JPS6211727Y2 - - Google Patents

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JPS6211727Y2
JPS6211727Y2 JP12028181U JP12028181U JPS6211727Y2 JP S6211727 Y2 JPS6211727 Y2 JP S6211727Y2 JP 12028181 U JP12028181 U JP 12028181U JP 12028181 U JP12028181 U JP 12028181U JP S6211727 Y2 JPS6211727 Y2 JP S6211727Y2
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pressure
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piston
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wheel cylinder
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、互に独立した二つの配管系統を備え
た車両用制御装置において、車両の後輪の制動作
用を為すリヤホイールシリンダに供給される制動
液圧を適正に制御する装置の改良に関するもので
ある。
車両の制動装置は、安全性向上を目的として配
管系統が二つの互に独立な系統から構成されると
ともに、有効且つ安全な制動を得るためにマスタ
シリンダに発生する制動液圧が所定の値を超えて
上昇するとき、リヤホイールシリンダに供給され
る制動液圧がフロントホイールシリンダに供給さ
れる制動液圧より低くなるように構成される場合
が多い。このような装置の一種に、(a)一方の配管
系統に介挿されマスタシリンダから一方のリヤホ
イールシリンダに供給される制動液圧を減圧する
液圧制御弁と、(b)他方の配管系統に介挿された開
閉弁と前記一方のリヤホイールシリンダに供給さ
れる制動液圧および他方のリヤホイールシリンダ
に供給される作動液圧の圧力差によつてその開閉
弁を開閉させるバランスピストンとを備え、他方
のリヤホイールシリンダに供給される制動液圧を
前記一方のリヤホイールシリンダに供給される制
動液圧と略同等に制御するバランス弁とを含んで
構成される車両用2系統制動装置が提供されてい
る。
しかしながら、そのような装置は、一方の配管
系統に介挿された単一の液圧制御弁によつて決定
された制動液圧が、その一方の配管系統のリヤホ
イールシリンダだけでなく、他方の配管系統のリ
ヤホイールシリンダにも供給され左右後輪の制動
力がばらつかない特徴があるが、未だ改良の余地
が残されていた。
それは、前記一方の配管系統に破損等の故障が
生じた場合には、前記一方のリヤホイールシリン
ダの制動液圧が低下するため、前記バランスピス
トンが前記開閉弁を閉じるように作動し、正常な
前記他方の配管系統に接続されている他方のリヤ
ホイールシリンダに供給されるべき制動液圧が不
要に遮断されてしまうのである。したがつて、そ
のような場合には、一輪のみによつて車両が制動
されることになるので制動力が大幅に不足すると
ともに制動時の安定が損われる不都合が内在され
ていたのである。
また、前記他方の配管系統に故障が生じた場合
には、前記一方の配管系統に接続されたリヤホイ
ールシリンダには、正常時と同様に液圧制御弁に
よつて減圧された制動液圧が供給されるので、制
動作用を為す2輪のうちの後輪の制動力が不足す
る不都合があつたのである。
本考案は以上の事情を背景として為されたもの
であり、その目的とするところは、一方の配管系
統に設けられた液圧制御弁にて決定された制動液
圧が他方の配管系統に接続されたリヤホイールシ
リンダにも供給され、且つ2系統の配管系統のう
ちのいずれか一方が故障しても、他方の正常な配
管系統に接続されたリヤホイールシリンダに正常
時に比較して高い制動液圧を供給する車両用2系
統制動装置における液圧制御装置を提供すること
にある。
斯る目的を達成するため、本考案の液圧制御装
置は、一方の配管系統に設けられた液圧制御弁に
