JPH0151999B2 - - Google Patents

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JPH0151999B2
JPH0151999B2 JP17909685A JP17909685A JPH0151999B2 JP H0151999 B2 JPH0151999 B2 JP H0151999B2 JP 17909685 A JP17909685 A JP 17909685A JP 17909685 A JP17909685 A JP 17909685A JP H0151999 B2 JPH0151999 B2 JP H0151999B2
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JP
Japan
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dbp
dibromo
propanol
racemic
substance
Prior art date
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Expired
Application number
JP17909685A
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English (en)
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JPS6240298A (ja
Inventor
Naoya Kasai
Hisaharu Shima
Kazuya Tsujimura
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Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はラセミ体より微生物による光学活性な
S−(−)−2,3−ジブロモ−1−プロパノール
の分取法に関する。 (従来技術) 2,3−ジブロモ−1−プロパノール(以下、
本化合物をβ−DBPと略称する)は下記構造式
()にて表わされる物質であり、その構造異性
体である1,3−ジブロモ−2−プロパノール
(下記構造式())と共にエピブロモヒドリン
(下記構造式())の原料として知られている。
またエピブロモヒドリンと共に各種の医薬、農薬
等の中間原料として重要なものである。
【式】 【式】
【式】 しかしながら、このβ−DBPは合成法によつ
てつくられるために光学的に不活性ラセミ体であ
る。 ラセミ体β−DBPより光学活性なβ−DBPを
製造する方法は知られていない。 (発明の目的) 本発明はラセミ体β−DBPを他の誘導体を経
ずに直接微生物に資化させて、光学活性なβ−
DBPを分取することを目的とする。 (発明の構成) 本発明はすなわちR−(+)−2,3−ジブロモ
−1−プロパノール資化能を有するシユードモナ
ス属に属する細菌、又はその培養菌体を、倍地中
でラセミ体2,3−ジブロモ−1−プロパノール
と作用せしめてS−(−)−2,3−ジブロモ−1
−プロパノールを分取することを特徴とする微生
物処理による光学活性なジブロモプロパノールの
製法である。 本発明者らが土壌中より分離採取して本発明に
おいて用いた微生物の菌学的性質は表1に示すと
おりである。
【表】
【表】 (5)デンプン − −
以上の結果をもとにバージエイズ・マニユア
ル・オブ・デターミネイテイブ・バクリオロジイ
(Bergey,s Manual of Deteminative
Bacteriology)第8版の記載に基づき帰属同定
を行うと本菌はシユードモナス属の特徴を有す
る。 以下、本発明者らは本菌をシユードモナス
Pseudomonas OS−K−29(微工研菌寄第7846
号;FERM P−7846)と命名した。 本発明ではラセミ体β−DBPに、この微生物
を接触させてS−(−)−β−DBPを分取するが、
具体的にはラセミ体β−DBPを炭素源とし、無
機態窒素(各種のアンモニア塩、硝酸塩)を窒素
源としその他無機塩類を含む合成倍地中で上記細
菌を培養するか、又は上記細菌をブイヨン倍地、
あるいは加糖ブイヨン倍地等、炭素源、窒素源、
有機栄養源、無機栄養源を含む通常よく用いられ
る栄養倍地中で培養せしめ、よく生育させてお
き、これから得られる菌体をラセミ体β−DBP
を含有する倍地中で作用させた後、S−(−)−β
−DBPを分取すればよい。 炭素源としてはグルコース、シユクロース、グ
リセリン等の炭水化物、あるいはクエン酸、マレ
イン酸、リンゴ酸等の有機酸及びその塩類を、窒
素源としては硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の
無機態窒素、及び尿素、ペプトン、カゼイン、酵
母エキス、肉エキス等の有機態窒素を用いること
ができる。その他の無機塩類としてはリン酸塩、
マグネシウム塩、カリ塩、マンガン塩、鉄塩、亜
鉛塩、銅塩等が用いられる。 本菌の培養は、費用の方法で行うことができ
る。通常、温度約20〜40℃、好ましくは25〜37
℃、PH約6〜9、好ましくはPH6.5〜7.5で振盪あ
るいは通気撹拌等の手段により好気的に行われ
る。 本発明で用いる微生物とラセミ体β−DBPを
接触させるときのラセミ体β−DBPの濃度は倍
地中約0.2容量%以下であればよく、その接触時
間は通常2日〜10日である。 培養終了後、培養液をとり出し遠心分離して微
生物菌体と上清液とに分離し、上清液中のβ−
DBPを活性炭カラム処理、エーテル抽出、減圧
蒸留等の操作によつて分取する。 以下実施例により説明する。実施例中%は特に
記さない限り重量%を表わす。 実施例 1 ラセミ体β−DBPを唯一の炭素源とした倍地、
すなわち ラセミ体β−DBP 0.2容量% 硫安 0.05% 硝安 0.05% りん酸水素第2カリウム 0.1% りん酸第2ナトリウム 0.1% りん酸第1ナトリウム 0.2% 硫酸マグネシウム 0.05% 硫酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガン 微量 PH 6.5 を含む倍地100mlを有する坂口フラスコ(500ml
