JPH0134193B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動二輪車の車体後部を覆うカバーに
係り、特に複数部片の組合せにより構成される車
体カバーの結合構造に関するものである。

従来技術 自動二輪車の車体後部を覆うカバー（通称リヤ
カウル）には、一体品として形成されたものと、
分割構造のものがある。分割構造体は、座席の下
方で後部車体の両側面を覆う車体後部側面カバー
（以下、リヤ・サイドカバーと称する）と、座席
の後方に位置する車体後部上面カバー（以下、リ
ヤ・カバーと称する）とで形成される。

発明が解決しようとする問題点 しかして、リヤ・サイドカバーとリヤ・カバー
を一体に結合する手段として、その一方に突起を
設けるとともに他方に係止口を設け、係止口に対
して突起を押込み嵌合させる凹凸嵌合構造を採用
すれば、螺子を用いた結合構造を採用した場合に
比してその組付けを迅速に行い得るものの、仮
に、予め車体に取付けたリヤ・サイドカバーの係
止口に、リヤ・カバーに設けた突起を押込み嵌合
させると、その押圧力で薄肉のリヤ・サイドカバ
ーが変形して終うおそれがある。

問題点を解決するための手段および作用 本発明の目的は、リヤ・サイドカバーとリヤ・
カバーとで形成される車体カバーを、車体に組付
ける際におけるリヤ・サイドカバーの変形を防止
する点にある。

本発明では、リヤ・サイドカバーと、その上辺
を覆うリヤ・カバーとを、凹凸押込み嵌合関係で
結合する該結合部分にて、リヤ・サイドカバーの
内壁に、後部泥よけの一部を、直接または他の部
材を介して当接せしめており、リヤ・カバーの上
辺に対して、リヤー・カバーを凹凸押込み嵌合さ
せる際、後部泥よけの一部がリヤ・サイドカバー
の上辺を内側から支える。

実施例 以下、第１図ないし第１９図に示した本発明の
一実施例について説明する。

第１図は自動二輪車１０の車体後部を左側から
見た概略図として示しており、車体フレームであ
る左、右一体のシートレール１２上に座席Ｓが載
置され、座席Ｓの下方に、後車輪RWを覆う前、
後のリヤ・フエンダー半体２０、車体両側面を覆
う左右一対のリヤ・サイドカバー３０が配設さ
れ、座席Ｓの後方で左、右一対のリヤ・サイドカ
バー３０およびリヤ・フエンダー半体２２を覆つ
てリヤ・カバー４０が配設されている。

ここで、リヤ・フエンダー半体２２、リヤ・サ
イドカバー３０、およびリヤ・カバー４０の形状
について説明する。

リヤ・フエンダー半体２２について（第２図
ないし第５図参照。但し、第２図はリヤ・フエ
ンダー半体２２の側面図、第３図、第４図はそ
れぞれ第３図における―線、―線矢視
図、第５図は第２図における―線断面図で
ある）： その前端部でリヤ・フエンダー半体２０の後端
部に連なるリヤ・フエンダー半体２２は、後車輪
RWを覆う基体２４と、基体２４の頂壁後半部に
立設された左、右一体の側立壁２６および該側立
壁２６，２６を一体に連結する後立壁２８とで形
成されている。後立壁２８の頂部左、右（側立壁
２６に連なる部分）には、第５図図示の如く複数
のリブを備えた受圧片が、後立壁２８に対して傾
斜角θ（但し、θ＜90度）で後方に突出して形成
されている。基体２４の後面には、ナンバープレ
ート支持板５０が取着され、後立壁２８には、後
部照明灯ないし方向指示灯が装着される。

リヤ・サイドカバー３０について（第６図な
いし第１２図参照。但し、第７図、第８図はそ
れぞれ第６図における―線、―線失視
図、第９図、第１０図はそれぞれ第６図におけ
る―線、―線断面図、第１１図は第１
０図におけるXI―XI線失視図、第１２図は第６
図におけるXII―XII線断面図である）： 座席Ｓの下方で、車体フレーム、リヤ・フエン
ダー半体２０，２２等の各部材を覆うリヤ・サイ
ドカバー３０は、その内壁前端部に、貫通孔を有
する螺着用突起３２を備えるとともに前、後部内
壁に、差し込み突起３４，３４を備えており、上
辺に、車体フレーム側の部材と嵌合する一対の切
欠き３６，３６が形成されている。前記差し込み
突起３４の先端部には割り溝３５が形成されてい
る。

また、後端部において、主壁３１から内方へ、
屈曲状に形成された上辺壁３８に、後記差し込み
突起４４を嵌入するための係止口３８Ａが形成さ
れ、該上辺壁３８の前、後下面に補強用リブ３９
が突設されている。

リヤ・カバー４０について（第１３図ないし
第１７図参照。但し、第１４図は第１３図にお
けるXI―XI線失視図、第１５図ないし第１
７図はそれぞれ第１３図における―線
断面図、―線失視図、―線断
面図である）： 座席Ｓの後方に位置してリヤ・フエンダー半体
２２の頂面および左、右のリヤ・サイドカバー３
０の上辺部を覆うリヤ・カバー４０は、その頂壁
４２の下面に、割り溝４６を有する左、右一対の
差し込み突起４４を備えるとともに前端に、座席
Ｓの後端部下方に進入する後端壁４８を備えてい
る。

