JPH0160017B2 - - Google Patents

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JPH0160017B2
JPH0160017B2 JP57108240A JP10824082A JPH0160017B2 JP H0160017 B2 JPH0160017 B2 JP H0160017B2 JP 57108240 A JP57108240 A JP 57108240A JP 10824082 A JP10824082 A JP 10824082A JP H0160017 B2 JPH0160017 B2 JP H0160017B2
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JP
Japan
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amino acid
protein
composition
amino acids
solution
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JP57108240A
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Birura Karuro
Piero Ganio Bechiorino Arubise
Manjia Aruberuto
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Pierrel SpA
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Pierrel SpA
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Publication date
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Publication of JPH0160017B2 publication Critical patent/JPH0160017B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J3/00Working-up of proteins for foodstuffs
    • A23J3/04Animal proteins
    • A23J3/08Dairy proteins
    • A23J3/10Casein
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J3/00Working-up of proteins for foodstuffs
    • A23J3/30Working-up of proteins for foodstuffs by hydrolysis

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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタンパク質加水分解物またはアミノ酸
混合物からアスパラギン酸およびグルタミン酸を
除去する方法に関する。さらに詳しくは、化学的
な加水分解法、酵素による加水分解法、発酵法な
どの種々の方法により誘導されるタンパク質分解
物またはアミノ酸混合物から安価でかつ迅速にし
かも容易に有用なアミノ酸組成物を製造する新規
な方法に関する。本発明の方法によつてえられる
組成物は、医薬として多様な用途に用いることが
でき、たとえば腸内投与用、非経口および経口投
与用栄養剤や獣医薬用、畜産用および工業用の栄
養剤としてとくに有用である。また本発明の方法
でえられるアミノ酸組成物は、アスパラギン酸お
よびグルタミン酸をまつたく含まないかあるいは
含んでいても原料組成物よりも各用途で許容され
る範囲にまで減少せしめられている。 医療分野において、とくに手術後の患者に腸内
や非経口で栄養分を補給するばあいや異化状態ま
たは栄養不良のとき、容易に同化されうる形でチ
ツ素を供与する必要があると考えられるが、その
ばあいタンパク質加水分解物またはアミノ酸混合
物からアスパラギン酸とグルタミン酸を除去する
か減量せしめる必要がある。 ある研究者らは、タンパク質加水分解物を患者
の静脈内に投与したばあい悪心や吐気が生ずる原
因はアスパラギン酸とグルタミン酸にあると述べ
ている(S.Levey,J.E.MarrounおよびC.J.
Smith,J.Lab.Clin.Med.,34,1238〜1249
(1949);W.Mayer―GrossおよびJ.W.Walker,
Biochem.J.,44,92〜97(1949))。 最近の報告によると、アスパラギン酸とグルタ
ミン酸を経口あるいは非経口である種の動物の新
生児に投与すると、脳に損傷を与えることが示さ
れている(J.W.OlneyおよびO.L.Ho,Nature,
227,609〜611(1970);J.W.Olney,J.
Neurophatol.Exp.Neurol.,30,75〜90(1971);
R.M.Burde,B.SchainkerおよびJ.Kayer,
Nature,233,58〜60(1971);L.D.Stegink,J.
Tox.and Envir.Health,,215(1976);V.J.
PerezおよびJ.W.Olney,J.Neurochem.,19
1777(1972))。またJ.E.Fischerらの研究によつ
て、重症の肝硬変の患者では血清中のアスパラギ
ン酸およびグルタミン酸の濃度が高まることが見
出されている(Surgery,80,77〜91(1976);J.
A.M.A.242,347〜349(1979))。 ヨーロツパ、米国および日本などでアミノ酸溶
液の非経口投与での用途の拡大に伴い、前記の科
