JPH0148768B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は電気掃除機、さらに詳細には、集塵フ
イルターをフイルター装着部に対して着脱自在に
取り付ける場合に、上記集塵フイルターの口部周
縁を気密的に保持する気密パツキンの改良に関す
るものである。

〔発明の背景〕 電気掃除機の集塵方式は、現在、手を汚さない
など取扱性にすぐれ集塵フイルター方式が主流を
占めており、集塵フイルターには、紙、布、プラ
スチツク材などが使用される。

しかして、集塵フイルター方式を採用する電気
掃除機の場合、定期的に集塵フイルターを交換す
る必要があるが、従来提案されているこの種掃除
機にあつては、或る型式の掃除機に対して口径が
特定（専用サイズ）の集塵フイルターしか使用で
きないものがその殆どである。

なお、口径が異なる２種類の集塵フイルターを
互換性をもつて使用できる構造を備えた電気掃除
機としては、本出願人が先に提案した実開昭59−
117466号公報に記載の掃除機を挙げることができ
るが、実開昭59−117466号公報に記載されている
考案の要旨とするところは、「集塵フイルターの
取付に専用の係止具を必要とすることなく、少な
い構成部品で上記フイルターを集塵ケースに取り
付けるようにした」点にあり、同号公報に記載の
電気掃除機において、口径の異なる集塵フイルタ
ーを取り付ける場合は、掃除機本体内のフイルタ
ー取付位置が、当該掃除機本体内の前後方向で異
なるため、作業者は、口径の異なる集塵フイルタ
ーを取り付ける都度、それぞれのフイルター口径
に合つたフイルター装着部を選択して集塵フイル
ターを取り付ける必要があり、フイルターの装着
動作を簡便におこなわしめるという点で改良の余
地が残されている。

〔発明の目的〕

本発明は、以上の点を考慮してなされたもので
あつて、その目的とするところは、口径の異なる
複数種類の集塵フイルターを互換性をもつて使用
する場合に、全てのフイルターの装着動作を、共
通のフイルター装着部でもつて簡便におこなわし
め、しかも小口径の集塵フイルターを装着する場
合は、当該フイルターの口部周縁を２重にシール
してゴミ漏れを確実に防止することに加えて、空
気とともに吸い込まれた塵埃をフイルター内にス
ムースに案内して、気密パツキンに多くの塵埃を
付着させることなく、フイルター交換時の取扱性
を簡便ならしめ、しかもフイルター交換時に気密
パツキンとフイルターとの当接部に塵埃が介在し
て隙間が形成され、エアーリークの原因となるの
を未然に防止した、改良された電気掃除機を提供
しようとするものである。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するため、本発明は、塵埃を吸
引する電動送風機と、上記電動送風機により吸引
された塵埃を集塵する集塵フイルターとを備え、
集塵フイルターの口部周縁を気密パツキンを介し
てフイルター装着部に着脱自在に取り付ける構造
の電気掃除機において、上記気密パツキンの集塵
フイルター当接側を、その内側から半径方向の外
側に向けて、 集塵フイルター側の先端を径小とし、かつ根元
部に向けてその径を漸増させた、塵埃案内用の円
錐状部分と、上記円錐状部分の根元部に連設し
た、第１のフイルター当て板当接用の環状平面部
と、上記環状平面部の外周部分に連設し、かつ先
端に向けてその径を漸増させた、第２のフイルタ
ー当て板当接用の環状リツプ部とにより構成した
ことを特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を、図面の一実施例にもとづいて
説明する。

第１図は本発明の要部である改良形気密パツキ
ン２７を備えた掃除機の内部構造を示す縦断面
図、第２図は第１図に示す掃除機の外観斜視図、
第３図は第１図に示す掃除機から気密パツキン２
７のみを取り出して示す正面図、第４図は第３図
の縦断側面図、第５図は第１図に符号２９で示す
小口径の集塵フイルターに代つて大口径の集塵フ
イルター２９′を取り付けた掃除機の一部縦断側
面図である。

