JPH0141632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のウエザーストリツプ、特に
ドアとルーフ部及びフロントピラー部との間に設
けられるウエザーストリツプに関するものであ
る。

一般に自動車の車体、特にルーフ両側端とドア
との間には雨水がこの部分から室内へ侵入するの
を防ぐために様々な手段が講じられており、従来
のこの種の技術として、実開昭50−8610号公報に
示されるように、ドアのウインドガラスとルーフ
及びピラー等の車体との間をシールするためにシ
ール部材が設けられ、該シール部材がレインレー
ル溝を兼用しているものがあつた。ところがこの
場合ドア閉時においてもシール部材のレインレー
ル溝内に雨水等が溜まり、ドア開時にこの溜まつ
た水が滴下するおそれがあつた。

また他の従来例として、ルーフパネルの両側端
部に外側に突出してレインレール溝を形成したも
のがあつたが、このレインレール溝の形成は、具
体的にはドア開口部に金属性のレインレールをス
ポツト溶接で取付ける等して行つており、この場
合レインレール溝は外観上好ましくないばかりで
なく、レインレールが車体外側に大きく突出する
こととなつて、空気抵抗が大きくなり、走行中の
風騒音の原因にもなるという欠点があつた。そこ
でこの欠点を解消するために、ルーフパネル両側
端部のレインレール溝を除去したものもあつた。
ところがこのようにレインレール溝を除去したも
のでは、ドア開時に、その振動でルーフ部の雨水
が室内に滴下してしまうという問題があつた。

本考案は以上のような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、断面ほぼＴ字状のウエザーストリ
ツプを、ルーフ下部のドア開口内周縁にその縦辺
を固着して配設し、該ウエザーストリツプの横辺
のルーフ部側部分であるレインレール用リツプ
を、ルーフよりも外方に位置するとともに、少な
くともドア閉時にはルーフから所定距離離れてレ
インレールを成すようにし、上記横辺のドア側一
端の車体外側には、ドア閉時において該ドアに当
接してシールする斜め上方に傾斜したシールリツ
プを形成し、さらに上記縦、横の両辺の接合点に
は、ドア開時において前記シールリツプを外方に
移動させるヒンジ部を形成して、上記シールリツ
プがドア開時にレインレールを成すようにするこ
とにより、簡単な構造でドア開時にルーフ部の雨
水が室内に滴下するのを防止でき、しかもドア部
のシール性の向上及び空気抵抗の低減を図ること
ができる自動車のウエザーストリツプを提供する
ことを目的としている。

以下この考案の一実施例を図について説明す
る。

第１図ないし第３図は、この考案の一実施例に
よるウエザーストリツプの装着された自動車を示
し、図において、１はルーフパネルであり、該ル
ーフパネル１及びフロントピラー２とドア３上側
全周のサツシユ４との間に、上記ウエザーストリ
ツプ５が設けられている。上記ルーフパネル１
は、ルーフを構成するルーフ部１ａと、その下部
に続いて形成されたドア開口内周縁１ｂと、この
ドア開口内周縁１ｂからほぼ垂直にドア３側方向
へ続いて形成されたシール部１ｃとを有してい
る。また、上記フロントピラー２も上記ルーフパ
ネル１と同様に、図示していないが、ドア開口内
周縁とシール部とを有している。

一方、上記ウエザーストリツプ５は断面ほぼＴ
字状に形成されて縦辺６と横辺７とを有してお
り、これは硬質、軟質、または硬質・軟質の２重
押し出しプラスチツク、あるいはラバー等で一体
成形されている。そして上記縦辺６が、上記ルー
フパネル１及びフロントピラー２のドア開口内周
縁１ｂにクリツプ８で、あるいは直接接着剤で固
着されている。また上記横辺７のドア３側一端に
は車体外側に向かつて斜め上方に傾斜するシール
リツプ７ａが形成されており、該シールリツプ７
ａと上記横辺７とでＶ字状の溝９が形成されてい
る。また、上記横辺７のルーフ部１ａ側部分は、
その曲率中心が車体内側になるよう湾曲成形され
てレインレール用リツプ７ｂとなつており、この
レインレール用リツプ７ｂの先端はルーフ部１ａ
と当接するよう形成されている。さらに上記縦辺
６と横辺７との接合点１０は、これが上記横辺７
の揺動中心（ヒンジ部）となるように、この部分
の肉厚、材質、または硬度を変化させることによ
り、ノツチ効果が得られるように形成されてい
る。

また、上記サツシユ４は、ウインドガラス１１
とほぼ平行に形成された外枠部４ａと、この外枠
部４ａに対して垂直に車体内側へ向かつて形成さ
れた内枠部４ｂとを有している。この内枠部４ｂ
には、ルーフ部１ａ側にシール部材１２が設けら
れ、またこれと反対のウインドガラス１１側に、
上記サツシユ４とウインドガラス１１との間から
雨水が侵入するのを防止するためのガラスランチ
ヤンネル１３が設けられている。なお、上記ルー
フのアウタパネルとインナパネルとの接合部１ｄ
には危検防止等のために、シーミングウエル１４
が嵌装されている。

次に第２図及び第３図を用いて作用効果につい
て説明する。

第２図は、ドア３を閉めた状態を示しており、
この状態ではウエザーストリツプ５の横辺７のシ
ールリツプ７ａは、サツシユ外枠部４ａの外周端
内面によつて車体内側に当接押圧されており、ま
たそのレインレール用リツプ７ｂは、ノツチ効果
を有する接合点１０を中心として車体内側に押圧
されている。一方、サツシユ内枠部４ｂに設けら
れたシール部材１２は、ルーフパネル１のシール
部１ｃに当接している。