学的要請、とくに肝病理学および新生児学からの
要請に合致しうるものにしようと努力されてい
る。かかるアミノ酸溶液の製造のため、発酵法、
酵素利用法、合成法、抽出法などの方法を用いて
えられる各アミノ酸を必要量利用している。結晶
アミノ酸を用いて注入用のアミノ酸溶液を調製し
たばあい、アスパラギン酸とグルタミン酸の量を
選択することができる。 しかしながら多くのばあい、結晶アミノ酸の価
格が高価であるため経済性の面から前記科学的要
請はごく一部しか達成されていない。したがつ
て、安価なグリシンやアミノ酸溶液中の総チツ素
含有量を高めるためにチツ素含有量の多いグリシ
ンやアラニンの比率を高めるように調製されてい
る。 ところが、動物性でも植物性でも天然タンパク
質源を用いるばあい、原料によりアミノ酸の種類
およびその比率はあらかじめ決まつている。それ
らのタンパク質源からは、イタリア特許第904830
号明細書に開示されている化学的加水分解法によ
つてアミノ酸混合物をうることができ、イタリア
特許第942580号明細書に開示されている数回の精
製により高純度のものをうることができる。この
方法によつて、最終的に過酷な反応条件により失
われたものを除いて原料における組成に対応した
組成を有するアミノ酸組成物がえられる。アミノ
酸の損失の例としては、たとえば酸処理によつて
トリプトフアンが完全に破壊されることが知られ
ている。 天然タンパク質源には、アスパラギン酸とグル
タミン酸は種々の量で必ず存在している。第1a
表に5種の天然タンパク質源から通常の方法で化
学処理してえられたアミノ酸組成物中のアスパラ
ギン酸とグルタミン酸の重量割合を示すが、あく
まで一例である。 処理は、各天然タンパク質源を6N―HClを用
いて48時間還流下に行なつた。 【表】 本発明の目的は、完全にあるいは部分的にしか
アスパラギン酸およびグルタミン酸を有しないタ
ンパク質分解物を提供することにある。 本発明の別の目的は、アスパラギン酸とグルタ
ミン酸を除く他のアミノ酸が原料タンパク質中の
アミノ酸組成とできるかぎり同等な組成を有する
最終L―アミノ酸組成物を簡単でかつ経済的でし
かも容易に行なうことのできる方法でうる方法を
提供することにある。 かかる目的を達成しうる本発明の方法は、アス
パラギン酸およびグルタミン酸を含有している溶
液状のタンパク質加水分解物またはアミノ酸混合
物をアニオン交換樹脂に通したのち、該樹脂から
アミノ酸を溶出することを特徴とする。また、該
樹脂を水洗してアスパラギン酸およびグルタミン
酸を他のアミノ酸よりも長く樹脂上に残留せしめ
てもよい。 えられるアミノ酸組成物に、用途に応じて所望
により、後述する方法により異種のタンパク質か
らえられる他のアミノ酸またはアミノ酸混合物を
添加してもよい。とくに臨床時の栄養剤を中央投
与か未梢投与を問わず非経口、経口および(また
は)腸内投与するばあいにも、本発明の方法でえ
られるL―アミノ酸組成物では必須アミノ酸と他
のアミノ酸とを好適なバランスに保つことができ
る。このようにすることにより、アミノ酸の量お
よびシーケンスが出発原料によつて決定されると
いうことからみて、高い栄養価のアミノ酸を用い
て治療学的に有用な種々の組成のものをいわゆる
合成物と称される工業的に生産されたアミノ酸で
調製された同様のアミノ酸組成物よりもかなり安
価に提供することができる。 本発明によるときは、それぞれの用途に適合す
るようにアンモニアおよび電解質と共に制御され
た量でアスパラギン酸とグルタミン酸を含有する
かまたはそれらをまつたく含有しないアミノ酸組
成物を提供することができる。この点は臨床にお
ける栄養補給や非経口投与のばあいに、とくに重
要な問題である。 酸加水分解法や酵素加水分解法によりえられる
タンパク質分解物中に高い割合でアンモニアが存
在することが知られており(H.GhadimiおよびJ.
Kumar,J.Biochem.Med.,5548(1971))、そう
したタンパク質分解物はそれを患者に投与したば
あい見受けられるアンモニア過剰症の原因となつ
ている(S.J.Dudrick,B.V.Mac Fady,C.T.
Van Buren,R.L.RubergおよびA.T.Maynard,
Ann.Surg.,176,259(1972);H.Ghadimi,F.
Abali,S.KumarおよびM.Rathi,Pediatrics48
955(1971);J.D.Johnson,W.L.Albuttonおよび
P.Sumshine,J.Pediatr.,81,151(1972))。 叙上の目的を満しながら、非経口の用途に好適
なタンパク質加水分解物をえかつ該加水分解物中
のアンモニア含量を減らすために、通常加水分解
物にNaOHやKOHなどの強塩基を加え、蒸発せ
しめて最終組成物中のアンモニアイオンの濃度を
減少させている。このような方法では、いくらか
残留しているアンモニアに加えてナトリウムなど
のイオンが高い割合で存在しており、その用途は
そうしたカチオンを要求する患者に非経口投与す
るばあいのみに限定される(A.ShenkinおよびA.
Wretlind,Wld.Rew.Nut.Diet.,28,1(1978);
Total parenteral nutrition,JosefE.fischer編、
31〜32(1976))。 タンパク質加水分解物からアスパラギン酸とグ
ルタミン酸を単離するいくつかの方法が知られて
おり(「Chemistry of the Aminoacids」,J.P.
GreensteinおよびM.Winitz、第3巻、J.Wiley
and Sons編、1961年、1856〜1865および1930〜
1940頁)、それらはクロマトグラフ法および過去
の方法となつている分別精製による連続工程を含
んでいる。 実用性のあるクロマトグラフ法のうち、
Cannanの方法(J.Biol.Chem.,152,401(1944))
ではバツチ法でAmberlite IR4を使用しており、
