JPH0161168B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、造営材表面に取り付けるいわゆる
表面取付と、制御盤などのパネル内に埋め込んで
取り付けるいわゆる埋込取付とを同一の製品で可
能ならしめる表面取付・埋込取付兼用の電気計器
の改良に関するものである。

表面取付・埋込取付兼用の電気計器は、何れの
需要に対してもただ一種類の電気計器を準備する
だけで良く、各流通過程における在庫管理の簡易
化に伴い、結果として安価な製品を迅速に供給で
きるという利点がある。しかしながら従来のこの
種の計器にあつてはその結果作業が著しく困難で
あるという欠点を有していた。以下第１図ないし
第３図に基いて従来の計器について説明する。

１は計測素子を収納する箱体であり、側壁には
電源電線等を通すための電線貫通孔２が設けられ
ている。３は箱体１と一体に形成され後述する埋
込取付時にパネルに取付けるためのフランジであ
る。４は箱体１の一部分を形成するカバーであ
り、内部を操作する必要がある場合にはこのカバ
ー４を取り外して操作できる構造となつている。
５は内部素子であり、端子板６と電気的に結ばれ
ている。７はプラスチツク等の絶縁材料で形成さ
れた端子箱であり、端子板６を内部に有する。８
は上記端子板６に螺合され電源電線等を端子板６
と電気的に結合するための端子ねじ、９は上記結
合を確実化するための線押さえである。

次にその取付時の状態について、第２図に表面
取付の場合を、また、第３図に埋込取付の場合を
夫々示す。まず第２図において、この計器は造営
材表面１０に取付ねじ１１等により固定される。
結線作業に際しては計器を取り付けた後、電源電
線等１２を前記の電線貫通孔２に矢印Ａの方向に
挿入する一方、カバー４を取り外しドライバー等
で図示の方向から端子ねじ８を締め付けて結線を
行う。

次に埋込取付の場合には第３図に示す如く、取
付用のねじ１３に相対するねじ部を有する取付金
具１４を計器に固定ねじ１５等の手段により固着
し、取付用ねじ１３と前記のフランジ３とで制御
盤等のパネル１６を挾み込むことにより電気計器
をパネル１６に固定する。結線作業は表面取付の
場合と同様に、電源電線等１２を電線貫通孔２を
通して行われるが、第３図からも明きらかなよう
に、電源電線等１２はパネル１６の裏側面におい
て電線貫通孔２を通す一方、ねじ締め作業はパネ
ルの表側面で行わなければならない。即ち、実際
の結線作業に当たつては、一人の人間がパネルの
裏側から電源電線等１２を該計器に差し込み今一
人の人間がパネル表側で端子ねじ８を締め付けね
ばならず、結線の為に二人の人間が必要であつ
た。

電源電線等１２を予め計器に締め付けた後パネ
ル１６に取り付けることも考えられるが、電源電
線等１２が長い場合にはその作業は甚しく困難な
ものとなり現実性に乏しい。

以上のように従来の表面取付・埋込取付兼用の
電気計器はその結線作業とくに埋込取付の場合に
おけるそれが非常に困難であるという欠点を有し
ていた。

この発明はこのような点に鑑みてなされたもの
で、表面取付および埋込取付の何れの場合におい
ても簡単確実に結線できる表面取付・埋込取付兼
用の電気計器を提供するものである。

以下、第４図ないし第６図に基いてこの発明の
一実施例を説明する。

図面において、１は箱体、３はフランジ、４は
カバー、５は内部素子、６は端子板、２３は端子
板６と内部素子５を電気的に結ぶ内部電線、８は
端子ねじ、７はこの発明の要部となる端子箱で詳
細は後述する。９は線押さえである。これらは
夫々前記の従来例と同様の機能を有しているだけ
でなく以下に述べる本発明の機能を満たすもので
ある。

