JP2578433Y2 - シャーリングマシン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、シャーリングマシンに関する。

（従来の技術） 従来、シャーリングマシンにおけるテーブル上の材料
を円滑に送り込む手段として、テーブルの上面にボール
状に突起する多数のフリーボールが装着されていた。

（考案が解決しようとする課題） ところで、板材位置決め装置のワーククランプの通り
道には、移動の障害になるフリーボールを取付けること
ができず、そのためにワーククランプが通過する位置が
限定され、送り可能な板材のサイズの制限が大きいとい
う問題があった。また、左右の幅の短い板材の場合、フ
リーボールの上に止まらず左右いずれかの側にズレ落ち
易く、材料の最小幅を設定する必要があった。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題点を解決するため、本考案に
おいては、左右方向へ延びた上刃と左右方向へ延びた下
刃との協働により板材に対して剪断加工を行うシャーリ
ングマシンにおいて、下刃の前側に前後方向へ延伸した
テーブルを設け、このテーブルに板材の後端部をクラン
プするワーククランプを備えた板材位置決め装置を前後
方向へ移動可能に設け、上記テーブルの下面側に上下方
向へ移動可能な複数のローラ支持部材を前後方向に適宜
間隔に設け、各フリーローラ支持部材に板材を前後方向
へ移動自在に支持するフリーローラを回転自在にそれぞ
れ設け、各フリーローラの左右方向の長さをテーブルの
左右方向の長さとほぼ同じ長さになるように各フリーロ
ーラを左右方向へ延伸してそれぞれ構成し、各ローラ支
持部材を上記テーブルの下面に押付ける方向へ付勢する
弾性部材をそれぞれ設け、各ローラ支持部材をテーブル
の下面に押付けたときに対応するフリーローラが切欠部
を介してテーブルの上面に対して上方向へ突出すると共
に各ローラ支持部材を上下方向へ移動させることにより
対応するフリーローラが切欠部を介してテーブルの上面
に対して上下方向へ出没するようにそれぞれ構成し、各
ローラ支持部材にカムフロアをそれぞれ設け、上記板材
位置決め装置が適宜のフリーローラに接近してから通過
するまで対応するカムフロアを弾性部材の付勢力に抗し
て下方向へ移動させると共に板材位置決め装置が適宜の
フリーローラを通過した後に対応するカムフロアを弾性
部材の付勢力も相まって上方向へ復帰移動せしめるドグ
を、板材位置決め装置に一体的に設けてなるものであ
る。

（作用） 前記の構成により、テーブルに板材を支持せしめ、ワ
ーククランプにより板材の前端部をクランプする。次に
板材位置決め装置を後方向へ移動させることにより、板
材における被加工部が下刃に位置するように板材を位置
決めする。そして、上刃と下刃の協働により板材におけ
る被加工部に対して剪断加工を行う。１枚の板材に対し
て複数回の剪断加工を行う場合には、板材の位置決め、
上刃と下刃の協働を複数回繰り返す。１枚の板材に対し
て剪断加工を終了した後においては、板材位置決め装置
を前方向へ移動させて、下刃及び上刃から離反させる。

上述の作用のもとで、従来のシャーリングマシンのご
とくフリーボールによって板材を支持するのではなく、
フリーローラによって板材を支持し、各フリーローラの
左右方向の長さをテーブルの左右方向の長さとほぼ同じ
長さになるように各フリーローラを左右方向へ延伸して
それぞれ構成したことにより、板材の左右方向の長さに
拘らず、例えば板材の左右方向の長さがかなり短い場合
であっても、その板材を確実にフリーローラにより支持
することができる。

