JP2651703B2 - 微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパノールの製法 - Google Patents
微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパノールの製法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラセミ体のシハロゲノプロパノールを微生物
処理して光学活性なジハロゲノプロパノールを分取する
方法に関する。
処理して光学活性なジハロゲノプロパノールを分取する
方法に関する。
(従来技術) ジハロゲノプロパノール、特に2,3−ジクロロ−1−
プロパノール(以下β−DCHと略称する)又は2,3−ジブ
ロモ−1−プロパノール(以下β−DBHと略称する)
は、下記構造式で表わされるようにC2位に不斉炭素をも
つ化合物であり、このものを光学分割して得られる光学
異性体から製造された光学活性なエピクロロヒドリン又
はエピブロモヒドリンは医薬、農薬、強誘電性液晶、光
学活性ポリマーなどの中間原料として重要である。
プロパノール(以下β−DCHと略称する)又は2,3−ジブ
ロモ−1−プロパノール(以下β−DBHと略称する)
は、下記構造式で表わされるようにC2位に不斉炭素をも
つ化合物であり、このものを光学分割して得られる光学
異性体から製造された光学活性なエピクロロヒドリン又
はエピブロモヒドリンは医薬、農薬、強誘電性液晶、光
学活性ポリマーなどの中間原料として重要である。
(但し、上式においてXは塩素原子又は臭素原子であ
る) 従来ジハロゲノプロパノールの光学分割は極めて困難
であることが知られている。このジハロゲノプロパノー
ルを光学分割する方法については本出願人は先に微生物
を利用する光学分割方法を提案した(特開昭61−132196
号公報、特開昭62−40298号公報)。この方法は、土壌
中より分離採取して得られたシュードモナス属に属する
細菌、即ちシュードモナス(Pseudomonas)OS−K−29
(微工研菌寄第7846号,FERMP−7846)と命名される細菌
を用いてラセミ体のβ−DCH又はβ−DBHからR体のみを
分解せしめて、光学純度99%以上のS体を分取する方法
である。
る) 従来ジハロゲノプロパノールの光学分割は極めて困難
であることが知られている。このジハロゲノプロパノー
ルを光学分割する方法については本出願人は先に微生物
を利用する光学分割方法を提案した(特開昭61−132196
号公報、特開昭62−40298号公報)。この方法は、土壌
中より分離採取して得られたシュードモナス属に属する
細菌、即ちシュードモナス(Pseudomonas)OS−K−29
(微工研菌寄第7846号,FERMP−7846)と命名される細菌
を用いてラセミ体のβ−DCH又はβ−DBHからR体のみを
分解せしめて、光学純度99%以上のS体を分取する方法
である。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記方法ではラセミ体β−DCH又はラ
セミ体β−DBHから培養によってR体を分解するに要す
る時間が甚だ長く、従って上記培養に際して温度管理、
撹拌動力、空気供給等に要する動力費用が大きいという
問題があった。
セミ体β−DBHから培養によってR体を分解するに要す
る時間が甚だ長く、従って上記培養に際して温度管理、
撹拌動力、空気供給等に要する動力費用が大きいという
問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記先願の微生物処理による方法と同
等な高光学純度を与えることができ、しかも一方の光学
異性体をより速く資化することのできる微生物のスクリ
ーニングを行った。
等な高光学純度を与えることができ、しかも一方の光学
異性体をより速く資化することのできる微生物のスクリ
ーニングを行った。
その結果、約数千株の中からより強力なR体資化能を
持つシュードモナス属に属する後記3新菌株が上記欠点
を改善する微生物として見出された。
持つシュードモナス属に属する後記3新菌株が上記欠点
を改善する微生物として見出された。
すなわち、本発明は、R−(+)−2,3−ジクロロ−
1−プロパノール又はR−(+)−2,3−ジブロモ−1
−プロパノール資化能を有し、それぞれシュードモナス
属に属する新菌株OS−K−9菌株,OS−K−74菌株及びO
S−K−76菌株から選ばれた細菌又はその培養菌体を適
当な培地中でラセミ体2,3−ジクロロ−1−プロパノー
ル又はラセミ体2,3−ジブロモ−1−プロパノールを作
