JP2734745B2 - ポケットセッターのラベル付け装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ポケットセッターのラベル付け装置に関
するものである。

［従来技術］ 従来、この種のポケットセッターのラベル付け装置と
して、出願人は、ポケットを前身頃等に縫いつける際
に、同時にラベルをポケットに縫いつける装置を開発し
出願中である。

この装置は、前身頃を広げるミシンテーブルの上方
に、ポケット布片を載置するゲージ板や、ラベル把持機
構を取り付けた折曲げ押え板、更にテーブル上面と平行
に移動可能な折り曲げ片等を備えたものである。

そして、この装置を使用する場合には、まずゲージ板
にポケット布片を載置して、ポケット布片の外周縁を折
曲げ押え板で下方に折り曲げる。次にラベル把持機構の
下方に向いた先端にラベルを把持し、折曲げ片によって
ラベルと折り曲げたポケット布片の外周縁部とを同時に
ゲージ板の下方に折り曲げる。更にラベルやポケット布
片を折曲げた状態で、折曲げ押え板やゲージ板や折曲げ
片等とともに前身頃上に降す。その後、折曲げ押え板等
を取り除き、前身頃にラベルとポケット布片とを同時に
縫いつけていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、この装置では、ラベル把持機構が折曲
げ押え板の端部に固定され、そのラベルを挟む先端部分
が下方を向いているので、ラベルの取り付けが簡単にで
きないという問題があった。

つまり、ラベルを下方からラベル把持機構の先端部分
に差し込まなければならないので、目視での確認が容易
ではなく、そのためラベルのセットがしにくく作業能率
があまり良くないという問題があった。

また、折曲げ押え板の端部に固定されたラベル把持機
構には、ゲージ板や折曲げ片等が近接するので、ラベル
把持機構の先端部分をそれほど伸ばすことができず、そ
れによって、ラベルの取り付け寸法を多く取らなければ
ならないという問題もあった。

本発明は、前記の事情を考慮してなされたものであっ
て、ラベルの取り付けが容易でしかも取り付け寸法が少
なくて済むポケットセッターのラベル付け装置を提供す
るものである。

［課題を解決するための手段］ かかる課題を解決するための本発明は、 テーブルの上方にてポケット用の布片を載置するゲー
ジ板と、前記ゲージ板に載置した前記布片の上から重ね
られ、前記ゲージ板の外周縁に沿って前記布片の外周縁
部を下方に折曲げる折曲げ体と、前記ゲージ板の下方に
進入することにより、前記布片の折曲げられた外周縁部
を前記ゲージ板の下方に折曲げる複数の折曲げ片と、を
備えたポケットセッターのラベル付け装置ににおいて、 前記折曲げ体の上面端部にラベル把持機構を設けると
ともに、該ラベル把持機構は、前記ラベルを把持するラ
ベル把持部と、該ラベル把持部を回転移動することによ
り、前記ラベルを前記折曲げ片による布片の折曲げ位置
に配置する配置する回転移動部と、を備えたことを特徴
とするポケットセッターのラベル付け装置を要旨とす
る。

［作用］ 本発明では、テーブルの上方にて、ゲージ板にポケッ
ト用の布片を載置し、次に折曲げ体をゲージ板に載置し
た布片の上から重ね、ゲージ板の外周縁に沿って布片の
外周縁部を下方に折曲げる。更に、折曲げ体の上面端部
に設けられたラベル把持機構のラベル把持部によってラ
ベルを把持し、このラベルを把持した状態で、回転移動
部によってラベル把持部を回転移動させる。それによっ
て、ラベルを折曲げ片による布片の折曲げ位置に配置す
る。そして、このままの状態で、複数の折曲げ片を、ゲ
ージ板の下方に進入させることにより、ラベルとともに
布片の折曲げられた外周縁部をゲージ板の下方に折曲げ
る。

この様にして、ラベルが布片とともに折曲げられた後
に、所定の縫製位置に移動されてミシンによって縫われ
ることにより、ラベルとポケットとが一体に身頃等に取
り付けられる。

［実施例］ 以下、本発明の第一実施例を図面に従って詳細に説明
するが、まず、ポケットセッターの全体構成について説
明する。

第２図に示すように、テーブル14上に設けたミシン11
は、アーム部12とベッド部13とを備え、アーム部12には
下端に針16を有する針棒16aが上下移動可能に支持され
ている。ベッド部13内には針15とともに縫目形成装置を
構成する糸捕捉装置（図示略）が配設されている。

テーブル14上には、送り腕17が図の前後、左右、上下
（Ｘ、Ｙ、Ｚ）方向へ移動可能に配設され、その前部に
は針案内溝18を有する送り板19が着脱可能に装着されて
いる。そして、縫製時などには、前身頃等の生地Ｗ及び
その生地Ｗに縫いつけられるポケット布片Ｐは、前記送
り板19によってテーブル14に押圧される。

また、テーブル14に突設した土台15には、支持部材20
が支軸20aによって回動可能に支持され、土台15に装着
されたエアシリンダ21の動作に基づいて支持部材20が回
動される。更に支持部材20の下面に装着されたエアシリ
ンダ22のピストン22aには、ゲージ板支持体23が装着さ
れている。

