JPH0151967B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は刈取穀稈を脱穀機へ搬送するコンバイ
ンの穀稈搬送装置に関するものである。

この種の穀稈搬送装置は、一般に穀稈の穂先部
を搬送する穂先搬送装置と、根元部を搬送する根
元搬送装置とで構成されており、また、小型のコ
ンバイン等では根元搬送装置のみを備えたものも
ある。そして、このうちの根元搬送装置は、無端
状の根元チエーンとその走行端に沿つて支架され
た挟持杆とからなり、根元チエーンを張架するス
プロケツトは、機体側に支持されたチエーンフレ
ームの上下両端部に枢着されている。また、挟持
杆は、断面コ字状に形成されて挟扼ガイドにこれ
と平行して進退自在に支持されており、ばね部材
で根元チエーン側へ付勢されている。さらに、根
元チエーンの支持部材であるチエーンフレームと
挟持杆の支持部材である挟扼ガイドとは、Ｕ字杆
によつて連結されている。

そして、圃場に植立する穀稈は、刈刃で刈取ら
れたのち、その根元部を根元チエーンとこれにば
ね部材で圧接された挟持杆とで挟持されて脱穀機
へ搬送され脱穀される。そして、このような収穫
作業においては、例えば圃場の４隅などのように
機械刈りができない場合があり、この場合には手
刈りでこれを刈取つて集積しておき、後程まとめ
て手扱き作業によつて脱穀される。そして、この
手扱き作業は、機台を圃場の一隅などに定置し、
稲置台上に載せた穀稈を一束ずつ脱穀機へ供給す
ることによつて行なわれるが、この供給口近傍に
は前記根元搬送装置が終端部を臨ませており、こ
とに、長稈に適応させかつ畦越え時に接地しない
ように前記Ｕ字杆を上方へ突出させた機種のもの
においては、このＵ字杆が邪魔になつて穀稈の供
給がむつかしく、作業能率が低下するばかりでな
く、脱穀機の搬送チエーンへ手を挟まれる虞があ
りきわめて危険であつた。

本発明は以上のような点に鑑みなされたもの
で、穀稈搬送チエーンの支持部材と穀稈挟持杆の
支持部材とを連結して上方へ突出するＵ字杆をチ
エーンの支持部材に対し上下方向へ摺動自在かつ
着脱自在に支持させることにより、手扱き作業時
の穀稈供給を容易にして作業能率の向上と危害防
止とを計つたコンバインの穀稈搬送装置を提供す
るものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基いて詳細に
説明する。

第１図ないし第４図は本発明に係る穀稈搬送装
置の一実施例を示し、第１図はこれを実施したコ
ンバインの側面図、第２図は同じく平面図、第３
図は穀稈搬送装置の断面図およびＵ字杆着脱部の
拡大図、第４図は同じく平面図である。図におい
て、コンバイン１の走行部は左右の走行クローラ
２を備えており、これを連結する走行フレーム３
上には、脱穀用の扱き胴４を収納する扱き室５と
選別装置を収納する選別室６とで一体形成された
脱穀フレーム７が搭載されている。さらに、扱き
室５の側方には脱穀用の穀稈を搬送するフイード
チエーン８とこれに連続する排わらチエーン９が
張設されている。

そして、これら脱穀フレーム７等を備えた脱穀
機１０の前方には、全体を符号１１で示す刈取機
が、これを支持する刈取フレーム１２の上端部を
脱穀機１０の前端部に枢支されて配設されてい
る。そして、刈取フレーム１２の下端部にこれと
直交する刈取ギアボツクス１３から地面に沿つて
前方へ延設された複数個の分草杆１４の前端部に
は、圃場の穀稈を掻き分ける分草体１５が取付け
られており、その後方には倒伏した穀稈を起立さ
せる複数個の引起し装置１６が立設されている。
また、引起し装置１６の下部後方には、引起され
た穀稈の根元部を刈取位置へ搬送する掻込みベル
ト１７が張架されており、その下方には、搬送さ
れた根元部を刈取るバリカン状の刈刃１８が、分
草杆１４に支持されて架設されている。

そして、引起し装置１６と脱穀機１０との間に
は、根元搬送装置１９と穂先搬送装置２０とが、
脱穀機１０側のメーンギアボツクス２１から突設
された支持杆２２に支持され上下にほゞ平行して
架設されている。このうちの根元搬送装置１９
は、支持杆２２で上端部を支持された長手小判型
のチエーンフレーム２３を備えていて、その上端
部には、支持杆２２内を貫通する搬送駆動軸でメ
ーンギアボツクス２１の出力軸と駆動連結された
スプロケツト２４が設けられており、このスプロ
ケツト２４と、チエーンフレーム２３の下端部に
枢着されたスプロケツト２５との間には、無端状
の根元チエーン２６が張架されている。そして、
チエーンフレーム２３上には、段部を有する支持
ピン２７が突設されており、この支持ピン２７に
は、パイプ材によつて逆Ｕ字状に形成されたＵ字
杆２８が、その一端を摺動自在かつ回動自在に嵌
装させることによつて着脱自在に支持されてい
て、装着後はボルト２９で固定されている。そし
て、このＵ字杆２８は湾曲部を上方へ突出させて
おり、これに連続する他方の脚の下端には、断面
コ字状に形成された後述する挟持杆３１の支持部
材としての挟扼ガイド３０が、立縁を下方へ向け
て一体的に固着されている。さらに、この挟扼ガ
イド３０には、断面コ字状に形成されてその立縁
部を根元チエーン２６と係合させた挟持杆３１
が、これと一体形成された一対の脚３２を摺動自
在に支持されており、挟扼ガイド３０の内部に装
着した挟扼ばね３３によつて根元チエーン２６側
へ付勢されている。このように構成された根元搬
送装置１９は、終端部を、前記脱穀機１０に設け
たフイードチエーン８の始端部に臨ませて装架さ
れている。

