JPH0131578Y2 - - Google Patents

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JPH0131578Y2
JPH0131578Y2 JP15875181U JP15875181U JPH0131578Y2 JP H0131578 Y2 JPH0131578 Y2 JP H0131578Y2 JP 15875181 U JP15875181 U JP 15875181U JP 15875181 U JP15875181 U JP 15875181U JP H0131578 Y2 JPH0131578 Y2 JP H0131578Y2
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valve
equalizer
hydraulic pressure
pair
pistons
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両の後輪荷重の変化に応答して制
御特性を変える液圧制御弁に係り、特に互に独立
して配管された二系統の液圧回路上に設けられ
て、車両のリヤブレーキに供給される液圧を制御
するものに関する。
車両の左右リヤブレーキに制動液圧を導く液圧
回路を、互に独立な二系統のものとし、且つこれ
ら回路途上に制御弁を設けて各リヤブレーキに供
給される液圧を制御することが行なわれている。
これは左右リヤブレーキ或いはこれにつながる液
圧回路の一方が故障した場合において尚他方のブ
レーキの作動を確保すること、及び車両の後輪荷
重の変化に応じて適正な液圧をリヤブレーキに供
給することによつて制動力を前後輪に適正に配分
し、以て車両制動時の所謂スキツド現象の発生を
防止することを目的とするものである。かかる制
御弁の一種に、上記二系統の液圧回路にまたがつ
て設けられたハウジングと、同ハウジングに収容
され且つその一端がこれから突出させられた一対
のバルブピストンとを備え、これら各ピストンの
互に独立した作動によつて左右のリヤブレーキに
制御された液圧を供給するものが知られている。
即ち、同制御弁においてはバルブピストンがハウ
ジングから押出される方向に往動させられるとき
にその弁部を閉じてリヤブレーキの液圧上昇を阻
止するとともに、その反対方向に復動させられる
ときに同弁部を開いて液圧の上昇を許容すること
によつてリヤブレーキに供給される液圧を一定の
比率で減圧制御するのである。この種制御弁には
一対のバルブピストンの前記突出側端部に当接す
るイコライザが備えられており、このイコライザ
は両バルブピストンの中間に配置された枢軸のま
わりに揺動可能とされることによつて両バルブピ
ストンの製作誤差等に基づく作動ストロークの差
を吸収し、以て左右リヤブレーキに供給される液
圧を均等化するのである。
ところで、この種形式の制御弁においては供給
液圧が設定された一定値に達したところで一対の
バルブピストンに上記制御動作を行なわせるべ
く、イコライザを介してこれらをハウジングに押
込む方向に付勢する付勢力発生手段が必要となる
のであり、またその液圧制御開始圧力をリヤ側の
荷重に応答させる場合にはその付勢力を同荷重に
応答して変化させる荷重応答手段が必要になる。
そして更に、互に独立した二系統の液圧回路の一
方が故障した場合において、他方の系統に接続さ
れたブレーキの制動力を高めるべく、正常な側の
系統のバルブピストンへの付勢力を増大させ、且
つその状態で尚制御動作を行なわせる場合には、
上記イコライザの揺動をある一定角度で阻止する
とともにイコライザを同角度位置でバルブピスト
ンの軸心方向に沿つて移動させる手段が必要とな
る。
そしてこれら各手段を上記制御弁に備え付ける
場合にはその構造が複雑となつてコストの増大を
もたらす他、製作誤作の累積、作動精度の低下を
招き、故障率も高くなるなど種々の不具合を惹起
するおそれがある。
