JPH0132905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、実用新案登録請求の範囲第１項の前
提概念に記載のロツク可能な昇降装置に関する。

ドイツ特許第1931012号公報（米国特許第
3711054号公報）から公知のこの種の昇降装置で
は、ガスばね部のケーシングの円筒形の外面が、
案内管と結合されている案内ブシユのなかで案内
されている。従つてガスばね部は、縦方向に位置
調整可能な担持要素の用を成しているばかりでな
く、回転可能な案内要素でもある。ピストン棒が
案内管の底板のなかで自由に回転可能に固定され
ているだけでなく、半径方向に十分な遊〓をもつ
て固定されているので、不時に変化する座面或は
テーブルの甲板の荷重方向に対応してガスばね部
を調整することができ、その結果ガスばね部が動
かなくなる心配はない。さらに、ガスばね部のピ
ストン棒を取り囲むパツキンが片側だけ荷重を受
けることがなく、その結果ガスばね部の気密性が
なくなつて機能しなくなる心配もない。即ちガス
ばね部は管状の円柱体に対して側方に柔軟に支承
され、その結果ピストン棒とシリンダとの間のト
ラブルや、シリンダと管状の円柱体との間のトラ
ブルは生じない。

この種のロツク可能な昇降装置は、これまで広
範囲にわたつてその優秀性が実証されてきた。

この種の昇降装置では、いすの座部またはテー
ブルの甲板の下面へのガスばね部のケーシングの
固定は、ガスばね部のケーシングの上部円筒形部
分を取り囲む締付け装置を用いて行なわれる。こ
れは、例えばドイツ特許第1931012号公報（米国
特許第3711054号公報）またはドイツ特許公開第
2836666号公報（米国特許第4283033号公報）から
公知である。さらに、ガスばね部のケーシングと
いすの座部或はテーブルの甲板の下面とを結合さ
せるために、ガスばね部が円錐形の固定部分を具
備することが知られている。この固定部分は、い
すの座部或はテーブルの甲板の下面に対応的に形
成されるボスに圧入される。この構成の有利な点
は、いすの座部或はテーブルの甲板と昇降装置と
を非常に簡単に結合させることができることで、
このことは特にこの種の家具を分解して発送し、
商店や消費者のもとで組立てるにあたつて有利に
作用する。このように固定部分を円錐形に構成す
ることは、ドイツ実用新案第7019918号公報（米
国特許第3790119号公報）から公知である。しか
しこの種の円錐形の差込み結合部の場合次のよう
な欠点がある。即ち固定部分とこれに対応するボ
スが、常に荷重を受けているため腐蝕し、従つて
結合を解くことが不可能になり、特に工具を用い
ても取りはずしが不可能になり、工具を用いれ
ば、案内管に対して摺動可能なガスばね部のケー
シングの表面を損傷させることになりかねないこ
とである。

本考案の課題は、従来のこの種の装置がもつて
いるすべての有利な特徴を備えた昇降装置を、ガ
スばね部がいすの座部或はテーブルの甲板から簡
単に取りはずされることができるように安いコス
トで形成することである。

上記の課題は、本考案によれば、実用新案登録
請求の範囲第１項の特徴部分によつて解決され
る。本考案の思想は、円錐形のボス等の適当な固
定要素を備える円錐形の固定部分を用いていすの
座部またはテーブルの甲板と簡単に結合可能な付
加的な管をガスばね部のケーシングの構成要素に
することである。この場合、ガスばね部を案内管
の底板から取りはずすことも必要であるという目
的のために、本来ならば外面に円筒形の簡単なケ
ーシングだけを必要とするにすぎないガスばね部
は、前記の付加的な管の下面に設けられる１つの
固定要素を取りはずした後に、該管から引き出さ
れる。ケーシングと該管とが半径方向に互いに固
く結合されているため、ケーシングとこの管は協
働して昇降装置全体の側面強度、即ち曲げ強さに
寄与する。これは実用新案登録請求の範囲第２項
の手段によつて特に簡単に実現され、同時に昇降
装置を非常に細身に構成することも保証される。
本考案によるこの手段によつて、装置全体の安定
性は著しく向上する。

実用新案登録請求の範囲第３項に記載の手段に
よつて、ガスばね部のケーシングと付加的な管と
の点圧着は生じず、同時にこの手段は、実用新案
登録請求の範囲第４項に対応して、操作押し棒を
操作するためのスライダを保持するために適用さ
れる。