Martinらの方法(Biochem.J.,42,443(1948))
ではIRA400タイプの樹脂を用い、酸性媒体中で
加水分解物をカラムに通している。 カラム中でアミノ酸を分離する方法としては、
カチオン交換樹脂であるZeo―Karb215を用いる
方法(S.M.Partdridgeら、Biochem.J.,44,418
(1949);同じく44,513(1949);同じく44,521
(1949))、M.Wofatitのアニオン交換樹脂
(Amberlite IR4,De Acidite B)を用いる方
法、およびカチオン交換樹脂を用いる米国特許第
2937199号および同第3045026号の各明細書に開示
されている方法が知られている。 しかしながら、それらの方法は数種類のアミノ
酸の分離あるいは異なるグループのアミノ酸の分
別しかできず、かつその実際の収率は疑問の多い
ものであり、しかも実際に臨床において用いる栄
養剤に適するアミノ酸組成物をうるためのタンパ
ク質加水分解物については何ら実施されていな
い。 本発明においてもつとも重要な点はOH-型で
強いアニオン性の塩基性の性質を有する
Amberlite IR400,ReliteおよびDowexタイプの
アニオン交換樹脂を用いる点にある。アニオン交
換樹脂は、たとえば発酵法などによりえられたア
スパラギン酸とグルタミン酸の両者を含有するタ
ンパク質加水分解物または異なる性質のアミノ酸
の混合物のアンモニア性溶液とイオンを交換する
べく接触される。用いるアミノ酸溶液はタンパク
質を加水分解してえられるものでもよい。タンパ
ク質源としては動物性のものでも植物性のもので
もよく、具体例としてはたとえば大豆粉、血粉、
魚粉、羽根、ゼラチン、カゼイン、肝抽出物のタ
ンパク質分、卵白、種々の組織の抽出物、牛皮、
酵母、羊毛、菌体の発酵残渣、天然タンパク質源
の処理後の生成物中のタンパク質分を単離あるい
は濃縮したもの、コーンから誘導されるグルテン
中のタンパク質分を濃縮したもの、ポテト類や乳
漿中のタンパク質分を濃縮したものなどがあげら
れるが、それらのみに限られるものではない。 出発原料であるアミノ酸が溶解したアンモニア
性溶液は、タンパク質源をカチオン交換樹脂が入
れられたカラムに通して異物を除去し、ついで溶
出し、所望によりさらに芳香族性のアミノ酸を強
く吸着するカーボンカラム中を通したのちえられ
る。このアミノ酸溶液は7以上のPHでなければな
らない。PHの上限はとくにない。その条件下では
アスパラギン酸のpKはpK1=2.09−pK2=3.86で
あり、グルタミン酸のpKはpK1=2.19−pK2
4.25である。したがつてアスパラギン酸およびグ
ルタミン酸は主としてアニオンの形でイオン平衡
の状態にあり、他のアミノ酸は出発原料が溶解し
ているアンモニア性溶液のPHに実質的に依存する
イオン平衡の状態になつている。 アスパラギン酸とグルタミン酸は他のアミノ酸
と共に樹脂に吸着する。ついで樹脂に吸着してい
るアミノ酸をアンモニア性溶液で溶出するのであ
るが、用いるアンモニア性溶液としては、アンモ
ニア―塩化アンモニウム緩衝液やアンモニア―酢
酸アンモニウム緩衝液が好ましく用いられ、溶出
はこのような溶出液として用いられるアンモニア
性溶液中のアニオンと樹脂間のカラムに吸着され
ているアミノ酸に対する競争的な親和力を利用し
て行なわれる。溶出液の選定は、工業的に用いる
ときに適当な量となるものを基準として行なえば
よい。 塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウムのア
ンモニア性溶液のPHは7を下廻つてはならず、7
よりも高い方がよい。Cl-またはCH2COO-の濃
度はごく低い値のものもごく高い値のものも用い
られうる。Cl-またはCH2COO-の量はアミノ酸
の回収に必要な溶出液の量と最終アミノ酸組成物
中のアスパラギン酸とグルタミン酸の濃度に影響
を及ぼす。 アスパラギン酸とグルタミン酸は他のアミノ酸
よりもアニオン交換樹脂に対して大きな親和力を
発揮し、したがつて全部または一部を溶出するの
に他のアミノ酸よりも時間がかかる。 えられるアンモニア性の溶出物からアンモニア
および一部の水を減圧下に蒸発により除くと、50
%懸濁液またはさらに噴霧乾燥することにより粉
末状のアミノ酸組成物がえられる。えられたアミ
ノ酸組成物は目的とする用途に用いることができ
る。 本発明の方法によるときは、アンモニア性溶出
物中に回収されるアミノ酸(酸性ではない)の量
は出発原料中のアミノ酸の85〜90%であり、収率
がきわめて高いものである(ただし、条件により
収率は若干変化する)。この回収率はアスパラギ
ン酸とグルタミン酸がまつたく欠けているアミノ
酸組成物のばあいにえられるものである。 出発原料よりも少ない量でアスパラギン酸およ
びグルタミン酸が入つていてもよいアミノ酸組成
物をうるばあいは、95%以上の収率となる。その
ばあい、アンモニア―塩化アンモニウム緩衝液や
アンモニア―酢酸アンモニウム緩衝液による溶出
を行なう必要はなく、適当な出発原料を用い、ア
スパラギン酸とグルタミン酸のアニオン交換樹脂
に対する大きな親和力を利用して樹脂に吸着さ
せ、より小さい親和力しかもたない他のアミノ酸
を樹脂から取り除けばよい。 本発明の方法の1つの利点は、すべての工程で
希釈アンモニア性溶液を用いることができる点で
ある。したがつて設備費を抑えることができ、酸
を用いるばあいに比して設備の損傷も少ない。ま
たアンモニアの塩基性雰囲気はバクテリアの育生
を避けるためにとくに有用である。バクテリアは
穏やかな酸性培地に育生しやすく、バクテリアの
発生はえられたアミノ酸を医薬用、獣医薬用、畜
産用および食用に用いるときに大きな問題とな
る。 さらにカラム溶出用にアンモニア性溶液を用い
ることにより、減圧下に濃縮してただちに各種の
用途に用いることのできる溶液あるいは粉末をう
ることができる。 本発明の重要な利点は費用の面にある。実際、