即ち、第６図に示すように、端子板６端子ねじ
８線押さえ９及び内部電線２３を内包する端子箱
７の両側面には回転の中心となる円柱状の突起７
Ａが設けられており、箱体１の背面には上記突起
７Ａと嵌合する穴１Ｂを有する側壁１Ａが一体に
形成されている。端子箱７と箱体１の組立ては両
側壁１Ａを外周に弾性範囲内で若干撓めて突起７
Ａを穴１Ｂにはめ込む。また、端子箱７の外側寸
法L₁は側壁１Ａの内のり寸法L₂よりも突起７Ａ
と穴１Ｂとの嵌合が外れない程度に小さく製作さ
れており、更に、端子箱７の突起７Ａ側の端はそ
の中心が突起７Ａの中心と同じの半円形状にして
いるため、端子箱７は一担組み立てられた後は穴
１Ｂを中心に回動可能なものとなる。即ち、第４
図の状態から第５図の状態に反転回動できる。１
Ｃは内部電線２３を箱体内部へ導くための貫通孔
であり、２７は必要に応じ前記第５図のように反
転回動した端子箱７が、第４図の状態に戻らない
ように回動を止めるための止ねじであり、ばか穴
７Ｂを介して箱体１に設けられたねじ穴１Ｄに螺
合され端子箱７を固定する。

なお、図示していないが、第４図の状態におい
ても、止ねじ２７を用いて端子箱７を固定できる
ようになされている。

２８及び２９は上記の回動時に内部電線２３に
加わる力が内部素子との結合部に加わらないよう
に、中間位置において内部電線２３を箱体１に固
定するためのバンド及び電線押さえねじである。

次にこの発明の計器を表面取付及び埋込取付と
して夫々使用した場合を第４図及び第５図に基い
て説明する。

第４図は表面取付として使用した場合を示し、
１１は取付ねじで、造営材表面１０に計器を取り
付けるためのものである。この場合電源電線等１
２は矢印Ａの方向から差し込まれ、端子ねじ８に
より端子板６に結合される。

第５図は埋込取付として使用した場合を示し、
１３及び１４は第３図に示した従来例と同様の機
能を有する取付用ねじ及び取付金具である。この
場合電源電線等は矢印Ｂの方向から差し込まれ端
子ねじ８により端子板６に結合される。

第５図に於いて明きらかなように、電源電線等
１２を差込む面も端子ねじ８を締める面もパネル
１６の裏側面に統一されており、その結果一人の
人間でパネル裏側面において結線可能な構造とな
る。

上記の如くこの発明による表面取付・埋込取付
兼用の電気計器はその端子箱部分をほぼ180゜反転
できる構造とすることにより、一種類の電気計器
で表面取付・埋込取付の両方に対応できるという
利点を保持しつつ、表面取付・埋込取付の何れの
場合にも電源電線等を差し込む面と端子ねじを締
める面を統一して結線作業を簡単に行いうるもの
であり、大巾に作業能率を向上させるものであ
る。

なお、上記説明では端子箱２５をほぼ180゜反転
できるものについて示したが、90゜以上反転でき
るものであれば目的は達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の計器を示すもの
で、第１図は一部破断側面図、第２図は表面取付
の側面図、第３図は埋込取付の側面図である。第
４図ないし第６図はこの発明の一実施例を示すも
ので、第４図は表面取付の側面図、第５図は裏面
接続の側面図、第６図は一部分を分解して示す斜
視図である。 図中、１は箱体、３はフランジ、４はカバー、
５は内部素子、６は端子金具、７は端子箱、８は
端子ねじ、１２は電線である。なお、図中同一符
号は夫々同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部素子を収納し、かつ、表面取付用取付部
   および埋込取付用フランジ部を有する箱体、上記
   箱体の背面に設けられ、かつ、反転できるように
   なされた端子箱、上記端子箱内に設けられ上記内
   部素子と電気的に接続された端子金具、上記端子
   金具に螺合され外部から上記端子金具に挿入され
   た電線を締付する端子ねじを備え、上記端子箱を
   反転する前は上記箱体の前面から上記端子ねじの
   締付がなされ、反転した場合には上記箱体の背面
   から上記端子ねじの締付がなされるように構成し
   たことを特徴とする表面取付埋込取付兼用の電気
   計器。