JPH073220Y2 - 空気調和機におけるファンプレートおよびパネルの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、空気調和機の送風機および周辺パネル取付
構造に係り、特にそのサービス性の向上を図つた構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は従来の一般的な空気調和機の縦断面図、第３図
は第２図に示す空気調和機の送風機の構成を示す正面
図、第４図は第３図の縦断側面図である。この空気調和
機の外観は第２図に示すように箱型をなす。この箱型の
底面を構成する台枠（１）には圧縮機（２）が取付けら
れている。この台枠（１）の両側縁部に沿つて左右の側
面パネル（3a），（3b）が立設されている。また、台枠
（１）の後縁部に沿つて後面パネル（４）が立設され、
これに各側面パネル（3a），（3b）が取付けられてい
る。両側面パネル（3a），（3b）の前縁部には前面パネ
ル（５）が装着されている。また、この前面パネル
（５）には吸込グリル（６）が一体的に設けられてい
る。この吸収グリル（６）の裏側には熱交換器（７）が
取付けられており、前記圧縮機（２）より供給される冷
媒と前記吸込グリル（６）を通して吸い込まれる被空調
空気とを熱交換させる。被空調空気の吸い込みは送風機
（８）によつて行われるが、この送風機（８）は空気調
和機の内部に水平に設けられているファンプレート
（９）に取付けられている。なお、送風機（８）は電動
機、シロッコファン、ファンカバー等から構成されてい
る。ファンプレート（９）を取付けるために、受け板
（10）が側面パネル（3a），（3b）の内側部に沿つて各
々水平に取付けられている。この受け板（10）は左右各
々一対取付けられている。ファンプレート（９）は受け
板（10）に対してねじ（11）により固定されている。

第５図は例えば実願平1-127259号に示されたファンプレ
ートおよび前面パネルの取付構造を示す部分断面図であ
り、ファンプレート（９）は受け板（10）にファンプレ
ート上面よりねじ（11）により止めてあり、前面パネル
（５）は上端のフランジ部（5a）をコの字形状に折曲さ
せてこれをファンプレート（９）のフランジ部（9a）に
掛合させた後ねじ（12）により止めてある。なお、後面
パネル（４）の取付に対してはファンプレート（９）の
固定方法に関与していない。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のファンプレートおよびパネルの取付構造は以上の
ように構成されているので、ファンプレート（９）の固
定の際には空気調和機上面からのねじ（11）の締結が必
要で、非常に作業性が悪かつた。また、後面パネル
（４）の組立において、ねじ止めまでの過程に取付保持
しておく方法が無かつた為に、ライン上などにおける組
立作業において取り落してしまつて非常に危険であるな
どの問題点があつた。

この考案は上記のような問題点を解消するために為され
たもので、ファンプレートの固定に際しファンプレート
上面からの作業性の悪いねじ締結を省略することにより
作業性および安全性の向上が図れる空気調和機における
ファンプレートおよびパネルの取付構造を得ることを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係る空気調和機は、ファンプレートおよび前
面、後面パネルの取付構造を工夫して、ファンプレート
上面からのねじ止めなしに、周辺部材との取合せ構造に
よつてファンプレートを固定することを可能にしたもの
である。

〔作用〕

この考案におけるファンプレートおよびパネルの取付構
造は、ファンプレートの前縁部および後縁部においてそ
れぞれ上方次いで内方に折り曲げたコの字断面形状を有
するフランジ部に嵌合し得るように、同様にコの字形に
折り曲げられた上縁部を有する前後両パネルを前記ファ
ンプレートに嵌掛合させた後、これら両パネルを空気調
和機本体にねじ止めすることにより、ファンプレートは
上面からのねじ止めなしに固定できる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図について説明する。
第１図は第４図と同じ縦断側面図であり、前記従来のも
のと同一または相当部分には同一符号を付して説明を省
略する。

まず、ファンプレート（９）は受け板（10）によつて水
平に支えられているが、従来のように上面からねじ止め
されていない。前面および後部には、断面形状がコの字
形に即ち上方次いで内方に折り曲げられたフランジ部
（9a），（9b）を有している。前面パネル（５）および
後面パネル（４）はそれぞれ上端のフランジ部（5a），
（4a）がファンプレート（９）のフランジ部（9a），
（9b）と同様にコの字形状断面を有し、図に示すよう
に、ファンプレート（９）のフランジ部（9a），（9b）
にそれぞれ嵌掛合し得る構造となつている。そして、前
面パネル（５）および後面パネル（４）は空気調和機本
体にねじ（12）により固定される。

次に上記ファンプレートおよびパネルの取付動作につい
て説明する。第１図において、受け板（10）に支えられ
たファンプレート（９）のフランジ部（9a），（9b）に
それぞれ前面パネル（５）の折曲部（5a）および後面パ
ネル（４）の折曲部（4a）を掛合させるとともに、前記
前面パネル（５）および後面パネル（４）は空気調和機
本体にねじ（12）により固定する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によればファンプレートを上面
からのねじ止めなしに、前面および後面パネルを空気調
和機本体にねじ止め作業することによつて固定できる構
造としたので、作業性の悪い上面からのねじ止め作業を
省略でき、かつ前面および後面パネルをファンプレート
に掛合させる構造とすることにより作業上での安全性の
高いものが得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す縦断側面図、第２図
は従来の一般的な空気調和機の縦断面図、第３図は第２
図に示す空気調和機の送風機の構成を示す正面図、第４
図は第３図の縦断側面図、第５図は本考案に先行する前
面パネルの取付構造を示す部分断面図である。 図において、（１）は台枠、（２）は圧縮機、（3a），
（3b）は側面パネル、（４）は後面パネル、（4a）は後
面パネルのフランジ部、（５）は前面パネル、（5a）は
前面パネルのフランジ部、（６）は吸込グリル、（７）
は熱交換器、（８）は送風機、（９）はファンプレー
ト、（9a），（9b）はファンプレートのフランジ部、
（10）は受け板、（12）はねじである。 なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大原 俊介 和歌山県和歌山市手平６丁目５番66号 三 菱電機株式会社和歌山製作所内 (72)考案者 笠野 勝美 和歌山県和歌山市手平６丁目５番66号 三 菱電機株式会社和歌山製作所内 (56)参考文献 実公 昭53−43005（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機が取付けられた台枠と、この台枠の
   両側縁部に沿つて立設された左右の側面パネルと、前記
   台枠の後縁部に沿つて立設された後面パネルと、前記両
   側面パネルの前縁部に装着された前面パネルと、この前
   面パネルに設けられた吸込グリルと、前記圧縮機より供
   給される冷媒と前記吸込グリルを通して供給される被空
   調空気とを熱交換させる熱交換器と、この被空調空気を
   供給する送風機と、前記送風機が取付けられたファンプ
   レートと、このファンプレートを受けるために前記両側
   面パネルの内側部に沿つてそれぞれ水平に取付けられた
   左右少なくとも一対の受け板とを備えた空気調和機にお
   いて、 前記ファンプレートが、前縁部および後縁部において上
   方次いで内方に折り曲げられて断面形状がコの字形を形
   成するとフランジ部を有し、 かつ上縁部をコの字状に折り曲げて形成したフランジ部
   を有する前記前面パネルおよび後面パネルを前記ファン
   プレートの両フランジ部にそれぞれに掛合した状態で空
   気調和機本体に螺着し、前記ファンプレートをねじ止め
   なしで前記受け板上に固定したことを特徴とする空気調
   和機におけるファンプレートおよびパネルの取付構造。