また、板材位置決め装置を前後方向へ移動させる場合
に、板材位置決め装置が適宜のフリーローラに接近して
から通過するまでの間、ドグによって対応するカムフロ
アを弾性部材の付勢力に抗して下方向へ移動させて、対
応するローラ支持部材もカムフロアと一体的に下方向へ
移動せしめる。これによって、上記適宜のフリーローラ
を切欠部を介してテーブルの上面に対して下方向へ没入
せしめて、適宜のフリーローラと板材位置決め装置との
干渉を回避できる。板材位置決め装置が適宜のフリーロ
ーラから通過した後に、ドグによって対応するカムフロ
アを弾性部材の付勢力も相まって上方向へ復帰移動させ
て、対応するローラ支持部材をカムフロアと一体的に上
方向へ移動せしめる。これによって、適宜のフリーロー
ラを切欠部を介してテーブルの上面に対して上方向へ突
出せしめて、元の位置に復帰せしめる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づき、詳細に説明
する。

第４図はこの考案が実施されたシャーリングマシンの
正面図を示す。図においてシャーリングマシン１は、左
右方向（第４図において紙面に向って裏表方向）へ延び
た上刃３と下刃５とからなる切断部を有し、テーブル７
から送られる板材９を切断する。板材９は、板材位置決
め装置11におけるキャレッジベース13にキャレッジを介
して左右方向へ移動可能に設けたワーククランプ15によ
って保持され、フリーローラ19によりテーブル７上を円
滑に前後方向（第４図において左右方向）に移動され
る。

次に、第１図は本考案の浮上式フリーローラ装置の概
要構成図、第２図は第１図のII−II線断面図、第３図は
第２図のIII−III線断面図を示す。浮上式フリーローラ
装置17は、主としてローラ支持部材21と、フリーローラ
19と、カムフロア23と、弾性部材、本実施例ではスプリ
ング25、ドグブラケット27およびドグ29とから構成され
ている。ローラ支持部材21は、テーブル７の下面側に設
けられ、フリーローラ19を回転自在に軸支すると共に、
シャフトガイド31が取付けられ、シャフト33がスプリン
グ25を介して、シャフトガイド31を貫通してテーブル７
の下面に螺着される。従って、スプリング25は、ローラ
支持部材21をテーブル７の裏面に押付け、第３図に示す
ようにフリーローラ19を切欠部を介してテーブル７の上
面に対して上方向へ突出させている。

また、ローラ支持部材21の中央部には、カムフロア23
を回転自在に軸支するカムフロアブラケット35が下向き
に取付けられている。なお、アジャストボルト37は、テ
ーブル７へのローラ支持部材21の締付量を調整すること
により、テーブル７の表面に浮上するローラ19の高さを
微調整することができる。

さらに、キャレッジベース13の下面側には、ドグブラ
ケット27が取付けられ、このドグブラケット27にはドグ
29が固着されている。

このような構成されたことにより、キャレッジベース
13が移動してドグ29がカムフロア23に接触するようにな
り、さらに移動すると、ドグ29の傾斜面に沿ってカムフ
ロア23が下降する。従って、フリーローラ19は、切欠部
を介してテーブル７の上面に対して下方向へ没入し、キ
ャレッジベース13から逃げるから、フリーローラ19と板
材位置決め装置15との干渉を回避することができる。

なお、板材位置決め装置15が通過してドグ29がカムフ
ロア23から外れると、フリーローラ17は、スプリング25
の復帰力によって、テーブル７の上面に対して上方向へ
突出して最初の位置に復帰する。

本実施例の考案の要旨をまとめると、以上のようにな
る。即ち、左右方向へ延びた上刃３と左右方向へ延びた
下刃５との協働により板材９に対して剪断加工を行うシ
ャーリングマシン１において、 下刃５の前側に前後方向へ延伸したテーブル７を設
け、このテーブル７に板材９の後端部をクランプするワ
ーククランプ15を備えた板材位置決め装置11を前後方向
へ移動可能に設け、上記テーブル７の下面側に上下方向
へ移動可能な複数のローラ支持部材21を前後方向に適宜
間隔に設け、各フリーローラ支持部材21に板材９を前後
方向へ移動自在に支持するフリーローラ19を回転自在に
それぞれ設け、各フリーローラ19の左右方向の長さを第
１図及び第２図に示すようにテーブル７の左右方向の長
さとほぼ同じ長さになるように各フリーローラ19を左右
方向へ延伸してそれぞれ構成し、各ローラ支持部材21を
上記テーブル７の下面に押付ける方向へ付勢する弾性部
材25をそれぞれ設け、各ローラ支持部材21をテーブル７
の下面に押付けたときに対応するフリーローラ19が切欠
部を介してテーブル７の上面に対して上方向へ突出する
と共に各ローラ支持部材を上下方向へ移動させることに
より対応するフリーローラ19が切欠部を介してテーブル
７の上面に対して上下方向へ出没するようにそれぞれ構
成し、各ローラ支持部材21にカムフロア23をそれぞれ設
け、上記板材位置決め装置11が適宜のフリーローラ19に
接近してから通過するまで対応するカムフロア23を弾性
部材25の付勢力に抗して下方向へ移動させると共に板材
位置決め装置11が適宜のフリーローラ19を通過した後に
対応するカムフロア23を弾性部材25の付勢力も相まって
上方向へ復帰移動せしめるドグ29を、板材位置決め装置
13に一体的に設けてなることを特徴とする。

