JPH0127597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、温度調理時に際して調理具内の調理
物温度が安定したことを報知する誘導加熱調理器
に関する。

ロ 従来の技術 誘導加熱調理器は加熱コイルに高周波電流を供
給し、この加熱コイルで高周波交番磁界を発生さ
せ、この加熱コイルにセラミツク天板を介して近
接配置された鉄系金属より成る調理具を誘導加熱
するものである。こうした誘導加熱調理器で調理
具内の調理物の温度を調節する方法としては、天
板の調理具載置部裏面にサーミスタ等の温度検出
素子を当て、この温度検出素子で検出した温度と
任意に設定される温度設定手段での設定温度とを
比較して、加熱動作の開始、停止をすることで行
つていた。このような温度制御方法は例えば実願
昭58−196404に示されている。

ハ 考案が解決しようとする問題点 ところが、上述の如く、温度制御をする場合
は、加熱動作開始時、調理具内の調理物の温度と
上記サーミスタでの検出温度にずれが生じる。こ
のため、サーミスタでの検出温度が設定温度にな
つても、調理物の温度が所望温度になつておらず
且つ一定になつていないことが起こる。従つて、
調理物の温度を正確に所望一定温度に保つことが
必要なてんぷら調理などにあつては、検出温度が
設定温度に達しただけでは調理を開始することが
できなかつた。

本考案は、調理物の温度が一定値に安定して調
理開始時期が到来したことを使用者に報知し、温
度制御を正確にすべき調理をも容易に行える誘導
加熱調理器の提供を目的とするものである。

ニ 問題点を解決するための手段 本考案では、温度制御手段の制御によつて繰り
返えされる加熱動作時間、又は加熱停止時間が一
定になつたことを検出する時間検出手段と、この
時間検出手段での検出により使用者に報知をする
報知手段が設けられている。

ホ 作用 上記時間検出手段で温度制御手段の制御により
繰り返される加熱動作時間又は加熱停止時間が一
定になつたことが検出されたとき、上記報知手段
で調理器使用者に報知を行う。これにより使用者
は調理物の温度が一定になつたことを知ることが
出来る。

ヘ 実施例 第１図は本考案誘導加熱調理器のブロツク回路
図であつて、１はスイツチング素子、誘導加熱コ
イル、共振コンデンサを含むインバータ回路を示
し、外部からの制御信号により発振状態が制御さ
れる。２は調理具載置面となるセラミツク天板
（図示せず）裏面に配されたサーミスタ等の温度
検出素子であつて、一端は抵抗３を介して定電圧
Vccに結ばれるとともに他端は接地されている。
４は上記抵抗３と温度検出素子２の接続中点を接
地するコンデンサであつて、この接続中点電圧を
平滑している。５は分圧レベルが可変な可変抵抗
を示し、一端が抵抗６を介して定電圧Vccに結ば
れるとともに他端が抵抗７を介して接地されてい
る。８は上記可変抵抗５が入力端子に結ばれ、
上記抵抗３と温度検出素子２の接続中点が入力
端子に結ばれたコンパレータであつて、その出力
は上記インバータ回路１へ発振状態を制御する制
御信号として与えられる。９は上記コンパレータ
８から出力される断続した“Ｌ”レベル信号の時
間長を計り、この時間長が一定になつたかどうか
を検出する時間検出回路であつて、具体的には、
コンパレータ８から順次送られてくる“Ｌ”レベ
ル信号長を過去２回分カウント記憶し、これ等の
信号長を比較する構成になつている。１０，１１
はこの時間検出回路９からの検出出力により、発
光及び発音される発光素子及びブザーを示し、こ
の調理器の操作板等に付設されている。

このような誘導加熱調理器において調理具をイ
ンバータ回路１の加熱コイルに近接配置させた状
態で可変抵抗５の抵抗値を所望値に調整し、イン
バータ回路１の発振動作を開始させると、最初、
温度検出素子２の検出温度が低く、その抵抗値が
低いためコンパレータ８の入力端子より入力
端子の電圧の方が高くコンパレータ８からインバ
ータ回路１へ“Ｈ”レベル信号が送られて、イン
バータ回路１は発振を継続する。これにより、調
理具が誘導加熱され、温度検出素子２の抵抗値が
上昇し、コンパレータ８の入力端子電圧の方が
入力端子電圧より高くなりコンパレータ８の出
力は“Ｌ”レベルになる。これによりインバータ
回路１は発振を停止し、調理具の加熱は停止され
て温度検出素子２での検出温度は低下する。その
後、上記抵抗３と温度検出素子２の中点電圧、及
び上記可変抵抗５からの分圧電圧の比較により、
上記コンパレータ８は“Ｈ”，“Ｌ”レベル信号を
繰り返し出力する。時間検出手段９はこの断続し
た“Ｌ”レベル信号の各々の時間長を監視し、各
“Ｌ”レベル信号の時間長がある値に安定してき
たかどうかを検出する。