本考案はこのような事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、上記機能
を備えて正確に作動し得る荷重応答式の液圧制御
弁をできる限り簡単な構造でコンパクト且つ安価
に構成することにある。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。
第1図は所謂X字配管された、互に独立な二系
統の液圧回路とこれらにまたがつて配設された荷
重応答式減圧弁、すなわちロードセンシテイブプ
ロポーシヨニングバルブ(以下LSPVと略す)を
示すものであり、図において10はマスタシリン
ダで、ブレーキ操作部材12の踏み込みにより独
立な2つの加圧室14,16に同じ高さの液圧を
発生させる。一方の加圧室14に発生した液圧は
管路18,20,22によつて左側のフロントホ
イールシリンダ24及び右側のリヤホイールシリ
ンダ26へと伝達され、また他方の加圧室16に
発生した液圧は管路28,30,32によつて右
側のフロントホイールシリンダ34及び左側のリ
ヤホイールシリンダ36へと伝達される。そして
これらリヤ側のホイールシリンダにつながる管路
の途中にLSPV38が配設され、右及び左側のリ
ヤホイールシリンダ26,36に供給される液圧
の制御が行なわれるようになつている。
LSPV38は車体に取付けられたブラケツト4
0(第2図参照)に固定されるとともに、1つの
ハウジング本体42の内部に互に独立な2つのバ
ルブ部44,46を備え、これらバルブ部44,
46は上記2つの液圧回路の各一方に接続されて
いる。一方のバルブ部44は管路18に接続され
て加圧室14に連通する入口ポート48と、管路
22に接続されて右側リヤホイールシリンダ26
に連通する出口ポート50とを有している。バル
ブ部44の内部には段付穴52が連通路54,5
6を介してこれらポート48,50に連通する状
態で形成されており、その内部にバルブピストン
58がその頭部側の端面が段付穴52の底面に当
接し、また脚部側の端部がハウジング本体42か
ら突出した状態で収容されている。段付穴52の
開口近傍にはスリーブ60が嵌合され、このスリ
ーブ60の中央円穴62にバルブピストン58の
脚部が摺動可能に嵌合され、以て段付穴52の中
空部が液室として構成されている。尚、スリーブ
60の内側端部に形成された凹部にはシール部材
66が、またスリーブ60の中央外周部にはOリ
ング68が嵌め込まれており、夫々バルブピスト
ン58とスリーブ60及びスリーブ60とハウジ
ング本体42間の液密を保持している。そしてシ
ール部材66はその内側においてスリーブ60に
固定されたシールカバー70により離脱防止さ
れ、またスリーブ60自体はその外側端部におい
てハウジング本体42の溝に嵌め込まれたスナツ
プリング72によつて離脱防止が為されている。
スリーブ60とバルブピストン58の脚部とで
開口を塞がれることによつて形成された上記液室
は、カツプ状の弾性体で形成されて段付穴52の
段付部に配設された弁座74を境として入口ポー
ト48に連通する入口室76と、バルブピストン
58の連通孔80を経由して出口ポート50に連
通する出口室78とに区画されている。入口室7
6と出口室78とはバルブピストン58頭部に形
成された弁子82がこの弁座74から離間してい
るときに連通状態にあり、逆に弁子82がバルブ
ピストン58の移動によつて弁座74に着座させ
られるときその連通が遮断される。
尚、他方のバルブ部46については、バルブピ
ストン58と平行に配設されたバルブピストン8
4を有して一方のバルブ部44と対称的に構成さ
れており、各部材の構成は上記詳述した一方のバ
ルブ部44と同様であるので図示、及び詳しい説
明は省略する。
これら二つのバルブ部44,46を内蔵するハ
ウジング本体42の下側には、固定用フランジ8
6を備えたカバー88が、バルブピストン58,
84の突出側端部を覆う状態で配置されるととも
に、その固定用フランジ86を貫通してハウジン
グ本体42に締込まれたボルト90により固定さ
れている。カバー88は第2図及び第3図から明
