JPH018902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてアルミサツシ等の建具に装着
して使用する換気装置に関し、詳しくは従来品以
上の水密性、気密性にすぐれ、防音効果を期待で
き、しかもサツシ枠への取付装置が簡単にできる
換気装置である。

従来、この種の換気装置には内部に通風換気を
調整する摺動板を収納する換気体を備えたものが
知られているが、この場合は摺動板が室外から取
入れられる風の圧力によつて振動し、騒音を惹起
して風音の発生源となつたり、強風雨の際には摺
動板で通風部を閉塞しても換気体の隙間より雨水
等が侵入するため使用に耐えず、また実公昭55−
3293号に示すような建具における換気装置では、
内板と外板間の上端および下端に突片を設け、か
つ内板と外板の側端部には背面に突片を設けた箱
状のキヤツプを嵌着して内板と外板とを一体化せ
しめて換気体を形成するため製作が大変困難とな
り実用化されないという欠点があつた。

本考案は、前記従来の問題点に対処するために
提案されたものであり、以下に図面を参照しつつ
詳細に説明する。

図において１は主としてガラスサツシ等の建具
本体に装着される換気本体で、該換気本体１は大
略、室内側に面する縦板部２と室外側に面する外
側固定板３と相対向して設けた縦板部２と外側固
定板３間に介在する摺動板４からなり前記縦板部
２の上部には所定間隔で並列する複数個の内側通
気孔５を穿設すると共に、その中間部に摘子移動
用穴６を設け、該摘子移動用穴６の開口周縁はシ
ーリング材７によつて縁取られており、前記外側
固定板３の下部には所定間隔で並列する複数個の
空気取入口となる外側通気孔８を穿設すると共
に、その内面に緩衝材９が張設され、該緩衝材９
の下部に所定間隔で並列する複数個の通気孔１０
が穿設されている。前記摺動板４の下部には所定
間隔で並列する複数個の摺動板通気孔１１を穿設
すると共に、該摺動板４の型溝１２ａにシーリ
ング材１２を嵌着させ、嵌合溝１３ａに消音材１
３を介在させ、該消音材１３の下部には所定間隔
で並列する複数個の消音材通気孔（図示しない）
が穿設されており、さらに該摺動板４の上端には
上部案内突起１４，１４′が、また該摺動板４の
下端には下部案内突起１５，１５′がそれぞれ突
設されている。図中１６，１６′は換気本体１内
部に定位固定されている上部摺動板案内部材で、
該案内部材１６，１６′には摺動板４の上端に設
けた上部案内突起１４，１４′が嵌入する45゜の傾
斜角度を保持する案内溝１７，１７′と90゜の直角
度を保持する戻り防止溝１８，１８′が一体的に
設けられている。

図中１９，１９′は換気本体１内部に定位固定
されている下部摺動板案内部材で、該案内部材１
９，１９には摺動板４の下端に設けた下部案内突
起１５，１５′が嵌入する45゜の傾斜角度を保持す
る案内溝２１，２１′と90゜の直角度を保持する戻
り防止溝２２，２２′が設けられている。そして
前記摺動板４は縦板部２に設けた摘子移動用穴６
より挿着する摘子２３の連動軸２４によつて関着
され、摘子２３を作動することで、摺動板４を外
側固定板３の内面方向にスライドできるようにな
つている。

なお、図中２５は外側固定板用溝、２６は上縁
取付部、２７は下縁取付部、２８，２８′は換気
本体１の両端開口部を閉塞する枠材である。

このようにして縦板部２と外側固定板３との間
に摺動板４を介在させ、接合することによつて一
体化した換気装置が構成され、該換気装置を主と
してサツシ枠の上框（図示しない。）等に取付装
着する。

本考案は上述の如く構成され、今、ガラスサツ
シを戸締めした状態で通風換気を行なう場合に
は、室内側に位置する摘子２３を作動せしめる
と、摺動板４はその上下の案内突起１４，１４′
および１５，１５′を軸に上部摺動板案内部材１
６，１６′および下部摺動板案内部材１９，１９
に設けた各案内溝（１７と１７′、２１と２１′）
を、45゜方向に摺動して90゜の戻り防止溝１８，１
８′および２２，２２′に係入し、第４図鎖線位置
の如く外側固定板３の内面に張設された緩衝材９
に摺動板４が圧接する。この状態において所期の
通気換気が可能となる。即ち、室外からの空気
は、外側固定板３の外側通気孔８から入り、緩衝
材９の通気孔１０→摺動板４の摺動板通気孔１１
→消音材１３の通気孔（図示しない）を通過して
上方へ向い、縦板部２の内側通気孔５から室内に
取入れられ、室内全体を換気する。