本発明の方法は技術的にきわめて簡単で、短時間
で行なうことができ、複雑な操作が必要とされな
いので、完全に自動化することができる。さらに
本発明の方法によつてえられるアミノ酸組成物
は、化学合成されたアミノ酸を添加することな
く、または用途に応じて若干量添加するだけでよ
いので、すべて化学合成によりえられたアミノ酸
を用いるばあいよりもきわめて安価にうることが
できる。このことはアミノ酸組成物を栄養剤とし
て投与する治療をしばしば行なう病院での経費を
節減せしめることとなる。 つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本
発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。 なお、以下に基本的な操作のパラメータを略記
し、とくに断わらない限り、それらは各実施例で
同一であるものとする。ただし、該パラメータは
それらのみに限定されるものではない。 (カラム) 内 径:10cm 高 さ:250cm 樹脂量:11 樹脂のタイプ:IRA400(OH-型) (供給溶液) アミノ酸混合物を希釈アンモニア水に溶解し、
PHを約10にする。各実施例におけるアミノ酸の総
量および割合は各実施例ごとに示す。 (パーコレーシヨン速度) 供給溶液のパーコレーシヨン速度は1〜2/
hr/1樹脂であり、正確な値は各実施例に示
す。 (溶出液) (A) アンモニア―塩化アンモニウム緩衝液 濃塩酸1.4を3Nのアンモニア水100に加え
たもの(PH約11)。 (B) アンモニア―酢酸アンモニウム緩衝液 氷酢酸0.85を3Nのアンモニア水100に加え
たもの(PH約11.2)。 (C) アンモニア―酢酸アンモニウム緩衝液 氷酢酸0.85を0.3Nのアンモニア水100に加
えたもの(PH約9.2)。 (アミノ酸溶液の供給時間および溶出液の採集) これらの時間は各実施例に示す。一般的に、ア
ミノ酸溶液の供給時間およびアミノ酸の濃度に基
づき、カラム上のアミノ酸の量、とくにアスパラ
ギン酸およびグルタミン酸の量を決定することが
できる。それらの値は各実施例に示されている。
アミノ酸溶液をカラムに供給している間にカラム
を通過し排出される液は、とくに断らない限りア
ミノ酸を含有していない。したがつて各実施例に
おいて、減圧下に濃縮されたアンモニア性溶出物
は発熱物質やヒスタミンに類似する物質を含んで
いないものである。同時に、えられたアミノ酸組
成物中のアンモニア含量は乾燥物でアミノ酸100
gあたり0.02g未満であり、アスパラギン酸とグ
ルタミン酸が欠けている形に調製したばあい強塩
基に起因するカチオンは存在していない。いくら
かのアスパラギン酸とグルタミン酸を含有してい
るアミノ酸組成物では、カチオン成分は非経口投
与に適するものである(実施例12,13および14)。
しかしそのばあいでも、タンパク質加水分解物か
ら誘導される従来の治療用のものよりもカチオン
の量は実質的に低められている。 実施例 1 第1b表に示す組成のアミノ酸混合物を出発原
料として用いた。 【表】 パーコレーシヨン速度は11/hrとした。アミ
ノ酸溶液供給の140分後、アンモニア性溶液はカ
ラムの樹脂中を殆んど流れておらず、該アンモニ
ア性溶液中にはアミノ酸は殆んど認められなかつ
た。 ついで前記の濃度でアミノ酸を含有するアンモ
ニア性溶液の供給60分後、カラムから排出された
溶液中にアミノ酸420gが含まれていた。このフ
ラクシヨン中にアスパラギン酸は含まれておら
ず、グルタミン酸はカラムを通過した溶液1中
0.085g含まれていた。この量を60分間で溶出さ
れたアミノ酸420gに換算すると0.935gに相当
し、その割合は総アミノ酸の0.22%である。さら
に160分間前記の組成のアミノ酸をカラムに通す
と、アミノ酸984gが通過し、そのうち52.31g
(53.2%通過)がアスパラギン酸で99.25g(10.09
%通過)がグルタミン酸であつた。これは通過液
1中、アスパラギン酸1.78gおよびグルタミン
酸3.38gが含まれていたことに相当する。すなわ
ち、合計220分間通したのちえられたアミノ酸
1404gにおいて、アスパラギン酸およびグルタミ
ン酸の含有量はそれぞれ3.73%および7.14%であ
つた。 このことより、アスパラギン酸とグルタミン酸
の実質量が樹脂に吸着されていることがわかる。 実施例 2 第2表に示す組成のアミノ酸混合物を用いた。 【表】 以上の条件で吸着させ、溶出して第3表に示す
組成のアミノ酸組成物をえた。アスパラギン酸と
グルタミン酸が除かれるばあい、その理論収量は
557.3gであるが、実際の収量は472.1gであつた
(回収率84.7%、以下回収率の算出法はこの方法
を用いている)。なお採取アミノ酸組成物にはア
スパラギン酸とグルタミン酸は含まれておらず、
塩素含量が0.7%であつた。 【表】 実施例 3 実施例2で用いたアミノ酸混合物溶液を用い、
溶出時間を300分間および採取量を55としたほ
かは実施例2と同様に処理して第4表に示す組成
のアミノ酸組成物を回収した。 第4表に示すように、アスパラギン酸は1/6程
度に減少しており、グルタミン酸も1/4程度に減
少している。他のアミノ酸の回収率は、84.4%で
あるメチオニンを除いてすべて93%以上であつ
た。なお、塩素含量は総アミノ酸に対して2.6%
であつた。 【表】 【表】 実施例 4 実施例2と同じ組成のアミノ酸混合物溶液を用
い、条件をつぎのように変えたほかは実施例2と
同様に処理して第5表に示す組成のアミノ酸組成
物を回収した(回収率86.3%)。 パーコレーシヨン速度:1時間あたり樹脂量の 1.74倍量 供給した総アミノ酸量:876.8g 供給したアスパラギン酸量:62g 供給したグルタミン酸量:222.1g 溶出時間:140分間 採取量:約44.6 第5表に示すようにアスパラギン酸とグルタミ
ン酸はすべて除去されており、塩素含量は総アミ