らかなように大径の丸穴92を有する第1円筒部
94及び小径の丸穴96を有する第2円筒部98
を有して横断面形状が8の字形状を為すように構
成されるとともに、夫々の円筒部の軸心を含む平
面が上記一対のバルブピストンの対称面となるよ
うな方向に配置されている。第1円筒部94の内
部にはその丸穴92と略同径の円板状イコライザ
100がその上面において一対のバルブピストン
58,84の前記突出側端面に当接する状態で配
置されている。イコライザ100には厚さ方向の
中央部においてこれを直径方向に貫通する貫通穴
が形成されており、この貫通穴に棒ばね102が
挿通され、イコライザ100はこの棒ばね102
によつて揺動可能に支持されるとともに、同ばね
102によつてバルブピストン58,84をハウ
ジング本体42に押込む方向(第1図中上方)に
付勢されている。即ち、本実施例においては棒ば
ね102がイコライザ100を支持する軸部材と
同イコライザ100を付勢するばね部材とを兼ね
ているのである。このイコライザ100の外周面
は外側に向つて凸となるような丸味が付けられて
おり、且つその曲率半径は丸穴92の半径と略同
じとされて、イコライザ100がスムーズに揺動
し得るようにされている。尚、イコライザ揺動時
においてこれに当接するバルブピストン58,8
4のイコライザ100に対する当接点が変化しな
いように、バルブピストン58,84の端部にも
所定曲率の丸味が付けられている。イコライザ1
00の下面中央部には棒状突起104が形成され
ており、この棒状突起104は第1円筒部94の
下側段付部に圧入固定された円輪状のストツパプ
レート106の中央円穴108内に挿通され、イ
コライザ100が一定限度以上傾くのが防止され
ている。突起104とこれに対向する穴108の
周壁との間隔は、一対のバルブピストン58,8
4の作動ストローク誤差に基づいてイコライザ1
00が回動するときこれによつて突起104と周
壁とが当接せず、かつ、二系統の液圧回路の片方
の故障に基づいて一方のバルブピストンが作動し
なくなり、これによつてイコライザ100に他方
のバルブピストンの作用力のみが働いたときには
両者が当接することによつて更なる回動が阻止さ
れるに適した値で選定されている。
イコライザ100及びこれに当接するバルブピ
ストン58,84を付勢する上記棒ばね102
は、一対のバルブピストン58,84の丁度中間
位置を通つて前記第1,第2円筒部94,98の
2軸心を結ぶ方向に配置されている。即ち、棒ば
ね102はその軸心が、一対のバルブピストン5
8,84の対称面上を両ピストン58,84の2
軸心を含む平面に略直交する方向に延びる向きに
配置され、これによつて棒ばね102の付勢力を
一対のバルブピストン58,84に均等に作用さ
せるようになつている。棒ばね102は、一端が
第1円筒部94と第2円筒部98との境界部に設
けられた切欠き溝110を通つて第2円筒部98
へと突入するとともに、他端側は第1円筒部94
の側壁に形成された貫通穴112を通つて外側へ
と突出している。
第2円筒部98の内部にはこれと略同径のボー
ル114が収容され、このボール114はその球
心を通る貫通穴において棒ばね102の一端部と
係合している。棒ばね102のこの係合端部には
大径の頭部116が形成されて両者の相対位置が
ずれないようにされるとともに、頭部116の端
面は球面とされ棒ばね102のボール114の球
心を中心とするスムーズな回動を確保している。
ボール114は第2円筒部98の下側からこれに
ねじ込まれたアジヤステイングボルト118によ
つて支持されるとともに、その被支持位置が同ボ
ルト118のねじ操作によつて上下に調整される
ようになつている。尚、ボルト118の非突入側
の端部には工具係合用の溝120が設けられ、ま
た同端部近傍にはボルト118の緩み止めのため
のロツクナツト122が螺合されている。
一方、第1円筒部94から外側へと突出した棒
ばね102の他端部は、第4図に示すようにボー
ルジヨイント124を介してリヤ側のばね下部材