用させてS−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノー
ル又はS−(−)−2,3−ジブロモ−1−プロパノール
を分取することを特徴とする微生物処理による光学活性
なジハロゲノプロパノールの製法である。
1−プロパノール又はR−(+)−2,3−ジブロモ−1
−プロパノール資化能を有し、それぞれシュードモナス
属に属する新菌株OS−K−9菌株,OS−K−74菌株及びO
S−K−76菌株から選ばれた細菌又はその培養菌体を適
当な培地中でラセミ体2,3−ジクロロ−1−プロパノー
ル又はラセミ体2,3−ジブロモ−1−プロパノールを作
用させてS−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノー
ル又はS−(−)−2,3−ジブロモ−1−プロパノール
を分取することを特徴とする微生物処理による光学活性
なジハロゲノプロパノールの製法である。
本発明において用いられる土壌中から採取された上記
3種の新菌株、OS−K−9菌株,OS−K−74菌株及びOS
−K−76菌株の菌学的性質は下記に示すとおりである。
3種の新菌株、OS−K−9菌株,OS−K−74菌株及びOS
−K−76菌株の菌学的性質は下記に示すとおりである。
各培地における生育状態 3.肉汁液体培養(30℃,3日間) イ)生育状態 僅かに濁る 僅かに濁る 僅かに濁る ロ)ガス発生 無 無 無 ハ)培地の着色 無 無 無 4.肉汁ゼラチン穿刺培養 液化せず 液化せず 液化せず 5.リトマスミルク 凝固せず 凝固せず 凝固せず 青色 青色 無変化 上記の結果をもとにバージェイズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー(Bergey′s Ma
nual of Systematic Bacteriology)第1巻の記載に基
づき、それらの帰属同定を行うと、 OS−K−9菌株はシュードモナス シュードアルカリジ
ェネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)の新菌株 OS−K−74菌株はシュードモナス プチダ(Pseudomona
s putida)の新菌株 OS−K−76菌株はシュードモナス フルオレッセンス
(Pseudomonas fluorescence)の新菌株 と判明した。
・システマティック・バクテリオロジー(Bergey′s Ma
nual of Systematic Bacteriology)第1巻の記載に基
づき、それらの帰属同定を行うと、 OS−K−9菌株はシュードモナス シュードアルカリジ
ェネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)の新菌株 OS−K−74菌株はシュードモナス プチダ(Pseudomona
s putida)の新菌株 OS−K−76菌株はシュードモナス フルオレッセンス
(Pseudomonas fluorescence)の新菌株 と判明した。
本発明者らは、上記3種の新菌株をそれぞれシュード
モナス シュードアルカリジェネス(Pseudomonas pseu
doalcaligenes)OS−K−9(微工研菌寄第9769号,FERM
P−9769)、シュードモナス プチダ(Pseudomonas
putida)OS−K−74(微工研菌寄第9771号,FERMP−9771
号)、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomona
s fluorescence)OS−K−76(微工研菌寄第9770号,FER
M P−9770号)と命名した。
モナス シュードアルカリジェネス(Pseudomonas pseu
doalcaligenes)OS−K−9(微工研菌寄第9769号,FERM
P−9769)、シュードモナス プチダ(Pseudomonas
putida)OS−K−74(微工研菌寄第9771号,FERMP−9771
号)、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomona
s fluorescence)OS−K−76(微工研菌寄第9770号,FER
M P−9770号)と命名した。
尚、本発明者らの実験によると、同属同種の標準菌株
であるシュードモナス シュードアルカリジェネスIFO1
4157株、シュードモナス プチダIFO14164株及びシュー
ドモナス フルオレッセンスIFO14160株については本発
明で用いる上記3新菌株と同様な効果、即ち、ジハロゲ