よつて減圧され一方のリヤホイールシリンダに供
給される制動液圧と、他方の配管系統に接続され
た他方のリヤホイールシリンダに供給される制動
液圧との圧力差に基づいて作動するバランスピス
トンが、該他方の配管系統に設けられた開閉弁を
開閉させることにより、該他方のリヤホイールシ
リンダに供給される制動液圧を前記一方のリヤホ
イールシリンダに供給される制動液圧と同等にな
るように制御する車両用2系統制動装置における
液圧制御装置において、 (1) 前記他方のリヤホイールシリンダに供給され
る制動液圧を制御する前記バランスピストンの
制御動作に要する移動量よりも大きい間隔を隔
てて該バランスピストンの一端に対向する大径
部と、該大径部側の第1受圧面の反対側に該第
1受圧面より小さい面積の第2受圧面を備えた
小経部とを有する段付ピストンと、 (2) 貫通穴を備え、該貫通穴に前記段付ピストン
の小径部を摺動可能に嵌め入れるとともに、該
小径部と前記大径部との間に形成された段部に
当接し、該小径部の第2受圧面と共に前記第1
受圧面よりも大なる受圧面を構成する第3受圧
面を備えた環状ピストンと、 (3) 該環状ピストンが前記バランスピストン側へ
移動するのを阻止するストツパと、 (4) 前記一方のリヤホイールシリンダに接続さ
れ、前記液圧制御弁によつて減圧された該リヤ
ホイールシリンダの制動液圧を前記第1受圧面
に作用させる第1液圧室と、 (5) 前記他方のリヤホイールシリンダに制動液圧
を供給するマスタシリンダに接続され、該マス
タシリンダの制動液圧を前記第2受圧面及び第
3受圧面に作用させる第2液圧室と、 (6) 前記一方のリヤホイールシリンダに制動液圧
を供給するマスタシリンダから前記第1液圧室
に至る通路に介挿され、傾かされることによつ
て該通路を開く弁体を備えたバイパス弁と、 (7) 該バイパス弁の弁体から前記段付ピストンの
外周面に向かつて該段付ピストンの軸にほぼ直
角に突設された作用突起と、 (8) 前記段付ピストンの外周面に形成され、該段
付ピストンが前記環状ピストンと共にその小径
部側に移動させられたとき、前記作用突起の先
端部に係合してこれを押動し、前記弁体を傾か
せる係合面と を設けたことを特徴とする。
このようにすれば、2系統制動装置が正常であ
る場合には、前記段付ピストンが移動しないの
で、前記バランスピストンの作動が許容され、前
記液圧制御弁によつて決定された制動液圧が相互
に配管系統の異なる両方のリヤホイールシリンダ
に供給されるとともに、前記一方の配管系統が故
障した場合には、前記段付ピストンがその大径側
に移動して前記バランスピストンの作動を阻止す
るので、正常な他方の配管系統のリヤホイールシ
リンダにはその系統のマスタシリンダの高い制動
液圧が開閉弁を通してそのまま供給され、更に、
前記他方の配管系統が故障した場合には、前記段
付ピストンが環状ピストンと共にその小径部側に
移動して前記弁体が傾斜させられるので、正常な
一方の配管系統のリヤホイールシリンダにはその
系統のマスタシリンダの高い制動液圧がバイパス
弁を通してそのまま供給されるのである。
以下、本考案の一実施例を示す図面に基づいて
詳細に説明する。
第1図において、マスタシリンダ2にはブレー
キペダル4の操作に従つて等しい制動液圧が発生
する2つの圧力室6,8が備えられており、それ
等の圧力室6,8にそれぞれ発生する制動液圧が
相互にX字状を成す独立した2つの配管系統によ
つて各車輪を制動するホイールシリンダに供給さ
れている。すなわち、圧力室6は右前輪のフロン
トホイールシリンダ10に接続されるとともに、
液圧制御弁12を介して左後輪のリヤホイールシ
リンダ14に接続されており、圧力室8は左前輪
のフロントホイールシリンダ16に接続されると
ともに、液圧制御装置であるバランス弁18の入
力ポート20及び出力ポート22を介して右後輪
のリヤホイールシリンダ24に接続されている。
尚、液圧制御弁12は、マスタシリンダ2にて発
生した制動液圧が所定の値を超えたとき、その制
動液圧を予め定められた一定の割合、あるいは一
定の値に減圧してリヤホイールシリンダ14に供
給するものであり、プロポーシヨニングPバル
ブ、リミツトLバルブ、Gバルブ等が知られてい