ノ酸に対して1.4%であつた。 【表】 【表】 実施例 5 溶出時間および採取量をそれぞれ180分間およ
び57.5と変えたほかは実施例4と同様に処理し
て第6表に示す組成のアミノ酸組成物を回収し
た。 第6表に示すように、アミノ酸の回収率は80.4
%であるメチオニンと84.9%のヒスチジンを除き
すべて90%以上であり、アスパラギン酸は1/6程
度に減少している。この結果は溶出時間を長くし
た実施例3の結果に一致している。なお、塩素含
量は3.1%であつた。 【表】 実施例 6 溶出時間を150分間(溶出液通過量48)にし
たほかは実施例5と同様に処理して第7表に示す
組成のアミノ酸組成物を回収した。塩素含量は
1.8%であつた。 【表】 実施例4〜6から明らかなように、溶出時間を
適宜選択することによりアスパラギン酸とグルタ
ミン酸の含有量を変化せしめることができる。 実施例 7 カラムを通過させる総アミノ酸混合物量を
886.5g(アスパラギン酸含量61.7g、グルタミ
ン酸含量221.4g)とし、溶出液として前記緩衝
液(B)を用いたほかは実施例5と同様に処理して第
8表に示す組成のアスパラギン酸とグルタミン酸
を含まないアミノ酸組成物を回収した(回収率
89.4%、酢酸含量1%)。なお供給したアミノ酸
混合物中の他のアミノ酸の割合および濃度は実質
的に実施例5と同様であり、PHは変化させなかつ
た。 【表】 実施例 8 溶出液として緩衝液(C)を用い、溶出時間を195
分間(溶出液通過量62)としたほかは実施例7
と同様に処理して第9表に示す組成のアミノ酸組
成物を回収した(回収率87.4%、酢酸含量1.1
%)。 【表】 【表】 Fischerらは、慢性肝障害および肝硬変の患者
では、血漿中のアミノ酸のパターンにおいてつぎ
のような異常が生じていると報告している。すな
わち、フエニルアラニン、チロシン、グルタミン
酸、アスパラギン酸およびメチオニンが実質的に
増量しており、逆にイソロイシン、ロイシンおよ
びバリンが実質的に減少しているのである
(Pathogenesis and Therapy of Hepatic
Coma,Progress in Liver Disease、第5巻、
1975年;The Role of Plasma Amino Acids
in Hepatic Encephalopathy、外科編第80巻、第
1号、77〜91頁(1976);Chronic Hepatic
Encephalopathy―Long Term Therapy with
a Branched Chain Amino Acids Enriched
Elemental Diet,J.A.M.A.,第242巻、第4号、
347〜349頁(1979))。 さらに、Val+Ileu+Leu/Phe+Tyrの血漿中
の比率は、脳障害の程度と実質的に相関する。実
際その比率が脳障害状態の約1から正常値(3〜
3.5)に戻ると、脳障害の改善が認められる。患
者の一般的なあるいは神経学的な状態の改善が、
つぎのようなアミノ酸溶液を非経口投与で食養す
ることによつてなされることが証明されている。
投与されるアミノ酸溶液は分岐鎖を有するアミノ
酸であるイソロイシン、ロイシンおよびバリンを
多く含有しており、メチオニン、フエニルアラニ
ンおよびトリプトフアンの含有量が少なく、アス
パラギン酸、グルタミン酸およびチロシンを含ん
でいない。 このような組成のアミノ酸組成物は、前記の実
施例に示すごとく本発明の方法により安易にかつ
安価に調製することができる。たとえばカゼイン
を出発原料とし、酸で加水分解してえられる加水
分解物に実施例2,4,7および8に示す処理を
行なうと、第3表、第5表、第8表および第9表
に示す組成のアミノ酸組成物がえられる。それら
の結果を第10表にまとめた。 【表】 第10表に示すアミノ酸組成物に、少量の数種類
のアミノ酸を添加することによつて前記の治療用
の最適のアミノ酸溶液を調製することができる。 つぎにそうした調製の例をあげる。 実施例 9 第10表に示すアミノ酸組成物にフエニルアラニ
ン1.5g、アルギニン8.5gおよびトリプトフアン
1gを添加し、第11表に示す組成のアミノ酸組成
物をえた。総添加量は11%である。 【表】 【表】 フエニルアラニンとトリプトフアンの添加は、
それらが必須アミノ酸であるため避けられない
が、前記の報告にもあるようにそれらの2種のア
ミノ酸の添加は必要最小限に抑えなければならな
い。アルギニンはアミノ酸の脱アミノ化によつて
生ずる内因性アンモニアに対して解毒作用を有し
ているので添加される(A.Meister,
Biochemistry of the Amino Acids、第2版、
Ac.Press N.Y.,1965年刊のArginine,
Ornithine and Citrulline―Urea Synthesis,
685〜707頁;J.S.NajarianおよびH.A.Harper,
Am,J.Med.,21,832(1956))。 また実施例2,4,7および8でえられた各ア
ミノ酸組成物に叙上の調整を行なつてえられる調
製済アミノ酸組成物100g中の電解質濃度をつぎ
に示す。 実施例2(Cl-):0.65% 実施例4(Cl-):1.30% 実施例7(CH3COO-):0.90% 実施例8(CH3COO-):1.00% このような組成および電解質含量を有し、かつ
カチオンを有さずしかもNH3含量が0.02%以下で
あるアミノ酸組成物はすべての用途に好適に用い
られ、とくに重症の肝障害患者の病状を改善する
のに適する。 第12表に実施例9でえられたアミノ酸組成物の
基本的な栄養学的パラメータを示す。 【表】 最近の研究において、バリン、イソロイシン、
ロイシンという分岐鎖アミノ酸が重要な作用をも
つていることが見出され、その作用はそれら3種
のアミノ酸の抗異化効果に起因するものであるこ
とが報告されている(M.G.BuseおよびM.Reid,
J.Clin.Invest.,58,1251(1975);R.M.Fulks,J.
