JPH0213383Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ワーク回転押圧装置に関するもの
である。

従来、板材加工装置等においてワークを加工し
た後、さらにワークの向きを変えてこのワークを
加工するために、ワークの少なくとも上面を押圧
し回転させるワーク回転押圧装置がある。この装
置においてワークを押える時、ワークの上面側を
押える部材の中心と下面側を支える部材の中心と
がずれ、上面側を押える部材が偏芯荷重を受けた
状態で回転すると、上面側を押える部材に曲げモ
ーメントが発生するなど押圧装置の寿命を縮める
等の問題があつた。

この考案は、かかる従来の問題点に鑑み考案さ
れたもので、偏芯荷重を受けながら回転してもワ
ークの上面側を押える部材に発生する曲げモーメ
ントを軽減できるワーク回転押圧装置を提供する
ものである。

以下、添付図面に基づいてこの考案の一実施例
を詳細に説明する。

第１図及び第２図は、数値制御装置（図示省
略）によつて、総ての制御を行ないつつ板状のワ
ークＷにシヤーリング加工を行なうシヤーリング
マシン１とシートフイーダー３の平面図及び正面
図である。

前記シートフイーダー３のワークＷを支持する
支持テーブル５の上面には、ワークＷを円滑に支
持させるための多数のボールが、支持テーブル５
に対して出没自在に配設されている。

支持テーブル５は前後方向に３分割され、各々
の隙間をキヤリーガイド９が往復し得るように、
キヤリーガイド９をガイドする２本のガイドレー
ル１１が支持テーブル５の下方に位置し機台に装
着されている。

キヤリーガイド９には、このキヤリーガイド９
の長手方向に沿つて、水平に摺動自在のキヤリツ
ジ１３が設けられており、このキヤリツジ１３に
は、ワークＷをクランプするワーククランプ装置
１５が装着されている。

前記支持テーブル５の中央部には、ワークＷの
上面及び下面を押えて回転させるワーク回転押圧
装置１７の回転駆動側である円盤状のターンテー
ブル１９が、支持テーブル５面と平行な面を有し
設けられている。このターンテーブル１９は、モ
ータのごとき駆動装置２１によりベベルギヤより
なる連結歯車２３を介して回動可能である。尚、
ターンテーブル５上面には、ワークＷの押圧時に
ワークＷの下面と当接する突出部２５が複数設け
られている。

第２図に示すように前記ワーク回転押圧装置１
７の押え側として、前記ターンテーブル１９の上
方に、第３図のようなワーク押圧手段２７が配置
されており、このワーク押圧手段２７は、シリン
ダーよりなるワーク押圧駆動部２９、円盤状のワ
ーク押圧部材３１等から構成されている。

一方、支持テーブル５の前後側方に上方に向け
て設けられたフレーム３３の上端部に架設された
フレーム３５の中央上面には支持台３７が取付け
られ、さらに支持台３７の上面には取付台３９が
取付けられている。取付台３９の上面には、支持
部材４１が前記ワーク押圧駆動部２９を挾み対向
して取付けられている。

前記支持台３７及び取付台３９には、ワーク押
圧駆動部２９が支持テーブル５方向に延設可能な
貫通孔４３が穿設されており、取付台３９の貫通
孔４３側壁には、第５図に示すようにワーク押圧
駆動部２９を常に垂直に保つように付勢保持する
弾性部材として複数のスプリングプランジヤー４
５が設けられている。このスプリングプランジヤ
ー４５は、内装したスプリングによつてボール又
はピンが突出付勢されており、上記ピン等が押圧
駆動部２９の周囲に当接してある。

前記各支持部材４１には、第４図に示すように
ワーク押圧駆動部２９に向けフレーム３５と平行
に左右揺動軸４７が回動自在に設けられ、この左
右揺動軸４７には、ワーク押圧駆動部２９を囲む
ように支持フレーム４９が回動自在に軸支されて
いる。支持フレーム４９の左右揺動軸４７と直交
する位置に前後揺動軸５１が、ワーク押圧駆動部
２９に向けて回動自在に設けられ、この前後揺動
軸５１には、前記ワーク押圧駆動部２９が揺動自
在に軸支されいる。

従つて、前記ワーク押圧手段２７は、左右揺動
軸４７により支持フレーム４９と共に機台に対し
て左右方向に、また前後揺動軸５１により前後方
向に各々揺動自在に設けられていることになる。

