JPH0129173B2 - - Google Patents

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JPH0129173B2
JPH0129173B2 JP58058936A JP5893683A JPH0129173B2 JP H0129173 B2 JPH0129173 B2 JP H0129173B2 JP 58058936 A JP58058936 A JP 58058936A JP 5893683 A JP5893683 A JP 5893683A JP H0129173 B2 JPH0129173 B2 JP H0129173B2
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JP
Japan
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zinc
reaction
ruthenium
catalyst
benzene
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Osamu Mitsui
Yohei Fukuoka
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシクロオレフインの製造方法、さらに
詳しくいえば、ルテニウム触媒の存在下に、単環
芳香族炭化水素を部分的に核水素化することによ
つて、対応するシクロオレフインを工業的に有利
に製造する方法に関するものである。
従来、シクロオレフインの製造方法として種々
の方法、例えば(1)アルカリ金属の存在下で液体ア
ンモニアを溶媒とする方法(西ドイツ特許
1443377号明細書、同1793757号明細書)、(2)ルテ
ニウム触媒を使用する方法(ベルギー特許660742
号明細書)、(3)少なくとも1種の第族元素の環
元されたカチオンを触媒とし、水及びアルカリ剤
を存在させて行う方法(特開昭47−42645号公
報)、(4)ルテニウム触媒並びにa族金属、a
族金属、マンガン、亜鉛及びアンモニアの陽イオ
ンの塩を含む中性又は酸性水溶液を存在させて行
う方法(特開昭50−142536号公報、特開昭51−
98243号公報)などが知られている。
しかしながら、これらの従来の方法はいずれも
なんらかの欠点を有しており、工業的に実施する
場合必ずしも満足しうるものとはいえない。例え
ば(1)の方法ではシクロオレフインは比較的高収率
で得られるものの、工業的プロセスとしてははん
雑であるし、(2)の方法においてはシクロヘキセン
の選択率が低いという欠点がある。一方、(3)の方
法においては、これらの方法に対して、実用化し
うる転化率のもとでのシクロオレフインへの選択
性が比較的高くて有用であるが、この比較的高い
選択性を得るための条件として、亜鉛などの金属
の化合物及びクロムなどのカルボニル化合物など
の添加が必要であり、そのため反応速度の低下や
添加物の陰イオンに基づく悪影響、例えば反応器
材質の腐食などの問題が生じる。また担体として
酸化亜鉛を用いた系も提案されているが、シクロ
ヘキセンの生成に要する時間が長く、かつベンゼ
ンの転化率及びシクロヘキセンの選択率ともに低
い。さらに(4)の方法においても、シクロヘキセン
の選択率を十分に高くすることはできず、工業的
に実施する方法としては必ずしも適当ではなかつ
た。
本発明者らは、このような従来技術がもつ欠点
を改良し、工業的有利にシクロオレフインを得る
方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ルテニ
ウム触媒を用いて単環芳香族炭化水素を部分的に
核水素化してシクロオレフインを製造するに際
し、酸化亜鉛や水酸化亜鉛を反応系に添加するこ
とによつて、その目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至つ
た。
すなわち、本発明は、ルテニウム触媒の存在下
に、単環芳香族炭化水素を部分的に水素添加して
シクロオレフインを製造するに当り、反応系中
に、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛の中の少なくとも1
種を、ルテニウムに対する非溶解状態にある亜鉛
の原子比が0.001ないし2の範囲になる量で分散
させ、水素添加することを特徴とするシクロオレ
フインの製造方法を提供するものである。
本発明方法によると、例えばルテニウム触媒を
用い、ベンゼンを部分的に核水素化してシクロヘ