としてのロアアーム126に固定され、リヤ側の
荷重変動に基づくロアアーム126の車体に対す
る相対的な上下動がそのまま棒ばね102の撓み
量の変化、即ち上記バルブピストン58,84に
対する付勢力の変化となるように構成されてい
る。ボールジヨイント124はボール128とこ
れを回転可能に抱くソケツト130とを備え、ボ
ール128は球心を通る貫通穴を備えてこの貫通
穴に挿通された棒ばね102端部を摺動可能に支
持し、ソケツト130はこの棒ばね102の突入
を許容する円錐台状の開口132と下方に延び出
すスタツド部134とを有し、このスタツド部1
34がボルト136によりロアアーム126に固
定されている。尚、138は棒ばね端部の摺動を
許容する空間を有してその摺動部分を覆うカバー
であり、140はその反対側において塵埃の侵入
を防止するダストブーツである。
次に、以上のように構成された上記制御弁の作
用について説明する。
ブレーキ操作部材12が踏み込まれると、マス
タシリンダ10の加圧室14,16に夫々等しい
制動液圧が発生させられる。加圧室14の液圧は
管路18及び管路20を経て左側のフロントホイ
ールシリンダ24へと伝えられる。この液圧はま
た管路18を経て入口室76に導かれ、更に出口
室78、バルブピストン58の連通孔80及び出
口ポート50を経て管路22へと送られて後、右
側のリヤホイールシリンダ26へと供給される。
マスタシリンダ10の加圧室16に生じた液圧も
同様にして右側のフロントホイールシリンダ34
及び左側のリヤホイールシリンダ36へと伝達さ
れ、以て車両の制動が行なわれる。尚、バルブ部
46における作用はこれと対称なバルブ部44に
おけると同様であるので、以下一方のバルブ部4
4の作用を中心として説明する。
ブレーキ操作部材12が更に踏み込まれると、
バルブ部44における入口室76の液圧は引き続
いて高められ、この液圧は前述した経路で各ホイ
ールシリンダへと伝えられるが、同液圧は段付穴
52に収容されたバルブピストン58に対してこ
れをハウジング本体42から押出す方向の力とし
て作用する。但しこの時点においてはピストン5
8には棒ばね102の付勢力が一定の大きさで作
用しているため、ピストン58が移動させられる
ことはない。入口室76の液圧が更に高まつてこ
の液圧に基づく上記押出し力が棒ばね102によ
る付勢力に打勝つに至ると、バルブピストン58
はイコライザ100を第1円筒部94の丸穴92
の周壁面に沿つて下方に摺動させ且つ棒ばね10
2を撓ませながらハウジング本体42から押出さ
れる方向に移動する。このとき他方のバルブピス
トン84にも同様の力が作用するからイコライザ
100が大きく回動させられることはない。即ち
イコライザ100は当初の姿勢をほぼ維持しつつ
そのまま下方へと平行移動させられる。バルブピ
ストン58が移動してその弁子82が弁座74に
着座するに至ると、ここに入口室76と出口室7
8との連通が遮断される。このときの液圧が液圧
制御開始圧力、即ち所謂折点液圧となるもので、
その大きさは上記棒ばね102による付勢力の大
小によつて定まる。弁子82と弁座74とが密着
して入口室76と出口室78とが遮断されると、
加圧室14において増大する液圧は入口室76に
のみ伝えられ、出口室78には伝えられない。即
ち右側のリヤホイールシリンダ26には増大する
液圧はそのままは供給されないのである。入口室
76の液圧が更に高まると、バルブピストン58
は再びハウジング本体42に押し込まれる方向に
移動させられて入口室76の液圧が再び出口室7
8へと伝えられる。するとバルブピストン58は
増大した出口室78の液圧によつて再び前記とは
逆の方向に移動させられて弁子82を弁座74に
密着させ、連通を断つ。そしてバルブピストン5
8は以後棒ばね102による付勢力及び入口室7
6における液圧に基づく押込み力と、出口室78
における液圧に基づく押出し力とが均衡するよう
に移動してよく知られた液圧制御動作を成し、以
て右側のリヤホイールシリンダ26に所定比率で
