JPH0129158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば自動車等の車体後部のバツ
クドアにライセンスプレートを取付けるための取
付構造に関し、特にバツクドアにおける合成樹脂
製外板側へのライセンスプレート取付構造に関す
るものである。

〔従来の技術〕

近時、燃料費の節減という観点から種々の改良
を施した所謂低燃費車が要求されている。

この低燃費車はエンジン効率の向上、走行抵抗
の減少、車両重量の軽減などにより可能となる
が、なかでも車両重量の軽減は燃費向上に大きく
影響する。そこで車両の軽量化をはかるために重
い材料（特に鋼板、鋼材、鋳鉄）を軽い材料で代
替することが検討されており、その１つに自動車
のバツクドアを樹脂化する提案がある。

たとえば、面品質が良好で優れた塗装品質が得
られるＲ−RIMウレタン樹脂（Reinforced
Reaction Injection Moldingの略）によつて、
バツクドア外板を成形し、この外板に鋼板若しく
は鋼板に近い剛性を有る合成樹脂板からなる内板
を接合して構成したバツクドアなどが開発されて
いる。

そして、このように構成されたバツクドアにラ
イセンスプレートを取付ける構造においては、合
成樹脂製の外板に直にライセンスプレートが取付
けられるよう構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このようにバツクドアを構成す
る合成樹脂製外板にライセンスプレートを直に取
付けた場合には、合成樹脂製外板の剛性が鋼板に
比べて低いために自動車を悪路霜行させるとライ
センスプレートの重力の影響でこのライセンスプ
レートが取付けられた外板にびびり振動が発生す
る。また、炎天下に駐車した場合のような高温雰
囲気中では合成樹脂製外板におけるライセンスプ
レート取付部位周辺、特にライセンスプレートを
取付けるために形成された外板における取付孔周
辺がクリープ現象のために塑性変形し、締付け不
良が生ずるという問題点があつた。

そこでこの考案の目的は、ライセンスプレート
取付けによるびびり振動の発生を防止し、かつ外
板におけるライセンスプレート取付部位周辺の塑
性変形を防止するとともに、部品点数、各作業工
数及びコスト等を低減して、所謂生産性を向上す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

そのためこの考案は上述の課題を、バツクドア
を構成する剛性の高い内板の裏面側にライセンス
プレート支持部を一体形成し、この支持部に外板
と共締めしてライセンスプレートを固定すること
により、解決しようとするものである。

さらに詳しくは第１図の符号を付して説明する
と、自動車車体後部のバツクドア１が合成樹脂製
の外板２と、鋼板もしくは鋼板に近い剛性を有す
る合成樹脂板からなる内板３とによつて構成され
るとともに、バツクドア１の前記外板２側にライ
センスプレート５を取付けるようにした合成樹脂
製バツクドアのライセンスプレート取付構造にお
いて、前記バツクドア１を構成する内板２の裏面
側に、端部６１が前記外板３の裏面側に当接する
よう突出する筒状のライセンスプレート支持部６
を一体形成し、この支持部６の内端部にはナツト
７を固着して、このナツト７へのボルト８の締結
によつて前記外板３に沿わせたライセンスプレー
ト５を外板２と共締めして前記支持部６に固定し
たものである。

〔作用〕

上述の手段によれば、バツクドア１の外板２に
おけるライセンスプレート５の取付部位は剛性の
高い内板３に一体形成した筒状支持部６で支持さ
れ、しかも外板２に沿わせたライセンスプレート
５は、ボルト８及びナツト７によつてこの外板２
と共締めして剛性の高い支持部６に固定すること
ができるため、ライセンスプレート５を取付けた
ことによる外板２のびびり振動の発生を防止する
ことができるとともに、外板２におけるライセン
スプレート５の取付部位周辺の塑性変形を防止す
ることができる。

また、筒状の支持部６は内板３の裏面に一体形
成されるとともに、この筒状の支持部６の内端部
に固着したナツト７にボルト８を締結するのみで
ライセンスプレート５を確実強固に取付けること
ができるため、ライセンスプレート取付けのため
の部品点数、各作業工数及びコスト等を低減する
ことができ、所謂生産性を向上することができ
る。

〔実施例〕

以下、添付図面に基づいてこの考案の実施例を
説明する。

第１図及び第２図の図面はこの考案の実施例を
示しており、第１図は第２図の−線断面図で
ある。

第２図に示すように車体後部のバツクドア１の
下方側にはライセンスプレート５が取付けられて
おり、具体的には第１図に示すように車体後部の
バツクドア１は合成樹脂製の外板２と、鋼板若し
くは鋼板に近い剛性を有する合成樹脂板の内板３
とからなり、この内外両板３，２の周縁端部がウ
レタン接着剤４によつて接合されて構成されてい
る。

そして、このように構成されたバツクドア１の
前記外板２側にライセンスプレート５が取付けら
れている。

尚、前記バツクドア１を構成する合成樹脂製外
板２は外側の表面に塗装する関係から良好な面品
質が得られるＲ−RIMウレタン樹脂によつて成
形したものが適している。

また、内板３はバツクドア全体の剛性を確保す
るために鋼板か鋼板に近い剛性を有し、熱膨張係
数の小さい高強度SMC（Sheet Molding
Compound）、例えばガラス繊維強化ポリエステ
ル樹脂が適し、剛性の高い内板３と成つている。