ノプロパノール資化性がないことが明らかとなった。
であるシュードモナス シュードアルカリジェネスIFO1
4157株、シュードモナス プチダIFO14164株及びシュー
ドモナス フルオレッセンスIFO14160株については本発
明で用いる上記3新菌株と同様な効果、即ち、ジハロゲ
ノプロパノール資化性がないことが明らかとなった。
また、上記3新菌株は、前述した本出願人に係る先願
の菌株(OS−K−29(FERM P−7846)と比較して、 (i)シュードモナス アルカリジェネスOS−K−9
(FERM P−9769)は、D−グルコース,D−ガラクトー
ス,シヨ糖及びトレハロースよりいずれも酸を生成しな
い (ii)シュードモナス プチダOS−K−74(FERM P−
9771)及びシュードモナス フルオレッセンスOS−K−
76(FERM P−9770)は、いずれもPseudomonasF寒天培
地,キングB寒天培地において蛍光性色素を生成する という生理学的諸性質において明らかに異なるものであ
る。
の菌株(OS−K−29(FERM P−7846)と比較して、 (i)シュードモナス アルカリジェネスOS−K−9
(FERM P−9769)は、D−グルコース,D−ガラクトー
ス,シヨ糖及びトレハロースよりいずれも酸を生成しな
い (ii)シュードモナス プチダOS−K−74(FERM P−
9771)及びシュードモナス フルオレッセンスOS−K−
76(FERM P−9770)は、いずれもPseudomonasF寒天培
地,キングB寒天培地において蛍光性色素を生成する という生理学的諸性質において明らかに異なるものであ
る。
本発明ではラセミ体β−DCH又はラセミ体β−DBHに、
上記微生物を接触させてS−(−)−β−DCH又はS−
(−)−β−DBHを分取するが、具体的にはラセミ体β
−DCH又はラセミ体β−DBHを炭素源とし、無機態窒素
(各種のアンモニア塩,硝酸塩)を窒素源としその他無
機塩類を含む合成培地中で上記細菌を培養するか、又は
上記細菌をブイヨン培地、あるいは加糖ブイヨン培地
等、炭素源,窒素源,有機栄養源,無機栄養源を含む通
常よく用いられる栄養培地中で培養せしめ、よく生育さ
せておき、これから得られる菌体をラセミ体β−DCH又
はラセミ体β−DBHを含有する培地中で作用させた後、
残存するS−(−)−β−DCH又はS−(−)−β−DBH
を分取すればよい。
上記微生物を接触させてS−(−)−β−DCH又はS−
(−)−β−DBHを分取するが、具体的にはラセミ体β
−DCH又はラセミ体β−DBHを炭素源とし、無機態窒素
(各種のアンモニア塩,硝酸塩)を窒素源としその他無
機塩類を含む合成培地中で上記細菌を培養するか、又は
上記細菌をブイヨン培地、あるいは加糖ブイヨン培地
等、炭素源,窒素源,有機栄養源,無機栄養源を含む通
常よく用いられる栄養培地中で培養せしめ、よく生育さ
せておき、これから得られる菌体をラセミ体β−DCH又
はラセミ体β−DBHを含有する培地中で作用させた後、
残存するS−(−)−β−DCH又はS−(−)−β−DBH
を分取すればよい。
炭素源としてはグルコース,シュクロース,グリセリ
ン等の炭水化物、あるいはクエン酸,マレイン酸,リン
グ酸等の有機酸及びその塩類を、窒素源としては硫酸ア
ンモニウム,塩化アンモニウム,硝酸アンモニウム,リ
ン酸アンモニウム等の無機態窒素、及び尿素,ペプト
ン,カゼイン,酵母エキス,肉エキス等の有機能窒素を
用いることができる。その他の無機塩類としてはリン酸
塩,マグネシウム塩,カリ塩,マンガン塩、鉄塩,亜鉛
塩,銅塩等が用いられる。
ン等の炭水化物、あるいはクエン酸,マレイン酸,リン
グ酸等の有機酸及びその塩類を、窒素源としては硫酸ア
ンモニウム,塩化アンモニウム,硝酸アンモニウム,リ
ン酸アンモニウム等の無機態窒素、及び尿素,ペプト
ン,カゼイン,酵母エキス,肉エキス等の有機能窒素を
用いることができる。その他の無機塩類としてはリン酸
塩,マグネシウム塩,カリ塩,マンガン塩、鉄塩,亜鉛
塩,銅塩等が用いられる。
本菌の培養は、慣用の方法で行うことができる。通
常、温度約20〜40℃、好ましくは25〜37℃、pH約6〜
9、好ましくはpH6.5〜7.5で振盪あるいは通気撹拌等の
手段により好気的に行われる。
常、温度約20〜40℃、好ましくは25〜37℃、pH約6〜
9、好ましくはpH6.5〜7.5で振盪あるいは通気撹拌等の
手段により好気的に行われる。
本発明で用いる微生物とラセミ体β−DCH又はラセミ
体β−DBHを接触させるときのこれらの濃度は培地中約
0.2容量%程度であればよく、その接触時間は通常3日
以内、好ましくは2日〜3日以内である。