減圧された液圧を供給するのである。
以上、バルブ部44の動作を棒ばね102の付
勢力が設定値において一定とした場合について述
べたが、上記制御弁においては前述のようにこの
付勢力は車両の後輪荷重の変化に応答して増減す
るように構成されている。例えばリヤ側の荷重が
大きくなればロアアーム126は車体に固定のハ
ウジング本体42に対して相対的に上昇し、これ
によつて棒ばね102のロアアーム126に対す
る連結端部が持上げられる。その結果棒ばね10
2のバルブピストン58,84に対する付勢力は
ロアアーム126の上昇の程度、即ち後輪荷重の
増大の程度に応じて増大し、これとともに上記折
点液圧が上昇する。これらの関係は荷重が減少し
た場合においても同じであり、以て荷重の大小に
応じて適正な液圧が各リヤホイールシリンダに供
給されて車両が適正に制動されるのである。
尚、かかる折点液圧を規定する棒ばね102の
付勢力、即ち棒ばね102とバルブピストン5
8,84との相対的な位置関係は車両組付け時に
おいて各車両毎に一様ではない。構成各部品の組
付け位置に多少のばらつきを生ずるのが普通だか
らである。この場合には、アジヤステイングボル
ト118を徴調整することによつて棒ばね102
の高さ位置、即ちその付勢力を上記折点液圧が適
正値となるよう調整することができる。
アジヤステイングボルト118を主体とする上
記付勢力調整手段は、棒ばね102におけるロア
アーム126への連結部に設けることも可能であ
る(むしろそうすることの方が普通である)が、
本装置においてはこれがバルブピストン58,8
4に近いカバー88に設けられることにより次の
ような利点が生ずる。即ち、ロアアーム等ばね下
部材への連結部分で棒ばね102の位置を調整す
る場合には、同部分はバルブピストン58,84
への距離が遠いことからその調整操作量も多く、
作業もし難いのに対し、本装置においてはその調
整量が微少ですみ、これを迅速に為し得る利点を
有するのである。
ところで一対のバルブピストン58,84はそ
の作動ストローク(ハウジング本体42からの突
出量)が同一となるように設計されているが、製
作誤差等によつて各突出量は必ずしも同一でな
い。例えばバルブピストン84の弁子が弁座に着
座した状態において尚他方のバルブピストン58
の弁子82が弁座74に着座するに到らない場合
がある。この場合、バルブ部44における出口室
78の液圧は他方のそれよりも大きくなつてバル
ブピストン58は尚引き続きハウジング本体42
から押出され、これに伴つてイコライザ100を
第1図中反時計回りに回動させる。イコライザ1
00は2つのバルブピストン58,84に作用す
る押出し力が均合う位置で停止し、この状態でこ
れら2つのバルブピストン58,84に付勢力を
作用させる。即ち、イコライザ100は一対のバ
ルブピストン58,84の作動ストロークの誤差
を吸収して2つのバルブ部における各液室の圧力
を均等化する作用を為す。この結果両バルブ部4
4,46において互に等しい折点液圧、液圧制御
特性が得られて左右一対のリヤブレーキが等しく
作動させられるのである。
次に、独立した二系統の液圧回路の一方に万一
故障が発生した場合、例えば第1図において管路
28に液漏れが生じた場合には、バルブ部46に
は液圧は供給されず今一方のバルブ部44にのみ
液圧が供給される。この結果バルブピストン58
への押出し力は同ピストン58の側においてのみ
作用し、このためイコライザ100はその棒状突
起104がストツパプレート106に当接するに
到るまで第1図中反時計回りに大きく回動させら
れる。イコライザ100はこの状態で上下方向に
摺動させられてバルブピストン58の液圧制御動
作を可能とするが、この際バルブピストン58に
加えられる棒ばね102の付勢力は、液圧回路が
二系統とも正常であり、従つてその付勢力が一対
のバルブピストンに分割される場合に対してほぼ
2倍の値となる。即ちバルブ部44における液圧
制御開始圧力は正常時に比べて約2倍となり、右
側のリヤホイールシリンダ26にはそれだけ高い
