JPH0718906Y2 - 一体形空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は屋外又は屋上等に据付けられる一体形空気調和
機に関する。

（従来の技術） 本出願人は第６図に示す一体形空気調和機について実用
新案登録出願中である。

第６図に示すように、縦細長の器筐１の内部をドレンパ
ンを兼ねる仕切板２により上下に区画することによって
この仕切板２の上方に利用側室３が形成され、仕切板２
の下方に熱源側室６が形成されている。

利用側室３内にはプレートフィン型又はフィンチューブ
等からなる室内熱交換器７及びシロッコファン等からな
る室内送風機８が収納配設されている。

この室内熱交換器７は器筐１の背面板1aに形成された還
気口９に対向するように立設されている。

室内送風機８は室内熱交換器７を流過した室内空気を吸
引して器筐１の天板1bに形成された送気口10に送風でき
るように取り付けられている。

しかして、室内送風機８を駆動すると、室21内の室内空
気は、白抜矢印で示すように、吸込ダクト22、還気口９
を経て室内熱交換器７に流入し、これを流過する過程で
冷却又加熱されることによって調和空気となり、次い
で、室内送風機８に吸い込まれて付勢され、送気口10、
調和空気用ダクト23を経て室21内にその天井から吹き出
される。

熱源側室６内には圧縮機11と、プレートフィン型又はフ
ィンチューブ型等からなる室外熱交換器12a、12bと、プ
ロペラファン等からなる室外送風機13等が収納配設され
ている。

圧縮機11はグラスウール14が内面に貼着された遮音ボッ
クス15によって遮蔽された状態で器筐１の底板1c上に固
定されている。

室外熱交換器12aは背面板1aに形成された吸気口16aに対
向するように立設され、また、室外熱交換器12bは器筐
１の前面板1dに形成された吸気口16bに対向するように
立設されている。

室外送風機13は室外熱交換器12a、12bを流過した外気を
前面板1dに形成された排気口17に向かって送風できるよ
うに配設されている。なお、18は室外熱交換器12a、12b
から滴下するドレンを受け入れるドレンパン、19は外気
が室外熱交換器12a、12bを流過しないで排気口17にバイ
パスするのを阻止する遮風板、20は背面板1aの下部に形
成された吸気口、24は床、25は建屋の外壁である。

しかして、室外送風機13を回転させると、外気は、黒塗
矢印で示すように、吸気口16a、16b及び20を通って熱源
側室６内に吸入される。吸気口30から吸入された外気は
圧縮機11の周囲を流れる過程でこれを冷却した後、吸入
口16bから吸入された外気と合流して室外熱交換器12bを
流過することによって加熱又は冷却される。吸気口16a
から吸入された外気は室外熱交換器12aを流過すること
によって加熱又は冷却される。そして、室外熱交換器12
a、12bを流過した外気は合流して室外送風機13に吸い込
まれ、ここで付勢された後、排気口17から大気中に放出
される。

この一体形空気の冷房運転時、圧縮機11から吐出された
冷媒は室外熱交換器12a、12bで凝縮液化した後、図示し
ない膨張弁で断熱膨張し、次いで、室内熱交換器７で蒸
発気化した後、再び圧縮機11に吸入される。

暖房運転時には図示しない四方切換弁を切り換えること
により冷媒は上記冷房運転時とは逆方向に循環する。

（考案が解決しようとする課題） 上記一体形空気調和機においては、その組立時、点検整
備時等には大重量の室内送風機８を高所にある利用側室
内に取り付けなければならないため、その着脱作業に多
大の労力を要するのみならずその着脱作業時に室内送風
機８が落下する危険があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記に鑑み室内送風機を容易、かつ、安全に着
脱しうる一体形空気調和機を提供しようとするものであ
って、その要旨とするところは、器筐の内部上方に室内
熱交換器、室内送風機等が収納される利用側室を形成
し、器筐の内部下方に室外送風機等が収納される熱源側
室を形成してなる一体形空気調和機において、上記器筐
の天板に送気口を設けるとともに前方に向かうに従って
下方に傾斜する傾斜板とこの傾斜板の外側縁から上方に
立上がる側板と上記傾斜板の後端縁から上方に立上がる
後板と上記傾斜板の後部上方にこれと所定の間隙を隔て
て水平に伸びる挟持片とを備えたブラケットをその傾斜
板が上記送気口の両側に位置するように上記天板の下面
に固着し、かつ、下面に室内送風が固着されたファンデ
ッキを上記傾斜板上に載せてその後端が上記後板に当接
するまで後方に挿入してその後部を上記傾斜板と上記挟
持片との間の間隙内に嵌合した状態で上記ファンデッキ
の前部を上記天板に締結する締結具を設けたことを特徴
とする一体形空気調和機にある。