付加的な管とガスばね部との取りはずし可能な
結合は、実用新案登録請求の範囲第５項から第７
項までに記載の手段によつて簡単に実現される。

いすの座部等を無段階に位置調整するためのロ
ツク可能な昇降装置はドイツ実用新案第1961656
号公報から公知であるが、この昇降装置は入れ子
式に互いに案内される２つの管から成り、その際
下部案内管は台脚と結合され、一方この下部案内
管のなかで案内される上部管は、座部の下に配置
される担持板と取りはずし可能に結合されてい
る。この入れ子式の円柱体のなかに縦方向に位置
調整可能なガスばね部が配置され、該ガスばね部
の上端は前記担持板とねじによつて結合されてい
る。ガスばね部のピストン棒は、案内管の底板と
ねじによつて結合されている。このような構成を
改良したものが、ドイツ特許第1931012号公報に
記載の昇降装置である。この昇降装置では、ガス
ばね部自体の固定部分がこの種の装置に応じて前
提された態様でいすの座部等と結合可能であるた
め、この公知の装置は、本考案による解決法を励
発するものではなかつた。

次に、本考案を実施例に関し添付の図面を用い
て説明する。

添付の図面に図示した、いすまたはテーブルの
甲板の高さを無段階に調整するためのロツク可能
な昇降装置は、下部案内管１を有する。下部案内
管１はほぼ円筒形に形成され、その下部領域に下
方へ円錐形に先細りになつている部分２を有し、
この部分２は、台架４の対応するボス３のなかで
受容するために用いられる。案内管１は下端付近
に底板５を具備し、該底板５は、昇降装置全体の
中心縦軸線６に対して、従つて案内管１の中心縦
軸線に対して同心の開口部７を有する。同様に縦
軸線６と軸線平行に、縦方向に位置調整可能で液
圧的にまたは空気圧的にロツク可能なガスばね部
８が設けられている。ガスばね部８の円筒形のケ
ーシング９は、案内管１の上部領域にあり且つ該
案内管１から上方へ突出している。一方ガスばね
部８のピストン棒１０は、ケーシング９から下方
へ突出し底板５と取りはずし可能に結合されてい
る。さらにピストン棒１０の自由端は、直径を小
さくした栓部１１として形成され、該栓部１１に
はスラスト玉軸受１２が配置されている。スラス
ト玉軸受１２の上部レース１３は、栓部１１とピ
ストン棒１０の間の移行部に形成される環状つば
１４によつて支持され、一方下部レース１５は、
底板５によつて支持されている。さらに栓部１１
には固持リング１６が装着され、該固持リング１
６は、下部レース１５が底板５によつて支持され
ていない場合でも、スラスト玉軸受１２を図示し
た位置で保持する。

栓部１１は、十分の数ミリメートルないし１ミ
リメートルの十分な半径方向の遊〓をもつて開口
部７を貫通し、その結果ピストン棒１０が案内管
１に対して半径方向へ締付けられることはない。
外側から、即ち下側から栓部１１に座金１７が装
着され、該座金１７の直径は開口部７の直径より
も大きい。これに対して固定要素１８も装着さ
れ、その結果ガスばね部８のピストン棒１０が案
内管１と軸線方向に不動に、しかし取りはずし可
能に結合されている。ピストン棒１０上には、ゴ
ムから成るほぼ環円筒形の終端状態ダンパまたは
止めダンパ１９があり、該ダンパ１９はその下面
によつてスラスト玉軸受１２の上部レース１３に
当接している。

ガスばね部８の円筒形の貫通ケーシング９は、
同様に円筒形の管２０のなかにほぼ全長にわたつ
て押込みばめによつて配置され、即ちケーシング
９と管２０の半径方向の遊〓は、百分の数ミリメ
ートルないし最大で十分の一ミリメートルまたは
十分の二ミリメートルである。従つてこの遊〓
は、ガスばね部８のケーシング９を管２０のなか
へ挿入することができるような、或は管２０から
引き出すことができるような大きさである。この
場合同時にケーシング９は管２０のなかで半径方
向に案内され保持されている。ガスばね部８の取
りはずし可能な部分を形成する管２０は、ケーシ
ング９を越えて突出する上部領域に、円錐形に先
細りになつている固定部分２１を具備している。
固定部分２１は、対応的に形成されるボス２２を
備え簡単につくられる固定差込み結合部を形成す
るために用いられる。ボス２２は、いす、安楽い
す、テーブルの甲板等の下面に固定されている。
固定部分２１への移行部には、管２０のなかに管
２０の先細りに対応して形成されるスリーブ２３
が配置され、即ち該スリーブ２３は、固定部分２
１の方向に軸線方向に固設されている。このスリ
ーブ２３によつてガスばね部８のケーシング９は
軸線方向に固持されている。