液圧が伝達されて液圧回路故障時に不足し勝ちな
制動力が補われるのである。
このように、上記制動弁においてはイコライザ
を支持する機能、イコライザをバルブピストンに
向けて付勢する機能、この付勢力をリヤ側の荷重
の変動に応答させる荷重応答機能がすべて一本の
棒ばねによつて果されているため、全体として部
品点数の少ない簡素な構造となり、制御弁がコン
パクト化されて車両における設置スペースが節約
されるのである。また同時に制御弁自体が安価と
なる他、構成各部材の製作誤差の累積、故障率も
低下して作動の精度が高められるなど種々の利点
が生ずるのである。
尚、上記制御弁は製作、組付けにおいても簡単
である。カバー88における2つの中空部はいず
れも簡単な丸穴加工によつて形成されるととも
に、同中空部に収容されるボール114及びイコ
ライザ100はこれらに棒ばね102を挿通した
状態で各中空部に嵌め込むだけでカバー内の所定
位置にそのままセツトされる。
また更に、上記制御弁は棒ばね102における
ロアアーム126への連結部においても次のよう
な特長を有している。棒ばね102はその撓み量
の変化とともに図中水平方向にその長さを変化さ
せるため、これを弾性変形可能な状態に位置固定
の部材で支持する場合にはその一端を単に回動可
能に支持するのみでは足りず長手方向への移動を
許容しなければならない。そのための手段として
は通常棒ばね端部を2つのボールジヨイントを介
して固定部材に連結するか、又は車両の懸架装置
に用いられているようなシヤツクル機構を介して
同固定部材に連結するかの手段が採用される。と
ころがこのような支持手段を用いる場合には部品
点数が増大してその構造も複雑となり価格も高く
なる。しかしながら上記連結機構は棒ばね102
端部をボール128によつて摺動可能に支持する
ことで単一のボールジヨイントによる支持を可能
としている。これによつて部品点数の削減、コス
トの低減が達せられ、更に制御弁のコンパクト化
に寄与するなどの利点が生ずるのである。
次に、本考案の他の実施例を第5図乃至第7図
に基づいて説明する。
第5図においてバルブ部44におけるバルブピ
ストン142は前記実施例に比べてその長さが短
くされており、そしてその不足分を補うように、
両端に所定曲率の丸味が付けられた伝達ロツド1
44がその一端部がハウジング本体42から突出
した状態でバルブピストン142とイコライザ1
46との間に介在させられている。伝達ロツド1
44のハウジング本体42への挿入側の端部とバ
ルブピストン142との間には円筒カツプ状のキ
ヤツプ148が凹部を下方に向けて配置され、そ
の凹部内に伝達ロツド144が遊嵌状態で挿入さ
れている。キヤツプ148の外径はスリーブ60
における丸穴62と略同径とされてキヤツプ14
8が同スリーブ60内を円滑に摺動し得るように
されるとともに、その凹部底面は伝達ロツド14
4の端部と略同曲率の凹面とされて同ロツド14
4一端部の水平方向位置が規定されている。
尚、他方のバルブ部46における構成も上記バ
ルブ部44におけると同様である。
一方、イコライザ146には伝達ロツド14
4,150の突出側端部を収容する穴152,1
54が形成され、この穴152,154内に同ロ
ツドの端部が挿入されている。穴152,154
の底面は上記キヤツプ148におけると同様、伝
達ロツド144,150の端部と略同曲率の凹面
とされ、以てロツド144,150をその軸心が
バルブピストンの軸心とほぼ一致するように支持
しており、またその径は伝達ロツド144,15
0の側面と穴152,154の周壁面との間に所
定量の隙間が生ずるように定められている。この
隙間は一対のバルブピストンの作動ストロークに
差があるとき、その差を吸収するに十分な角度で
イコライザ146を回動させ得るとともに、液圧
回路の一系統が故障した場合にはイコライザ14
6の大きな回動を阻止すべく同イコライザ146
の穴周壁面と伝達ロツド144,150の一方と
が当接するように選定されている。即ち、本実施