容)に本菌OS−K−29株の傾斜寒天倍地から1
白金耳ずつ植菌を行い、30℃で振盪培養を3〜5
日間実施する。次に上記組成の倍地4を入れた
5容培養器(ジヤーフアメンター)に上記前培
養分を加え、以下の条件下で3日〜5日間通気撹
拌培養した。 温度 30℃ PH 初発 6.5 通気性 4/min 回転数 500rpm 培養終了後、培養液を取り出し、遠心分離機を
用いて微生物菌体とその上清液とに離し、この中
に残存するβ−DBPを活性炭カラム処理、エー
テル抽出、減圧蒸留によつて油状物質として1.52
g採取した。本物質の同定は次の方法で行つた。 1 ガスクロマトグラフイーによる同定。 カラム担体PEG−20MP、5%、60〜80メツシ
ユを用いて市販β−DBPと比較した結果、その
保持時間は全く同じであつた。純度92%以上。 2 IR(赤外吸収スペクトル)による同定。 第1図に示したチヤートのように、その吸収パ
ターンは市販β−DBPと全く同一であつた。 以上から本物質は明らかにβ−DBPである事
が判明した。又本物質がS−(−)−DBPである
事の確認は以下の方法によつた。 1 旋光度の測定。 市販β−DBP及び本物質の旋光度は次の如く
である。 市販β−DBP 〔α〕25 D=0.0C=1, メタノール 本物質 〔α〕25 D=−12.7C=1, メタノール 2 R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロ
メチルフエニルアセテートエテルの調製ならび
に高速液体クロマトグラフイーによる分析。 R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロメ
チルフエニルアセテートクロライドを市販β−
DBPならびに本物質に反応せしめ、そのエステ
ル誘導体を調製した後、液体クロマトグラフイー
での分析結果は次のようであつた。 分析条件 カラム担体 ZORBAX ODS 4.6mm×25cm(Du Pont社製) 溶出液 メタノール:水=60:40(V/V) 溶出量 1ml/min 検出法 260nmにおける吸光度 分析結果 市販β−DBP 保持時間109.2分及び111.7分に
同一面積をもつ2つのピークを与えた。 本物質 保持時間111.7分にのみピークを与え、
109.2分にはピークを与えなかつた。 以上の結果から本物質は、S−(−)−β−
DBPであり、その光学純度は99%以上であるこ
とが判つた。 実施例 2 肉エキス1.0%、ポリペプトン1.0%、グルコー
ス2.5%、PH7なる倍地100mlを有する5個の坂口
フラスコ(500ml容)を常法どおり、加熱蒸気滅
菌後、本菌OS−K−29株の傾斜寒天倍地から菌
株を1白金耳ずつ接種する。各々のフラスコは30
℃下で48時間往復振盪培養(200rpm)を行う。 次に上記組成の倍地2.5を5容ジヤーフア
メンターに入れ、常法どおり加圧蒸気滅菌後、
各々のフラスコで生育せしめた微生物菌体を無菌
的に接種せしめ、次の条件下で48時間培養する。 温度 30℃ PH 初発PH7.0 通気量 2/min 回転数 500rpm 培養の終了した培養液は遠心分離機にて微生物
菌体と上清液とに分離し、上清液は棄する。残つ
た微生物菌体は50mMりん酸緩衝液PH6.5にて3
回〜4回洗浄菌体を得る。次にこの先浄菌体を実
施例1で示したラセミ体DBPを含有する倍地4
に懸濁させ、次の条件下に保持する。 温度 30℃ 通気性 4÷min 回転数 500rpm PH 5.5(炭酸カルシウムを20g加えて保持する) 洗浄菌体を倍地に加えてから48時間、上記の様
に通気撹拌培養し、再び遠心分離にて微生物菌体
と上清液とに分離した。上清液からのDBPの分
離は実施例1と同様にし、1.5gを得た。この
DBPは、実施例1に示したように各種の分析を
行つた結果、光学純度99%以上のS−(−)−β−
DBPであつた。 (発明の効果) 本発明によれば土壌中より分離したシユードモ
ナス属に属するOS−K−29株を利用して2,3
−ジブロモ−1−プロパノールの光学活性化を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1により得られたS−(−)−
2,3−ジブロモ−1−プロパノールおよび市販
品の同物質の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 R−(+)−2,3−ジブロモ−1−プロパノ
    ール資化能を有するシユードモナス属に属する細
    菌、又はその培養菌体を、倍地中でラセミ体2,
    3−ジブロモ−1−プロパノールと作用せしめて
    S−(−)−2,3−ジブロモ−1−プロパノール
    を分取することを特徴とする微生物処理による光
    学活性なジブロモプロパノールの製法。
JP17909685A 1985-08-14 1985-08-14 微生物処理による光学活性なジブロモプロパノ−ルの製法 Granted JPS6240298A (ja)

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JPS6240298A JPS6240298A (ja) 1987-02-21
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EP0431895A3 (en) * 1989-12-05 1991-08-21 Nippon Sheet Glass Co. Ltd. Method of and apparatus for bending and tempering sheet glass
CN109207400B (zh) * 2018-09-26 2021-09-28 东北农业大学 一种高效降解黑土中邻苯二甲酸酯的复合菌剂及降解方法

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