JPH0325068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は分離形空気調和機の室外機に関し、特
にその固定装置に関するものである。

従来の技術 従来リモートコンデンサー式による分離形空気
調和機の室外機には非利用側となる熱交換器と送
風機（いずれも図示せず）が設けられる。前記室
外機を第４図と第５図にもとづいて説明すると、
第４図は床置形室外機を示し吸込口１と吹出口２
を有した室外機の本体３に、この本体３を固定す
るための基台４，５を左右に設け床面に対して固
定ボルト６，７によつて本体３を固定する。

第５図は天井吊下形室外機（以後天吊形と称
す）を示し下方の吸込口８と吹出口９を有した本
体１０の天板１１に設けられた穴１２を利用して
吊ボルト１３によつて吊下げるものである。

このように従来は室外機を据付ける場所におい
て床スペースがあれば第４図に示す床置形室外機
を選定し、床置スペースがないときは第５図に示
す天吊形室外機を選定して据付ける。これは最近
のマンシヨンなどで、ベランダを有効利用すると
ころから天吊形室外機が求められるために製作さ
れるものである。

考案が解決しようとする問題点 このように従来は床置形の室外機と天吊形の室
外機とをそれぞれの設置条件に応じて２種の室外
機を製作しなければならず、製作工数と部品点数
の増大につながり、特に製作側においてコスト的
にも不利になる問題点を有していた。

本考案はこのような問題を解決するもので、１
機種の室外機で床置形にも天吊形にもなるように
した室外機を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本考案は吸込口に
対向して備えられた熱交換器と吹出口に対向して
備えられた送風機を収納した室外機の本体と、こ
の本体の下方に断面コ字形となり床あるいは壁に
固定するための切欠部を有し、同一方向に向けら
れて固定した床固定具と、前記本体の一側方に前
記床固定具と同一の形状をした天井固定具とを設
けるようにしたものである。

作 用 この構成により、床設置形に据付ける場合は、
本体下方側の床固定具によつて床面に固定し、壁
設置形に据付ける場合は前記床固定具によつて壁
に掛けるとともに、本体の一側方に設けた他の天
井固定具によつて天井面より吊下げるように据付
けることとなる。

実施例 本考案による一実施例を第１図〜第３図にもと
づいて説明する。一側方に吸込口１６と、天面側
に吹出口１７を有する室外機の本体１８が床１９
に据付けられている。本体１８内には吸込口１６
に対向し傾斜して設けられ冷房時は凝縮器として
作用し暖房時は蒸発器として作用する熱交換器２
０と、吹出口１７に対向して設けられた送風機２
１とを設けている。熱交換器２０の下方と上方に
はドレンパン２２，２３を設けている。本体１８
の下方には基台となる床固定具２４，２５が底板
１８ａに溶接によつて固着され断面コ字形に形成
され、床１９と接する固定片２６には固定用ボル
ト２７を挿入するように切欠部２６ａが設けられ
ている。そしてこの床固定具２４，２５は、本体
１８を天吊形として使用するとき上からボルト３
５，３６に掛けられるように、同一方向に向けて
備えられる。本体１８の側方には前記床固定具２
４，２５と同一形状で同じ切欠部２６ａを有した
天井固定具２８，２９が溶接によつて側板１８ｂ
に固着されている。３０，３１は圧縮機、室内用
の熱交換器（いずれも図示せず）を設けた室内機
と接続する冷媒配管である。

上記構成において、例えば床置形として据付け
るときは第１図に示すような形態で据付ける。す
なわち床固定具２４，２５のみ使用し切欠部２６
ａに挿入した固定用ボルト２７によつて固定し推
付けられる。

そして冷房時に滴下するドレンはドレンパン２
２で受けられる。

次に床スペースのない場合は第２図に示すよう
なベランダ等の天井吊下形の形態で据付けられ
る。すなわち吸込口１６を下方に、吹出口１７を
前方に向けて、最初に床固定具２４，２５の切欠
部２６ａを壁側３２にあらかじめ打込まれた固定
ボルト３３，３４に合わせて挿入しながらかつ吊
ボルト３５，３６に天井固定具２８，２９の切欠
部２６ａに合わせて挿入する。このとき、ナツト
３５ａ，３６ａは上方の位置にゆるめた状態にあ
り、最後に締付けるものである。このように天吊
形として据付けるときは天井固定具２８，２９で
吊下げて本体１８を保持し、固定具２４，２５を
固定ボルト３３，３４に掛けることによつても本
体１８を保持している。

そして冷房時に、滴下するドレンはドレンパン
２３で受けられる。

この結果、天井吊下形として据付ける場合は壁
面３２からの保持と、天井からの保持と二段構え
による天吊形室外機の据付装置となり、安全かつ
振動のない据付装置が得られるとともに、床固定
具２４，２５と天井固定具２８，２９とがそれぞ
れ同一方向に固定しているから天吊形として据付
けるときは、ボルト３５，３６にも挿入し易く、
また固定ボルト３３，３４に対しても挿入し易
い。

考案の効果 このように本考案は、室外機本体の下方と、一
側方に固定用ボルトが挿入される切欠部を有した
コ字形状の床固定具および天井固定具とを固着し
て設けたから、床置形としても、また天吊形とし
ても据付けできる兼用形となり、特にマンシヨン
などのようにベランダの狭いところで床面を広く
使用したい場合は天吊形として使用すれば効果的
であり、製作側においても床置形と天吊形の２機
種を用意する必要もなく簡易にして兼用形として
需要家側に提供でき、コスト的にも安価に製作し
得るなどの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による分離形空気調
和機の室外機の断面図、第２図は同室外機の天井
吊下形据付の断面図、第３図は同室外機に固着さ
れた床固定具および天井固定具の斜視図、第４図
は従来の床置形室外機の斜視図、第５図は同従来
の天吊形室外機の斜視図である。 １８……本体、１６……吸込口、１７……吹出
口、２４，２５……床固定具、２６ａ……切欠
部、２８，２９……天井固定具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸込口に対向して備えられた熱交換器と、この
   熱交換器の下方と上方に備えられたドレンパン
   と、吹出口に対向して備えられた送風機を収納し
   た室外機の本体と、この本体の下方に断面コ字形
   となり床あるいは壁に固定するための切欠部を有
   し、同一方向に向けられて固定した床固定具と、
   前記本体の一側方に前記本体の下方に設けた床固
   定具と同一の天井固定具とを設けてなる分離形空
   気調和機の室外機。