一方、穂先搬送装置２０は、全体をＵ字杆２８
の環内に係入させ、根元搬送装置１９のチエーン
フレーム２３に支持されて装架されており、多数
のラグを備えてチエーンケース３４内で走行する
穂先チエーンと、ラグの先端に沿つて支架された
棒状の穂先ガイド３５とで構成されている。そし
て、この穂先搬送装置１９は、脱穀機１０の扱き
室５の入口から突設された入口漏斗３６の上方に
終端部を臨ませて装架されている。

以上のように構成されたコンバイン１の動作を
説明する。機台が前進すると、分草体１５で掻き
分けられた穀稈は、穂先部を引起し装置１６で引
起され根元部を掻込ベルト１７で刈取部へ掻込ま
れる。掻込まれた穀稈は、穂先部を引起し装置１
６から解放されて穂先搬送装置２０に捕捉される
とともに、根元部を刈刃１８で刈取られて根元搬
送装置１９に捕捉される。そして、穂先部は穂先
チエーンのラグと穂先ガイド３５とで保持されな
がら搬送され、また、根元部は根元チエーン２６
と挟持杆３１とで挟持されて搬送される。この場
合、穀稈の穂先はＵ字杆２８の環状部をくぐつて
搬送される。そして、穂先部は、入口漏斗３６上
へ放出されて扱き室５へ供給され、また、根元部
はフイードチエーン８へ引継がれて搬送されなが
ら脱穀が行なわれる。

このようにして行なわれる収穫作業において前
述したような手扱き作業を行なう場合には、Ｕ字
杆２８を固定しているボルト２９を弛めてＵ字杆
２８をわずかにねじりながら引上げると、挟持杆
３１と根元チエーン２６との係合が解かれ、Ｕ字
杆２８と挟持杆３１および挟扼ガイド３０を一体
として容易に取外すことができる。これによつて
穀稈の供給口近傍が大きく開放されるので、穀稈
の供給がきわめて容易になる。

さらに、本発明においては、Ｕ字杆２８を着脱
自在に支持させる構造としてその一端を支持ピン
２７に摺動自在かつ回動自在に嵌装したことによ
り、第３図に実線と鎖線とで示すように挟持杆３
１と根元チエーン２６との相対位置を上下方向へ
調整することにより長短稈に対応させることがで
き、また、第４図に実線と鎖線とで示すように挟
持杆３１と根元チエーン２６とのすき間を調整で
きるので、穀稈量等に適応した穀稈の挟持状態を
選択することができ、穀稈の搬送が円滑に行なわ
れる。

以上の説明により明らかなように、本発明によ
ればコンバインの穀稈搬送装置において、穀稈搬
送チエーンの支持部材と穀稈挟持杆の支持部材と
を連結して上方へ突出するＵ字杆を、チエーンの
支持部材に着脱自在に支持させることにより、手
扱き作業時にＵ字杆を容易に取外すことができ、
穀稈の供給口が大きく開放されるので、穀稈の供
給が容易になり作業能率が向上するとともに、作
業の安全化を計ることができる。また、Ｕ字杆を
着脱自在に支持させる構造として、これを上下方
向に摺動調節して固定できる構造としたから、穀
稈が長稈の場合Ｕ字杆を上方へ移動させることに
より、穂先部がＵ字杆に衝突して発生する脱粒の
緩和がはかれる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明に係るコンバイン
の穀稈搬送装置の一実施例を示し、第１図はこれ
を実施したコンバインの側面図、第２図は同じく
平面図、第３図は穀稈搬送装置の断面図およびＵ
字杆着脱部の拡大図、第４図は同じく平面図であ
る。 １……コンバイン、１９……根元搬送装置、２
３……チエーンフレーム、２６……根元チエー
ン、２７……支持ピン、２８……Ｕ字杆、３０…
…挟扼ガイド、３１……挟持杆。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 穀稈搬送チエーン２６の支持部材２３と穀稈
   挟持杆３１と支持部材３０とを連結して上方へ突
   出するＵ字杆２８を、前記チエーンの支持部材２
   ３上に突設した支持ピン２７に対し上下方向へ摺
   動調節自在かつ着脱自在に固定したことを特徴と
   するコンバインの穀稈搬送装置。