B.LiおよびA.L.Goldberg,J.Biol.Chem.,250
280(1975))。 ラツトを用いた生体内試験によると、分岐鎖ア
ミノ酸を増量したアミノ酸組成物を手術後の療養
期間に投与すると、アミノ酸組成物中のチツ素分
がきわめて有効に利用されていることが判明して
いる。またRoseが必要であると述べている(J.
Biol.Chem.,217,987(1955))組成のもの、お
よびFAO―WHOの特別研究グループが1973年に
発表した「Energy and Protein Requirements」
に記載されている組成のもののいずれも、手術後
の期間(この期間には筋肉細胞内液中のロイシ
ン、バリンおよびイソロイシンの実質的増加を伴
う異化作用が認められる)において不充分な効果
しかえられないと報告されている(H.Freund,
N.Yoshimura,L.LunettaおよびFischer,
Surgery,83,611(1978);Tetsuya Kishi,
Yasuo Iwasawa,Hiroshi ItohおよびIchiro
Shibata,J.Nutrit.,110,710(1980);Erich
Vinars,P.Furst,S.O.Liljedahl、J.Larsonおよ
びB.Schild,J.Parent.Enter.Nutrit.、第4巻、
第2号、184頁(1980))。 第10表に示すように、本発明の実施例でえられ
たアミノ酸組成物はすでにバリン、ロイシンおよ
びイソロイシンを合計30.3%も含んでおり、分岐
鎖アミノ酸高含有組成物を調製する基本的組成物
としてきわめて好ましいものである。したがつ
て、前記のごとく化学的製法でえられるものに比
して安価に目的物をうることができる。 実施例 10 第10表に示す実施例2,4,7および8でそれ
ぞれえられたアミ酸組成物100gあたりメチオニ
ン1.0g、フエニルアラニン6g、アルギニン5.0
gおよびトリプトフアン2.0gを加えて第13表に
示す組成物のアミノ酸組成物をえた。4種のアミ
ノ酸の総添加量は全体の14%に抑えた。 【表】 つぎに実施例2,4,7および8でえられた各
アミノ酸組成物に叙上の調整を行なつてえられる
調整済アミノ酸組成物100g中の電解質濃度を示
す。 実施例2(Cl-):0.6% 実施例4(Cl-):1.23% 実施例7(CH3COO-):0.88% 実施例8(CH3COO-):0.95% このような組成(分岐鎖アミノ酸含量27.3%)
および電解質含量を有し、かつカチオンを有さず
しかもNH3含量が0.02%以下であるアミノ酸組成
物はすべての用途に好適に用いられ、とくに外傷
を受けたあるいはセプシスの患者の病状を改善す
るのに適する。 第14表に実施例10でえられたアミノ酸組成物の
基本的な栄養学的パラメータを示す。 【表】 実施例 11 第10表に示す実施例2,4,7および8でそれ
ぞれえられたアミノ酸組成物100gあたりメチオ
ニン1g、チロシン0.8g、フエニルアラニン3.4
g、アルギニン5gおよびトリプトフアン1.9g
を加えて第15表に示す組成のアミノ酸組成物をえ
た。 【表】 つぎに実施例2,4,7および8でえられた各
アミノ酸組成物に叙上の調整を行なつてえられる
調整済アミノ酸組成物100g中の電解質濃度を示
す。 実施例2(Cl-):0.6% 実施例4(Cl-):1.2% 実施例7(CH3COO-):0.9% 実施例8(CH3COO-):1.0% このような分岐鎖アミノ酸含量27.0%および必
須アミノ酸量55.6%でかつアニオン含量が低いア
ミノ酸組成物はすべての用途に好適に用いられ、
とくに外傷を受けたあるいはセプシスの患者の病
状を改善するのに適する。 第16表に実施例11でえられたアミノ酸組成物の
基本的な栄養学的パラメータを示す。 【表】 【表】 実施例 12 第17表に示す組成のアミノ酸混合物を希釈アン
モニア水に溶解してえられたPH約10のアミノ酸混
合物溶液を1時間あたり樹脂の1.74倍量カラムに
通した。用いたアニオン交換樹脂およびカラムは
実施例1と同じものである。 【表】 操作は、まずアミノ酸混合物のアンモニア性水
溶液を前記パーコレーシヨン速度で210分間カラ
ム中を通し、ついで60分間かけて水を通した。カ
ラム通過液の最初の90分間のフラクシヨンはアミ
ノ酸を含有しておらず、したがつて採取はつづく
180分間(水洗時間も含む)で行なつた。 第18表に供給アミノ酸量、回収アミノ酸量、回
収率および回収アミノ酸組成物の組成を示す。 【表】 アミノ酸の総回収量は93%であつた。 えられたアミノ酸組成物は酸性のアミノ酸と塩
基性のアミノ酸とをバランスよく有している。そ
のため、減圧下に濃縮したのち無機または有機の
塩基を加えることにより、アンモニア含量を0.02
%未満に抑え、かつ無機塩基を用いるばあいはカ
チオン量を、また有機塩基を用いるばあいはアニ
オンとカチオンを抑えることができる。無機塩基
を加えるかまたは有機塩基を加えるかは用途に応
じて決定すればよい。 非経口投与用あるいは腸内投与用として用いる
ばあい、無機塩基が生理的に有用な量のカチオン
または治療する患者の病理学的状態を悪化させな
い量のカチオンを含んでいてもよい。そうした無
機塩基としては、たとえばNaOH,KOH,Mg
(OH)2,Ca(OH)2などがあげられるが、それら
のみに限られるものではない。 有機塩基については、たとえばアミノ酸である
アルギニンがあげられるが、それのみに限定され
るものではない。アルギニンの存在は前記の効果
をうるのに有用である。実際、アルギニンは尿形
成を含むKrebs―Henseleitサイクルの一端を担
つている(A.Meister,Biochemistry of the
Amino Acids、第2版、Ac Press N.Y.1965年
刊のArginine,Ornithine and Citrulline,Urea
Synthesis,685〜707頁;J.S.NajaranおよびH.
