JPH0136660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクラツチを油圧により断接するクラツ
チマスタシリンダの取付構造に関する。

一般に車輌のクラツチを操作する方式としては
索式と油圧式があり、この油圧式クラツチにはク
ラツチマスタシリンダが必要である。このクラツ
チマスタシリンダはクラツチペダルの機械的動作
を圧油の給排に変え、この圧油によりクラツチを
断接する装置である。通常、乗用車ではこのクラ
ツチマスタシリンダはクラツチペダル、アクセル
ペダルの配列するフロアの上部の車体に直接ボル
トで固定される。

しかし、このような取付構造が不向きな車輌も
あり、そのような場合には第１図に示される取付
構造でクラツチマスタシリンダが取り付けられ
る。即ち、図示するように、車輌の運転室下方の
インナパネルの下部１に下向に突設されたブラケ
ツト１ａ，１ｂに支柱２の上部が嵌め込まれると
共にボルト３にて固定される。また、この支柱２
にはクラツチペダル（図示省略）が傾動自在に枢
支されており、このクラツチペダルに連結するク
ラツチマスタシリンダ４がその上部に嵌め込まれ
ると共にボルト５，６にて固定されている。この
クラツチマスタシリンダ４にはクラツチチユーブ
が接続し、このクラツチチユーブを介しクラツチ
本体と連結するようになつている。一方、この支
柱２はその断面がコ字状で中空なため、ボルト３
の固定部内側にはボルト３の締付トルクを受ける
補強材（図示省略）が挿入される。

このように従来のクラツチマスタシリンダの取
付構造は車体の軽量化及びコスト低下に不利であ
つた。

本考案はクラツチマスタシリンダを上述した支
柱に取り付ける構造において、その構造を簡略化
して加工工数を削減し、コストダウンを図ること
を目的とするものであつて、その構成はインナパ
ネルの下部に設けられ一対の対向する脚部を有す
るブラケツトと、フロアとの間に一対の対向する
側壁を有する断面コ字形状の支柱が立設して固定
され、前記支柱の前記両側壁間にクラツチマスタ
シリンダを収容し、かつ前記支柱にクラツチペダ
ルを枢支したものにおいて、前記支柱の前記両側
壁を前記両脚部の外部または内部から互いに接合
せしめた接合部を形成し、前記クラツチマスタシ
リンダ上方の両側をボルトを介して前記各接合部
に固定し、さらに前記マスタシリンダ下方に前記
フロア形状に沿つた形状を有するロアブラケツト
を設けてなることを特徴とする。

以下、本考案のクラツチマスタシリンダの取付
構造を実施例に基づいて詳細に説明する。

第２図〜第４図に本考案の一実施例を示す。

図示するように、インナパネルの下部１１に設
けられるブラケツトは一対の対向する脚部１１
ａ，１１ｂを有する一方、インナパネルとフロア
１２の間には一対の対向する側壁１３ａ，１３ｂ
を有する断面コ字形状の支柱１３が立設されてい
る。この支柱１３の側壁１３ａ，１３ｂの間には
クラツチマスタシリンダ１６が収納されると共に
支柱１３にはクラツチペダル１５が枢支されてお
り、クラツチペダル１５によりクラツチマスタシ
リンダ１６が操作されるようになつている。更に
クラツチマスタシリンダ１６の下部はボルト１７
にて支柱１３に固定されている。

更に、本考案では、支柱１３の両側壁１３ａ，
１３ｂをブラケツト脚部１１ａ，１１ｂの内側か
ら互いに接合せしめた接合部を形成すると共にク
ラツチマスタシリンダ１６の上方の両側及び上記
接合部にボルト１４を貫通せしめて、これらを締
結した。一方、マスタシリンダ１６の下方である
支柱１３の下部にはフロア１２の形状に沿つた形
状を有するロアブラケツト１８を設けている。

上記構成を有する本考案のクラツチマスタシリ
ンダの取付構造は、インナパネルのブラケツト脚
部１１ａ，１１ｂと支柱１３とを固定するボルト
１４がクラツチマスタシリンダ１６の固定を兼用
しているため、従前の取付構造のように個別に固
定するものと比較して固定用のボルトを削減する
ことができ構造が単純となる。またこれに伴い、
従前では支柱１３の上部内側にボルト１４の締付
トルクを受けるための補強材が必要であつたが、
本考案ではクラツチマスタシリンダ１６がその締
付トルクを受けるため、補強材は不要になる。更
に、ロアブラケツト１８がフロア形状に沿つた形
状であるため、フロ１２の所定位置に簡単に位置
決めされ、取付作業がそれだけ容易となる。

以上、実施例に基づいて具体的に説明したよう
に、本考案のクラツチマスタシリンダの取付構造
は構造が簡略化したため、加工工数が削減すると
共にコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクラツチマスタシリンダの取付
構造の部分側面図、第２図〜第４図は本考案に係
り、第２図は、本考案のクラツチマスタシリンダ
の取付構造の側面図、第３図はその部分正面図、
第４図はその部分拡大側面図である。 図面中、１１はインナパネルの下部、１１ａ，
１１ｂはブラケツト、１２はフロア、１３は支
柱、１４，１７はボルト、１５はクラツチペダ
ル、１６はクラツチマスタシリンダ、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナパネルの下部に設けられ一対の対向する
   脚部を有するブラケツトと、フロアとの間に一対
   の対向する側壁を有する断面コ字形状の支柱が立
   設して固定され、前記支柱の前記両側壁間にクラ
   ツチマスタシリンダを収容し、かつ前記支柱にク
   ラツチペダルを枢支したものにおいて、前記支柱
   の前記両側壁を前記両脚部の外部または内部から
   互いに接合せしめた接合部を形成し、前記クラツ
   チマスタシリンダ上方の両側をボルトを介して前
   記各接合部に固定し、さらに前記マスタシリンダ
   下方に前記フロア形状に沿つた形状を有するロア
   ブラケツトを設けてなることを特徴とするクラツ
   チマスタシリンダの取付構造。