リヤ・フエンダー半体２２、リヤ・サイドカバ
ー３０およびリヤ・カバー４０は、前記の様に形
成されており、螺着用突起３２部にて車体フレー
ム側部材に螺着され、差し込み突起３４部にて車
体フレーム側部材に押込み嵌合され、かつ切欠き
３６，３６部にて車体フレーム側部材（コ字状グ
リツプ杆１３）に嵌合された左、右一対のリヤ・
サイドカバー３０に対し、その上辺を覆つてリ
ヤ・カバー４０が装着されるがその装着状態は、
第１８図、第１９図（但し、第１９図は、第１８
図における―線断面図である）に示され
ている。

すなわち、リヤ・サイドカバー３０の上辺壁３
８に形成された係止口３８Ａに嵌着されたゴム製
グロメツトＧの貫通孔内にリヤ・カバー４０の差
し込み突起４４が嵌入し、グロメツトＧの下面が
リヤ・フエンダー半体２２に突設された受圧片２
９のリブに接している。

本実施例においては、前記のように上辺壁３８
の端縁部の下方に近接して受圧片２９が位置して
おり、グロメツトＧを介して差し込み突起４４を
係止口３８Ａ内に押込む際に、受圧片２９が上辺
壁３８の撓みを抑止するため、上辺壁３８の変形
が生ずることはない。しかも、受圧片２９は後立
壁２８に対して傾斜角θで突設されているのみな
らず、複数の受圧片２９を備えた剛構造部片であ
るから上方からの押圧力に対して強固である。

それ故、上辺壁３８に補強用リブ３９を設けて
はいなるものの、リヤ・サイドカバー３０全体を
厚肉の剛構造体として形成する必要はなく、車体
の軽量比と材料費の低減化を企図し得る。

また、リヤ・サイドカバー３０に対するリヤ・
カバー４０の装着は、単なる凹凸押込み嵌合によ
つて、これを行うため、車両の組立て作業能率が
向上する。

なお、前記実施例では、リヤ・カバー４０に差
し込み突起４４を形成し、リヤ・サイドカバー３
０に係止口３８Ａを形成したが、それぞれ逆の関
係で形成することも可能である。

発明の効果 以上の説明から明らかな様に、本発明では、リ
ヤ・サイドカバーと、その上辺を覆うリヤ・カバ
ーとを、凹凸押込み嵌合関係で結合する該結合部
分にて、リヤ・サイドカバーの内壁に、後部泥よ
けの一部を直接または他の部分を介して当接せし
めたため、リヤ・サイドカバーに対して、凹凸押
込み嵌合関係をもつてリヤ・カバーを装着する
際、リヤ・サイドカバーの上辺が後部泥よけの一
部で支えられ、該上辺の変形が可及的に防止され
る。また、かかる凹凸押込み嵌合関係を利用すれ
ば、リヤ・サイドカバーに対するリヤ・カバーの
装着を迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る車体カバーを
備えた自動二輪車の車体後部概略左側面図、第２
図は該自動二輪車におけるリヤ・フエンダー半体
の左側面図、第３図、第４図はそれぞれ第２図に
おける―線、―線失視図、第５図は第２
図における―線断面図、第６図は前記車体カ
バーを構成する左リヤーサイドカバーの側面図、
第７図、第８図はそれぞれ第６図における―
線、―線失視図、第９図、第１０図はそれぞ
れ第６図における―線、―線断面図、第
１１図は第１０図におけるXI―XI線失視図、第１
２図は第６図におけるXII―XII線断面図、第１３図
は前記車体カバーを構成するリヤ・カバーの左側
面図、第１４図は第１３図における―線
失視図、第１５図ないし第１７図はそれぞれ第１
３図における―線断面図、―線
失視図、―線断面図、第１８図は前記車
体カバーの組立て状態を示す概略図、第１９図は
第１８図における―線断面図である。 １０……自動二輪車、１２……シートレール、
１４……バツクステー、２０……リヤ・フエンダ
ー半体、２２……リヤ・フエンダー半体、２４…
…基体、２６……側立壁、２８……後立壁、２９
……受圧片、２９ａ……リブ、３０……リヤ・サ
イドカバー、３１……主壁、３２……螺着用突
起、３４……差し込み突起、３５……割り溝、３
６……切欠き、３８……上辺壁、３８Ａ……係止
口、３９……リブ、４０……リヤ・カバー、４２
……頂壁、４４……差し込み突起、４６……割り
溝、４８……前辺壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 座席の下方で、車体後部側面カバーおよび後
   部泥よけを車体に取着し、該両部材を、車体後部
   上面カバーで覆つて成る自動二輪車において、前
   記車体後部側面カバーと、その上辺を覆う前記車
   体後部上面カバーとを、凹凸押込み嵌合関係で結
   合する該結合部分にて、前記車体後部側面カバー
   の内壁に、前記後部泥よけの一部を直接または他
   の部材を介して当接せしめたことを特徴とする自
   動二輪車の車体カバー。