このゲージ板支持体23には、ポケット布片Ｐが載置さ
れるとともにポケット布片Ｐの外形形状を決定するゲー
ジ板24が、その基端部にて着脱可能に装着されている。

前記支持部材20に突設した一対の軸部材25には支軸26
が架設され、その支軸26には折曲げ押え板支持体27が、
上下方向の回動可能に装着されている。更に支持体27に
は、折曲げ押え板28がその基端部にて着脱可能に装着さ
れるとともに、支持部材20に設けたエアシリンダ29のピ
ストン30が連結され、折曲げ押え板28を上下方向に回動
可能にしている。

前記支持軸26の両端部に上下方向の回動可能に設けた
一対の支持ブロック31には、板材によって平面略Ｕ字状
に形成された折曲げ片支持体32が、その基端部にて着脱
可能に装着されている。

そして、この折曲げ片支持体32上には、前記折曲げ押
え板28の外周に位置するように５個のエアシリンダ33が
装着され、それらのピストン34（第８図）の先端には折
曲げ片35が各々装着されている。これら各折曲げ片35
は、エアシリンダ33に上下位置調節可能に装着されてい
る。

一方、各支持ブロック31の上端と支持部材20の両側部
との間にはエアシリンダ36が配設され、その基端が支持
部材20に上下方向の回動可能に連結されるとともに、そ
のピストン37が前記支持ブロック31の上端に連結されて
いる。尚、前記各エアシリンダ21,22,29,36によって、
ゲージ板24,折曲げ押え板28及び折曲げ片支持体32を、
テーブル14に対して接近離間させるための駆動装置Ｅが
構成されている。

次に、本実施例の主要部であるラベル把持機構Ｇにつ
いて説明するが、このラベル把持機構Ｇは、折曲げ押え
板28の端部に取り付けられており、第３図に示すような
ラベルＬの縫い込まれたポケットPKの製造に使用され
る。

第１図及び第４図に示すように、折曲げ押え板28の端
部には切欠28aを形成した折曲げ板28bが取り付けられ、
この折曲げ板28bより内側にラベル把持機構Ｇが設けら
れている。

そして、ラベル把持機構Ｇの支え板40の垂直に折曲げ
られた部分には、シリンダ41が取り付けられ、そのシリ
ンダ41のロッド先端には、ラック42がピニオン43を回転
するように組み付けられている。尚、このラック42はラ
ック押え42aによって上方への移動が抑止されている。

また、前記ピニオン43は第１軸44に固定されており、
第１軸44は支え板40に固定された第１軸支え45により回
転可能に保持されている。前記第１軸44には第２軸支え
46が固定され、第２軸支え46にはラベル台47が取り付け
られている。

このラベル台47の上端部及び下端部は各々逆方向に折
れ曲がっており、その上端部には２カ所に開口部47aを
備えている。またラベル台47の後側の突起板47bにはシ
リンダ48が固定され、その前側には第３軸支え49が取り
付けられている。この第３軸支え49には第２軸50が通
り、第２軸50の両端には第４軸支え51が固定され、第４
軸支え51には十字形のラベル押え52が取り付けられてい
る。

このラベル押え52には、前記ラベル台47の開口部47a
と重なる開口部53が設けられており、これらの開口部5
3,47aにラベル位置決め54の爪54aが入り込むように、ラ
ベル位置決め54がラベル押え52の上部に取り付けられて
いる。そしてラベル押え52は、常時は自重によってその
先端がラベル台47に接しており、作動時には、前記シリ
ンダ48により第２軸50を中心に微小角回転する。

尚、前記ラック42,ラベル台47,シリンダ48,ラベル押
え52及びラベル位置決め54は、第４図に示すように、各
々矢印A,B,C,D,E方向に移動又は回動可能である。

次に、前記のように構成したポケットセッターのラベ
ル付け装置の動作について説明する。

最初に、第５図（ａ）に示すように、テーブル14上に
生地Ｗを載置するとともに、ゲージ板24を前記生地Ｗか
ら所定距離上方に隔離した水平位置に保持する。そし
て、折曲げ押え板28を斜め上方に開放した状態で、ゲー
ジ板24の上面先端部にポケット布片Ｐを載置する。

次に、第５図（ｂ）に示すように、第１フットスイッ
チS1をオンして、折曲げ押え板28を下方へ回動し、ゲー
ジ板24の上面に折曲げ押え板28を押圧接触する。この結
果、ポケット布片Ｐの外周縁部が下方に垂直に折曲げら
れる。

この状態で、第６図に示すように、ラベル把持機構Ｇ
にラベルＬを次のようにセットする。

まず、ラベルＬをラベル台47とラベル押え52との間に
挟み、第１フットスイッチS1をオフする。それによって
シリンダ48が作動してプランジャ48aが突出し、ラベル
押え52の後端を上方に押し上げることによって、ラベル
Ｌをしっかりと保持する。

