JPH0130516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はミシンの生地送り込み装置に関する。
更に詳説すれば、厚い生地を縫い針の下に自動的
に送り込む装置に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、ミシンで縫製される生地が、押え金が作
業台上で上昇可能な間隔よりも厚い場合には、押
え金や送り歯に生地が自動的にフイードされない
ので、作業者は手作業により生地を強制的に針の
下へ押し込んでいた。近来能率向上のためこの種
の送り込み作業の自動化が要求されている。

(ハ) 発明の解決しようとする問題点 従来の手作業による方法は、作業者が相当の労
力と熟練を必要とし、一定以上の能率向上を望む
ことは困難である等の問題点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段、作用 本発明においては、上述の問題点を解消するた
めに厚い生地の自動的送り込み装置を提供するこ
とを目的とする。

本発明は、縫製すべき生地を載置したまゝ作業
台上を移動自在な生地台とこの生地台をミシンの
押え金方向に送る生地台送り装置と生地台に載置
された生地縁端部を押えて生地台と共に移動させ
る縁端部送り装置と生地台送り装置の送り枠並に
縁端部送り装置の押し棒との作業装置を具えた構
成を提供する。生地押えによつて生地台上に動か
ないように配設された生地を、前記縁端部送り装
置、生地台、生地台送り装置、生地台送り装置の
送り枠並に縁端部送り装置の押し棒の作動装置と
共にミシンの駆動、縫製装置等を操作することに
より、厚い生地を押え金の下に強制的に押し込
み、縫製作業を実施する。

(ホ) 実施例 以下添付図面を参照して、本発明の一実施例を
説明する。本発明の主要部分は、生地縁端部送り
装置ａ、生地台送り装置ｂ、生地台送り枠並に押
し棒作動装置ｃ並にミシンの駆動縫製装置ｄより
なる。脚部２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄで支持された
作業台２にミシン頭部４並に前述の装置、部材が
装着される。先ず生地縁端部送り装置ａについて
説明する。作業台２に立設したシリンダ支持柱６
には水平上腕８、水平下腕１０がほぼ平行に設け
られる。上腕８にはシリンダ１２，１２が枢着１
４され、下腕１０の両端にはシリンダ１２の横動
を規制するストツパ１６，１８が突設される。シ
リンダ１２のピストンロツド２０の端部に設けた
ピン２２は、端部に爪部２６を有する押え板２４
の上面に設けた台座２８に嵌合する。符号３０は
シリンダ支持柱６の上腕８とシリンダ１２とに張
架したコイルスプリングである。このコイルスプ
リングは、シリンダ１２と共に押え板２４を、シ
リンダの不作動時に、元の上昇位置に復帰させる
のに役立つ（第２図）。詳説すれば、シリンダ１
２の作動により（第１図）、ピストンロツド２０
が作動して、押え板２４を下降せしめて生地台４
４に載置した生地端縁部をおさえた状態で、後述
するように生地台４４と共に押え金６０の方向へ
移動するとシリンダ１２は前記ストツパ１６に当
接する。次にシリンダ１２の操作によりピストン
ロツド２０が後退すると同時に押え板２４は上昇
位置へ移動する（第２図）。この場合コイルスプ
リング３０はシリンダ１２がストツパ１８まで変
位するのを容易とする。又シリンダ１２の作動は
図示してないが、セントラルスイツチボードを介
して電気的に行われる。

次に生地台送り装置ｂは、作業台２上を移動可
能な生地台４４の下面にその一辺が固定したコ字
状送り枠４６よりなり、この枠の他辺の端部には
ピン４８を垂下するように固定する。送り枠４６
は生地台４４と共に作業台２に設けた溝４７に沿
つて、押え金６０の方向へ移動可能である。

次に押し棒作動装置ｃは作業台２の下方に設け
たシリンダ３２にピストンロツド３４を介して連
結したＬ字状押し棒３８を有する。押し棒３８の
一端部に前記押え板２４の爪部２６に当接可能な
頭部４０を設け、他端部にはピン４２を装着す
る。

作業台２の端部には生地台４４に接し、生地押
え５０を作動せしめるシリンダ５２を載置したシ
リンダ受５４を設け、前記生地押え５０は、シリ
ンダ５２の作動により、連結棒５６を介して、昇
降自在であり、降下した際には生地台４４に配置
した生地Ｗを押圧して、これを生地台４４上に動
かないようにセツトする。

符号５８は生地Ｗの端部をセツトするためのガ
イド壁で、生地台４４上にセツトした生地Ｗより
も一段高く形成され、生地縁端部送り装置ａが上
昇位置にあるときは、生地押え５０との間に押え
板２４の巾だけの間隙を保持する。６０，６２は
それぞれミシン頭部４に装置した押え金、針を示
す。ミシンの駆動縫製装置ｄは公知の構成である
からその詳細な説明は省略する。

