JPS6135446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車、特に乗用自動車・貨物自動車
等における乗降口用のドアに関するものである。

自動車のドアは、鋼板製の内板と外板を重ねて
中空二重に構成し、その空所内にドアサツシ、ド
アガラス、ガラス昇降器、ドアロツクなどの各種
機能品を配置するものである。

上記自動車ドアにおいて、塗装済みの鋼製内板
および外板を用い、各種機能部品を、外板と接合
する前の内板にあらかじめ組付けられ、且つ外板
と上記機能部品を組付けた内板とを、接着手段で
自動接合できるようにしたもの（例えば特開和55
−8927号公報）が知られている。

上記従来公知の自動車用ドアの内板は鋼板であ
るから、内板をプレス成形した後、内板の裏面に
機能部品組付け用締結部材を溶接したり、その締
結部材の被固着部を設ける必要がある。

またドア全体の剛性を上げるため、中に補強用
ビーム材等を入れる場合があるが、そのビーム材
を取付けるための手段を別に設ける必要がある。

本考案は、内板に対する各種機能部品の組付け
を容易にし、且つ内板と外板の自動接合を可能に
した上記従来の自動車用ドアにおける問題点を解
決することを目的とする。

すなわち中空二重構造のドアを構成する内板と
外板を各々硬質合成樹脂で成形して、内板の表面
に直接内装構造を施し、内板の裏面に各種機能部
品取付用締結部材を埋設し、外板の周縁に沿つた
内板との合せ部分に、内板接合用締結部材を板面
と直角の向きに埋設すると共に、一部の内板接合
用締結部材を、前記機能部品の一部の取付用締結
部材に兼用したことを要旨とする。

以下図面に示す実施例について構造を説明する
と、１は内板・２は外板で、共に硬質合成樹脂で
成形されている。内板１の表面には、アームレス
トＲ・ポケツトＰその他各種装備品取付け用の凹
凸部が形成され、且つ化粧層が形成されている。
内板１の車体に対する取付け側、すなわちヒンジ
側には、張出し部３１を有する鋼板製の補強板３
が、第２図に示すように内板１の裏面に埋込まれ
たボルト４とナツト５等の締結部材および接着剤
によつて固着されている。上記内板１と補強板３
の重合面に、互いにはまり合う位置決め用の凹凸
部６，７（第４図示）が形成されている。

ヒンジは図に省略したが、内板１の側面に補強
板３と共に、接着剤を併用してボルト締めされ
る。

ドアサツシ８の両端は、それぞれブラケツト９
を介して内板１にボルト４・ナツト５および接着
剤で固着されている。ヒンジ側のブラケツト９を
止めるボルト４・ナツト５は、前記補強板３を止
めるボルト・ナツトと兼用である。ドアサツシ８
が内板１および補強板３に接触する部分はすべて
接着剤で付いている。

また、図示されていないが、内板１の裏面の所
要位置に、ガラス昇降器、ドアロツクその他の機
能部品を取付けるためのボルト・ナツトとの他所
要の締結部材が埋設されている。

上記ドアサツシ８を固着した内板１の裏面凹所
内に、ドアガラス・ガラス昇降器・ドアロツク等
が、また内板１の表面にハンドル・灰皿その他の
部品が組付けられるが図に省略した。

外板２は、その周縁に沿つた内板との合せ部分
に、一定間隔置きにボルト１０等の締結部材が板
面と直角の向きに埋込まれていて、上記内板１の
裏面を覆うように重ねてボルト１０を内板１の周
縁のボルト穴に挿通させ、ナツト１１で締付け固
着されている。上記内板１と外板２の重ね合せ部
分にはスポンジ等のシール材１２を挟んでいる。

外板２の略中央には第５図・第６図に示すよう
に補強用横材１３を設けている。横材１３は高張
力鋼等の材料で形成するもので、その横材１３の
両端に設けた取付板１３１，１３２を、前記内板
１と外板２の重合固着部の間に挟み、内板接合用
のボルト１０・ナツト１１を利用して共締めして
いる。

本考案自動車のドアは上記のように、内板１に
対する各種機能部品取付用の締結部材４，５を、
内板１を硬質合成樹脂で成形する際同時に埋設し
たから、従来の鋼板製内板の裏面に、締結部材
や、その締結部材の被固着部を溶接で取付けるの
に比べて工程が簡単である。

外板２に設けた一部の内板接合用締結部材１
０，１１を、機能部品の一部の取付けに兼用した
から、その機能部品自体が持つている剛性がドア
全体の剛性向上に加担する効果がある。また締結
部材の兼用によつて機能部品取付用の締結部材の
設置数が減る。従つて組付工数が減少し、作業能
率が上がる。

さらに本考案ドアは、内板１に部品組付け作業
用穴を設ける必要がないから、その内板１を硬質
合成樹脂で成形することと相まつて内板１の表面
に直接内装構造を施すことができて内装板が要ら
ない。従つて水漏れや風漏れを減少させる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ドアを内側から見た正面図、第
２図はヒンジ側におけるサツシ取付部の拡大横断
平面図、第３図は開閉側におけるサツシ取付部の
拡大横断平面図、第４図は内板・補強板および外
板の接合前の分離状態における側面図、第５図は
第１図Ａ−Ａ線に沿う拡大縦断側面図、第６図は
補強用横材の取付部の拡大横断平面図。 １は内板、２は外板、３は補強板、４，５は補
強板および各種機能部品を内板に取付ける締結部
材（ボルト・ナツト）、８はドアサツシ、１０，
１１は内板と外板を接合する締結部材（ボルトお
よびナツト）、１３は外板の補強用横材、１３
１，１３２は補強用横材取付板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々硬質合成樹脂で成形した内板と外板で中空
   二重に構成したドアであつて、その内板の表面に
   は、内装構造が直接施され、また内板の裏面に
   は、各種機能部品取付用の締結部材が埋設され、
   外板の周縁に沿つた内板との合せ部分には、内板
   接合用の締結部材が板面と直角に埋設されている
   と共に、一部の内板接合用締結部材は機能部品の
   一部の取付けを兼ねている自動車のドア。