体β−DBHを接触させるときのこれらの濃度は培地中約
0.2容量%程度であればよく、その接触時間は通常3日
以内、好ましくは2日〜3日以内である。
培養終了後、培養液をとり出し遠心分離して微生物菌
体と上清液とに分離し、上清液中の光学活性なβ−DCH
又はβ−DBHを活性炭カラム処理、エーテル抽出,減圧
蒸留等の操作によって分取する。
体と上清液とに分離し、上清液中の光学活性なβ−DCH
又はβ−DBHを活性炭カラム処理、エーテル抽出,減圧
蒸留等の操作によって分取する。
以下実施例により説明する。実施例中%は特に記さな
い限り重量%を表わす。
い限り重量%を表わす。
実施例1 ラセミ体β−DCHを唯一の炭素源とした培地、すなわ
ち ラセミ体β−DCH 0.2 容量% 硫安 0.05% 硝安 0.05% りん酸水素第2カリウム 0.1 % りん酸第2ナトリウム 0.1 % りん酸第1ナトリウム 0.2 % 硫酸マグネシウム 0.05 % 硫酸鉄,硫酸銅,硫酸マンガン 微量 pH 6.5 を含む培地100mlを有する10個の坂口フラスコ(500ml
容)に本菌OS−K−9株の傾斜寒天培地から1白金耳ず
つ植菌を行い、30℃で振盪培養を3日間実施する。次に
上記組成の培地20を入れた25容培養器(ジャーファ
メンター)に上記前培養分を加え、以下の条件下で2日
間通気撹拌培養した。
ち ラセミ体β−DCH 0.2 容量% 硫安 0.05% 硝安 0.05% りん酸水素第2カリウム 0.1 % りん酸第2ナトリウム 0.1 % りん酸第1ナトリウム 0.2 % 硫酸マグネシウム 0.05 % 硫酸鉄,硫酸銅,硫酸マンガン 微量 pH 6.5 を含む培地100mlを有する10個の坂口フラスコ(500ml
容)に本菌OS−K−9株の傾斜寒天培地から1白金耳ず
つ植菌を行い、30℃で振盪培養を3日間実施する。次に
上記組成の培地20を入れた25容培養器(ジャーファ
メンター)に上記前培養分を加え、以下の条件下で2日
間通気撹拌培養した。
温度30℃ pH 初発6.5 通気量 20/min 回転数 300rpm 培養終了後、培養液を取り出し、遠心分離機を用いて
微生物菌体とその上清液とに分離し、この中に残存する
β−DCHを活性炭カラム処理,エーテル抽出,減圧蒸留
によって油状物質として6.2g採取した。本物質の同定は
次の方法で行った。
微生物菌体とその上清液とに分離し、この中に残存する
β−DCHを活性炭カラム処理,エーテル抽出,減圧蒸留
によって油状物質として6.2g採取した。本物質の同定は
次の方法で行った。
1)ガスクロマトグラフィーによる同定。
カラム担体PEG−20MP、5%、60〜80メッシュを用い
て市販β−DCHと比較した結果、その保持時間は全く同
じであった。純度98.6%以上。
て市販β−DCHと比較した結果、その保持時間は全く同
じであった。純度98.6%以上。
2)IR(赤外線吸収スペクトル)による同定。
第1図に示したチャートのように、その吸収パターン
は市販β−DCHと全く同一であった。
は市販β−DCHと全く同一であった。
以上から本物質は明らかに光学活性β−DCHである事
が判明した。又本物質がS−(−)−β−CDHである事
の確認は以下の方法によった。
が判明した。又本物質がS−(−)−β−CDHである事
の確認は以下の方法によった。
1)比旋光度の測定。
市販β−DCH及び本物質の比旋光度は次の如くであ
る。
る。
市販β−DCH▲〔α〕20 D▼=0.0 C=1,ジクロロメタ
ン 本物質▲〔α〕20 D▼=−9.5゜ C=1,ジクロロメタン 2)R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチ
ルフェニルアセテートエステルの調製ならびに高速液体
クロマトグラフィーによる分析。R−(+)−α−メト
キシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセテートクロ
ライドを市販β−DCHならびに本物質に反応せしめ、そ
のエステル誘導体を調製した後、液体クロマトグラフィ
ーでの分析結果は次のようであった。
ン 本物質▲〔α〕20 D▼=−9.5゜ C=1,ジクロロメタン 2)R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチ
ルフェニルアセテートエステルの調製ならびに高速液体
クロマトグラフィーによる分析。R−(+)−α−メト
キシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセテートクロ
ライドを市販β−DCHならびに本物質に反応せしめ、そ
