JPH0410972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、左右対称形状の板金材を得るための
板金材の送り裁断装置に関するものである。

〈従来の技術〉 自動車のリヤドア用の板金素材は一端が直線で
他端がクランク状に屈曲した形状のものを左右一
対としている。

従来の板金材送り裁断装置は第６図及び第７図
で示すように、下型１と上型２とに帯状の板金材
Ｗの移動方向ａに対して直交する方向に直線の刃
を向けた下型切刃３ａと上型切刃３ｂとを固定
し、この下型切刃３ａ、上型切刃３ｂと所要の間
隔を有して板金材Ｗの移動方向ａに対して直交す
る方向に屈曲した刃を向けた下型切刃４ａと上型
切刃４ｂとを固定した構造であり、これによつて
第６図で示すように切刃３ａ，３ｂと４ａ，４ｂ
間で切断されたワークＡは矢印ｂ方向に取り出
し、切刃４ａ，４ｂより前方で切断されたワーク
A′は矢印Ｃ方向に取り出している。この取り出
されたワークＡ，A′は第１０図のようになる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来装置より取出されるワークＡ，A′を
第９図で示すように左右対称的に得るためには前
記取出されたワークＡ，A′の何れか一方を第８
図で示すような反転装置５によつて反転する面倒
な作業を必要とする。

また、前記ワークＡ又はA′を反転することに
よりワークの積み重ね状態にずれが生じ、プレス
ラインのシートフイーダでワークを送る際に位置
決め不良を起す。

さらに、ワークの材質で片面のみにメツキ処理
してあるものについては、ワークを反転するとメ
ツキ処理側が裏面となるため、左右ワーク用の２
種類の板金素材（コイル）を必要とする問題点が
あつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされたもので、その特徴とする構成は、帯状の
板金素材を送り移動し、一側端が直線で他端側が
屈曲線形状の板金材を同一板金素材の平面内で左
右対称に裁断する装置であつて、下型台上に下型
と上型とからなる固定型と、この固定型に対して
所要の間隔を置いて前記板金素材の送り移動方向
に対し直交する方向にシフト可能な下型と上型と
からなる可動型とを設け、前記固定型に前記板金
素材の送り移動方向に対し直交する方向に直線固
定切刃を固設し、前記可動型には前記固定切刃に
平行してクランク形状の可動屈曲切刃を固設し、
この可動型を前記板金素材の幅方向の中心基線に
対し左右の切断位置にシフト位置決めする位置決
め部材を備えたものである。

〈作用〉 本考案は、可動屈曲切刃をシフトすることによ
り、１つの型で左右対称形状のワークを左と右と
に別々に裁断するものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第５図に基づ
いて説明する。第１図において、１０は下型台で
ある。この下型台１０上に固定型イと移動型ロと
が設置されている。前記固定型イは下型本体１１
と上型本体１２とからなり、また移動型ロも下型
本体１５と上型本体１６とからなり、固定型イ及
び移動型ロの何れもフローテイング構造となつて
いる。

すなわち、第２図で示すように、下型本体１
１，１５に鉛直軸線方向のガイドポスト１９を立
設し、これに上型本体１２，１６が昇降動可能に
案内されている。そして、下型本体１１，１６と
上型本体１２，１６との対向間にはばね又はウレ
タン等の弾性体２０が介在され上型本体１２，１
６を浮上させている。この上型本体１２，１６は
図略のプレス機により押し下げ作動されるもので
ある。

そこで、フローテイング構造により上型本体１
２と一体になつている固定型イ側の下型本体１１
は下型台１０に縮付ボルトで固定されており、下
型本体１１には第３図で示すように板金素材Ｗの
送り移動方向ａに対して直交する方向に下直線切
刃１３が固定され、上型本体１２には前記下直線
切刃１３と対応する上直線切刃１４が固定されて
いる。

一方、移動型ロ側の下型本体１５は第３図及び
第４図で示すように下型台１０上にガイド２１と
フリーペアリング２２とにより板金素材Ｗの送り
移動方向に対して直交する方向にシフト可能に設
けられている。２３は下型本体１５のスラスト受
け部である。

上記下型本体１５には下屈曲刃物１７が固定さ
れ、上型本体１６には前記下屈曲切刃１７と対応
する上屈曲切刃１８が固定されている。

第３図において、２４は移動型ロ側の下型本体
１５の位置決め用バツクアツプ、２５は位置決め
用ピンを示す。

本考案は上記の通りの構造であるから、固定型
イ側の下直線切刃１３、上直線切刃１４は左右何
れのワークＡ，Ｂにおいて共用され、移動型ロ側
の下屈曲切刃１７、上屈曲切刃１８は下型本体１
５を送り移動される板金素材Ｗの幅方向の中心基
線に対し左、右シフトすることにより左ワークＡ
用の切断位置RH、右ワークＢ用の切断位置LH
となる。

従つて、第５図Ａで示すように下屈曲切刃１７
を左ワークＡ用の切断位置RHにシフト（上屈曲
切刃１８は下型本体１５と一体にシフトされる）
した場合は左ワークＡ，Ａが裁断され、また第５
図Ｂで示すように下屈曲切刃１７を右ワーク用の
切断位置LHにシフトした場合は右ワークＢ，Ｂ
が裁断されるのである。

この下型本体１５の左右シフトの作動Ｆは手動
又はシリンダ等のアクチユエータにより自動的に
行われる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、一端が屈曲形状
の左右対称形のワークを１つの型で屈曲切刃側を
シフトするだけで左と右とのワークを別々に裁断
することができ、従つて裁断後のワークを反転さ
せる必要がなくなり、従来の問題点を全て解決す
ることができる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図は下型と上型
とのフローテイング構造を示す断面図、第３図は
本考案の下型平面図、第４図は第３図−線断
面図、第５図は本考案の裁断動作説明図、第６図
は従来装置の下型平面図、第７図は同断面図、第
８図は反転装置の斜視図、第９図は左右対称ワー
クの平面図、第１０図は従来装置で裁断し取り出
されたワークの斜視図である。 １０……下型台、１１……下型本体、１２……
上型本体、１３……下直線切刃、１４……上直線
切刃、１５……下型本体、１６……上型本体、１
７……下屈曲切刃、１８……上屈曲切刃、１９…
…ガイドポスト、２０……弾性体、２１……ガイ
ド、２２……フリーペアリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状の板金素材を送り移動し、一側端が直線で
   他端側が屈曲線形状の板金材を同一板金素材の平
   面内で左右対称に裁断する装置であつて、下型台
   上に下型と上型とからなる固定型と、この固定型
   に対して所要の間隔を置いて前記板金素材の送り
   移動方向に対し直交する方向にシフト可能な下型
   と上型とからなる可動型とを設け、前記固定型に
   前記板金素材の送り移動方向に対し直交する方向
   に直線固定切刃を固設し、前記可動型には前記固
   定切刃に平行してクランク形状の可動屈曲切刃を
   固設し、この可動型を前記板金素材の幅方向の中
   心基線に対し左右の切断位置にシフト位置決めす
   る位置決め部材を備えたことを特徴とする板金材
   の送り裁断装置。