JPH0127108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計の中心ねじの取付け構造に関する
ものである。

従来時計のムーブメント下ケースと文字板部を
構成する外装枠とはその中心孔に中心ねじを貫通
させて、中心ねじの突出端にナツトをねじ合わせ
ることにより取り付けていた。このために中心ナ
ツトを中心ねじの端部からねじ込んで締付けねば
ならず、締付けに時間がかかり煩雑であつた。

本考案はワンタツチで中心ねじの取り付けを可
能として操作性を向上し、低価格でかつ薄型とす
ることを目的とするものである。

本考案の構成の特徴は、中心ナツトに代えてス
ピードナツトを用い、スピードナツトの係止片を
中心ねじに係止させる構成としたことであり、さ
らにこのスピードナツトを回転させて中心ねじの
ねじ部に沿つて進入させてさらに強く締付けを可
能としたことであり、さらに外装枠との間に反撥
力を付与するばね片を設けて係止片と中心ねじと
の係止をより強力としたことである。

本考案の一実施例について説明する。第１，２
図において１は時計のムーブメント下ケースであ
り、中心孔１ａが穿設してある。外装枠２の前面
には直接時刻表示文字を形成するか、あるいは別
に文字板を貼着してあり、中心孔２ａが穿設して
ある。中心ねじ３は黄銅、プラスチツクなどで作
られており、中心孔１ａ，２ａを貫通して前面へ
突出しており、つば部３ａにより下ケース１から
脱出不能となつている。時針歯車４の時計パイプ
４ａは中心ねじ３を貫通して前面へ突出してい
る。中心ねじ３のねじ部３ｂには、鉄、スンレス
などで作られたスピードナツト５が係止してい
る。すなわち第３〜５図示のようにスピードナツ
ト５は、外装枠２の前面に対接するほぼドーナツ
状をなす対接面５ａを有し、この対接面の内周辺
から係止爪５ｂ…が前面へ傾斜して屈成させて突
設してある。スピードナツト５の外周辺には４個
の係止溝５ｃ…が穿設してあり、スピードナツト
５を回転させるための治具がこの係止溝に係止可
能である。さらにスピードナツト５の内周辺に
は、背面へ傾斜して屈成させてありかつ係止爪５
ｂよりも短かいばね片５ｄ…が突設してある。

このような構成であるので、中心ねじ３をムー
ブメント下ケース１の背面から中心孔１ａに貫通
し、外装枠２の中心孔２ａに貫通し、その前面か
ら突出するねじ部３ｂにスピードナツト５を前端
から強圧的に嵌合する。ばね片５ｄ…は短いので
ねじ部３ｂにぶつかることなく嵌合するが、係止
爪５ｂ…はねじ部３ｂを一つづつ乗り越えて嵌合
し、対接面５ａが外装枠２の前面に対接すること
によつて停止する。治具を用いて係止溝５ｃ…に
係合させ、治具を回転すると、スピードナツト５
が回転し、ばね片５ｄ…は外装枠２の面によつて
背面への屈曲状態が伸ばされながら係止片５ｂが
ねじ部３ｂに沿つてさらに進入し、ばね片が十分
に延伸したときそれ以上進み得ないで停止する。
この状態においては、ばね片５ｄ…と外装枠２と
の間の反撥力により、係止するので、中心ねじの
取り付けは極めて強力となる。

このように本考案によれば、スピードナツトを
中心ねじに強圧的に押し入れるのみにより取り付
けができるので、操作性が極めて良好であり、こ
れを回転させればその取り付けは一層強固とな
り、また外装枠に対して反撥するばね片の存在に
より、その取り付けを極めて強固なものとするこ
とができる。さらに低価格にでき、かつ薄型にす
ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は要部の縦断面図、第２図は第１図−線断面
図、第３図はスピードナツトの平面図、第４図は
第３図−線断面図、第５図は第３図−線
断面図である。 １……ムーブメント下ケース、２……外装枠、
３……中心ねじ、５……スピードナツト、５ａ…
…対接面、５ｂ……係止片、５ｃ……係止溝、５
ｄ……ばね片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 時計の下ケースと外装枠との中心を貫通する
   中心ねじと、上記外装枠の前面に対接するほぼ
   ドーナツ状をなす対接面の内周辺から内方へ上
   記中心ねじに係止する係止爪が突設してあるス
   ピードナツトとからなり、上記スピードナツト
   には、内周辺に上記外装枠との間に反撥力を付
   与するばね片が突設してあることを特徴とする
   時計の中心ねじの取付け構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、ス
   ピードナツトは外周辺にスピードナツトを回転
   させる係止溝が穿設してあることを特徴とする
   時計の中心ねじの取付け構造。