ケーシング９は、レリーズ可能な固定要素２４
によつて管２０のなかで他の側から、即ち管２０
の下部自由端から固持されている。この固定要素
２４は、第１図に図示した実施例では、管２０の
長手方向に対して傾斜した複数個の弾性的な突片
を有するリングとして形成されている。このリン
グは、管２０の下端からケーシング９に当接する
まで管２０のなかへ挿入されてケーシング９を係
止するが、挿入後は前記突片が管２０の内面で逆
鉤状に支持されるので、管２０から抜け落ちない
ようになつている。一方ねじ回し等の工具を用い
て、管２０の内面で支持されている前記突片を下
方へ押してやればリングを管２０から簡単に取出
すことができ、それによつてケーシング９と管２
０の結合を簡単に解くことができる。ねじ等の他
の固定要素を用いることももちろん可能である。

ガスばね部８のレリーズ可能な部分を形成して
いる管２０は、通常どおり軸線方向に移動可能に
案内管１のなかに装着されており、このために案
内管１は、その上部領域に適当なプラスチツクか
ら成る案内ブシユ２５を具備している。これに対
して案内管１と管２０は鋼から成る。またガスば
ね部８のケーシング９も鋼から成り、一方スリー
ブ２３は、例えばダイカスト亜鉛のような軟性物
質から成る。

ガスばね部８の縦方向調整は、従つて昇降装置
全体の高さ調整は、ガスばね部８のピストン棒１
０とは逆の側の上部端部から突出する操作押し棒
２６の操作によつて行なう。この操作押し棒２６
は、適宜な縦方向調整を可能にするためにケーシ
ング９内へ押し入れられる。このために、上方へ
円錐形に先細りになつている固定部分２１のなか
に、該固定部分２１から上方へ突出するスライダ
２７が配置している。スライダ２７は、当接面２
８によつて操作押し棒２６に当接する。さらにこ
のスライダ２７は、保持フインガー２９を具備
し、これらの保持フインガー２９は、スリーブ２
３に取付けられている対応するリング３０の後方
へ弾性的に係合し、それによつて、当接面２８は
操作押し棒２６に対して十分に遊〓なしに当接
し、スライダ２７が固定部分２１から不慮に抜け
出たり引き出されたりすることが阻止されてい
る。操作押し棒２６の操作は、ボス２２のなかに
通常の態様で装着されている施回可能な操作レバ
ー（図示せず）を用いて行なう。この操作レバー
は、例えばドイツ実用新案第7019918号公報（米
国特許第3790119号公報）から公知なように、ス
ライダ２７の外面３１に接触する。

ガスばね部８を交換するには、下部固定要素１
８を取りはずすだけでよい。続いて、いすの座
部、テーブルの甲板等を管２０及びガスばね部８
ともども案内管１から引き出すことができる。次
に、固定要素２４を前述どおりに取りはずした
後、ガスばね部８を管２０から引き出すことがで
きる。管２０とボス２２の結合を解く必要はな
く、即ちいすまたはテーブルの甲板の固定要素と
管２０との結合を解く必要はない。スリーブ２３
は荷重を受けて次のように変形し、即ち管２０の
なかに固く座着し、少なくとも分解時や再組立て
時に抜け落ちることがないように変形する。操作
押し棒２６をケーシング９内に挿入するために、
スライダ２７の保持フインガー２９をスリーブ２
３の内面に沿つて滑動させることができることは
もちろんである。

第２図に図示した他の実施例では、ガスばね部
のピストン棒出口側の端部に、有利には該端部に
通常どおり設けられる案内・パツキン栓部に、環
状つば３２が形成されている。この環状つば３２
には組立て時に、弾性リングとして形成された固
定要素２４が係合する。組立ての際、管２０のな
かへガスばね部８のケーシング９を挿入し、環状
つば３２を外側へ曲げることによつて該環状つば
３２と固定要素２４とを係合させることにより、
固定要素２４をガスばね部８に対して軸線方向に
移動不能に該ガスばね部８と結合させることがで
きる。このようにすると、分解時にガスばね部８
を管２０から引抜く際に固定要素２４もガスばね
部８と一緒に連行されるので、再度組立てる場合
に新ためて固定要素２４を管２０に挿入する手間
を省くことができる。最初の組立ての際のガスば
ね部８の管２０内への取付けは、次のようにすれ
ば容易になる。即ちガスばね部８を管２０のなか
に押し入れた後、ゴムハンマーなどの軟かいハン
マーを用いてピストン棒１０の栓部１１を叩き、
ガスばね部８の円筒形のケーシング９を管２０の
なかに完全に打ち込み、固定要素２４を図面に図
示したロツク位置へもたらすようにすることであ
る。