（作用） 本考案においては上記構成を具えているため、室内送風
機を持ち上げてファンデッキの後端を傾斜板の前部上に
載せ、次いで、ファンデッキを側板に沿って傾斜板上を
滑らせながら後方に挿入することによりその後端を後板
に当接させると、その後部は案内板と挟持片との間の間
隙内に嵌合する。そこで、ファンデッキの前部を締結具
により器筐の天板に固着する。

（実施例） 本考案の第１の実施例が第１図及び第２図に示され、第
１図は要部の縦断面図、第２図は分解斜視図である。

室内送風機８はファンデッキ30の下面にボルト等によっ
て締結されている。このファンデッキ30は矩形状の平板
からなり、その中央には室内送風機８の吐出口と整合す
る開口31が形成され、その前端部にはボルト穴32が穿設
されている。

器筐１の天板1bの下面には送気口10の両側に位置するよ
うに一対のブラケット40が固着されている。このブラケ
ット40は前方に向かうに従って下方に傾斜する傾斜板41
と、この傾斜板41の外側縁から上方に立ち上がる側板42
と、傾斜板41の後端縁から上方に立上がる後板43と、こ
の後板43に突設されて傾斜板41の後部上方にこれと所定
の間隙を隔てて水平に伸びる挟持片44と、側板42の上端
から水平に伸びるフランジ45と、後板43の上端から水平
に伸びるフランジ46からなる。これらフランジ45及び46
を天板1bの下面に溶接し、又は、ボルトを用いて締結す
ることによってブラケット40は天板1bに固着される。

これらブラケット40の前方に位置するように一対のコ字
形金具50の上部フランジ51が天板1bの下面に溶接又はボ
ルト締結等の手段によって固着され、このコ字形金具50
の下部フランジ52にはボルト穴53が穿設されている。

他の構成は第６図に示す従来のものと同様である。

しかして、室内送風機８を取り付ける場合には、先ず、
室内送風機８を持ち上げてファンデッキ30の後部を各側
板42の間に挿入して傾斜板41の前部上に載せる。次い
で、ファンデッキ30を後方に向かって押し込むと、ファ
ンデッキ30の両側端が側板42の内面と摺接し、両側縁の
下面が傾斜板41の上面と摺接しながら後進し、ファンデ
ッキ30の後端が後板43の前面に当接すると、ファンデッ
キ30の後部は挟持片44と傾斜板41との間の間隙内に嵌合
してこれらによって上下から挟持されるとともに開口31
が送気口10に整合し、かつ、ボルト穴32がボルト穴53に
整合する。そこで、ファンデッキ30の前部上方に押し上
げてその上面をコ字形金具50の下部フランジ52の下面に
当接させ、ボルト55をボルト穴32及び53に貫通させて、
その上端にナット56を螺入して締結する。

室内送風機８を取り外す場合は上記と逆の操作をすれば
良い。

しかして、傾斜板41は前方に向かうに従って下方に傾斜
しているので、ファンデッキ30の後部を傾斜板41の前部
上に載置し易いとともにファンデッキ30を引き出し易
い。

また、ファンデッキ30を傾斜板41上に載置すれば、室内
送風機８の重量は傾斜板41によって支持されるので、以
後の操作が容易となり、室内送風機８の落下事故を未然
に防止しうる。

更に、ファンデッキ30をその後端が後板43の前面に当接
するまで後方に押入すればファンデッキ30は所定の位置
を占めるので、位置合わせ作業も極めて容易に行いう
る。