例ではイコライザ146における穴152,15
4の周壁面と伝達ロツド144,150とがイコ
ライザ146の一定量以上の揺動を阻止するスト
ツパ手段としての作用を為しており、従つて前記
実施例におけるイコライザの棒状突起104及び
ストツパプレート106は本実施例において省略
されている。イコライザ146が棒ばね102に
より支持、付勢され、また棒ばね102の一端部
がカバー156内で支持される態様も前記実施例
と同様であるが、棒ばね102におけるロアアー
ム126への連結部は異なつた態様で構成されて
いる。この連結部の構成を第7図に基づいて説明
すると、図中158はボールジヨイントを示し、
同ジヨイント158はボール160から延び出す
スタツド部162においてロアアーム126に固
定されている。このボール160を抱くソケツト
164からは筒状部166が延び出しており、そ
してこの筒状部166に、円筒カラー168が止
めピン170によつて固定された棒ばね102の
端部が同カラー168において摺動可能に嵌合さ
れ、以て棒ばね102が自由な弾性変形が許容さ
れた状態で位置固定のロアアーム126に連結さ
れている。尚、172,174はダストブーツで
ある。
上記構成の制御弁(LSPV)141の特長を一
方のバルブ部44を中心として述べれば次の如く
である。イコライザに直接当接するバルブピスト
ンはイコライザの回動時においてその軸心方向
(図中上下方向)のみならず軸心に直角な方向
(横方向)にも多少の力を受ける。そしてこの横
方向の力を受けると、或いはこの状態でバルブ部
内を上下方向に摺動させられると、バルブピスト
ンの側面の摩耗、これに接する各部材との間のシ
ール性の低下を招き、バルブ部44への供給液圧
に対する応答性、液圧制御特性の低下をもたらす
原因となる。ところが上記制御弁141において
はイコライザ146とバルブピストン142との
間に伝達ロツド144が介在させられており、且
つこのロツド144はイコライザ146の回動と
ともに多少傾くのみでその回動時における横方向
の力をバルブピストン142に伝えない。従つて
バルブピストン142の摩耗等上記不具合を生ず
ることがなく、所期の液圧制御特性を確保するこ
とができるのである。
しかも上記制御弁141においては伝達ロツド
144がバルブピストン142とは独立に傾き得
て横荷重を同ピストン142に伝えないために、
ロツド144をそのままイコライザ146回動に
対するストツパ手段の一部として利用することが
可能となり、以て前記実施例における棒状突起1
04、ストツパプレート106等が省略され得る
のである。これによつてカバー156が大巾に縮
小されて、制御弁の更なるコンパクト化に寄与す
るのである。尚、上記伝達ロツド144,150
はこれをイコライザ146の穴152,154に
おいて支持した状態でそのまま組付け得るから同
ロツド組込みの際にこれを仮支持する必要がな
く、その組付け作業性も良好である。
更に本実施例は、棒ばね102のロアアーム1
26への連結部においても以下のような特長を有
している。即ち、本例において棒ばね102の端
部はソケツト164から延び出す筒状部166に
カラー168を介して嵌合されており、この筒状
部は前記実施例におけるボール128と異なつて
適宜その嵌合部の長さを大きくとることができ、
またカラー166は、棒ばね102よりもその外
周面、即ち摺動面の外径が大きいから、両者相俟
つて摺動部の受圧面積を大きくする効果を生じ、
これによつて摺動部における摩耗が低減させられ
るのである。
尚、上記実施例においてはいずれも棒ばねが、
イコライザを支持する軸部材と、同イコライザを
バルブピストンに向けて付勢するばね部材とを兼
ねるべく構成されているが、これとは異なつて軸
部材を太い棒で構成し、同棒にばね部材を接続し
てこれをばね下部材に連結するように構成するこ
とも可能である。
以上詳記したように、本考案に係る荷重応答式
リヤ独立二系統制動液圧制御弁は、(イ)車両の左右
リヤブレーキに夫々独立に制動液圧を供給する二