まず第２図において、温度検出素子２での検出
温度イより、調理物の温度ロの立ち上がりのほう
が速い場合を考えてみる。この場合、温度検出素
子２の検出温度が最初に設定温度に達してインバ
ータ１が断続発振となつたとき、調理物の温度は
温度検出素子２の温度より高く、インバータ１が
発振を停止したときには熱が調理具を介して調理
物から温度検出素子２に向けて移動し、従つて温
度検出素子２の温度の低下の速度が遅くなる。よ
つて、インバータ１発振停止時の時間長、即ちコ
ンパレータ８の“Ｌ”レベル出力時の時間長が比
較的長くなつている。このコンパレータ８から出
力される断続的な“Ｌ”レベル信号の期間、つま
りインバータ１の発振停止期間Ａ，Ｂ，Ｃ…は、
上記調理物の温度が低下するにつれて短くなり
（同図ハ参照）、調理物の温度が所望の一定値付近
で安定すると発振停止期間も略一定値に安定す
る。上記時間検出回路９はこの“Ｌ”レベル信号
の時間長が安定したことを検出して発光素子１
０、及びブザー１１に報知信号を送る。これによ
り、発光素子１０は発光をし、ブザー１１は鳴動
して、使用者は調理物の温度が安定したことを知
る。

また、逆に第２図において温度検出素子２の検
出温度イよりも調理物の温度ニの立ち上がりのほ
うが遅い場合を考えてみると、上述とは逆にコン
パレータ８の“Ｌ”レベル出力時の時間長は初め
は比較的短くなつている。ところが、“Ｌ”レベ
ル出力時の時間長は調理物の温度が上昇するにし
たがつて長くなり、この場合でも、調理物の温度
が所望の一定値付近で安定すると発振停止期間も
略一定値に安定する。従つて、この場合でも上述
と同様に調理物の温度が所望の一定値になつたと
き発光素子１０での発光表示、及びブザー１１の
鳴動が為される。

尚、上記時間検出手段９は第３図のようにコン
パレータ８から出力される断続した“Ｌ”レベル
信号の期間長を順次計測して出力するタイマ１２
と、このタイマ１２出力を一回分遅延させる遅延
回路１３と、上記タイマ１２出力及び遅延回路１
３出力を比較してその値が一致したとき“Ｈ”レ
ベルの報知信号を出力する比較回路１４と、で簡
単に構成することが出来る。

ト 考案の効果 以上述べた如く、本考案誘導加熱調理器は温度
制御手段の制御により繰り返される加熱動作時間
又は加熱停止時間が一定になつたことを検出し
て、調理器使用者に報知を行つているので、調理
具内の調理物の温度が一定になつたことを正確に
使用者に知らしめることが出来、天ぷら等の温度
制御を正確にすべき調理が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案誘導加熱調理器のブロツク回路
図、第２図は本考案誘導加熱調理器の動作説明
図、第３図は時間検出回路のブロツク回路図であ
る。 １…インバータ回路、２…温度検出素子、５…
可変抵抗、８…コンパレータ、９…時間検出回
路、１０…発光素子、１１…ブザー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱コイルに高周波電流を供給して高周波交番
   磁界を発生させ、この加熱コイルに近接配置され
   た鉄系金属より成る調理具を誘導加熱する誘導加
   熱調理器において、上記調理具の温度を設定する
   温度設定手段と、上記調理具の温度を検出する温
   度検出手段と、この温度検出手段の検出温度と上
   記温度設定手段での設定温度を比較して加熱動作
   の開始、停止を制御して、上記検出温度と設定温
   度が等しく成るように制御する温度制御手段と、
   この温度制御手段の制御によつて繰り返される加
   熱動作時間、又は加熱停止時間が一定になつたこ
   とを検出する時間検出手段と、この時間検出手段
   で上記時間が一定になつたことが検出されたとき
   使用者に報知を行う報知手段と、から成る誘導加
   熱調理器。