前記ワーク押圧駆動部２９は内部に上下動自在
なピストンを有し、ピストンにはピストンロツド
５３が下方に向けて固設されている。ピストンロ
ツド５３下端部には、付勢板５５が水平に固着さ
れている。付勢板５５の下方には、フランジ部５
７を上部に有する軸受部材５９が球面軸受６１に
より揺動自在に支持され、フランジ部５７の上面
には、軸受部材５９と共に前記ワーク押圧部材３
１を常に水平（ピストンロツド５３に対して直交
状態）に保持するように、付勢板５５の下面を押
圧付勢する弾性部材としてスプリングプランジヤ
ー６３が複数設けられている。

軸受部材５９の下端部底壁６５には、前記ワー
ク押圧部材３１を下端に固着し、底壁６５の上面
及び下面にスラスト軸受６７を擁して上面側のス
ラスト軸受６７上部の固定部材６９に固定支持さ
れた支持軸７１が、前記ワーク押圧部材３１と共
に回動自在に設けられている。ワーク押圧部材３
１の下面には、ワークＷの押圧時にワークＷの上
面と当接する、例えばゴム等によりなる弾性の突
出部７３が複数設けられている。このワーク押圧
部材３１は、前述したピストンの上下運動に伴な
いワークＷに向つて接近離反するものである。

次に、上記のような構成からなる実施例の作用
を説明する。

ワークＷの一側部をワーククランプ装置１５に
よりクランプした後に、キヤリーガイド９をガイ
ドレール１１に沿つて移動すると共に、キヤリツ
ジ１３をキヤリーガイド９の移動方向に対し直交
する方向に水平に移動することにより、ワークＷ
は前後左右方向に位置決めされ、シヤーリングマ
シン１によつてワークＷをシヤーリング加工す
る。そして、ワークＷの向きを変えて加工するた
めにワークＷの中心とターンテーブル１９の中心
とをほぼ一致するようにワークＷを、ワーククラ
ンプ装置１５でクランプしつつ支持テーブル５上
を移動させる。ワークＷをターンテーブル１９上
に位置決めした後、ワーク押圧手段２７における
ワーク押圧駆動部２９に内装されたピストン、ピ
ストンロツド５３、軸受部材５９及びワーク押圧
部材３１等が一体となつて、下方に移動してワー
クＷに接近し、ワークＷをターンテーブル１９上
の突出部２５とワーク押圧部材３１の突出部７３
とで押圧する。その後に、クランプ装置１５によ
るワークＷのクランプを解除し、クランプ装置１
５をワークＷから離反する。

次に、ワーク押圧手段２７でワークＷを押圧し
た状態において駆動装置２１を回転駆動させる
と、連結歯車２３を介してターンテーブル１９が
回転すると共に、ワークＷとワークＷの押え側で
あるワーク押圧部材３１及び支持軸７１等とが一
体となつて回転する。

ここで、ターンテーブル１９の中心とワーク押
圧部材３１の中心とが一致しない状態、つまり偏
芯状態でワークＷをワーク回転押圧装置１７で押
圧し回転させたとしても、球面軸受６１の揺動作
用及び左右揺動軸４７と前後揺動軸５１とで発生
し得る揺動作用でスムーズな回転が得られる。

ワークＷを所定の位置に回転させたところで、
駆動装置２１の回転駆動を停止させることにより
ワーク回転押圧装置１７の回転がワークＷと共に
停止する。そして、ワーククランプ装置１５を移
動させワークＷをクランプした後に、ワーク回転
押圧装置１７のワーク押え側であるワーク押圧手
段２７のワーク押圧部材３１をワークＷから離反
させ、上昇させる。

上記のように、ワーククランプ装置１５により
ワークＷをクランプした後に、ワークＷを所定の
位置に移動させてシヤーリングマシン１によつて
ワークＷを再びシヤーリング加工するのである。

また、ワーク押圧手段２７がワークＷから離反
したとき、ワーク回転押圧装置１７の回転により
発生したワーク押圧駆動部２９の傾斜を、フレー
ム側に設けられたスプリングプランジヤー４５が
ワーク押圧駆動部２９の側壁を付勢することによ
り、修正し垂直状態を保持する。さらに、球面軸
受６１を支点とするワーク押圧部材３１の水平面
に対する傾きを、押圧部材３１側の軸受部材５９
に設けられたスプリングプランジヤー６３が付勢
板５５を付勢することにより、修正し水平状態を
保持する。