A.Harpey,Am.J.Med.,21,832(1956))。 たとえば、溶出物1あたりNaOHを5ミリ
当量あるいはアルギニンを5ミリモル加えたばあ
い、濃縮後のアミノ酸組成物100gあたりのアン
モニア含量は0.02g未満になる。NaOHを用いた
ばあいでは、えられた酸性のアミノ酸組成物100
gあたりのナトリウム含量は約0.3gとなり、ア
ルギニンを用いたばあいではえられたアミノ酸組
成物100gあたりのアルギニン含量は約3gとな
る。 実施例 13 実施例12の混合物から、IRA400カラム上で処
理することにより、第19表に示す組成のアミノ酸
組成物をえた。 【表】 【表】 第19表に示す組成のアミノ酸組成物のバリン、
イソロイシンおよびロイシンの総含量は28.15%
であり、実施例10および11で述べた効果を有する
分岐鎖アミノ酸を高い割合で含有するアミノ酸組
成物の調製用の基本組成物として有用である。 たとえば第19表に示す組成のアミノ酸組成物
100gにメチオニン3g、フエニルアラニン6g、
アルギニン9gおよびトリプトフアン1.8gを加
えると、第20表に示す組成のアミノ酸組成物がえ
られる。 【表】 アミノ酸組成物の調製の際、アルギニンが3%
以上存在しているとえられる組成物100g中には
電解質は存在せず、アルギニンを使用しないと15
ミリ当量未満のカチオンがえられるアミノ酸組成
物中に存在する。 第20表に示す分岐鎖アミノ酸含量が23.5%で、
かつごく少量しかカチオンが存在していないアミ
ノ酸組成物は、すべての用途に完全に適合し、と
くに外傷を受けたあるいはセプシスの患者の病状
を改善することができる。 第21表に実施例13でえられたアミノ酸組成物の
基本的な栄養学的パラメータを示す。 【表】 実施例 14 実施例12の混合物からIRA400カラムで処理す
ることにより第22表に示すアミノ酸組成物をえ
た。 【表】 【表】 第22表に示すアミノ酸組成物もまた実施例13の
アミノ酸組成物と同様に分岐鎖アミノ酸高含有組
成物を調製するための基本組成物として有用であ
る。 たとえば、第22表に示す組成のアミノ酸組成物
100gにメチオニン1g、チロシン0.8g、フエニ
ルアラニン3.4g、アルギニン5gおよびトリプ
トフアン1.9gを添加すると、第23表に示す組成
のアミノ酸組成物がえられる。 【表】 【表】 基本アミノ酸組成物の調製の際、アルギニンが
3%以上存在しているとえられる組成物の100g
中には電解質は存在せず、最終のアミノ酸組成物
中にアルギニンが存在しないと15ミリ当量未満の
カチオンが存在する。 第23表に示す分岐鎖アミノ酸含量が25.2%で、
かつごく少量しかカチオンが存在していないアミ
ノ酸組成物は、すべての用途に完全に適合し、と
くに外傷を受けたあるいはセプシスの患者の病状
を改善することができる。 第24表に実施例14でえられたアミノ酸組成物の
基本的な栄養学的パラメータを示す。 【表】 【表】 実施例 15 第25表に示す組成のアミノ酸混合物を用いたほ
かは実施例8と同様に処理して第26表に示す組成
のアミノ酸組成物をえた。 第25表に示ように、本実施例においてはカゼイ
ンから誘導されるアミノ酸混合物を精製すること
なくくチロシン、フエニルアラニンおよびアルギ
ニンを含有するアミノ酸混合物を用いた。なお、
チロシン、フエニルアラニンおよびアルギニンは
他の方法で除去することが可能である。 【表】 【表】 第26表から明らかなように、本実施例の条件下
ではアスパラギン酸およびグルタミン酸は完全に
除去され、フエニルアラニンとチロシンも除去さ
れた。一方アルギニンは他のアミノ酸と同様に樹
脂から溶出された。 このように、本実施例でえられるアミノ酸組成
物は、実施例9,10,13および14と同様に調製す
ることにより、非経口および腸内投与用の栄養剤
として好適なものとすることができる。 実施例 16 大豆粉を加水分解し適当な精製処理を施してえ
られた第27表に示す組成のアミノ酸混合物を用い
たほかは実施例1と同じ樹脂およびパーコレーシ
ヨン速度を用い、つぎの条件下に行なつた。 アミノ酸混合物溶液を120分間かけてカラムに
通した。供給した総アミノ酸量は836.44gであ
り、そのうちグルタミン酸量は204.7g、アスパ
ラギン酸量は115.4gであつた。溶出は緩衝液(A)
を用い、240分間かけ44通して行ない、すべて
の通過液を採取した。えられたアミノ酸組成物の
組成を第28表に示す。 【表】 【表】 【表】 第28表に示すように、回収アミノ酸組成物量は
460.2gであり、回収率は89.2%であつた。えら
れたアミノ酸組成物中にはアスパラギン酸とグル
タミン酸は含有されておらず、塩素含量は0.7%
であつた。 本実施例でえられたアミノ酸組成物に実施例
9,10,11,13および14と同様に欠けているアミ
ノ酸を適宜添加することにより、臨床における栄
養剤や畜産用、獣医薬用として有用なものが調製
できる。 実施例 17 魚粉を加水分解し、適当な精製、脱色処理を施
してえられた第29表に示す組成のアミノ酸混合物
をつぎの条件で処理した。 供給したアミノ酸混合物は883.6gであり、そ
のうちアスパラギン酸は73..7g、グルタミン酸
は143.2gであつた。パーコレーシヨン速度は1