る。また、ホイールシリンダ10,14,16,
24は、デイスク式、ドラム式等のブレーキ機構
を作動させてそれぞれに対応する車輪の回転を抑
制するものである。
バランス弁18は、ハウジング26の一端に設
けられた開閉弁部28と、この開閉弁部28を制
御するためのバランスピストン30及び段付ピス
トン32を含む制御部34とから構成されてい
る。
すなわち、ハウジング26の中央部にはシリン
ダボア36が形成されており、このシリンダボア
36にはバランスピストン30が滑合されてその
両端に出力室38及び第1液圧室40が形成され
ている。出力室38側のバランスピストン30の
端面に対向する隔壁42には通孔44が形成され
ており、入力ポート20に連通する弁室46と出
力ポート22に連通する出力室38とが通孔44
を通して連通させられている。そして、弁室46
にはスプリング48により通孔44に向つて付勢
された球状弁50が収容されており、その球状弁
50は通孔44を貫通してバランスピストン30
の端面に突設された作用軸52の先端に当接させ
られている。したがつて、バランスピストン30
の移動位置によつて入力ポート20と出力ポート
22との間が球状弁50によつて開閉され、それ
等通孔44、スプリング48、球状弁50が開閉
弁部28を形成している。この開閉弁部28は閉
じた状態にあつても、出力ポート22側の圧力が
高いとき入力ポート20側に制動液が逆流するこ
とを許容するチエツク弁でもある。尚、54はプ
ラグであり、ハウジング26に螺合されて弁室4
6を液密に形成するとともに、スプリング48の
ばね受けをも兼ねている。
ハウジング26には、シリンダボア36に続い
てシリンダボア36より大径の中径ボア56と中
径ボア56より更に大径の大径ボア58が穿設さ
れており、中央部に貫通穴60を有する環状ピス
トン62がその大径ボア58に滑合されるととも
に、中径ボア56に滑合される大径部64と貫通
穴60に滑合される小径部66とを備えた段付ピ
ストン32が、その大径部64の端面をバランス
ピストン30の端面に対向させ、且つバランスピ
ストン30の制御動作に必要な移動量、すなわち
開閉弁部28を開閉するための軸方向の移動量よ
り大きい間隔Aを隔てて配設されている。したが
つて、前記第1液圧室40はバランスピストン3
0の端面と段付ピストン32の大径部64の端面
とに挟まれて形成され、その第1液圧室40は液
圧制御弁12及びリヤホイールシリンダ14に接
続された低圧ポート70に連通させられ、リヤホ
イールシリンダ14に供給される制動液圧が供給
されるようになつている。
大径ボア58の開口部には、圧力室8に接続さ
れる高圧ポート72を備えたプラグ74が螺合さ
れて、その圧力室8に連通する第2液圧室76が
液密に形成されている。このため、段付ピストン
32の大径部64の端面が第1液圧室40の制動
液圧を受ける第1受圧面78を、その小径部66
の端面が第2液圧室76の制動液圧を受ける第1
受圧面78より小なる面積の第2受圧面80を形
成するとともに、環状ピストン62の第2液圧室
76側の端面が第2受圧面80と共に第1受圧面
78より面積の大なる受圧面を構成する第3受圧
面82を形成している。
したがつて、段付ピストン32は第1液圧室4
0及び第2液圧室76の制動液圧の条件に従つて
次のように動かされる。すなわち、環状ピストン
62は中径ボア56と大径ボア58との間の段部
であるストツパ84に当接させられているととも
に、その貫通穴60には段付ピストン32の小径
部66がその小径部66と大径部64との間の段
部が当接するまで嵌め込まれているので、主に第
1液圧室40の制動液圧に基づいて第1受圧面7
8に作用する力が主に第2液圧室76の制動液圧
に基づいて第2受圧面80に作用する力よりも小
さい場合に段付ピストン32が大径部64側に移
動し、第1受圧面78に作用する力が第2受圧面
80及び第3受圧面82に作用する力よりも大き
い場合に段付ピストン32が小径部66側に移動
し、第1受圧面78に作用する力が第2受圧面8
0に作用する力よりも大きく且つ第2受圧面80
及び第3受圧面82に作用する力よりも小さい場
合に段付ピストン32が静止しているのである。
