JPH0213867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、個別形空気調和機におけるプレート
形空気熱交換器の固定装置に関するものである。

従来の技術 従来、建物のペリメーターゾーンに設置される
ヒートポンプ式の個別形空気調和機における熱交
換器の固定装置は、第３図および第４図示すよう
な構成となつている。すなわち、ヒートポンプ式
空気調和機の室外機の本体１は壁２に面して設け
られ、室外側に対向して、外気の吸気口３、およ
び、外気への排気口４とを有している。前記本体
１内には室外送風機５、プレートフイン７と、冷
媒管８を直交して構成された室外熱交換器６が設
けられ、前記の熱交換器６の両端には外方に折曲
げられた折曲片１０と一体にＬ形状になつている
側板９が設けている。前記熱交換器６の上端は上
シールプレート１１で塞がれ、熱交換器６の下端
は下シールプレート１２で塞がれている。前記下
シールプレート１２の外側はＬ形状の支え板１３
で覆われ、支え板１３の固定片１３ａは、フレー
ム側板１４に溶接固定している。前記支え板１３
と、折曲片１０とはねじ１５で共締めして熱交換
器６に固定している。なお、室外送風機５は、モ
ーター固定板１７に対し、ねじ１８によつて固定
されている。

従来はこのようにフレーム側板１４に、支え板
１３の固定片１３ａを溶接等で固定し、組立工程
中において、熱交換器６を支え板１３に載せるよ
うして、背面側より、ねじ１５で、熱交換器６を
固定しているのである。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、室外機の本体１を
壁２に据付けた後、仮に、メンテナンスを必要と
するとき、前面パネル１９を取りはずし、室外送
風機５は、前面側よりねじ１８（両端に設けてい
る）を取りはずせば、前面に引き出せるが、熱交
換器６は、前面からの取りはずしが不可能で、冷
媒管の亀裂等によつて是非とも取りはずさなけれ
ばならないときは、本体１を前方に移動させ、背
面パネルを取りはずしてからねじ１５を取り、熱
交換器６のメンテナンスを行なうが、本体を前方
に移動させないときは、ねじ１５の先端を前方よ
り切るなどして熱交換器６を取りはずさなければ
ならず、非常に困難となる問題点があつた。

なお、ねじ１５を前方より締め付ければよい
が、これは、組立工程中、エアードライバー等の
工具が、冷媒管８に触れて損傷するために、背面
側より締付けるようにしている。

本考案は、こうした従来の問題点を解消するも
ので、メンテナンス時の熱交換器を容易に取りは
ずせるようにした熱交換器の固定装置を得ること
を目的とする。

問題点を解決するための手段 前記問題を解決するため本考案は、前面板を着
脱自在にした本体と、この本体のフレーム側板に
固定され、かつ本体の背面側へ傾斜させた支え板
と、この支え板の下端部に前面側よりねじ止めさ
れる下シールプレートを有し、かつ背面側へ傾斜
し前記支え板に支持される熱交換器を設け、この
熱交換器の側板に突出片を形成するとともに、前
記突出片の上端と嵌合する切欠部をモータ板の折
曲片に設け、前記熱交換器の上方部は背面フレー
ムに固定した前記モータ板の前記折曲片に形成し
た切欠部と、前記突出片の上端部を嵌合固定し、
下方部は前面側より前記支え板と下シールプレー
トとを共締めして支持するようにした空気調和機
の熱交換器固定装置の構成としたものである。

作 用 このような構成にすることにより、後方へ傾斜
した熱交換器の前面の下方より、熱交換器のシー
ルプレートと支え板とを前面よりねじ止めし、熱
交換器の後方では、突出した熱交換器の側板とモ
ーター板の切欠部との嵌合によつて固定するよう
にしたものである。

