JPH0130713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、流体の振動や配管の変位を吸収す
るために各種流体の配管途中に組み込まれるフレ
キシブルチユーブにおける、それら配管との接続
を行なうためのフランジ取付構造に関するもので
ある。

従来、この種のフレキシブルチユーブに溶接加
工を施こさないでフランジの取付けを行なつたも
のに、第３図に示すような構造のものがあつた。

すなわち、フレキシブルチユーブ１の谷部に嵌
挿した割リング３の外周に、ブレード２を介在さ
せてリング４を嵌挿し、さらにそのリング４の上
からフランジ５を嵌挿し、止めバンドＡによりフ
ランジ５の抜脱を防止したものであり、フレキシ
ブルチユーブに対するフランジの端部方向への抜
止状の取付けを溶接手段を用いることなく行なつ
ており、フランジの取付けを簡単かつ能率的に
し、取付コストの低減化を図つている。

さらに、フレキシブルチユーブ１の端部を押し
付けて、扁平部７を形成することにより、フレキ
シブルチユーブの接続時においてその端部が何ら
支障を与えることのないものとしている。

しかしながら、上記従来例にあつては、フラン
ジが直接ブレードに嵌挿されるのでブレード面に
傷が付き易く、又ブレードの先端が割リングとリ
ングの間から外部へはみ出すことがあるので取扱
いに注意を要し、さらにフレキシブルチユーブと
割リング間の密着性が悪いので耐圧性に欠け、又
さらにフレキシブルチユーブに曲げ方向の力が作
用すると、フランジと止めバンドの間に取付工程
上若干の間隙を生ずるので、ブレードがフランジ
の角に押圧され損傷するという危険性がある等、
多くの難点を有していた。

この考案は、これら従来例の難点を解消するた
めになされたものであり、その目的とするところ
は、フレキシブルチユーブの端部寄りの隣接若し
くは一ピツチ以上離れた谷部のそれぞれに嵌挿し
て二重層とした割リングの外周に、内方端をＲ状
に巻込み外方端を下方に折り曲げたリングを嵌挿
し、さらにこのリングの外周にフランジを嵌挿す
ることにより、ブレードに傷が付き難く、又ブレ
ードの先端が外部へはみ出すことなく、さらにフ
レキシブルチユーブと割リングとの密着性を向上
させ、又さらにフレキシブルチユーブに曲げ方向
の力が作用してもブレードが損傷することなく、
しかもフランジの取付けを極めて簡単なものと
し、取付コストの低減下を図つたフレキシブルチ
ユーブのフランジ取付構造を提供することにあ
る。

以下、この考案の構成を一実施例として示した
図面に従つて説明する。

図において、１はステンレス鋼等の材質より成
るフレキシブルチユーブ、２は網目状で筒形に編
成されたブレードであり、このブレード２は前記
フレキシブルチユーブ１の外周を包覆している。

フレキシブルチユーブ１の端部寄りの隣接した
谷部の双方には、ブレード２を介在させて割リン
グ３，３′を嵌挿し、両割リング３，３′を重ね合
わせて二重層としている。したがつて、この部分
のブレード２は両割リング３，３′に挾持され、
そのブレード２の山部は他の部分のブレード２の
山部より上方に位置することになる。そしてその
結果、割リング３，３′とブレード２の結合力は
さらに強化され、フレキシブルチユーブ１に強い
曲げ方向の力が作用しても、フレキシブルチユー
ブ１と割リング３，３′との密着性は保たれる。

次に、これら両割リング３，３′の外周にフラ
ンジ５を嵌着したリング４を嵌挿している。

尚、この実施例では割リング３，３′の嵌挿を
フレキシブルチユーブ１の端部寄りの隣接した谷
部としているが、これを一ピツチ以上離れた谷部
とすることもできる。

前記リング４は、割リング３，３′の外周に位
置する環状壁４ａとブレード２の外周に位置する
環状壁４ｂを形成し、さらに内方端へＲ状に巻込
んだ保護体４ｃを形成し、外方端へ下方に折り曲
げた前面壁４ｄを形成している。このリング４の
内方端へＲ状に巻込んだ保護体４ｃは、フレキシ
ブルチユーブ１に曲げ方向の力が作用した場合の
フランジ５の角によるブレード２への損傷を防止
する。又、保護体４ｃは従来のフランジ５の抜脱
を防止するために設けられた止めバンドＡの作用
をも有するものである。

又、前記フランジ５は、外方端の内周面に前記
リング４の環状壁４ａに嵌合する凹部６を形成し
ている。

さらに、フレキシブルチユーブ１の端部は、ブ
レード２の端部に重なるように挿し付けられた扁
平部７を形成している。

この考案は、上述の如くの構造を有しており、
フレキシブルチユーブへのフランジの取付けは次
のようにして実施される。

先ず、環状壁４ａ，４ｂにフランジ５を嵌着さ
せ、Ｒ状に巻込んだ保護体４ｃを形成したリング
４をブレード２の外周に嵌挿する。

次に、フレキシブルチユーブ１の端部寄りの隣
接した谷部の双方にブレード２とともに割リング
３，３′を嵌挿し、両割リング３，３′をプレス機
械で挾み込むことにより重ね合わせて二重層とす
る。この時、両割リング３，３′間の山部は押し
潰される。

そして、あらかじめブレード２の外周に嵌挿し
た前記リング４を端部側に移動させ、環状壁４ａ
を割リング３，３′の外周に位置させ、リング４
の外方端をプレスして下方に折り曲げ前面壁４ｄ
を形成する。

尚、フレキシブルチユーブ１の端部に形成する
扁平部７はフランジ５の取付後に形成しても、取
付前に形成してもよい。

このようにしてフランジ５の取付けられたフレ
キシブルチユーブ１は、ボルト止等により各種液
体の配管途中に組み込まれる。

以上に述べた如く、この考案は、フレキシブル
チユーブの端部寄りの隣接若しくは一ピツチ以上
に離れた谷部のそれぞれに嵌挿して二重層とした
割リングの外周に、内方端をＲ状に巻込み外方端
を下方に折り曲げたリングを嵌挿し、さらにこの
リングの外周にフランジを嵌挿することにより、
ブレードに傷が付き難く、又ブレードの先端が外
部へはみ出すことなく、さらにフレキシブルチユ
ーブと割リングとの密着性を向上させ、又さらに
フレキシブルチユーブに曲げ方向の力が作用して
もブレードが損傷することなく、しかもフランジ
の取付けを極めて簡単なものとし、取付コストの
低減化を図つたものであり、実用的効果に優れて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案におけるフレキシブルチユー
ブのフランジ取付構造を示す一部破断正面図、第
２図はその要部を示す拡大断面図、第３図は従来
例におけるフレキシブルチユーブのフランジ取付
構造の要部を示す拡大断面図である。 １……フレキシブルチユーブ、２……ブレー
ド、３，３′……割リング、４……リング、４ａ，
４ｂ……環状壁、４ｃ……保護体、４ｄ……前面
壁、５……フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレキシブルチユーブ１の端部寄りの隣接若し
   くは一ピツチ以上離れた谷部のそれぞれにブレー
   ド２を介在させて嵌挿した割リング３，３′の外
   周に、フランジ５を嵌着した環状壁４ａ，４ｂを
   有すると共に内方端へＲ状に巻込んだ保護体４ｃ
   と外方端へ下方に折り曲げた前面壁４ｄを有する
   リング４を嵌挿したことを特徴とするフレキシブ
   ルチユーブのフランジ取付構造。