第１図および第２図において、１は吸口ケース
を示し、吸口ケース１は、じゆうたん上の塵埃を
かき上げるためのロータリーブラシ２を内蔵して
いる。また、吸口ケース１は、掃除機の吸込口高
さをじゆうたんの毛足の高さに応じて調節するツ
マミ３を有するとともに、耐衝撃性のバンパー４
を備えている。吸口ケース１の上方には、操作ハ
ンドル５を備えた掃除機本体６が取り付けられて
おり、掃除機本体６の下方には、電動送風機７を
内蔵した電動送風機部８が位置している。９は掃
除機本体６の中央に位置する集塵部、１０は掃除
機本体６の上方に位置するコードリール部で、コ
ードリール部１０には、電源コード１１を巻き取
るためのコードリール１２が内蔵されている。１
３は掃除機の前面を覆う前蓋、１４は同じく掃除
機の前面を覆う電動送風機蓋であり、掃除機の後
面は、本体ケース１５で覆われている。本体ケー
ス１５の上面には、コードリール１２を操作する
リールボタン１６、さらには電源スイツチ１７が
設けられている。コードリール部１０を保護する
ため、前蓋１３の内側に位置して、リール蓋１８
が設けられており、前蓋１３は、クランプ１９に
よつて本体ケース１５に開閉自在に係止されてい
る。２０は電動送風機７の回転シヤフトを示し、
この回転シヤフト２０とロータリーブラシ２との
間に伝動ベルト２１が掛けられており、電動送風
機７の運転により、ロータリーブラシ２が回転駆
動する。２２は掃除機本体６を傾動自在に回転・
停止させるペダル、２３は吸口ダクトであつて、
吸口ダクト２３は、ロータリーブラシ２がかき上
げた塵埃を集塵部９側へ送り込む。２４，２５は
掃除機走行用の車輪を示している。２６は掃除機
本体６内に位置する本体ダクトで、本体ダクト２
６は、吸口ダクト２３と集塵部９とに連通してい
る。また、本体ダクト２６と集塵部９との連通部
に位置して、気密パツキン２７を装着したフイル
ター装着部材２８が本体ケース１５にネジ止めさ
れている。２９は集塵フイルター、３０は集塵フ
イルター２９の開口部２９ａに取り付けた当て板
で、この当て板３０は、気密パツキン２７に当接
している。すなわち、集塵フイルター２９は、そ
の開口部当て板３０の上端３０ａと下端３０ｂと
をフイルターホルダー３１に係止させて取り付
け、さらにフイルターホルダー３１は、掃除機本
体６のリール蓋１８に設けた突起１８ａとフイル
ター装着部材２８に設けた受部２８ａとによつて
係止されている。軟質材で形成された気密パツキ
ン２７は、第３図および第４図に示すように、そ
の円錐状部分２７ａに連続して、環状平面部２７
ｂが設けられており、この環状平面部２７ｂに連
続して、さらに環状リツプ部２７ｃが設けられて
いる。なお、図示実施例において、気密パツキン
２７には、環状スリツト３２が設けられており、
気密パツキン２７に環状スリツト３２を設けるこ
とにより、当該パツキン２７の弾性効果を高める
工夫がなされている。図中、符号３３は電動送風
機蓋１４に設けた排気口を示している。

以上の構成において、電動送風機７の運転開始
にともない、ロータリーブラシ２によつてかき上
げられた塵埃と吸込気流とは、吸口ダクト２３内
を通つて本体ダクト２６に至り、その後、集塵フ
イルター２９内に入るものであつて、塵埃のみが
集塵フイルター２９内に止どまり、集塵フイルタ
ー２９を出た気流は、電動送風機蓋１４に設けた
排気口３３から機外に排出される。

しかして、本発明においては、図示実施例に示
すごとく、気密パツキン２７の集塵フイルター当
接面を、環状平面部２７ｂとその外周に連設する
環状リツプ部２７ｃとによつて構成したから、第
１図に示すように、気密パツキン２７に取り付け
ようとする集塵フイルター２９の開口部２９ａの
口径が気密パツキン２７の円錐状部分２７ａ（さ
らに正確には、円錐状部分２７ａの根元部分）と
同一径かそれ以上で、しかも環状平面部２７ｂの
外径よりも小さい場合は、当該フイルター２９の
当て板３０と気密パツキン２７の環状平面部２７
ｂ、さらには集塵フイルター２９の当て板３０と
気密パツキン２７の環状リツプ部２７ｃとで集塵
フイルター２９のシール取りを２重におこなうこ
とができ、小口径の集塵フイルター２９を装着す
る場合ゴミ漏れを確実に防止することができる。