以上のようにこの実施例では、ワークを押圧回
転するワーク回転押圧装置の押圧側であるワーク
押圧手段を、前後方向及び左右方向に揺動自在に
フレームに軸支し、前記ワーク押圧手段の押圧部
材を揺動かつ回転自在に設けたので、ターンテー
ブルとワーク押圧部材とが偏芯状態でワークＷを
押圧し、回転させても、シリンダーロツド等に発
生する曲げモーメント等を軽減できるので、ワー
ク押圧手段の長寿命化が可能となつた。

また、スプリングプランジヤーを設けたため、
ワークの押圧側であるワーク押圧手段をワークか
ら離反させたとき、ワーク回転押圧装置の回転に
より発生したワーク押圧駆動部及びワーク押圧部
材の傾斜を、それぞれ垂直状態及び水平状態に修
正し保持するようになつたので、ワーク押圧部材
が傾斜した状態に保持されることがなく、キヤリ
ーガイド等のワーク送り装置の移動時に、この送
り装置とワーク押圧部材との干渉も発生しなくな
つた。

尚この考案は、前述の実施例に限定されるもの
ではなく、前述の実施例以外の態様でもこの考案
を実施し得るものである。例えば、この実施例で
はシヤーリングマシンを取上げ説明したが、この
考案はシヤーリングマシンの場合のみに限定され
るものではなく、タレツトパンチプレスや自動的
な折曲げ機等にも実施し得るものである。

以上のごとき実施例の説明により理解されるよ
うに、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求
の範囲に記載のとおりであるからその記載により
明らかなように、支持テーブル５に設けたターン
テーブル１９の上方位置には、ピストンロツド５
３を上下動自在に備えたワーク押圧駆動部２９が
前後左右方向へ揺動自在に設けられており、かつ
ワーク押圧駆動部２９は、ワーク押圧駆動部２９
の周囲に設けた弾性部材によつて常に垂直状態に
付勢保持されているものである。さらに、前記ピ
ストンロツド５３の下端部に回転自在かつ前後左
右方向へ揺動自在に設けられたワーク押圧部材３
１は、ピストンロツド５３とワーク押圧部材３１
との間に介在した弾性部材の作用によつて常に水
平（ピストンロツド５３に対して常に直交する状
態）に付勢保持されているものである。

すなわち本考案においては、ワーク押圧駆動部
２９が揺動自在であり、かつワーク押圧部材３１
が揺動自在かつ回転自在であるから、ターンテー
ブル１９の軸心とワーク押圧部材３１の軸心とが
必ずしも一致しない場合であつてもターンテーブ
ル１９の回転時に、ワーク押圧駆動部２９が才差
運動的に揺動するので、各取付部に曲げモーメン
トなど無理な力が作用することなく、ワークＷの
回転を円滑に行なうことができると共に、各取付
部等の寿命が向上するものである。さらに、ワー
ク押圧駆動部２９は常に垂直状に付勢保持されて
おり、ワーク押圧部材３１は常に水平状に付勢保
持されているから、ワーク押圧部材３１がワーク
Ｗをターンテーブル１９に押圧するときには、常
に水平状態にあり、ワークＷの押圧をスムーズに
行なうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、この考案の一実施例を示すもので
あり、第１図及び第２図はシヤーリングマシンと
シートフイーダーの平面図、及び正面図、第３図
及び第４図はワーク押圧手段の正面図及び概略平
面図、第５図は第３図における−矢視図であ
る。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１７…
…ワーク回転押圧装置、１９……ターンテーブ
ル、２７……ワーク押圧手段、２９……ワーク押
圧駆動部、３１……ワーク押圧部材、４５，６３
……スプリングプランジヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状のワークＷを支持する支持テーブル５に、
   ワークＷの下面を支持して水平に回転自在なター
   ンテーブル１９を設け、このターンテーブル１９
   の上方に設けられた支持台３７に、上下動自在な
   ピストンロツド５３を備えたワーク押圧駆動部２
   ９を前後左右方向へ揺動自在に枢支して設けると
   共に、ワーク押圧駆動部２９を常時垂直に保持す
   べくワーク押圧駆動部２９の周囲に、ワーク押圧
   駆動部２９を垂直状態に押圧復帰せしめるための
   弾性部材４５を設け、前記ターンテーブル１９上
   のワークＷを上方から押圧自在なワーク押圧部材
   ３１を、前記ピストンロツド５３の下端部に回転
   自在かつ前後左右方向へ揺動自在に枢支して設
   け、このワーク押圧部材３１を常時水平に保持す
   べくワーク押圧部材３１をピストンロツド５３に
   対して直交すべく押圧付勢する弾性部材６３を、
   ワーク押圧部材３１とピストンロツド５３との間
   に介在してなることを特徴とするワーク回転押圧
   装置。