（考案の効果） 以上のごとく、請求項１に記載の考案によれば、従来
のシャーリングマシンのごとくフリーボールによって板
材を支持するのではなく、フリーローラによって板材を
支持し、各フリーローラの左右方向の長さをテーブルの
左右方向の長さとほぼ同じ長さになるように各フリーロ
ーラを左右方向へ延伸してそれぞれ構成したことによ
り、板材の左右方向の長さに拘らず、例えば板材の左右
方向の長さがかなり短い場合であっても、その板材を確
実にフリーローラによって支持することができ、剪断加
工で板材の範囲が飛躍的に拡大する。

また、板材位置決め装置が前後方向へ移動するとき
に、ドグとカムフロアの作用によりフリーローラがテー
ブルの上面に対して上下方向に出没するために、フリー
ローラと板材位置決め装置は干渉することはなく、フリ
ーローラ及び板材位置決め装置の損傷を抑制することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の浮上式フリーローラ装置の概要構成
図、第２図は第１図のII−II線断面図、第３図は第２図
のIII−III線断面図、第４図はこの考案が実施されたシ
ャーリングマシンの正面図である。 １……シャーリングマシン、７……テーブル、９……板
材 19……フリーローラ、23……カムフロア、25……スプリ
ング、29……ドグ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右方向へ延びた上刃と左右方向へ延びた
   下刃との協働により板材に対して剪断加工を行うシャー
   リングマシンにおいて、 下刃の前側に前後方向へ延伸したテーブルを設け、この
   テーブルに板材の後端部をクランプするワーククランプ
   を備えた板材位置決め装置を前後方向へ移動可能に設
   け、上記テーブルの下面側に上下方向へ移動可能な複数
   のローラ支持部材を前後方向に適宜間隔に設け、各フリ
   ーローラ支持部材に板材を前後方向へ移動自在に支持す
   るフリーローラを回転自在にそれぞれ設け、各フリーロ
   ーラの左右方向の長さをテーブルの左右方向の長さとほ
   ぼ同じ長さになるように各フリーローラを左右方向へ延
   伸してそれぞれ構成し、各ローラ支持部材を上記テーブ
   ルの下面に押付ける方向へ付勢する弾性部材をそれぞれ
   設け、各ローラ支持部材をテーブルの下面に押付けたと
   きに対応するフリーローラが切欠部を介してテーブルの
   上面に対して上方向へ突出すると共に各ローラ支持部材
   を上下方向へ移動させることにより対応するフリーロー
   ラが切欠部を介してテーブルの上面に対して上下方向へ
   出没するようにそれぞれ構成し、各ローラ支持部材にカ
   ムフロアをそれぞれ設け、上記板材位置決め装置が適宜
   のフリーローラに接近してから通過するまで対応するカ
   ムフロアを弾性部材の付勢力に抗して下方向へ移動させ
   ると共に板材位置決め装置が適宜のフリーローラを通過
   した後に対応するカムフロアを弾性部材の付勢力も相ま
   って上方向へ復帰移動せしめるドグを、板材位置決め装
   置に一体的に設けてなることを特徴とするシャーリング
   マシン。