JPH0315402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車ボデー側面のドア開口とドア
サツシとの間をウエザストリツプによりシールす
るシール構造に関するものである。

〔従来技術〕

自動車ボデーのドア開口とドアサツシ間をウエ
ザストリツプによりシールする構造には種々の形
式のものがある。第３図および第４図にその一例
を示す。第３図は第５図の−線に沿う断面、
第４図は−線に沿う断面を示す ドアサツシ４の外周面４１の外縁には突縁４２
が形成され、突縁４２はドリツプレール６をおお
つている。ドリツプレール６にはルーフサイドウ
エザストリツプ１が装着されており、その先端は
サツシ突縁４２の内面に接している。またフロン
トピラー５からルーフ部にかけて形成したフラン
ジ７にはドアオープニングウエザストリツプ２が
装着され、ドアサツシ４の内端面と接している。
更にフロントピラー５には上記リツプ状ウエザス
トリツプ１の外側に他のルーフサイドウエザスト
リツプ３が装着され、サツシ突縁４２の先端内面
に接している。なお、９はフロントガラスであ
る。

ところで自動車が高速走行すると、ドアサツシ
４およびドアガラス８の上部外面に負圧が生じ、
このためドア吸出し現象が生じてドアサツシ４は
図示矢印Ｙ方向に吸出される。すると、ウエザス
トリツプ１，２，３はいずれも圧接力が低下する
のでシール力が低下する。シール力が低下すると
車室内外の遮温性に問題が生じる。

〔本考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記の問題に鑑み、ボデーのドア開口
にウエザストリツプを設けてドアサツシとの間を
シールするシール構造において、ドアを吸出し時
にもシール性が低下しない構造を提供し、上記従
来の問題点を解決することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図Ａに示すようにルーフサイドウエザスト
リツプのリツプ部の一つ１ａを、根元部１１がド
アサツシ外周面４１に向き、先端部１２が車外方
向に屈曲して伸びる断面ほぼＬ字形に構成し、リ
ツプ部１ａの下面をドア開閉方向に形成するとと
もに、これと対向するドアサツシ外周面４１をリ
ツプ部１ａの下面とほぼ平行でドア閉時に上期下
面と接触する面に形成する。

〔作用効果〕

第１図Ｃに示すようにドアサツシ４が矢印Ｙ方
向に吸出されると、ドアサツシ外周面４１がリツ
プ部１ａの下面を斜め上方かつ外方へ押付ける。
このとき、根元部１１が基部１０とドアサツシ外
周面４１との間に挟まれた状態となつて、それ以
上ドアサツシ４が吸出されるのを防止する。そし
て吸出し力が強いほどロツクは強くなり、シール
性は増加する。従つて高速走行時においてドアサ
ツシ部の車室内外の遮音性は良好となる。

〔実施例〕

第１図および第２図は本考案の構造の実施例を
示すもので、第１図（第５図の−線に沿う位
置での断面を示す）はルーフ側のシール構造を、
第２図はフロントピラー側の構造を示す。

先ずドア開時を示す第１図Ａにおいて、４はプ
レスドアのドアサツシで、外周面４１の外縁に上
方に起立する突縁４２を有し、突縁４２はボデー
側のドリツプレール６をおおつている。

ドリツプレール６の端縁には断面Ｃ字形の取付
基部１０と、これより突出する２つのリツプ部１
ａ，１ｂを有するルーフサイドウエザストリツプ
１が装着されている。ドア閉時、リツプ部１ｂは
従来のようにドアサツシ突縁４２内面に接する。

さて、断面Ｌ字形をなすリツプ部１ａの根元部
１１はドアサツシ外周面４１方向へ向き、先端部
１２は車外方向へ屈曲し、その下面はドア開閉方
向Ｘに沿いほぼ水平で、かつゆるやかな曲面をな
している。

一方、これと対向するドアサツシ外周面４１は
ドア開閉方向とほぼ平行とし、先端部１２の下面
とドア閉時に接触する位置としてある。

また、ボデーのドア開口のフランジ７にはトリ
ム２０と一体のドアオープニングウエザストリツ
プ２が装着してあり、ドアサツシ４の外周内端に
接している。

以上のシール構造を備えたボデーのドア開口に
おいて、ドア開閉時にはドアは第１図Ａに示すよ
うにほぼ水平（Ｘ方向）に回動する。そして第１
図Ｂに示すようにリツプ部１ａの下面およびサツ
シ４の外周面４１はそれぞれほぼ水平な面である
ので、両者は干渉することなく摺接し、開閉時の
抵抗はほとんど生じない。なお、ドアが閉じると
リツプ部１ａの下面はドアサツシ外周面４１に、
リツプ部１ｂの先端はサツシ突縁４２の内面に、
ドアオープニングウエザストリツプ２はドアサツ
シ４の外周面に接してシール作用をなす。