のエステル誘導体を調製した後、液体クロマトグラフィ
ーでの分析結果は次のようであった。
分析条件 カラム担体 ZORBAXODS4.6mm×25cm(Du Pont社製) 溶 出 液 メタノール:水=63:35(V/V) 溶 出 量 1ml/min 検 出 法 260nmにおける吸光度 分析結果 市販β−DCH 保持時間50.5分及び52.0分に同一面積を
もつ2つのピークを与えた。
もつ2つのピークを与えた。
本物質 保持時間50.5分にのみピークを与え52.0分には
ピークを与えなかった。
ピークを与えなかった。
3)ジクロロプロピル−N−フェニルカルバメートの調
製及びその比旋光度。
製及びその比旋光度。
市販β−DCH、及び本物質1gとフェニルイソシアネー
ト0.9gを乾燥アセトン30ml,トリエチルアミン0.3mlに加
え、約3時間加熱還流し、そのジクロロプロピル−N−
フェニルカルバメートを調製した後、その比旋光度を測
定した。
ト0.9gを乾燥アセトン30ml,トリエチルアミン0.3mlに加
え、約3時間加熱還流し、そのジクロロプロピル−N−
フェニルカルバメートを調製した後、その比旋光度を測
定した。
市販β−DCH▲〔α〕25 D▼=0.0 C=1,メタノール 本物質▲〔α〕25 D▼=−16.4゜ C=1,メタノール 以上の結果から本物質は、S−(−)−β−DCHであ
り、その光学純度は99%以上であることが判った。
り、その光学純度は99%以上であることが判った。
実施例2 肉エキス0.5%,ポリペプトン0.5%,グルコース1.0
%,pH7なる培地100mlを有する5個の坂口フラスコ(500
ml容)を常法どおり、加熱蒸気滅菌後、菌株OS−K−9
株の傾斜寒天培地から菌株を1白金耳ずつ接種する。各
々のフラスコは30℃以下で48時間往復振盪培養(200rp
m)を行う。
%,pH7なる培地100mlを有する5個の坂口フラスコ(500
ml容)を常法どおり、加熱蒸気滅菌後、菌株OS−K−9
株の傾斜寒天培地から菌株を1白金耳ずつ接種する。各
々のフラスコは30℃以下で48時間往復振盪培養(200rp
m)を行う。
次に上記組成の培地20を30容ジャーファメンター
に入れ、常法どおり加圧蒸気滅菌後、各々のフラスコで
育成せしめた微生物菌体を無菌的に接種せしめ、次の条
件下で20時間培養する。
に入れ、常法どおり加圧蒸気滅菌後、各々のフラスコで
育成せしめた微生物菌体を無菌的に接種せしめ、次の条
件下で20時間培養する。
温度30℃ pH 初発pH7.0 通気量 20/min 回転数 300rpm 培養の終了した培養液は遠心分離機にて微生物菌体と
上清液とに分離し、上清液は廃棄する。残った微生物菌
体は50mMりん酸緩衝液pH6.5にて3回〜4回洗浄し洗浄
菌体を得る。次にこの洗浄菌体を実施例1で示したラセ
ミ体β−DCHを含有する培地20に懸濁させ、次の条件
下に保持する。
上清液とに分離し、上清液は廃棄する。残った微生物菌
体は50mMりん酸緩衝液pH6.5にて3回〜4回洗浄し洗浄
菌体を得る。次にこの洗浄菌体を実施例1で示したラセ
ミ体β−DCHを含有する培地20に懸濁させ、次の条件
下に保持する。
温度30℃ 通気量 20/min 回転数 300rpm pH 5.5(炭酸カルシウムを20g加えて保持する) 洗浄菌体を培地に加えてから48時間、上記の様に通気
撹拌培養し、再び遠心分離機にて微生物菌体と上清液と
に分離した。上清液からの光学活性β−DCHの分離は実
施例1と同様にし、光学活性β−DCH7.2gを得た。この
β−DCHは、実施例1に示したように各種の分析を行っ
た結果、光学純度99%以上のS−(−)−β−DCHであ
った。
撹拌培養し、再び遠心分離機にて微生物菌体と上清液と
に分離した。上清液からの光学活性β−DCHの分離は実
施例1と同様にし、光学活性β−DCH7.2gを得た。この
β−DCHは、実施例1に示したように各種の分析を行っ
た結果、光学純度99%以上のS−(−)−β−DCHであ
った。
実施例3 使用した菌株としてOS−K−9株の代りにOS−K−74
株又はOS−K−76株とした以外は実施例1と同様にして
それぞれ下表に示すような分析結果の光学活性S−β−
DCHを得た。
株又はOS−K−76株とした以外は実施例1と同様にして
それぞれ下表に示すような分析結果の光学活性S−β−
DCHを得た。
実施例4 炭素源として、ラセミ体β−DCHの代りにラセミ体β
−DBHを用い、菌株としてOS−K−9株,OS−K−74株又
はOS−K−76株を用いた以外は実施例1と同様にしてそ
れぞれ下表に示すような分析結果の光学活性S−β−DB
Hを得た。
−DBHを用い、菌株としてOS−K−9株,OS−K−74株又