キセンを製造する場合、シクロヘキセンの生成速
度をあまり遅くすることなく、実用的なベンゼン
の転化率においてシクロヘキセンを高選択率で得
ることができる。またシクロヘキセン以外の副生
物は、例えばシクロヘキセンベンゼン、メチルシ
クロペンテン、メチルシクロペンタンなどや、通
常用いられている添加物の陰イオンの付加による
副生物、例えば添加物として塩化物を用いる際に
生じるクロロシクロヘキサンのような副生物はま
つたく生成しない。その上、例えば亜鉛の塩を添
加する場合に、その塩の陰イオンによつて生じる
反応器などの材質の腐食の問題も起らないという
利点もある。
本発明方法において用いるルテニウム触媒は、
ルテニウム単独又はルテニウムに他の金属を加え
たルテニウムを主成分とするものであつて、必要
に応じ担体に担持して用いることができる。この
担体としては、例えばゼオライト、アルミナ、シ
リカ、シリカアルミナ、活性炭などの通常担体と
して用いられるもの以外に、Mg、Ca、Sr、Cu、
Cd、Hg、Ti、Zr、Fe、Co、Ni、Crなどの酸化
物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩などが挙げら
れる。これらの担体の中で特にゼオライト、アル
ミナ、シリカ、シリカアルミナ、活性炭、水酸化
チタン、酸化チタンなどが好適である。
また、本発明方法に用いるルテニウム触媒の形
態については、ルテニウムを含むものであれば特
に制限がなく、例えばルテニウムブラツク、塩化
物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、水酸化
物、ルテニウムレツド、あるいは各種のルテニウ
ムを含む錯体などを用いることができ、また、こ
れらをイオン交換法、浸せき法、共沈法、乾固法
などの通常用いられている方法によつて担体に担
持して使用することもできる。
このように担体に担持させた触媒は、通常水素
又は水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホル
マリンなどの還元性物質で処理し、活性化させて
用いることも有効である。特に予め気相中で水素
処理することは有効であつて、本発明の効果をよ
り顕著にする。しかし、場合によつては、予め還
元処理せずに、そのまま用いて反応と同時に活性
化してもよいが、通常前記の還元操作によつてル
テニウム化合物の陰イオンを触媒上から除去する
ことが好ましい。さらに、この陰イオンの除去を
有効に行うため、還元操作を行うに先立つて、触
媒を空気その他で酸化したり、あるいは還元操作
が終了したのち、アルカリ水溶液や蒸留水で洗浄
することも有効である。このような陰イオンを含
まない触媒を用いると、本発明の効果はさらに向
上する。
前記のようにして処理された触媒上のルテニウ
ムは、一部若しくは全部がカチオン状態であつて
もよいが、完全に還元された金属状態であること
が望ましい。このルテニウムの担体における担持
率は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5
重量%の範囲である。
本発明方法においては、酸化亜鉛と水酸化亜鉛
の中から選ばれた成分を、部分的に核水素化が行
われる反応系に、それぞれ単独若しくはその両方
を添加して分散させて核水素化を行う。この添加
方法としては、固体を粉末状としてそのまま反応
系に添加してもよいし、水又は他の溶媒に溶解さ
せた状態で添加してもよい。また、酸化亜鉛や水
酸化亜鉛を溶解した溶液に、触媒特に担体に担持
した触媒を浸せきしたものを使用することによ
り、実施することもできる。この酸化亜鉛や水酸
化亜鉛の添加量は非溶解状態のものが、使用する
ルテニウムに対する亜鉛の原子比で0.001:1な
いし2:1、好ましくは0.01:1ないし1.5:1、
さらに好ましくは0.02:1ないし1:1になる範
囲で選ばれる。また、水が共存する反応系など
で、酸化亜鉛や水酸化亜鉛が溶解状態で存在する
場合があるが、本発明においては、このような溶
解した量については特に考慮する必要はない。し
たがつて、亜鉛の総量としては、上記の範囲の上
限値に媒質中への飽和溶解度までの量を加えた量
が上限値となる。
ところで、これまでにも酸化亜鉛を担体として
用いることは行われている(特開昭47−42645号
公報、実施例90及び105)。しかし、この場合は
175℃、17時間の反応条件下においても、転化率
は3〜4%、選択率はせいぜい53%であつて、ま
つたく実用的な効果はない。
これに対し、本発明の方法においては、酸化亜