また、本発明においては、第５図に示すよう
に、気密パツキン２７に取り付けようとする集塵
フイルター２９′の開口部２９′ａの口径が気密パ
ツキン２７の環状平面部２７ｂより大きい場合で
あつても、その集塵フイルター２９′の開口部２
９′ａが環状リツプ部２７ｃよりも小さければ、
当該フイルター２９′の当て板３０′と気密パツキ
ン２７の環状リツプ部２７ｃとでこれまた集塵フ
イルター２９′のシール取りをおこなうことがで
きるものであり、上記記載からも明らかなよう
に、本発明によれば、大口径・小口径からなる複
数種類の集塵フイルターのいずれかを互換性をも
つて使用する場合であつても、作業者は、口径の
異なる集塵フイルターを取り付ける都度、それぞ
れのフイルター口径に合つたフイルター装着部を
選択して集塵フイルターを取り付けなければなら
ないといつた煩わしさから解放され、全ての集塵
フイルターの装着動作を、共通のフイルター装着
部でもつて簡便におこなわしめることができるも
のであつて、しかも小口径の集塵フイルターを装
着する場合は、先に述べたように、当該フイルタ
ーの口部周縁を２重にシールしてゴミ漏れを確実
に防止することができる。これに加えて、本発明
によれば、図示実施例からも明らかなように、気
密パツキン２７に対し、集塵フイルター側の先端
を径小とし、かつ根元部に向けてその径を漸増さ
せた塵埃案内用の円錐状部分２７ａを設けたこと
により、空気とともに吸い込まれた塵埃を気密パ
ツキン２７のシール部に直接接触させることな
く、フイルター内にスムースに案内して、上記気
密パツキン２７のシール部に多くの塵埃を付着さ
せるのではなく、フイルター交換時の取扱性を簡
便ならしめることができる。しかも、本発明によ
れば、上記気密パツキン２７の塵埃案内用円錐状
部分２７ａは、集塵フイルター側の先端を径小と
し、かつ根元部に向けてその径を漸増させ、また
第２のフイルター当て板当接用の環状リツプ部２
７ｃは、先端に向けてその径を漸増させたことに
より、フイルター交換時、その間に位置する環状
平面部２７ｂに塵埃がこぼれて付着しても、その
塵埃は、上記円錐状部分２７ａと環状リツプ部２
７ｃとの間の拡開空間部から容易に脱落し、した
がつてフイルター交換時に気密パツキン２７とフ
イルターとの当接部に塵埃が介在して隙間が形成
され、エアーリークの原因となるのを未然に防止
することができる。

なお、実開昭59−168253号には、電気掃除機の
集塵フイルターと気密パツキンとの取付構造が開
示されているが、同号には、口径の異なる複数種
類の集塵フイルターを互換性をもつて装着できる
構成は示されておらず、また本発明掃除機に組み
込まれている気密パツキン２７の円錐状部分２７
ａと環状平面部２７ｂ、すなわち集塵フイルター
側の先端を径小とし、かつ根元部に向けてその径
を漸増させた塵埃案内用の円錐状部分２７ａと、
上記円錐状部分２７ａの根元部に連設した第１の
フイルター当て板当接用の環状平面部２７ｂとは
設けられていない。

