肛門洗浄が終了
したならば、バルブＶ１を閉じると共に、バルブ
Ｖ４を開く。すると、中間シリンダー４内の残留
水は、ノズル管５が復帰バネ１５の反発弾性力に
より中間シリンダー４内へ後退することに伴な
い、洗浄水流入孔４ｅ、洗浄水用水路１０、管口
３ｅ、洗浄水用外部配管２３及びバルブＶ４を通
過してノズル洗浄用配管１９へ供給され、ノズル
洗浄用配管１９の吐出口１９ａから外部ノズル管
５上へ排出される。

次に、中間シリンダー４及びノズル管５が外装
シリンダー３内に後退している状態（第２図参
照）の局部洗浄装置１をビデ洗浄状態にするに
は、第３図Ｂに示す如く、バルブＶ２を開くと共
に、他のバルブＶ１，Ｖ３，Ｖ４を閉じる。する
と、洗浄水供給源１８から供給された洗浄水（温
水）は、中間シリンダー操作用外部配管２４を通
過して外装シリンダー３の管口３ｈから外装シリ
ンダー３内へ流入し、復帰バネ１１を圧縮させな
がら中間シリンダー４を前方へ押圧移動させる。
中間シリンダー４が所定の停止位置に達したなら
ば、中間シリンダー操作用外部配管２４内の洗浄
水は、静圧の上昇に伴い調圧弁８を作動させて洗
浄水用外部配管２３に導かれ外装シリンダー３の
管口３ｅへ流入した後、洗浄水用水路１０及び洗
浄水流入孔４ｅを通過して中間シリンダー４内へ
流入する。中間シリンダー４内に流入した洗浄水
は、前記作動と同様にして復帰バネ１５を圧縮さ
せつつノズル管５を前進させる。ノズル管５が所
定の停止位置に達したならば、中間シリンダー４
内の洗浄水は、静圧の上昇により調圧弁１３を押
圧すると共に、洗浄水流入路１４を通過してノズ
ル管５内へ流入しノズル５ａから噴出する。ノズ
ル５ａからの噴出力は、調圧弁８の作動圧力に対
応するものであつて、前記肛門洗浄時（第３図Ａ
参照）の噴出力より弱い噴出状態となるように作
動圧が設定される。ビデ洗浄が終了したならば、
バルブＶ２を閉じると共に、バルブＶ３，Ｖ４を
開く。すると、中間シリンダー４内の残留水は、
ノズル管５が復帰バネ１５の反発弾性力により中
間シリンダー４内へ後退することに伴ない、洗浄
水流入孔４ｅ、洗浄水用水路１０及び管口３ｅを
通過してバルブＶ４へ流出し、他方、外装シリン
ダー３内の残留水は、中間シリンダー４が復帰バ
ネ１１の反発弾性力により外装シリンダー３内へ
後退することに伴ない、管口３ｈ、バルブＶ３を
通過してバルブＶ４へ流出する。バルブＶ４で合
流した残留水は、ノズル洗浄用配管１９の吐出口
１９ａからノズル管５上へ排出される。

［発明の効果］ 以上詳述の如く、本発明に係る局部洗浄装置
は、次の如き優れた効果を有する 外装シリンダーの外部配管口へ洗浄水を供給
するだけで１本のノズル管を待機位置から肛門
洗浄位置又はビデ洗浄位置へ確実に移動させる
ことができるので、小型な装置とすることがで
き、便器への取付け及び保守点検が容易とな
る。

ノズル管が肛門洗浄位置に達する前にノズル
から洗浄水が噴出しないので、衣服及び身体の
他の部分を濡すことがなく快適な局部洗浄を行
なうことが可能となる。

ノズル管に備えた肛門洗浄用の調圧弁及び外
部配管に備えたビデ洗浄用の調圧弁の両方を備
えているので、各洗浄に対応した水圧の洗浄水
をノズルから噴出させることができ、快適な局
部洗浄を行なうことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明に係る局部洗浄装置
の実施例を示すものであつて、第１図は局部洗浄
装置を便器に取付けた状態を示す略断面図、第２
図は局部洗浄装置の縦断面図、第３図Ａ及びＢは
動作を説明する縦断面図である。 １……局部洗浄装置、３……外装シリンダー、
３ｅ……外部配管口、４……中間シリンダー、４
ｃ……シール部、４ｄ……シリンダー周壁、４ｅ
……洗浄水流入口、４ｈ……外部配管口、５……
ノズル管、５ａ……ノズル、５ｄ……シール部、
５ｅ……流入口、８……調圧弁、１０……洗浄水
用流入路、１１……復帰バネ、１３……調圧弁、
１４……洗浄水流入路、１５……復帰バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 便器に取付けられ、ノズルから洗浄水を噴出
   する局部洗浄装置において、前後方向へ延び且つ
   前端開口で後端閉塞の外装シリンダー内には、前
   端開口で後端閉塞の中間シリンダーが外装シリン
   ダー内から前方へ所定ストロークだけ水密状に摺
   動突出できるように挿入され、該中間シリンダー
   には、後端寄り外周に摺動用シール部が形成され
   ていると共に、該シール部より前方部位のシリン
   ダー周壁に洗浄水流入孔が穿設され、前記中間シ
   リンダーのシール部より前方の外周面と外装シリ
   ンダーの内周面との間には、洗浄水用水路が前記
   中間シリンダーの洗浄水流入孔の移動領域の全域
   に亘つて形成されていると共に、外装シリンダー
   の内周面上に洗浄水用外部配管の管口が該洗浄用
   水路を臨むように開口され、前記外装シリンダー
   の内部後端寄りには、前記中間シリンダーのシー
   ル部より後方領域の内面に中間シリンダー操作用
   外部配管の管口が開口され、前記外装シリンダー
   と中間シリンダーとの間には、中間シリンダーの
   前進に伴ない反発弾性力を蓄える復帰バネが設け
   られ、前記中間シリンダー内には、前端寄りに前
   記ノズルを形成すると共に、閉塞した後端寄りの
   外周に摺動用シール部を形成したノズル管が中間
   シリンダー内から前方へ所定ストロークだけ摺動
   突出できるように挿入され、前記中間シリンダー
   内における前記ノズル管のシール部の待機位置
   は、中間シリンダーの前記洗浄水流入孔より前方
   位置とされ、前記ノズル管は、シール部より後方
   部位の外面に流入口を開口し且つ調圧弁を備えた
   洗浄水流入路がノズル管内部へ流通するように設
   けられ、前記ノズル管と中間シリンダーとの間に
   は、ノズル管の前進に伴ない反発弾性力を蓄える
   復帰バネが設けられ、前記中間シリンダー操作用
   外部配管と洗浄水用外部配管とは、中間シリンダ
   ー操作用外部配管から洗浄水用外部配管に流通す
   る調圧弁を備えたバイパス外部配管で接合されて
   いることを特徴とする局部洗浄装置。