鉛や水酸化亜鉛を活性化成分とし反応系中に分散
させた状態で用いるため、反応時間約1時間で実
用的なベンゼンの転化率を与え、かつシクロヘキ
センの選択性も高く、その効果は前記の担体とし
ての使用とはまつたく異質のものということがで
きる。
本発明においては、亜鉛を酸化亜鉛か水酸化亜
鉛として用いることが必要である。これを硫酸塩
やハロゲン化物の形で添加すると、シクロオレフ
インの選択率の高い向上効果は得られない上に、
反応器の腐食の原因となる。
本発明方法において用いる原料の単環芳香族炭
化水素としては、例えばベンゼン、トルエン、o
−、m−、p−キシレン、エチルベンゼンなどが
好ましく挙げられる。
本発明方法を実施するに当り、特に溶媒を用い
ずに部分的核水素化反応を行つてもシクロオレフ
インを得ることができるが、水やアルコールなど
を共存させることによつて、核水素化速度をより
速め、かつシクロオレフインへの選択性を高める
ことができる。この水の量としては、用いる単環
芳香族炭化水素に対して0.01〜100重量倍共存さ
せることができるが、この量が多すぎると反応器
を大きくする必要があるばかりでなく、シクロオ
レフインへの選択性をむしろ低下するなどの問題
が生じるので、好ましい量は通常0.1〜20重量倍
の範囲である。
このように、水の共存下で本発明を実施する場
合、中性、酸性又はアルカリ性のいずれでも実施
しうるが、本発明の効果をより明確にするために
は、中性又はアルカリ性で実施することが好まし
い。アルカリ性で本発明を実施する場合、公知の
アルカリ剤を共存させることが好適である。この
アルカリ剤としては、周期律表のa及びa族
金属、すなわちリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウムなどの水酸化物、酸化物及び
炭酸塩、並びにアンモニア及び水溶性の有機塩
基、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミンなどのアルキルモノアミン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミンなどのアルキレン
ジアミン、ピリジン、第四級アンモニウム塩など
が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよ
いし、2種以上組合わせて用いてもよい。
このアルカリ剤の使用量は通常0.01〜10mol/
の濃度範囲であるが、一般にアルカリ剤の濃度
が高いほど単環芳香族炭化水素の核水素化反応速
度は遅くなり、また低いほどシクロオレフインへ
の選択性が低下する傾向にあるため、好ましくは
0.1〜5mol/の濃度範囲である。
さらに、本発明方法を実施するに当り、所望に
応じ、本発明の酸化亜鉛や水酸化亜鉛以外の他の
公知の添加剤を共存させることもできる。この添
加剤としては、例えば銅、クロム、ニツケル、コ
バルト、鉄、モリブデン、アルミニウム、水銀、
チタンなどの酸化物又は水酸化物などを挙げるこ
とができる。
本発明方法における部分的核水素化反応は、通
常液相懸濁法によつて連続的又は回分的に行われ
るが、固定相法でも行うことができる。
この反応においては、一般に反応温度が低く、
かつ水素圧力も低いと、単環芳香族炭化水素の転
化率及びシクロオレフインの収率が小さく、また
反応温度が高く、かつ水素圧力も高い条件では、
単環芳香族炭化水素の転化率は大きくなるが、シ
クロオレフインの収率が小さくなる傾向にある。
この反応条件は、使用する触媒や添加物の種類や
量などを考慮して適宜選択されるが、通常水素圧
は1〜200Kg/cm2G、好ましくは10〜100Kg/cm2
の範囲であり、反応温度は室温〜250℃、好まし
くは100〜200℃の範囲である。
一方、反応時間については、原料の単環芳香族
炭化水素の転化率を大きくすると、シクロオレフ
インの選択率が低下し、シクロパラフインの副生
量が多くなるので、この副生パラフインの評価に
よつて反応時間を調節することが好ましい。また
反応時間は反応器の形式、反応温度、反応圧力、
触媒や添加物の種類や量などを考慮して適宜選択
されるが、通常数秒ないし数時間である。
本発明方法によると、単環芳香族炭化水素から
シクロオレフインを、従来法に比べて極めて簡単
なプロセスで高選択率で得ることができ、その工
業的価値は極めて高い。
次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこの実施例によつて何ら限定さ
れるものではない。