また、ファンデッキ30を所定の位置に位置合せすると、
その後部は挟持板44と傾斜板41とにより上下から挟持さ
れるので、ファンデッキ30の前部だけをボルト55によっ
て締結すれば足り、締結作業も迅速、かつ、容易に行い
うる。

なお、第３図に示すように、後板43、挟持板44及びフラ
ンジ46を左右に伸長してブラケットを一体化することが
できる。

また、第４図に示すように、ファンデッキ30の周縁に鉛
直に立上がる立上がり片33とその上端から水平に延びる
フランジ34を設けることができ、この場合には、ファン
デッキ30の剛性を向上できるとともに挟持板44と傾斜板
41の間隙内への嵌合面積が増大するのでファンデッキ30
の後部はより強固に固定される。

また、第５図に示すように、傾斜板41の後部に挟持片44
と平行な水平部41aを形成すると、ファンデッキ30の後
部は挟持片44とこの水平部41aとによって確実に挟持さ
れる。

（考案の効果） 本考案においては、ブラケットの傾斜板が前方に向かう
に従って下方に傾斜しているため、ファンデッキの傾斜
板上への載置、ファンデッキの後方への押し込み及びフ
ァンデッキの前方への引出しを円滑に行うことができ
る。

また、ファンデッキを傾斜板上に載置した後は室内送風
機の重量は傾斜板によって支持されるので、室内送風機
が落下する危険はなく、また、以後の作業が容易とな
る。

更に、ファンデッキの両側端はブラケットの側板によっ
て案内されるのでファンデッキの押し込み及び引出を容
易に行うことができるとともにファンデッキをその後端
が後板に当接するまで押し込むことによってファンデッ
キは所定の位置に位置決めされるので、ファンデッキの
位置決め作業も容易となる。

更に、ファンデッキを所定の位置に位置決めしたとき、
その後部は傾斜板と挟持片との間隙内に嵌合してこれら
によって上下から挟持されるのでファンデッキの前部を
締結具によって締結すれば足り、従って、締結作業も容
易、かつ、迅速に行うことができる。

しかして、重量のある室内送風機を高所にある器筐の天
板への着脱作業を安全、容易、かつ、迅速に行うことが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の１実施例を示し、第１図は
室内送風機の取付状態を示す要部の縦断面図、第２図は
室内送風機の取り付けに用いられる部材の分解斜視図で
ある。第３図は本考案の第２の実施例におけるブラケッ
トの斜視図、第４図は本考案の第３の実施例を示す第１
図に対応する縦断面図、第５図は本考案の第４の実施例
を示す第１図に対応する縦断面図である。第６図は従来
の一体形空気調和機の縦断面図である。 器筐……１、室内熱交換器……７、室内送風機……８、
利用側室……３、室外熱交換器……12a、12b、室外送風
機……13、天板……1b、送気口……10、ブラケット……
40、傾斜板……41、側板……42、後板……43、挟持片…
…44、ファンデッキ……30、締結具……50、55、56

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】器筐の内部上方に室内熱交換器、室内送風
   機等が収納される利用側室を形成し、器筐の内部下方に
   室外送風機等が収納される熱源側室を形成してなる一体
   形空気調和機において、上記器筐の天板に送気口を設け
   るとともに前方に向かうに従って下方に傾斜する傾斜板
   とこの傾斜板の外側縁から上方に立上がる側板と上記傾
   斜板の後端縁から上方に立上がる後板と上記傾斜板の後
   部上方にこれと所定の間隙を隔てて水平に伸びる挟持片
   とを備えたブラケットをその傾斜板が上記送気口の両側
   に位置するように上記天板の下面に固着し、かつ、下面
   に室内送風が固着されたファンデッキを上記傾斜板上に
   載せてその後端が上記後板に当接するまで後方に挿入し
   てその後部を上記傾斜板と上記挟持片との間の間隙内に
   嵌合した状態で上記ファンデッキの前部を上記天板に締
   結する締結具を設けたことを特徴とする一体形空気調和
   機。