次に室内の通気換気が不用の時は、摘子２３を
上記と反対側に操作すれば、摺動板４は第４図に
示す実線位置に移動し、摺動板４の摺動板通気孔
１１の設けられていない部分で外側固定板３の外
側通気孔８を閉塞し、該摺動板４は縦板部２の内
側に緊密に密着する。したがつて内外空気を確実
に遮断すると共に、該摺動板４と縦板部２相互は
より強く密着することになり一層の水密性、気密
性、消音効果等が向上し、強風雨の通過を遮断す
る。すなわち、摺動板４の字溝１２ａに設けら
れた上下のシーリング材１２，１２′と嵌合溝１
３ａに介在された消音材１３が縦板部２の内側に
対して緊密に密着する実施構造となるため、外側
固定板３の外側通気孔８又は隙間から侵入する強
風雨を確実に遮断し、通風が柔らぐと共に侵入し
た雨水を下方に流下せしめ、絶対に室内側に侵入
するのを防止できる効果があり、また従来のこの
種、換気装置の欠点とされていた風圧振動による
騒音や風音の発生を消音させることができ、さら
に外側固定板と摺動板との間にはシーリング材９
を、また摺動板と縦板部との間には消音材１３を
それぞれ介在させたから、金属板同志の接触がな
くなり、換気装置全体を静音に保持させることが
でき、しかも組立も簡単であるので装置を能率的
に量産することができる。

以上のように本考案をサツシ枠の上框に取付装
着して使用すれば、戸締めした状態でも自由に室
内外を通風換気でき、特に水密性、気密性、防音
性を高めた自然通風換気装置として畫期的な考案
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は装置
全体の内面図、第２図は装置全体の外面図、第３
図は装置全体の分解斜視図、第４図は第１図Ａ−
Ａ線の縦断面図、第５図は摺動板と摘子の関連作
動と換気本体に設けた上部摺動板案内部材部材お
よび下部摺動板案内部材の作用説明図である。 １……換気本体、２……縦板部、３……外側固
定板、４……摺動板、５……内側通気孔、６……
摘子移動用穴、７……シーリング材、８……外側
通気孔、９……緩衝材、１０……通気孔、１１…
…摺動板通気孔、１２……シーリング材、１３…
…消音材、１４，１４′……上部案内突起、１５，
１５′……下部案内突起、１６，１６′……上部摺
動板案内部材、１７，１７′……案内溝、１８，
１８′……戻り防止溝、１９，１９′……下部摺動
板案内部材、２１，２１′……案内溝、２２，２
２′……戻り防止溝、２３……摘子、２４……連
動軸、２５……外側固定板用溝、２６……上縁取
付部、２７……下縁取付部、２８，２８′……枠
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通気孔を穿設した縦板部と通気孔を穿設した外
   側固定板と前記縦板部と外側固定板との間に介在
   する通気孔を穿設した摺動板とで換気本体が大略
   形成されていて、外側固定板の内面には通気孔を
   穿設した緩衝材が張設され、摺動板の型溝には
   シーリング材が嵌着され、摺動板の嵌合溝には消
   音材が介在され、該摺動板の上下端には上部案内
   突起および下部案内突起が夫々突設され、換気本
   体内部には前記摺動板の上部案内突起および下部
   案内突起が嵌入する45゜の傾斜角度を保持する案
   内溝と90゜の直角度を保持する戻り防止溝を一体
   的に設けてなる摺動板案内部材が定位固定され、
   前記摺動板は、縦板部に設けた摘子移動用穴より
   挿着する摘子の連動軸によつて関着され、該摘子
   の連動軸の操作と前記摺動板に設けた上部案内突
   起と換気本体内部に設けた上部摺動板案内部材の
   案内溝との係合作動および前記摺動板に設けた下
   部案内突起と換気本体内部に設けた下部摺動板案
   内部材の案内溝との係合作動によつて摺動板を外
   側固定板の内面方向および縦板部の内側方向に摺
   動せしめるようにしたことを特徴とするサツシに
   取付く換気装置。