次に、ドア吸出し時、サツシ４は第１図Ｃに示
すように矢印Ｙ方向、即ち外方へ斜め上方に移動
する。このときドアサツシ外周面４１はリツプ部
１ａの根元部１１を斜め上方へ押上げ、根元部１
１は基部１０とドアサツシ外周面４１との間に挟
まれた状態となり、ドアサツシ４の移動は阻止さ
れ、吸出し力が増加するほど、シール力は強くな
る。このとき、リツプ部１ｂおよびドアオープニ
ングウエザストリツプ２のシール力は若干低下す
るが、リツプ部１ａで強力にシールされるので、
車室内外は完全に遮断されるのである。なお、リ
ツプ部１ａは第１図Ｄに示すように断面Ｌ字形の
部分を有する中空状としてもよい。

次に第２図（第１図の−線に沿う位置での
断面を示す）によりフロントピラー側のシール構
造について説明すれば、第１図Ａに示すルーフサ
イドウエザストリツプ１およびドアオープニング
ウエザストリツプ２はフロントピラー５に沿つて
延びている。ドリツプレール６に取付けられたル
ーフサイドウエザストリツプ１のリツプ部１ａの
下面とこれに対向するサツシ４の外周面４１との
関係は第１図Ａの場合と実質的に同じで、いずれ
もドア開閉方向（矢印Ｘ方向）に沿う面を形成し
ている。

なお、本実施例のフロントピラー側のシール構
断では、ルーフサイドウエザストリツプ１以外に
更に他のリツプ状シール部３を最外部に設けてい
る。これはサツシ４の突縁４２ろ先端とフロント
ピラー５との間の隙間を閉じて風切音の発生を防
止するためのものである。

本構造においてドア開閉は矢印Ｘ方向になさ
れ、サツシ外周面４１とリツプ部１ａの下面とは
摺接する。ドア吸出し時には上記外周面４１はリ
ツプ部１ａと干渉する方向に移動し、リツプ部１
ａにてロツクされることによりそれ以上の移動は
阻止され、強力なシールがなされる。

以上説明したように本考案のドアのシール構造
では、ドアが吸出されるに伴つてシール力が強化
され、車室内外の遮断が完全になされるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の１実施例を示す
もので、第１図は第５図の−線に沿う断面を
示し、第１図Ａはドア閉時、第１図Ｂはドアが閉
じられる直前、第１図Ｃはドア吸出し時の状態を
それぞれ示し第１図Ｄは本実施例の変形例を示
す。第２図は第１図の−線に沿うドア閉時の
断面を示す図、第３図および第４図は従来例で、
第３図は第１図Ａに対応する部分の断面図、第４
図は第２図に対応する部分の断面図、第５図は自
動車の斜視図である。 １……ルーフサイドウエザストリツプ、１ａ…
…リツプ部、１１……根元部、１２……先端部、
２……ドアオープニングウエザストリツプ、４…
…ドアサツシ、４１……ドアサツシ外周面、４２
……ドアサツシ突縁、６……ドリツプレール、Ｘ
……ドア開閉方向、Ｙ……ドア吸出し方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車ボデー側面のドア開口と、外周面の外縁
   にドア開口縁ドリツプ部をおおう突縁を有するド
   アサツシとの間をシールするシール構造であつ
   て、ドア開口に沿つて取付けられる中空状のドア
   オープニングウエザストリツプと、ドリツプレー
   ルに取付けられる少くとも一本のシールリツプを
   有するルーフサイドウエザストリツプを設けたシ
   ール構造において、上記ルーフサイドウエザスト
   リツプは取付基部より断面ほぼＬ字形に屈曲して
   車外方向へ伸び下面がドア開閉方向に沿う面をな
   すリツプ部を備え、ドア閉時に上記リツプ部の下
   面と接触するドアサツシの上記外周面をドア開閉
   方向とほぼ平行な面に形成したことを特徴とする
   自動車ドアのシール構造。