実施例 1 内容積1のかきまぜ機付きSuS316製オート
クレーブに、ベンゼン100ml、水400ml、カセイソ
ーダ10g、触媒としてルテニウムブラツク0.05g
に酸化亜鉛0.25gを入れて窒素置換後かきまぜな
がら昇温する。昇温後水素ガスを反応圧50Kg/cm2
に保つように補給し、180℃で2時間水素化反応
を行つた。
反応後、急冷して有機物層を分取し、ガスクロ
マトグラフイーで分析した結果、仕込みベンゼン
に対するベンゼンの変化率は15.1%であり、変化
したベンゼンに対するシクロヘキセンへの選択率
は55.1%であつた。
この反応系におけるカセイソーダ2.4重量%の
アルカリ水溶液への酸化亜鉛の飽和溶解度を調べ
たところ、180℃において約0.45g/(約0.18
g/400ml)であり、添加した酸化亜鉛0.25gの
約0.18gが溶解し、約0.07g(ルテニウムに対す
る亜鉛の原子比で約1.7に相当する量)が未溶解
状態で存在していたことが確認された。
比較例 1 実施例1において酸化亜鉛を用いないこと以外
は、実施例1と同様な条件で30分間水素化反応を
行つた。その結果、仕込みベンゼンに対するベン
ゼンの変化率は21.8%であり、変化したベンゼン
に対するシクロヘキセンの選択率は5.1%であつ
た。
実施例 2 触媒として以下のようにして調製したSiO2
にRu1重量%を担持させたものを使用した。
すなわち、担体にシリカ(日揮化学社製、N−
601)を用い、RuCl3・3H2O(日本エンゲルハル
ト社製)を溶解した水溶液に分散させ、3時間か
きまぜたのち静置するとルテニウムの黒褐色が消
え、吸着したことが分る。過後20mmHg、80℃
にて6時間真空乾燥したもの10gを水100mlの入
つた200mlの三つ口フラスコに分散させ窒素ガス
置換を行う。その後窒素ガスをブローしながらホ
ルマリン水溶液を添加し、1時間かきまぜたのち
窒素雰囲気中過洗浄し、20mmHg、80℃にて6
時間真空乾燥し、調製した。
次いで内容積1のかきまぜ機付SuS316製オ
ートクレーブに、前記調製した触媒10g、酸化亜
鉛0.1g(ルテニウムに対する亜鉛の原子比で約
1.2に相当する)、ベンゼン200mlを入れて窒素で
置換後、さらに水素で置換しかきまぜながら昇温
する。反応圧は70Kg/cm2に保つよう水素を補給
し、170℃30分間続けた。
反応後、急冷しガスクロマトグラフイーで分析
した結果、ベンゼンの転化率22.5%で、シクロヘ
キセンの選択率は25.3%であつた。残りはすべて
シクロヘキセンであり、メチルシクロペンテン、
メチルシクロペンタン、シクロヘキセンベンゼン
は検出されなかつた。
比較例 2 酸化亜鉛を用いないで、実施例2とまつたく同
様にして反応を行つた。その結果ベンゼンの転化
率は20.5%で、シクロヘキセンへの選択率は5.1
%であつた。残りはすべてシクロヘキセンであ
り、メチルシクロペンテン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキセンベンゼンは検出されなかつ
た。
比較例 3 実施例2における酸化亜鉛の代りに、塩化亜鉛
0.15g(ルテニウムに対する亜鉛の原子比で約
1.1に相当する)を用い、他はまつたく同様にし
て反応を行つた。その結果ベンゼンの転化率は
19.6%で、シクロヘキセンへの選択率は6.1%で
あつた。その他に、生成したシクロヘキセンに対
し、メチルシクロペンテン10.2%、メチルシクロ
ペンタン5.2%、シクロヘキシルベンゼン10.8%
が副生していた。またクロロシクロヘキサンも検
出された。
実施例 3 担体にアルミナ(ケツチエン社製)を用い、こ
れにRuCl3・3H2O(日本エンゲルハルト社製)を
溶解した水溶液に分散させ、3時間かきまぜたの
ち静置するとルテニウムの黒褐色が消失し、吸着
したことが分る。過後20mmHg、800℃にて6時
間真空乾燥したもの30gを水300mlの入つた500ml
の三つ口フラスコに分散させ窒素ガス置換を行
う。その後窒素ガスをブローしながらNaBH43g
を添加し、1時間かきまぜたのち窒素雰囲気下ろ
過、洗浄し、20mmHg、80℃で6時間真空乾燥し、
さらにこのもの10gを酸化亜鉛(和光純薬製)を
飽和溶解した水溶液に分散させ、3時間かきまぜ
たのち過し、次いで20mmHg、80℃で6時間真
空乾燥し、Ru1重量%を担持した触媒を調整し
た。
次に、前記で調整した触媒10gを用いること、
及び反応時間を15分にすること以外は、実施例2
と同様の操作を行つたところ、ベンゼンの転化率
は20.8%で、シクロヘキセンの選択率は29.3%で