或は、固定要素２４を片側だけに設け、該固定
要素２４を環状つば３２の下へ横に移動せしめる
ことも二者択一的に可能である。このような構成
にすれば、ガスばね部８を管２０から取りはずし
た後、固定要素２４を簡単に交換することができ
る。

管２０の横断面を非丸形にすることももちろん
可能である。この場合少なくとも３角形の横断面
にするべきで、合目的には６角形または８角形の
横断面にするのがよい。この場合案内ブシユ２５
に、対応する横断面をもたせる必要がある。この
ように管２０をガスばね部８とともに案内管１に
対して回転不能にすれば、スラスト玉軸受１２を
設ける必要はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による昇降装置の１実施例の部
分縦断面図、第２図は他の実施例の部分断面図で
ある。 １……案内管、８……ガスばね部、９……ケー
シング、１０……ピストン棒、２０……管、２１
……固定部分、２３……スリーブ、２４……固定
要素、２６……操作押し棒、２７……スライダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) いすの座部、テーブルの甲板等の家具構成要
   素を無段階に位置調整するためのロツク可能な
   昇降装置であつて、長手方向に位置調整可能で
   且つロツク可能なガスばね部８と、家具の台脚
   ４で支持され、ガスばね部８を長手方向に移動
   可能に且つ側方に位置ずれしないように案内し
   ている案内管１と、ガスばね部８を前記家具構
   成要素のボス２２に長手方向に不動に固定する
   ための固定部分２１とを有し、ガスばね部８
   が、ケーシング９と、ガスばね部８を長手方向
   に位置調整するための操作押し棒２６であつて
   ケーシング９の一端から同軸に前記固定部分２
   １のなかへ突出している操作押し棒２６と、ケ
   ーシング９の他端から同軸に突出し前記案内管
   １の底板５と取りはずし可能に固定されるピス
   トン棒１０とを有している前記ロツク可能な昇
   降装置において、ガスばね部８のケーシング９
   が管２０のなかに側方に位置ずれしないように
   収納され、管２０の、ケーシング９の前記一端
   を越えて突出している部分が前記固定部分２１
   を形成していることと、ケーシング９は、前記
   一端にて、固定部分２１の内面に固定される止
   め部２３によつて係止され、且つ前記他端に
   て、管２０のなかへ出し入れ可能で管２０の内
   面で支持される固定要素２４によつて係止され
   ていることとを特徴とする前記ロツク可能な昇
   降装置。 (2) ガスばね部８のケーシング９が押込みばめに
   よつて管２０のなかに配置されていることを特
   徴とする、実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のロツク可能な昇降装置。 (3) 前記止め部が、管２０とケーシング９の少な
   くともどちらか一方よりも軟かい物質から成る
   スリーブ２３によつて形成されていることを特
   徴とする、実用新案登録請求の範囲第１項また
   は第２項に記載のロツク可能な昇降装置。 (4) 固定部分２１が、該固定部分２１の内面に沿
   つて摺動可能に固定部分２１で支持されるスラ
   イダ２７を有し、該スライダ２７は、前記操作
   押し棒２６に当接しており、且つケーシング９
   とは逆の側への摺動方向にてスリーブ２３によ
   つて係止可能であることを特徴とする、実用新
   案登録請求の範囲第１項から第３項までのいず
   れか１つに記載のロツク可能な昇降装置。 (5) 固定要素２４が、管２０の長手方向に対して
   傾斜した弾性的な突片を有するリングとして形
   成されていることを特徴とする、実用新案登録
   請求の範囲第１項または第２項に記載のロツク
   可能な昇降装置。 (6) 固定要素２４が弾性リングとして形成され、
   且つ軸線方向に移動不能にガスばね部８と結合
   されていることを特徴とする、実用新案登録請
   求の範囲第１項または第２項に記載のロツク可
   能な昇降装置。 (7) 固定要素２４がねじであることを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項に記載のロツク可能な昇降装置。