系統の液圧回路の制動液圧を制御する一対のバル
ブピストンが、1個のハウジング内に、互に平行
にかつ一端が該ハウジング外へ突出した状態に配
設された弁機構と、(ロ)前記一対のバルブピストン
の突出端部に直接又は他部材を介して関接に当接
させられたイコライザと、(ハ)該イコライザを、前
記一対のバルブピストンの2軸心を含む平面にほ
ぼ直角に、かつ該2軸心間の中間位置を通るよう
に貫通し、該イコライザを回動可能に支持する軸
部材と、(ニ)少なくとも使用状態においては前記ハ
ウジングに対して相対移動不能に設けられ、前記
軸部材の前記イコライザから突出した一端部を前
記一対のバルブピストンの対称面をなす一平面内
で回動可能に支持する支持部材と、(ホ)前記軸部材
の他端部に、前記支持部材を支点として前記イコ
ライザを前記バルブピストンに向つて付勢する方
向で、かつ車両の後輪荷重の増大に従つて大きさ
が増大する回転モーメントを与えるばね部材とを
含むことを特徴とするものである。
これによつて、荷重応答機能をはじめとする
種々の機能を備えた液圧制御弁が構造簡素に、コ
ンパクトに構成され、以て取付けスペースの節
約、コストの低減が達せられ、更に作動特性も向
上することとなつたのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例である液圧制御弁の正
面図(一部断面図)、第2図は同制御弁の側面図
(一部断面図)、第3図は第2図における−断
面図、第4図は同制御弁における棒ばねの一端部
周辺の構成を示す断面図である。第5図及び第6
図は夫々本考案の他の実施例である液圧制御弁の
正面図(一部断面図)及び側面図(一部断面図)、
第7図は同制御弁における棒ばねの一端部周辺の
構成を示す断面図である。 18,20,22,28,30,32:管路、
26,36:リヤホイールシリンダ、38,14
1:LSPV(液圧制御弁))、42:ハウジング本
体、44,46:バルブ部、58,84,14
2:バルブピストン、74:弁座、82:弁子、
88,,156:カバー、94:第1円筒部、9
8:第2円筒部、100,146:イコライザ、
102:棒ばね、114:ボール、118:アジ
ヤステイングボルト、124,158:ボールジ
ヨイント、126:ロアアーム、128:ボー
ル、144,150:伝達ロツド、148:キヤ
ツプ、166:筒状部、168:カラー。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両の左右リヤブレーキに夫々独立に制動液圧
    を供給する二系統の液圧回路の制動液圧を制御す
    る一対のバルブピストンが、1個のハウジング内
    に、互に平行にかつ一端が該ハウジング外へ突出
    した状態に配設された弁機構と、 前記一対のバルブピストンの突出端部に直接又
    は他部材を介して関接に当接させられたイコライ
    ザと、 該イコライザを、前記一対のバルブピストンの
    2軸心を含む平面にほぼ直角に、かつ該2軸心間
    の中間位置を通るように貫通し、該イコライザを
    回動可能に支持する軸部材と、 少なくとも使用状態においては前記ハウジング
    に対して相対移動不能に設けられ、前記軸部材の
    前記イコライザから突出した一端部を前記一対の
    バルブピストンの対称面をなす一平面内で回動可
    能に支持する支持部材と、 前記軸部材の他端部に、前記支持部材を支点と
    して前記イコライザを前記バルブピストンに向つ
    て付勢する方向で、かつ車両の後輪荷重の増大に
    従つて大きさが増大する回転モーメントを与える
    ばね部材と を含むことを特徴とする荷重応答式リヤ独立二系
    統制動液圧制御弁。
JP15875181U 1981-10-24 1981-10-24 荷重応答式リヤ独立二系統制動液圧制御弁 Granted JPS5863158U (ja)

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