一方、実開昭58−122552号の電気掃除機には、
２重の環状リツプ部を有する気密パツキンが図示
されているが、同号に示されている気密パツキン
には、前掲実開昭59−168253号に示されている電
気掃除機と同様、本発明掃除機に組み込まれてい
る気密パツキン２７の円錐状部分２７ａと環状平
面部２７ｂとに相当する部分はなく、また上記２
重の環状リツプ部間に位置する平面部には、シー
ル機能を備えていない。しかも、実開昭58−
122552号に示されている電気掃除機にあつては、
掃除機の長期使用にあたり、塵埃捨て時のフイル
ター交換に際して、共に内側に傾斜する上記２重
の狭い環状リツプ間に塵埃が徐々にたまり、最終
的には、フイルター装着時に環状リツプ部が正常
の位置にまでたわまなくなつて、そのシール機能
が不完全となり、斯かる場合、作業者は、上記２
重の狭い環状リツプ間に指や細い棒などを差し込
んで、その間に詰まつている塵埃を掻き出してや
らなければならず、作業が煩雑となる。

〔発明の効果〕

本発明は以上のごときであり、図示実施例の説
明からも明らかなように、本発明は、集塵フイル
ターと当接する気密パツキンの集塵フイルター当
接側を、その内側から半径方向の外側に向けて、
集塵フイルター側の先端を径小とし、かつ根元部
に向けてその径を漸増させた、塵埃案内用の円錐
状部分と、上記円錐状部分の根元部に連設した、
第１のフイルター当て板当接用の環状平面部と、
上記環状平面部の外周部分に連設し、かつ先端に
向けてその径を漸増させた、第２のフイルター当
て板当接用の環状リツプ部とにより構成したこと
を要旨とするものであつて、本発明によれば、口
径の異なる複数種類の集塵フイルターを互換性を
もつて使用する場合に、全てのフイルターの装着
動作を、共通のフイルター装着部でもつて簡便に
おこなわしめ、しかも小口径の集塵フイルターを
装着する場合は、当該フイルターの口部周縁を２
重にシールしてゴミ漏れを確実に防止することの
に加えて、空気とともに吸い込まれた塵埃をフイ
ルター内にスムースに案内して、気密パツキンに
多くの塵埃を付着させることなく、フイルター交
換時の取扱性を簡便ならしめ、しかもフイルター
交換時に気密パツキンとフイルターとの当接部に
塵埃が介在して隙間が形成され、エアーリークの
原因となるのを未然に防止した、改良された電気
掃除機を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る電気掃除機の一実施例を示
し、第１図は本発明の要部である改良形気密パツ
キン２７を備えた掃除機の内部構造を示す縦断面
図、第２図は第１図に示す掃除機の外観斜視図、
第３図は第１図に示す掃除機から気密パツキン２
７のみを取り出して示す正面図、第４図は第３図
の縦断側面図、第５図は第１図に符号２９で示す
小口径の集塵フイルターに代つて大口径の集塵フ
イルター２９′を取り付けた掃除機の一部縦断側
面図である。 １…吸口ケース、２…ロータリーブラシ、６…
掃除機本体、７…電動送風機、８…電動送風機
部、９…集塵部、１０…コードリール部、１８…
リール蓋、１８ａ…突起、２３…吸口ダクト、２
６…本体ダクト、２７…気密パツキン、２７ａ…
円錐状部分、２７ｂ…環状平面部、２７ｃ…環状
リツプ部、２８…フイルター装着部材、２８ａ…
受部、２９および２９′…集塵フイルター、２９
ａおよび２９′ａ…開口部、３０および３０′…当
て板、３１…フイルターホルダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 塵埃を吸引する電動送風機と、上記電動送風
   機により吸引された塵埃を集塵する集塵フイルタ
   ーとを備え、集塵フイルターの口部周縁を気密パ
   ツキンを介してフイルター装着部に着脱自在に取
   り付ける構造の電気掃除機において、上記気密パ
   ツキンの集塵フイルター当接側を、その内側から
   半径方向の外側に向けて、 集塵フイルター側の先端を径小とし、かつ根元
   部に向けてその径を漸増させた、塵埃案内用の円
   錐状部分と、 上記円錐状部分の根元部に連設した、第１のフ
   イルター当て板当接用の環状平面部と、 上記環状平面部の外周部分に連設し、かつ先端
   に向けてその径を漸増させた、第２のフイルター
   当て板当接用の環状リツプ部とにより構成したこ
   とを特徴とする電気掃除機。