次に本発明の作用を説明する。生地縁端部送り
装置ａが上昇位置にある際（第２図）、生地Ｗを
ガイド壁５８に、その端部が当接するように生地
台４４の上に載置する。次に上腕８、下腕１０に
第２図に図示のように傾斜したまゝ上昇位置にあ
るシリンダ１２が作動して、そのピストンロツド
２０が突出降下し、押え板２４を下降させて、そ
の爪部２６で生地Ｗの後端部W¹にかぶさるよう
に生地Ｗを押える。次に押し棒３８の作動装置の
シリンダ３２が作動して矢印の方向にピストンロ
ツド３４を引き込むので、ピストンロツド３４に
固定３６されたＬ字状押し棒３８がピストンロツ
ド３４と同一方向に移動し、その頭部４０で押え
板２４の爪部２６に当接しつゝ押え板２４と共に
生地Ｗを押え金６０の方向へ移動させる。同時に
押し棒３８がシリンダ３２の作動により上述のよ
うに移動し、押し棒３８の端部に設けたピン４２
が生地台送り枠４６に設けた垂下ピン４８に当接
し、生地台送り枠４６とこれに固定した生地台４
４、生地押え５０と共に矢印押え金６０の方向に
移動させ、既に押え板２４の爪部２６に当接して
いる押し棒３８と共動して生地Ｗを押え金６０方
向に送り、半ば強制的に押え金６０の下に送り込
む。

尚生地押え５０は、生地Ｗが生地台４４上にセ
ツトされると、生地押え５０のシリンダ５２が作
動することにより連結棒５６を介して作動し、生
地Ｗを動かないように生地台４４上に載置する。

生地Ｗが押え金６２の下定位置に到着すると、
すなわち生地Ｗが自動的に引続いて縫製できる状
態の所定距離まで送り込まれると、シリンダ１２
はストツパ１８に当接する。同時にシリンダ１２
は作動し、自動的にシリンダロツド２０が後退す
るので押え板２４は上昇し、コイルスプリング３
０の弾性力により元の位置に復帰する。

生地Ｗは、生地台４４、押え板５０と共に前述
の生地送り枠４６の作動により押え枠６０の下に
強制的に押し込まれ、引続いて針６２により縫製
がなされる。生地Ｗが所定位置まで縫製される
と、シリンダ３２が作動しピストンロツド３４を
前進せしめ、押し棒３８を元の位置に復帰させ
る。同時に生地台送り枠４６、生地台４４、生地
押え５０も、図示してないが、生地台送り枠４６
を作動させるシリンダの操作により、元の位置に
復帰する。

(ヘ) 発明の効果 本発明においては生地台にセツトした生地縁端
部送り装置、生地台送り装置、生地台送り枠並に
押し棒作動装置等により、厚い生地を強制的に押
え金の下に押し込み自動的縫製を可能とする効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る生地送り込み装置を組み
込んだミシンの斜視図。第２図は送り込み装置の
略線断面図。 ａ……生地縁端部送り装置、ｂ……生地台送り
装置、ｃ……生地台送り枠並に押し棒作動装置、
ｄ……ミシンの駆動縫製装置、２……作業台、６
……シリンダ支持柱、８……上腕、１０……下
腕、１２……シリンダ、１６……ストツパ、１８
……ストツパ、２０……シリンダロツド、２４…
…押え板、２６……爪部、３０……コイルスプリ
ング、３２……シリンダ、３４……ピストンロツ
ド、３８……押し棒、４０……頭部、４２……ピ
ン、４４……生地台、４６……生地台送り枠、４
８……ピン、５０……生地押え、５２……シリン
ダ、５８……ガイド壁、６０……押え金、６２…
…針。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 生地を載置したまま作業台上を移動自在な生
   地台と、作業台上に立設した支持柱の上腕に枢支
   され、その下腕の両端部に設けた一対のストツパ
   により横動が規制されるように支持柱に設けたシ
   リンダと、このシリンダの作動により昇降自在に
   して、下降時に、生地台に載置した生地の端縁部
   を押えたまま生地台と共に移動可能にして且つ端
   部に爪部を具えた押え板とよりなる生地端縁部送
   り装置と、生地台にその一辺が連結されたコ字状
   送り枠の他辺にピンを垂下するように設けた生地
   台送り装置と、作業台下方に設けた別のシリンダ
   に連結したＬ字状押し棒の一端部に押え板の爪部
   に当接可能な頭部と他端部に生地台送り装置の垂
   下ピンに当接可能なピンを設けた押し棒作動装置
   とを有するミシンの生地送り込み装置。 ２ シリンダの操作により開閉自在の生地押えを
   有する特許請求の範囲第１項に記載のミシンの生
   地送り込み装置。 ３ 生地台に生地を保持する生地押えと生地ガイ
   ド壁との間に、生地縁端部送り装置の押え板が位
   置するだけの巾の間隙を設けた特許請求の範囲第
   １項に記載のミシンの生地送り込み装置。