実施例 本考案による一実施例を第１図および第２図に
もとづいて説明する。図において２１はヒートポ
ンプ式空気調和機を室外側機、室内側機と分離し
たうちの室外機の本体で、壁２２の室内側に設け
られている。この本体２１は、外気に対向した吸
気口２３、および排気口２４とに連通して設けら
れる。前記本体１内には室外送風機２５を排気口
２４に対向させ、かつモーター板２６に固定して
いる。前記モーター板２６の下方側には折曲片２
７を設けてあり、この折曲片２７は前方に向つて
大きく突出し、その先端は熱交換器３１の上端よ
り大きく突出している。この折曲片２７の両端
（他方は図示せず）には切欠部２８が設けてある。
本体１の背面フレーム２９は壁２２に当接させて
あり、モーター板２６背面フレーム２９にねじ３
０で固定されている。また本体１内には冷房時に
凝縮器、暖房時に蒸発器として作用し、上方背面
側に傾斜して室外機側の熱交換器３１を設けてあ
り、この熱交換器３１の両端部には側板３２を設
けている。この側板３２にはプレートフイン３３
を積層した平面部３４よりも突出した突出片３５
を設けてあり、この突出片３５の上方と、切欠部
２８とが嵌合するようにしている。熱交換器３１
は、直管−Ｕ字管と蛇行状に配設された冷媒管３
６を有し、下端面は、下シールプレート３７で塞
さがれ、また、上端面は上シールプレート３８で
塞がれている。そしてフレーム側板４０にはＬ形
に構成した支え板３９の側方に立上つた固定片３
９ａを溶接固定している。前記下シールプレート
３７と支え板３９とは前面下方より固定ねじ４１
で共締めして固定するようにしている。

上記構成において、熱交換器３１の固定は、組
立工程中においても、また、本体２１を設置した
後においても、前方より熱交換器３１を固定し、
かつ、取りはずすようにする。すなわち、前方よ
り、前面パネル４２を取りはずした後、フレーム
側板４０に固定されている支え板３９に、熱交換
器３１を載せ、下シールプレート３７と、支え板
３９とを固定ねじ４１でその下方を固定する。次
に、室外送風機２５のモーター板２６をねじ３０
で、背面フレーム２９に固定するとき、切欠部２
８に、側板３２の突出片３５の上端を挿入し、嵌
合させて、ねじ３０を締付け、室外送風機２５を
固定するとともに、熱交換器３１の上方も固定す
ることとなる。

次に、仮に、熱交換器３１を取りはずす必要が
生じるメンテナンスの場合、前面パネル４２を取
りはずした前方より、ねじ３０を取つて室外送風
機２５をはずし、このとき切欠部２８で嵌合して
いたところをはずすことになり、さらに、固定ね
じ４１を前方より取りはずし、共締めしていた支
え板３９と分離した状態で、熱交換器３１を前方
より引き出すのである。

この結果、本体２１がペリメーターゾーンの壁
２２に据付けられたそのままの位置で、前面パネ
ル４２を前方より取りはずしただけで室外送風機
２５とともに熱交換器３１も容易に取付けおよび
交換が可能となるのである。

考案の効果 前記実施例の説明より明らかなように、本考案
は傾斜して設けられた熱交換器の下方において支
え板と下シールプレートとを固定ねじで固定し、
上方においては、モーター板に設けた切欠部に熱
交換器側板の突出片を嵌合して固定するようにし
たものであるから、仮に、熱交換器を取りはずさ
なければならないときなどは、室外送風機を前方
より取りはずせば容易に前方より取りはずすこと
ができ、冷媒管の損傷をすることはなくメンテナ
ンスができるなどの実用的効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による空気調和機の
熱交換器固定装置の断面図、第２図は同部分斜視
図、第３図は従来の空気調和機の熱交換器固定装
置の断面図、第４図は同部分斜視図である。 ２１……本体、２５……室外送風機、２６……
モーター板、２７……折曲板、２８……切欠部、
３１……熱交換器、３２……側板、３４……平面
部、３５……突出片、３７……下シールプレー
ト、３８……上シールプレート、３９……支え
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面板を着脱自在にした本体と、この本体のフ
   レーム側板に固定され、かつ本体の背面側へ傾斜
   させた支え板と、この支え板の下端部に前面側よ
   りねじ止めされる下シールプレートを有し、かつ
   背面側へ傾斜し前記支え板に支持される熱交換器
   を設け、この熱交換器の側板に突出片を形成する
   とともに、前記突出片の上端と嵌合する切欠部を
   モータ板の折曲片に設け、前記熱交換器の上方部
   は背面フレームに固定した前記モータ板の前記折
   曲片に形成した切欠部と、前記突出片の上端部を
   嵌合固定し、下方部は前面側より前記支え板と下
   シールプレートとを共締めして支持するようにし
   た空気調和機の熱交換器固定装置。