このように、ドア３が閉められている場合は、
該ドア３は上記ウエザーストリツプ５のシールリ
ツプ７ａ及びシール部材１２によつてダブルシー
ルされており、しかも、上記ウエザーストリツプ
５のレインレール用リツプ７ｂがレインレール溝
として作用し、ルーフ部１ａから落下してくる雨
水をフロントピラー２の下部に導く。

次にこの状態からドア３が第３図矢印Ａ方向に
開けられる場合は、まずシールリツプ７ａは、上
記ドア３が開けられることによりサツシユ外枠部
４ａの押圧から解放され、接合点１０を中心とし
て車体外側に揺動し元の形状に戻る。また、レイ
ンレール用リツプ７ｂは、上記シールリツプ７ａ
に揺動に伴い車体内側に揺動し、その先端はルー
フ部１ａに当接する。

このように、ドア３が開けられている場合は、
上記ウエザーストリツプ５のシールリツプ７ａと
横辺７とでレインレール溝９が形成され、ルーフ
部１ａからの雨水は上記横辺７に沿つて滴下し、
上記レインレール溝９に沿つてフロントピラー２
下部へ導かれる。

このような本実施例によれば、ウエザーストリ
ツプ５の横辺のルーフ部側部分であるレインレー
ル用リツプ７ｂを、ルーフ部１ａよりも外方に位
置するとともに、少なくともドア閉時にはルーフ
部１ａから所定距離離れてレインレールを成すよ
うにしているので、従来の、ドア開口部に金属性
のレインレールをスポツト溶接等で取付けてなる
レインレール溝に比べ、走行中の空気抵抗を低減
するとともに、その構成を簡単なものとすること
ができる。

また上記ウエザーストリツプ５の縦、横の両辺
の接合点に、ドア開時において前記シールリツプ
７ａを外方に移動させるヒンジ部１０を形成し
て、上記シールリツプ７ａがドア開時にレインレ
ールを成すようにしたので、ドアの開時にルーフ
部１ａからの雨水が室内へ滴下するのを防止する
ことができる。

さらに、上記シールリツプ７ａはドア閉時にお
いて該ドアサツシユ部４ａに当接してドア側と車
体側との間をシールするようになつているため、
ドア３を閉めた状態ではドアサツシユ部４ａはシ
ール部材１２及びシールリツプ７ａによりダブル
シールされることとなり、シール性を大きく向上
することができる。

なお、上記実施例においてはウエザーストリツ
プをルーフ部及びフロントピラー部に設けたが、
該ウエザーストリツプはルーフ部のみに設けるだ
けでも良く、このような場合においても本実施例
と同様の効果が得られる。また上記ウエザースト
リツプのレインレール用リツプは、上記実施例の
ように、ドアを開けた状態においてルーフ部に当
接しなくても良い。

また、上記実施例においてはドアがサツシユ付
のものについて説明したが、本考案はサツシユレ
スタイプのドアにも同様に適用することができ、
上記実施例と同様の効果を奏する。

以上のように、本考案によれば、断面ほぼＴ字
状のウエザーストリツプを、ルーフ下部のドア開
口内周縁にその縦辺を固着して配設し、該ウエザ
ーストリツプの横辺のルーフ部側部分であるレイ
ンレール用リツプを、ルーフよりも外方に位置す
るとともに、少なくともドア閉時にはルーフから
所定距離離れてレインレールを成すようにしたの
で、レインレールによる空気抵抗を低減し、かつ
レインレールの構成を簡略化することができる効
果がある。

また上記ウエザーストリツプの横辺のドア側一
端の車体外側には、ドア閉時において該ドアに当
接してシールする斜め上方に傾斜したシールリツ
プを形成し、さらに上記縦、横の両辺の接合点に
は、ドア開時において前記シールリツプを外方に
移動させるヒンジ部を形成して、上記シールリツ
プがドア開時にレインレールを成すようにしたの
で、ドア閉時のドア部のシール性を向上するとと
もに、ドア開時にルーフ部の雨水が室内に滴下す
るのを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるウエザーストリツプが装
着された自動車の概略斜視図、第２図は第１図の
要部構成断面図、第３図は第２図のドアを開けた
状態の要部構成断面図である。 １ａ……ルーフ部、１ｂ……ドア開口内周縁、
３……ドア、５……ウエザーストリツプ、６……
縦辺、７……横辺、７ａ……シールリツプ、１０
……接合点（ヒンジ部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフ下部のドア開口内周縁に断面ほぼＴ字状
   でその縦辺が固着されたウエザーストリツプであ
   つて、該Ｔ字状のウエザーストリツプの横辺のル
   ーフ部側部分を構成するレインレール用リツプ
   は、ルーフよりも外方に配置されるとともに、少
   なくともドア閉時にはルーフから所定距離離れて
   レインレールを構成しており、この横辺のドア側
   一端の車体外側には、ドア閉時において該ドアに
   当接してシールする斜め上方に傾斜したシールリ
   ツプが形成され、上記両辺の接合点には、ドア開
   時において前記シールリツプを外方に移動させる
   ヒンジ部が形成され、上記シールリツプは、ドア
   開時のレインレールを構成するように設けられて
   いることを特徴とする自動車のウエザーストリツ
   プ。