はOS−K−76株を用いた以外は実施例1と同様にしてそ
れぞれ下表に示すような分析結果の光学活性S−β−DB
Hを得た。
(発明の効果) 本発明法によれば、光学活性なジハロゲノプロパノー
ルが先願発明に比べて短時間で製造することができ、し
かも得られた光学活性体は光学純度が非常に高いもので
ある。
ルが先願発明に比べて短時間で製造することができ、し
かも得られた光学活性体は光学純度が非常に高いもので
ある。
第1図は実施例1によって得られたS−β−DCHと市販
品ラセミ体β−DCHの赤外線吸収スペクトルであり、第
2図は実施例4のNo.3によって得られたS−β−DBHと
市販品ラセミ体β−DBHの赤外線吸収スペクトルであ
る。 第1図 実線:実施例1のS−(−)−β−DCH 一点鎖線:市販品 第2図 実線:実施例4No.3のS−(−)−β−DBH 一点鎖線:市販品
品ラセミ体β−DCHの赤外線吸収スペクトルであり、第
2図は実施例4のNo.3によって得られたS−β−DBHと
市販品ラセミ体β−DBHの赤外線吸収スペクトルであ
る。 第1図 実線:実施例1のS−(−)−β−DCH 一点鎖線:市販品 第2図 実線:実施例4No.3のS−(−)−β−DBH 一点鎖線:市販品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:40)
Claims (1)
- 【請求項1】R−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパ
ノール又はR−(+)−2,3−ジブロモ−1−プロパノ
ール資化能を有し、それぞれシュードモナス属に属する
新菌株OS−K−9菌株,OS−K−74菌株及びOS−K−76
菌株から選ばれた細菌又はその培養菌体を培地中でラセ
ミ体2,3−ジクロロ−1−プロパノール又はラセミ体2,3
−ジブロモ−1−プロパノールを作用させてS−(−)
−2,3−ジクロロ−1−プロパノール又はS−(−)−
2,3−ジブロモ−1−プロパノールを分取することを特
徴とする微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパ
ノールの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13370688A JP2651703B2 (ja) | 1988-05-30 | 1988-05-30 | 微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパノールの製法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13370688A JP2651703B2 (ja) | 1988-05-30 | 1988-05-30 | 微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパノールの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH01300899A JPH01300899A (ja) | 1989-12-05 |
JP2651703B2 true JP2651703B2 (ja) | 1997-09-10 |
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ID=15110987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13370688A Expired - Lifetime JP2651703B2 (ja) | 1988-05-30 | 1988-05-30 | 微生物処理による光学活性なジハロゲノプロパノールの製法 |
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JP (1) | JP2651703B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JPWO2012026618A1 (ja) | 2010-08-27 | 2013-10-28 | 味の素株式会社 | 水産練り製品の製造方法及び水産練り製品改質用の酵素製剤 |
-
1988
- 1988-05-30 JP JP13370688A patent/JP2651703B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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