ウレタン接着剤４による前記内外両板３，２の
接合は内外両板の熱伸縮差をその接着剤層におい
て吸収することが可能である。

このように構成されたライセンスプレート取付
構造であつて、第１図に示すように、バツクドア
１を構成する鋼板若しくは鋼板に近い剛性を有す
る合成樹脂板からなる剛性の高い内板３の裏面側
に、端部６１が合成樹脂製外板２の裏面に当接す
るよう突出する、例えば円筒状のライセンスプレ
ート支持部６（以下、単に支持部６と称する）を
一体形成するとともに、この支持部６の端部６１
にはボルト挿通孔６２を開口し、支持部６の内端
部（前記端部６１の裏面側）にはナツト７が溶接
等で固着されている。

また、前記支持部６のボルト挿通孔６２と前記
外板２に開口した取付孔２１とを合致させつつ、
この外板２の裏面に前記支持部６の端部６１が当
接するようにして、内外両板３，２が溶着剤４で
接接合されている。

そして、バツクドア１の外板２側にライセンス
プレート５を取付ける場合には、前記外板２の所
定部位に沿わせたライセンスプレート５のボルト
孔５１に通したボルト８を、外板２の取付孔２１
及び内板３に一体形成した支持部６のボルト挿通
孔６２に通して、前記支持部６内端部のナツト７
に締付けることにより、前記外板２に沿わせたラ
イセンスプレート５を外板２と共締めして前記支
持部６に確実強固に固定して取付けたものであ
る。

即ち、外板２に沿わせたライセンスプレート５
はこの外板２と共締めして、剛性の高い支持部６
に固定されて取付けられるものである。

したがつて、合成樹脂製外板２におけるライセ
ンスプレート５の取付部位周辺、特にボルト８挿
通用の取付孔２１周辺は、剛性の高い内板３の裏
面側に一体形成した筒状の支持部６で支持される
とともに、前記外板２に沿わせたライセンスプレ
ート５は、ボルト８及びナツト７によつて外板２
と共締めして、剛性の高い支持部６に固定するこ
とができるものである。

このため、例えば自動車を悪路走行させても合
成樹脂製外板２にライセンスプレート５を取付け
ることによるこの外板２のびびり振動の発生を防
止することができるとともに、自動車を炎天下に
駐車した場合等における高温雰囲気中でも、外板
２におけるライセンスプレート５の取付部位周
辺、特に外板２におけるライセンスプレート５の
取付孔２１周辺のクリープ現象による塑性変形を
防止することができ、締付け不良を防止すること
ができる。

また、このような機能を得るための支持部６は
内板３の裏面側に一体成形して形成することがで
きるため、この支持部６の形成等のための作業性
を大幅に向上することができるとともに、ライセ
ンスプレート５のボルト８、ナツト７による取付
部位も１箇所のみとなり、しかも前記支持部６の
内端部に固着したナツト７にボルト８を締結する
のみで、外板２に沿わせたライセンスプレート５
を確実強固に固定して取付けることができるた
め、ライセンスプレート５の取付作業性を大幅に
向上することができるものである。

したがつて、ライセンスプレート５を取付ける
ための部品点数、各作業工数及びコスト等を大幅
に低減することができ、所謂生産性を大幅に向上
することができるものである。

〔考案の効果〕

この考案は上述のように、剛性の高い内板の裏
面に一体形成した筒状のライセンスプレート支持
部を外板裏面に当接させ、ボルト及びナツトの締
結によつてこの外板を共締めしてライセンスプレ
ートをライセンスプレート支持部に固定したもの
であつて、ライセンスプレートを取付けたことに
よる外板のびびり振動の発生を防止することがで
きるとともに、外板におけるライセンスプレート
取付部位周辺の塑性変形を防止することができ
る。

また、このような機能を得るためのライセンス
プレート支持部は、内板の裏面側に一体形成され
るとともに、このライセンスプレート支持部の内
端部のナツトにボルトを締結するのみでライセン
スプレートを確実強固に取付けることができるた
め、ライセンスプレートの取付作業性を大幅に向
上することができ、しかもライセンスプレート取
付けのための部品点数、各作業工数及びコスト等
を低減することができて、所謂生産性を大幅に向
上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図の図面はこの考案の実施例を
示しており、第１図は第２図の−線断面図、
第２図は自動車車体後部の斜視図である。 １……バツクドア、２……外板、２１……取付
孔、３……内板、５……ライセンスプレート、６
……ライセンスプレート支持部、６１……端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車車体後部のバツクドアが合成樹脂製の外
   板と、鋼板もしくは鋼板に近い剛性を有する合成
   樹脂板からなる内板とによつて構成されるととも
   に、バツクドアの前記外板側にライセンスプレー
   トを取付けるようにした合成樹脂製バツクドアの
   ライセンスプレート取付構造において、前記バツ
   クドアを構成する内板の裏面側に、端部が前記外
   板の裏面側に当接するよう突出する筒状のライセ
   ンスプレート支持部を一体形成し、この支持部の
   内端部にはナツトを固着して、このナツトへのボ
   ルトの締結によつて前記外板に沿わせたライセン
   スプレートを外板と共締めして前記支持部に固定
   したことを特徴とする合成樹脂製バツクドアのラ
   イセンスプレート取付構造。