尚、環状ピストン62とプラグ74との間には
皿ばね86が介挿され環状ピストン62が常時ス
トツパ84に当接するように付勢されており、大
径部64の端面中央部に形成された底付穴88の
底面とバランスピストン30の端面との間には圧
縮コイルスプリング90が介挿されバランスピス
トン30と段付ピストン32とが常時離隔される
方向に付勢されている。これ等皿ばね86及び圧
縮コイルスプリング90は主としてバランス弁1
8の非作動時における段付ピストン32及び環状
ピストン62の原位置を保持するものである。ま
た、92及び94はオイルシール及びOリングで
ある。
段付ピストン32の大径部64の外周面には環
状の溝96が形成されており、この溝96と底付
穴88とが通孔98によつて連通させられてい
る。ハウジング26には、溝96に対向する位置
の中径ボア56に一端が開口し、他端が弁室10
0に開口する直線状の通路102が形成されてい
る。弁室100内には、通路102の開口部を囲
む環状の弾性弁座104が配設されるとともに、
スプリング106によつて弾性弁座104に着座
させられる円板状の弁体108が配設されてい
る。そして、その弁体108の中央部に段付ピス
トン32の軸に直角を成し大径部64に向つて突
設された作用突起110が通路102を貫通させ
られており、作用突起110の先端が溝96内に
受け入れられている。その溝96には、作用突起
110と小径部66側の内壁面との間に隙間が形
成され、段付ピストン32の大径部64側への移
動が阻害されないようになつている。
したがつて、段付ピストン32がその大径部6
4側に移動させられると、溝96の大径部64側
内壁面の係合面111に係合しこれによつて作用
突起110がその直角方向にスプリング106の
付勢力に抗して押動されるとともに弁体108が
傾かされるので、通路102が開かれて弁室10
0と第1液圧室40とが連通させられる。すなわ
ち、弾性弁座104、スプリング106及び弁体
108がチルト弁112を形成している。このチ
ルト弁112は、その作動によつてリヤホイール
シリンダ14に圧力室6の高い制動液圧を直接供
給するバイパス弁でもあり、また、通路102か
ら弁室100に向う流れを許容する逆止弁でもあ
る。尚、114は圧力室6に接続される高圧ポー
ト116を備えたプラグであり、ハウジング26
に螺合されることによつて圧力室6に連通する弁
室100を液密に形成するとともに、スプリング
106のばね受けも兼ねている。
以下、本実施例の作動を説明する。
ブレーキペダル4の非操作状態においては、制
動液圧がマスタシリンダ2に発生しない。このた
め、圧縮コイルスプリング90の付勢力に従つ
て、バランスピストン30が開閉弁部28側に移
動させられて球状弁50がスプリング48の付勢
力に抗して作用軸52によつて押し上げられ入力
ポート20と出力ポート22との間が開かれると
ともに、段付ピストン32が環状ピストン62に
当接するまでその小径部66側に移動させられて
バランスピストン30の端面と段付ピストン32
の大径部64側の端面との間に間隔Aが形成され
る。第1図はこの状態を示す。
この状態において、ブレーキペダル4が操作さ
れると、圧力室6に発生する制動液圧がフロント
ホイールシリンダ10及び液圧制御弁12を介し
てリヤホイールシリンダ14に供給されるととも
に、圧力室8に発生する制動液圧がフロントホイ
ールシリンダ16、及び入力ポート20、出力ポ
ート22を介してリヤホイールシリンダ24に供
給され、各車輪の制動効果が現われ始める。
制動液圧が高められ、予め定められた一定の値
を超えると、液圧制御弁12の減圧作用が為され
ることによつて、圧力室6に発生する制動液圧よ
りも減圧された制動液圧がリヤホイールシリンダ
14及びバランス弁18の低圧ポート70に供給
される。一方、出力室38には圧力室8に発生す
る制動液圧がそのまま供給されるので、出力室3
8と第1液圧室40との間に圧力差が発生し、バ
ランスピストン30が低い圧力の第1液圧室40
側へ圧縮コイルスプリング90の付勢力に抗して
移動させられる。この結果、球状弁50が通孔4
4を閉じるので出力室38の圧力上昇が阻止され
るが、第1液圧室40の圧力上昇に伴つてその圧