次に、第２フットスイッチS2（第５図）をオンするこ
とによって、第１図に示すシリンダ41が作動し、ピニオ
ン42及びラック43を介して駆動力を伝達して第１軸44を
回転させる。そして、ラベル台47及びラベル押え52でラ
ベルＬを挟んだままの状態で、前方に90度回転させてラ
ベルＬを所定の位置に配置する。即ち、第６図（ｃ）及
び第７図に示すように、ラベル台47の先端が、前記折曲
げ板28bの切欠28aに嵌り込んで、ポケット布片Ｐの外周
縁部を押さえつけ、それとともに、折曲げられた外周縁
部と平行にラベルＬを配置する。

次に、第５図の折曲げ片支持体32をエアシリンダ36に
より作動させ、同図に示す上方退避位置から下方へ回動
させて、第８図（ａ）に示す折曲げ押え板28と対応する
水平位置に移動保持する。

続いて、第８図（ｂ）に示すように、各エアシリンダ
33を作動させ、各折曲げ片35をゲージ板28の下方まで移
動させて、ポケット布片Ｐの外周縁部をゲージ板28の下
面に重ね合わせるように折曲げる。このとき、ポケット
布片Ｐの外周縁部とともに、ラベルＬの下端が内側に水
平に折曲げられる。

次いで、第８図（ｃ）に示すように、駆動装置Ｅの作
用により、支持部材20とともに各部材24,28,32をテーブ
ル14上まで降下させる。

引続き、第８図（ｄ）に示すように、各エアシリンダ
33を作動させて、各折曲げ片35をポケット布片Ｐから離
脱させるとともに、ラベル把持機構ＧによるラベルＬの
把持を解除する。

そして、再び駆動装置Ｅを作動させて、第８図（ｅ）
に示すように、折曲げ片支持体32及び折曲げ押え板28を
上昇させ、それらをポケット布片Ｐから離間させる。

この状態で、第８図（ｆ）に示すように、送り板19を
移動させて降下させることにより、ゲージ板24とともに
ポケット布片Ｐ及びラベルＬを生地Ｗ上に押圧する。

次いで、第２図に示すエアシリンダ22を作動させ、ゲ
ージ板24を後方へ移動してポケット布片Ｐから離間させ
た後、送り板19を針落下点まで移動させる。そして、ミ
シン11が作動されるとともに、送り板19がX,Y方向へ移
動されることにより、ポケット布片ＰがラベルＬととも
に生地Ｗが縫いつけられて、前記第３図に示すようにラ
ベルＬ付きポケットPKが形成される。

この様に、本発明の実施例では、ラベル把持機構Ｇの
ラベル台47を前方に90度回転し、このラベル台47及びラ
ベル押え52で挟持したラベルＬを、ポケット布片Ｐの折
曲げた外周縁部とほぼ同じ位置に配置できるので、ラベ
ルＬのポケットPKへの取り付けが極めて容易である。

また、ラベルＬをラベル把持機構Ｇに把持させるとき
には、ラベル台47及びラベル押え52の先端は折曲げ押え
板28の上方で水平に向いているので、ラベルＬを目視し
ながら極めて容易に把持させることができる。

更に、ラベル台47及びラベル押え52の先端にラベルＬ
を把持してから、90度回転させてポケット布片Ｐの折曲
げた外周縁部とほぼ同じ位置に配置できるのであるか
ら、ラベルＬの取り付け寸法を小さくできるという利点
がある。

［発明の効果］ 以上詳述したように、この発明は、ラベルをラベル把
持機構に把持する際に、目視での確認が容易であり、そ
のためラベルのセットがし易く、作業能率が良いという
特長があり、更に、回動してラベルを所定の位置に配置
できるので、ラベルの取り付け寸法が少なくて済むとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例のラベル把持機構を示す斜視図、第２
図はポケットセッター全体を示す斜視図、第３図はポケ
ットの形成状態を示す斜視図、第４図はラベル把持機構
を分解して示す斜視図、第５図は折曲げ押え板の周囲近
傍を示す側面図、第６図及び第７図はラベル把持機構の
動作を示す説明図、第８図はラベルを取り付ける手順を
示す説明図である。 Ｇ……ラベル把持機構 Ｌ……ラベル Ｐ……ポケット布片 24……ゲージ板 28……折曲げ押え板 35……折曲げ片 47……ラベル台 52……ラベル押え

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テーブルの上方にてポケット用の布片を載
   置するゲージ板と、 前記ゲージ板に載置した前記布片の上から重ねられ、前
   記ゲージ板の外周縁に沿って前記布片の外周縁部を下方
   に折曲げる折曲げ体と、 前記ゲージ板の下方に進入することにより、前記布片の
   折曲げられた外周縁部を前記ゲージ板の下方に折曲げる
   複数の折曲げ片と、 を備えたポケットセッターのラベル付け装置ににおい
   て、 前記折曲げ体の上面端部にラベル把持機構を設けるとと
   もに、該ラベル把持機構は、 前記ラベルを把持するラベル把持部と、 該ラベル把持部を回転移動することにより、前記ラベル
   を前記折曲げ片による布片の折曲げ位置に配置する回転
   移動部と、 を備えたことを特徴とするポケットセッターのラベル付
   け装置。