JPH0129472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、熱交換を伴なう換気を行なう空調換
気扇の改良に関する。

［背景技術］ 空調換気扇は熱交換子を備え、この熱交換子で
外気と室内空気との間で熱交換を行なわせるが、
冬期では寒冷な外気と多湿で暖かい室内空気とを
熱交換させることとなるため、熱交換子の室内空
気用流路内で結露が生じやすく、屋外が特に低温
である場合や寒冷地域等では結露水が凍結してし
まい、熱交換子の室内空気用流路が目詰まりを起
し、熱交換子がその機能をはたすことができなく
なるおそれの大きなものであつた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、寒冷地域等で用いても結露水
が凍結して熱交換機能に支障をきたす等のおそれ
のない空調換気扇を提供することにある。

［考案の構成］ そのため、本考案は、外気が直接流入する主熱
交換子の他に前記主熱交換子に先立つて室内空気
が流入する予備熱交換子を配置し、この予備熱交
換子にて生じた結露水を排出するための排水経路
を設け、この排水経路に前記予備熱交換子の排気
流（室内空気流）の少なくとも一部を通じさせる
とともに排水経路を屋外排気口に連通させ、これ
により、主熱交換子に比較して相対的に高湿度の
予備熱交換子にて室内空気中に含まれていた水分
の多くを結露させてしまい、その際に生じた結露
水を主熱交換子に持込むことなく前記排水経路に
より前記屋外排気口から排出させ（抜取り）、屋
外空気が直接流入して相対的に低温度の前記主熱
交換子に流入する室内空気からは既でに多くの水
分が除去されてしまつているようにし、この主熱
交換子内での結露水の凍結を防止あるいは減少さ
せて前記目的を達成しようとするものである。

［実施例の説明］ 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１，２図には夫々本考案に係る空調換気扇の
一実施例が示され、これらの図において室内と屋
外とを仕切る壁体１には本空調換気扇が取付けら
れており、この空調換気扇は主熱交換子２と予備
熱交換子３という互いに独立した２つの熱交換子
を有している。これら主熱交換子２および予備熱
交換子３はその内部において室内空気と外気とが
直接混合されない非混合型、あるいは少なくとも
一部が混合される混合型のいずれであつてもよ
い。

主熱交換子２には、フアン４を備えた外気吸入
路５から外気が直接流入され、外気は主熱交換子
２内において室内空気と熱交換した後に連結路６
（第２図参照）を介して前記予備熱交換子３に流
入するようになつている。

予備熱交換子３には前記主熱交換子２に先立つ
て室内空気が室内空気吸入口７より流入し、この
流入した室内空気は前記主熱交換子２を経た後の
外気と熱交換した後に隙間８を経て主熱交換子２
へと流入するようになつている。また、予備熱交
換子３からは熱交換後の暖められた空気が室内給
気口９（第２図参照）から室内へと吹出されるよ
うになつている。

主熱交換子２にて熱交換した後の室内空気は排
気路１１を経て屋外排気口１２から屋外へと排気
され、この屋外排気口１２付近には排気のための
フアン１３が取付けられている。

また、前記予備熱交換子３にはこの予備熱交換
子３で生じた結露水を排水するための排水経路１
４（第１図参照）が設けられ、この排水経路１４
は屋外排気口１２に通じており屋外排気口１２お
いて屋外と連通している。更に、この排水経路１
４は絞り部１５を介して前記隙間８に連通してお
り、絞り部１５を設けたことにより隙間８から排
水経路１４へと散逸する室内空気量を少なくする
ことができるようになつている。また、排水経路
１４はいわゆる水勾配だけ傾けられており結露水
が屋外排気口１２側へと流下し易いようになつて
いる。

このような本実施例によれば、主熱交換子２に
比較して相対的に高温度の予備熱交換子３におい
て暖かく多湿な室内空気に含まれていた水分の少
なくとも一部を露結させてしまい、その際生じた
露結水を主熱交換子２内に持込むことなく、排水
経路１４から屋外へと排出させてしまうものであ
る。そのため、寒冷な外気が直接流入して低温度
の主熱交換子２にはすでに前記結露水としてその
水分の少なくとも一部が除去されて乾燥した室内
空気が流入するものであるため、このような室内
空気が寒冷な外気と接触して結露を生じても、こ
の際の結露水は十分に減少されており、主熱交換
子２における熱交換機能を損なうほどの凍結を起
させることがないという効果がある。

すなわち、本実施例によれば、結露水の大部分
を主熱交換子２に至る以前の途中で排水経路１４
から抜取つてしまうも可能であり、これにより凍
結量を皆無とし或いは減少させて熱交換機能を長
く且つ十分に維持させることができる。

また、排水経路１４を流下する結露水は屋外排
気口１２に近付くにつれて低温になるが、この排
水経路１４内には予備熱交換子３から排出される
室内空気の少なくとも一部が通じるようになつて
いるため、室内空気の熱により排水経路１４内に
おいて結露水が凍結するおそれもないという効果
がある。

なお、前記実施例では予備熱交換子３はただ一
つだけ設けられているものとしたが、これに限ら
ず二つ以上設けられていてもよい。

［考案の効果］ 本考案によれば、寒冷地域等で用いても結露水
が凍結して熱交換機能に支障をきたすおそれのな
い空調換気扇を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は夫々本考案に係る空調換
気扇の一実施例を示す正面側および上部側から見
た断面図である。 ２……主熱交換子、３……予備熱交換子、５…
…外気吸入路、７……室内空気吸入口、８……隙
間、９……室内給気口、１１……排気路、１２…
…屋外排気口、１４……排水経路、１５……絞り
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外気が直接流入する主熱交換子の他に前記主熱
   交換子に先立つて室内空気が流入する予備熱交換
   子を配置し、この予備熱交換子にて生じた結露水
   を排出するための排水経路を設け、この排水経路
   に前記予備熱交換子の排気流の少なくとも一部を
   通じさせるとともに前記排水経路を屋外排気口に
   連通させたことを特徴とする空調換気扇。