力が出力室38の圧力より高い状態になるとバラ
ンスピストン30が出力室38側に移動させら
れ、球状弁50が押し上げられて再び通孔44が
開かれる。このようなバランスピストン30の作
動の繰返しによつて圧力室8から入力ポート20
に供給される制動液圧が、低圧ポート70に供給
される液圧制御弁12の出力圧と同等に制御され
て出力ポート22からリヤホイールシリンダ24
に供給される。
すなわち、2系統の配管系統のうち、圧力室6
の制動液圧を伝達する一方の配管系統に介挿され
た単一の液圧制御弁12によつて決定された作動
液圧が、その配管系統に接続されたリヤホイール
シリンダ14のみならず、配管系統の異なるリヤ
ホイールシリンダ24においても供給されるので
ある。
この結果、前輪に比較して後輪の制動力が低く
されて車輪のロツク(車輪が停止して路面との間
でスリツプすること)が防止され、有効かつ安全
な制動効果が得られるのである。
尚、以上の作動状態においては、第1液圧室4
0には液圧制御弁12によつて減圧された制動液
圧が供給され、第2液圧室76には圧力室8の高
い制動液圧が供給されるので、段付ピストン32
の両端には圧力差が生じるが、段付ピストン32
は全く移動しない。第1受圧面78に作用する力
が第2受圧面80に作用する力よりも大きく、且
つ第2受圧面80及び第3受圧面82に作用する
力よりも小さくなるように、受圧面78,80,
82の面積が決定されているのである。
次に、一系統故障時の作動を説明する。
先ず、圧力室8の制動液圧を伝達する配管系統
が破損した場合には、圧力室8には制動液圧が発
生せず、ブレーキペダル4の制動操作に伴つて圧
力室6のみに制動液圧が発生する。このため、圧
力室6の制動液圧のみが残る正常な配管系統によ
つて伝達され、フロントホイールシリンダ10と
液圧制御弁12を介してリヤホイールシリンダ1
4とバランス弁18の高圧ポート116とに供給
される。この結果、第1液圧室40の圧力に比較
して第2液圧室76の圧力が異常に低下するの
で、第1受圧面78に作用する力が第2受圧面8
0及び第3受圧面82に作用する力よりも大きく
なり、段付ピストン32は環状ピストン62と共
に皿ばね86の付勢力に抗してその小径部66側
に移動する。したがつて、作用突起110が溝9
6内の係合面111に係合させられるとともにそ
れによつて押し動かされるので、弁体108が傾
かされて弾性弁座104から離れ、弁室100と
第1液圧室40とが連通させられる。そして、こ
の弁室100と第1液圧室40との連通によつ
て、圧力室6の高い制動液圧が、弁室100及び
第1液圧室40を介してリヤホイールシリンダ1
4に直接供給されるので、そのリヤホイールシリ
ンダ14の制動液圧が正常時に比較して高くされ
る。すなわち、全車輪の中で右前輪及び左後輪に
て車両の制動がなされるのであるが、その左後輪
の制動力が正常時よりも高くされ、一系統の故障
時においても安定した一応の制動効果を得ること
ができるのである。
次に、圧力室6の制動液圧を伝達する配管系統
が破損した場合には、圧力室6には制動液圧が発
生せず、ブレーキペダル4の制動操作に伴つて圧
力室8のみに制動液圧が発生する。このため、圧
力室8の制動液圧のみが残る正常な配管系統によ
つてフロントホイールシリンダ16とバランス弁
18の入力ポート20と高圧ポート72とに供給
される。この結果、出力室38の圧力に比較して
第1液圧室40の圧力が異常に低下するので、バ
ランスピストン30はそれ等の室38,40の圧
力差に従つて第1液圧室40側に向う駆動力を受
けるが、第2液圧室76に対しても第1液圧室4
0の圧力が大幅に低いので、第1受圧面78に作
用する力が第2受圧面80に作用する力よりも小
さくなり、段付ピストン32は圧縮コイルスプリ
ング90の付勢力に抗してその大径部64側にバ
ランスピストン30の端面に当接するまで移動
し、バランスピストン30の移動を阻止する。こ
こで、出力室38と第2液圧室76との圧力が同
等になるが、第2受圧面80に作用する力が出力
室38及び第1液圧室40の圧力差とスプリング
48の付勢力とによつてバランスピストン30に
作用する駆動力を超えるようにバランスピストン
30の端面よりも第2受圧面80の受圧面積大き