あつた。残りはすべてシクロヘキサンであつた。
反応終了後内容物を取り出し、ルテニウムに対す
る亜鉛の原子比を測定したところ、約1.4であつ
た。
実施例 4 1容かきまぜ機付SuS316製オートクレーブ
に水400ml、ベンゼン100mlとRu(OH)30.5g、Zn
(OH)250mg(ルテニウムに対する亜鉛の原子比
で約0.15に相当する量を入れて窒素置換後かきま
ぜながら昇温する。昇温後水素ガスを供給しなが
ら150℃にて反応圧30Kg/cm2Gを保ちながら30分
間反応を行つた。反応後急冷して有機物層のみを
取り出しガスクロマトグラフイーにて分析したと
ころ、ベンゼン転化率15.6%、シクロヘキセン選
択率54.3%からなる結果が得られた。残りの物は
すべてシクロヘキサンであり、それ以外のものは
検出されなかつた。
実施例 5 担体にNa型Y−ゼオライト(Union Carbide
Co製SK−40)ペレツトを用い、これを粉砕して
80メツシユパスの粉体とする。これをRuCl3
3H2Oを溶解した水溶液に分散させ、かきまぜた
のち静置するとルテニウムの色が消失し、Y−ゼ
オライトに吸着したことが分る。さらに窒素ガス
をブローしながらNaBH4により常法に従つて還
元後、過水洗し真空乾燥して触媒を調製した。
次いで内容積1のかきまぜ式SuS316製オー
トクレーブに水350ml、NaOH40g、ベンゼン
100ml、及び前記触媒3.7gの他にZnO1gを入れ
て実施例3と同様な操作で反応を行つた。反応温
度は150℃、水素分圧30Kg/cm2Gにて30分間反応
させた結果、ベンゼン転化率38.6%、シクロヘキ
セン選択率64.0%、その他はシクロヘキサンであ
り、他の副生物は検出されなかつた。
この反応系におけるカセイソーダ10.3重量%の
アルカリ水溶液への酸化亜鉛の飽和溶解度を調べ
たところ150℃で約4g/(約1.4g/350ml)
であり、添加した酸化亜鉛1gは全て溶解してい
ることが確認された。
比較例 4 担体として酸化亜鉛を用い、実施例5と同様の
操作でZnO上にRu1.5重量%を担持した触媒を調
製した。
この触媒を用いること以外は、実施例5と同様
にして反応を行つたところ、ベンゼンの転化率は
わずかに1.2%であつた。
この反応系においてはZnOを担体として3.7g
使用しており、約2.3gのZnO(ルテニウムに対す
る亜鉛の原子比で約50の量に相当する)が未溶解
状態で存在していた。
比較例 5 実施例5において、触媒として実施例4と同一
のものを用い、またZnOの代りにZn原子として
同一の添加量となるようにZn3(PO42・3H2O135
mg(ルテニウムに対する亜鉛の原子比で約0.9に
相当する量)を用いること以外は、実施例5と同
一の条件で反応を行つた。その結果ベンゼン転化
率10.5%、シクロヘキセン選択率12.3%であつ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ルテニウム触媒の存在下に、単環芳香族炭化
    水素を部分的に水素添加してシクロオレフインを
    製造するに当り、反応系中に、酸化亜鉛及び水酸
    化亜鉛の中の少なくとも1種を、ルテニウムに対
    する非溶解状態にある亜鉛の原子比が0.001ない
    し2の範囲になる量で分散させ、水素添加するこ
    とを特徴とするシクロオレフインの製造方法。
JP58058936A 1983-04-04 1983-04-04 シクロオレフインの製造方法 Granted JPS59184138A (ja)

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JPS5622850A (en) * 1979-08-03 1981-03-04 Kanbara Kiyoshi Outer wall material for residence

Patent Citations (1)

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JPS5622850A (en) * 1979-08-03 1981-03-04 Kanbara Kiyoshi Outer wall material for residence

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JPS59184138A (ja) 1984-10-19

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