時間あたり樹脂量の1.74倍量とした。カラムを通
過してえらた溶液にはアミノ酸は含まれていなか
つた。 溶出は前記緩衝液(A)を用い、140分間かけて
44.6を通して行ない、通過液はすべて採取し
た。 えられたアミノ酸組成物の組成を第30表に示
す。 【表】 【表】 第30表に示すように、回収アミノ酸組成物量は
585gであり、回収率は87.7%であつた。なお、
アスパラギン酸とグルタミン酸は含まれておら
ず、塩素含量は1.4%であつた。 本実施例でえられたアミノ酸組成物に実施例
9,10,11,13および14と同様に欠けているアミ
ノ酸を適宜添加することにより、同様に臨床にお
ける栄養剤や蓄産用、獣医薬用として有用なもの
を調製できる。 実施例 8 卵白を完全に加水分解し、ついで精製してえら
れた第31表に示す組成のアミノ酸混合物を用い、
溶出を緩衝液(C)により195分間(60)行なつた
ほかは実施例17と同様に処理して第32表に示す組
成のアミノ酸組成物を回収した。 えられた組成物は、実施例9,10,11,13およ
び14と同様に欠けているアミノ酸を適宜添加する
ことにより臨床における栄養剤として有用なもの
を調製することができる。 【表】 【表】 実施例 19 カラムを実施例18と同様に調製し、カラムに第
33表に示す濃度および組成のアミノ酸のアンモニ
ア性水溶液を入れた。 【表】 【表】 第33表に示すアミノ酸組成物は、ポテト類を常
法により処理し、精製、脱色、濃縮してえられた
ものであるが、第33表に示す組成はポテト類から
誘導されるものの一例であり、ポテトの種類が異
なれば組成も若干異なる。 えられたアミノ酸組成物の組成を第34表に示
す。 本実施例でえられたアミノ酸組成物にアルギニ
ン、トリプトフアン、フエニルアラニンおよびチ
ロシンなどを適宜添加することにより、臨床にお
ける栄養剤やその他の用途に有用なものを調製す
ることができる。 【表】 【表】 実施例 20 第33表に示す組成のポテト類から誘導されたア
ミノ酸混合物を用い、実施例12と同じ条件で処理
して第35表に示す組成のアミノ酸組成物を回収し
た。 えられたアミノ酸組成物にアルギニン、トリプ
トフアン、フエニルアラニンおよびチロシンを適
宜添加することにより、臨床における栄養剤およ
び他の用途に有用なものを調製することができ
る。 【表】 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アスパラギン酸およびグルタミン酸を含有し
    ている溶液状のタンパク質加水分解物またはアミ
    ノ酸混合物をアニオン交換樹脂に通したのち該樹
    脂からアミノ酸を溶出することを特徴とするタン
    パク質加水分解物またはアミノ酸混合物からアス
    パラギン酸およびグルタミン酸の一部または全部
    を除去する方法であつて、前記タンパク質加水分
    解物またはアミノ酸混合物がPH7以上のアンモニ
    ア性溶液に溶解されてなり、前記アニオン交換樹
    脂が強塩基性アニオン交換樹脂であり、および前
    記溶出工程がアンモニア性溶液を用いて行なわれ
    るタンパク質加水分解物またはアミノ酸混合物か
    らアスパラギン酸およびグルタミン酸の一部また
    は全部を除去する方法。 2 前記アンモニア性溶液がアンモニアと塩化ア
    ンモニウムからなる緩衝液である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 3 前記アンモニア性溶液がアンモニアと酢酸ア
    ンモニウムからなる緩衝液である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 4 前記溶出物を蒸発処理して懸濁物または乾燥
    物をうることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の方法。 5 前記アミノ酸混合物が動物性または植物性タ
    ンパク質を加水分解してえられたものである特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 6 前記タンパク質がカゼインである特許請求の
    範囲第5項記載の方法。 7 前記タンパク質が魚粉、大豆粉、血液粉、羽
    根、ゼラチン、牛皮、酵母、肝抽出物のタンパク
    質残渣、卵白、組織抽出物、動物性もしくは植物
    性材料を処理してえられるタンパク質高含有物、
    ポテト類の濃縮タンパク質、コーンのグルテンま
    たは乳漿である特許請求の範囲第5項記載の方
    法。 8 前記タンパク質が工業的または農業的な副産
    物である特許請求の範囲第5項記載の方法。 9 前記アミノ酸混合物が工業的な発酵過程でえ
    られるものである特許請求の範囲第5項記載の方
    法。
JP57108240A 1981-06-23 1982-06-22 タンパク質加水分解物またはアミノ酸混合物からアスパラギン酸およびグルタミン酸を除去する方法 Granted JPS5829716A (ja)

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