くが定められているのである。したがつて、球状
弁50が作用軸52によつて押し上げられた状態
に維持されるので、入力ポート20に供給された
圧力室8の高い制動液圧が弁室46、通孔44及
び出力ポート22を通してリヤホイールシリンダ
24に直接供給され、リヤホイールシリンダ24
の制動液圧が正常時に比較して高くされる。すな
わち、全車輪の中で左前輪及び右後輪にて車両の
制動がなされるのであるが、その右後輪の制動力
が正常時よりも高くされ、一系統の故障時におい
ても安定した一応の制動効果を得ることができる
のである。
このように、本実施例によれば、正常時には単
一の液圧制御弁12において決定された制動液圧
が相互に配管系統の異なるリヤホイールシリンダ
14,24にそれぞれ供給されるとともに、圧力
室6の制動液圧を伝達する配管系統に故障が生じ
た場合には、段付ピストン32がその大径部64
側に移動してバランスピストン30の移動を阻止
するので、正常な他方の配管系統のリヤホイール
シリンダ24には開閉弁部28を介して圧力室8
の高い制動液圧が供給され、更に、圧力室8の制
動液圧を伝達する配管系統に故障が生じた場合に
は、段付ピストン32が環状ピストン62と共に
その小径部66側に移動してチルト弁112を開
くので、圧力室6の高い制動液圧がチルト弁11
2を介して正常な他方の配管系統のリヤホイール
シリンダ14に直接供給されるのである。
次に、本考案の他の実施例を説明する。尚、本
実施例はチルト弁112において異なるものであ
るので、前述の実施例と共通する部分には同一の
符号を附して説明を省略する。
第2図において、チルト弁112の弁室100
に開口する通路102の周囲は弁体108に向う
円環状の突起120が形成されており、弁体10
8の突起120に対向する面には突起120の外
径より僅かに大きい外形を有する円環状の溝12
2が形成され、その溝122内に突起120が受
け入れられている。
このように構成されたチルト弁112は、作用
突起110が溝96に押動されて弁体108が傾
斜させられたとき、突起120の外周面とこの外
周面に対向する溝122の内壁面とが当接するの
で、弁体108の弾性弁座104に対する摺動が
防止され、弁体108の作動が安定する利点があ
る。
以上、本考案の二つの実施例を図面に基づいて
説明したが、本考案はその他の態様においても適
用され得る。
たとえば、前述の実施例において、圧力室6の
制動液圧を伝達する配管系統が故障したとき、開
閉弁部28が開かれるようにバランスピストン3
0の端面より段付ピストン32の第2受圧面80
の受圧面積を大きくしているが、逆にバランスピ
ストン30の端面の受圧面積を第2受圧面80よ
りも大きくし、開閉弁部28を作動させるように
してもよいのである。
尚、上述したのはあくまでも本考案の一実施例
であり、本考案はその精神を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
以上詳記したように、本考案の2系統制動装置
における液圧制御装置によれば、一方の配管系統
に設けられた液圧制御弁にて決定された制動液圧
がその配管系統のリヤホイールシリンダのみなら
ず他方の配管系統に接続されたリヤホイールシリ
ンダにも供給され、且つ2系統の配管系統のうち
いずれか一方が故障しても、他方の正常な配管系
統に接続されたリヤホイールシリンダに正常時に
比較して高い制動液圧が供給され、そのリヤホイ
ールシリンダが取り付けられた後輪の制動力が高
められるのである。
また、本考案に係る液圧制御装置においては、
段付ピストンの移動によりバイパス弁の弁体が傾
かされることによつて液通路が開かれるため、段
付ピストンの比較的小さい移動距離によつて液通
路が十分な面積で開かれる利点がある。すなわ
ち、常には段付ピストンが液通路の開口を閉塞し
ており、小径部側へ移動することによつてその液
通路を開放するようにしても上記効果は得られる
のであるが、この場合には液通路が十分な面積で
開かれるようにするために段付ピストンの移動距
離を大きくすることが必要となるのである。そし
て、段付ピストンの移動距離が大きくなれば、マ
スタシリンダから供給された制動液のうち液圧制
御装置において消費されるものが多くなり、ブレ
ーキペダル等ブレーキ操作部材の所要ストローク
が大きくなるのであるが、本考案に従えばこのよ
うな不都合を回避することができるのである。
なお、バイパス弁として直線運動によつて液通
路を開閉するものを採用することも可能である
が、そのようなバイパス弁の弁体を段付ピストン
によつて開閉させるためには弁体の直線運動を案
内する手段が必要となり、それだけバイパス弁が
大形となり、高価となることを避け得ない。本考
案に従えば、このような不都合も回避することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を含む2系統制動装
置の構成を示す説明図である。第2図は本考案の
他の実施例を示す要部断面図である。 2:マスタシリンダ、12:液圧制御弁、1
4,24:リヤホイールシリンダ、28:開閉弁
部(開閉弁)、40:第1液圧室、60:貫通
穴、62:環状ピストン、64:大径部、66:
小径部、76:第2液圧室、78:第1受圧面、
80:第2受圧面、82:第3受圧面、84:ス
トツパ、108:弁体、110:作用突起、11
1:係合面、112:チルト弁(バイパス弁)、
A:間隔。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方の配管系統に設けられた液圧制御弁によつ
    て減圧され一方のリヤホイールシリンダに供給さ
    れる制動液圧と、他方の配管系統に接続された他
    方のリヤホイールシリンダに供給される制動液圧
    との圧力差に基づいて作動するバランスピストン
    が、該他方の配管系統に設けられた開閉弁を開閉
    させることにより、該他方のリヤホイールシリン
    ダに供給される制動液圧を前記一方のリヤホイー
    ルシリンダに供給される制動液圧と同等になるよ
    うに制御する車両用2系統制動装置における液圧
    制御装置において、 前記他方のリヤホイールシリンダに供給される
    制動液圧を制御する前記バランスピストンの制御
    動作に要する移動量よりも大きい間隔を隔てて該
    バランスピストンの一端に対向する大径部と、該
    大径部側の第1受圧面の反対側に該第1受圧面よ
    り小さい面積の第2受圧面を備えた小径部とを有
    する段付ピストンと、 貫通穴を備え、該貫通穴に前記段付ピストンの
    小径部を摺動可能に嵌め入れるとともに、該小径
    部と前記大径部との間に形成された段部に当接
    し、該小径部の第2受圧面と共に前記第1受圧面
    よりも大なる受圧面を構成する第3受圧面を備え
    た環状ピストンと、 該環状ピストンが前記バランスピストン側へ移
    動するのを阻止するストツパと、 前記一方のリヤホイールシリンダに接続され、
    前記液圧制御弁によつて減圧された該リヤホイー
    ルシリンダの制動液圧を前記第1受圧面に作用さ
    せる第1液圧室と、 前記他方のリヤホイールシリンダに制動液圧を
    供給するマスタシリンダに接続され、該マスタシ
    リンダの制動液圧を前記第2受圧面及び第3受圧
    面に作用させる第2液圧室と、 前記一方のリヤホイールシリンダに制動液圧を
    供給するマスタシリンダから前記第1液圧室に至
    る通路に介挿され、傾かされることによつて該通
    路を開く弁体を備えたバイパス弁と、 該バイパス弁の弁体から前記段付ピストンの外
    周面に向かつて該段付ピストンの軸にほぼ直角に
    突設された作用突起と、 前記段付ピストンの外周面に形成され、該段付
    ピストンが前記環状ピストンと共にその小径部側
    に移動させられたとき、前記作用突起の先端部に
    係合してこれを押動し、前記弁体を傾かせる係合
    面と、 を設けたことを特徴とする車両用2系統制動装置
    における液圧制御装置。
JP12028181U 1981-08-13 1981-08-13 車両用2系統制動装置における液圧制御装置 Granted JPS5825265U (ja)

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